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仮面ライダーリバイス 第6話「エビルの正体!衝撃のショータイム!?」感想

努力を嗤う者を糾弾せよ

本編がドロドロしてきた中、バイスのギャグが癒しになりつつある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 不正を暴くコンビネーション

 今回のリバイス裁判を扱ったエピソード。事故を起こした加害者を確実に無罪にしてしまう弁護士から感じるデッドマンの存在を追うのが主軸の内容でした。この手のスーパー弁護士の存在を聞くとどうしても「鏡の世界で戦っていたあの人」を思い浮かべてしまいますが・・・・・・とりあえずそのネタは置いておきます。

 さて法廷の戦いながら法の話はさすがに難しいので弁護側の不正を暴くのが今回のメインでしたが、不思議と無理矢理感はありませんでしたね。弁護士の「工藤康(くどう・やすし)」がデッドマンを使って証人を脅すというかなりの力技で裁判を有利にしていた点は少々唖然となりましたが、裁判長ともグルであることが判明した時のインパクはかなりのものでした。そして工藤が一輝や原告側に証拠を提示しろと不遜な態度を取ってきた分、後半のカタルシスは大きかったです。

 他にも一輝とバイスがそれぞれ活躍する作戦で工藤を追い詰めていく展開も良かったです。金庫の中も容易く覗けたりバイスタンプを利用して物に憑依出来るバイスの特性もさることながら、冒頭ちょっとした手品を披露した一輝がバイスタンプの“すり替え”に気付くなど、2人の利点がそれぞれしっかり活かされていくのが面白かったです。戦闘以外でも見事なコンビネーションを発揮しているこのコンビがますます好きになってきますね。

 

 またこの件で工藤が「努力なんて空しいだけだ!」と言い放つシーンが印象に残りました。劇中以前はパッとしなかったものの突然躍進を果たしたとされる工藤の経歴(間違いなく躍進したタイミングでバイスタンプを手に入れていますね)を知ったうえでこの発言を聞くと、努力しても結果が伴わなかったのだろう、と想像がつきます。そう考えると一輝の「あんたは頭がいいのにどうして・・・・・・」という言葉がかなり突き刺さるものであることがよくわかりますね。栄光を手に入れるために悪魔に身を売るしかなかったと察せられるこの一連の流れは、短いながらも目に焼き付く、どこか考えさせられるものでした。

 

 

  • On the ocean 誰も狩りの途中

 

メガロドン

 

Come on!メ!ガ!ロ!ドン!

Come on!メ!ガ!ロ!ドン!

 

バディアップ!

 

潜るドンドン!

ヨーイドン!

ドボン!

 

メガロドン!!

 

通りすがりのハハハハンター!!

 

 いつの間にか手に入れていた「メガロドンバイスタンプを押印して変身した派生形態「メガロドンゲノム」。古代の海に君臨した世界最大のサメメガロドンと『仮面ライダーディケイド』がモチーフとなっています。『スーパーヒーロー戦記』の同時上映の特別短編や『仮面ライダーセイバー』の増刊号に先行登場したフォームでもあり、ついに本編にも姿を見せてくれました。(いつ手に入れたのか全く明かされていないので唐突感が激しいのがちょっと残念)

 見た目に関してはディケイドの要素が多く、顔や胸のバーコードの意匠など他のゲノムよりもライダー側のモチーフの印象を強く受けます。(それだけディケイドには特徴的な記号がある、と捉えるべきでしょうか)それでいて鋭角的な頭部や複眼や両腕に装備されたヒレなど、メガロドン(というよりはサメ)らしい部分もあって両モチーフのバランスが程よく取れたデザインになっていると思います。

 戦闘では水中の生物モチーフらしく、陸上でも泳いでいるかのような動きで戦うのが特徴的。公園のアスファルトで水しぶきを上げる姿は妙に涼やかですね。他にも両腕のヒレ型のカッターを斬りつけて攻撃と、メガロドンのイメージを損なわない激しい戦法が基本のようです。

 ちなみにリミックス変身「バイスメガロドン」は、バイスが逆立ちしてリバイがそれを受け止めるいわゆる「補助倒立」の体勢から如何にもなサメに変形します。そしてこの手のサメロボット特有の「水中の生物なのに宙に浮いたまま泳ぐ」というどこかシュールな光景を見せてくれます。今回の本編では残念ながら登場しませんでしたが、テレビでもその内活躍してほしいですね。

 

 

  • 浸食する者、その名は“陽炎”

 一方今回のもう1つの話題といえばエビルの正体。冒頭リバイ(というか一輝)にばかり執拗に攻撃してくるのでもしや・・・・・・?と思わせてからの変身者である大二の姿があっさりと判明する流れには思わず笑ってしまいました。

 しかしながら変身したのは大二本人ではなく、正確には彼に宿る悪魔「カゲロウ」であるのが大きなポイント。前回のバイスタンプ強奪事件の犯人でもあるこの悪魔は、大二の体を乗っ取ったうえで行動している非常に厄介な存在であることがラスト数分で描かれました。自身を生み出した大二を「アホ」呼ばわりしたり、本来甘党である彼とは違い激辛カレーもあっという間に平らげてしまうなど、徹底して大二とは異なっていることがこれでもかと強調されていましたね。そして服のセンスがちょっと中二病っぽい。デッドマンズ側に与するかのようなラストからも、今後は敵として一輝の前に立ちはだかるのでしょう。

 カゲロウ関連以外では、さくらが通っている空手教室にフリオが体験入門していたシーンにも驚きました。気弱そうな態度から最初はフリオとは気付かなかっただけに衝撃が大きいです。さくらに接触することで一輝たちの妨害を目的としていることは明白ですが、敵幹部がわざわざ出張ってくる辺りにデッドマンズ側が本気でリバイスを潰しにきていることがわかります。

 弟だけでなく妹までもが悪魔の魔の手に落ちようとしているこの状況、序盤ながら主人公がかなりのピンチに陥っていることにドキドキしてしまいますね。大事な家族を一挙に危険に晒してしまっている一輝に勝ち目があるのかちょっと心配です。

 

 

 というわけでリバイス6話の感想でした。一輝とバイスの仲が少しずつ良好になっていくのと同時に、彼の家族は逆に崩壊しつつある展開に思わず慄いてしまいます。一見仲が良さそうな家庭が知らず知らずのうちに壊れていく様子をじっくり見せられているだけに、真綿で首を締められているかのような息苦しさを感じますね。本作は明るそうな表面に反してその実ドロドロしている“2面性”が魅力的だと思います。

 そんな感じで本編が本編なだけに、バイスのギャグに救われた回でもありました。工藤の事務所に乗り込む時にまさかの『古畑任三郎』のモノマネを披露したり(バイスが元ネタを言おうとした時の一輝の「それ以上言っちゃダメ!」は腹筋に悪いです)、「カンガルー・デッドマン」相手にスパーリング練習みたいに振る舞ったりと彼のおふざけの数々が面白おかしいおかげで大分癒されました。上述にも書いた一輝との関係も微笑ましいですし、今後も本編の清涼剤になってくれると嬉しいですね。

 

 そして次回は謎の窃盗団との戦いが繰り広げられるようです。デッドマンを利用した犯罪者集団はいつか現れるだろうと思っていたので、どのように描かれるのか気になるところです。また大二の体で暗躍するカゲロウをどうするのかという問題に何と第3のライダーが関わってくる模様。しかも結局無実だったヒロミがようやく変身するとのことですから驚きです。次々と新戦力が投入されるこの戦況がどうなっていくのか、非常に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。