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仮面ライダーリバイス 第47話「狩崎の反乱、変身の代償」感想

突き動かされる2人の戦士

ライダーってどうしてこう……主人公が辛い目に遭ってばかりなの……!?

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  • 暴走か、それとも使命感か……?

 ギフを無事倒し、平和を取り戻した五十嵐家のシーンから始まった今回のリバイス。前回からそこそこの日数が経過したようで、それぞれ楽しそうに日常を過ごす様子に早くもほっこりさせられました。一輝やバイスがヒーローとして人気者になっていたり5話に登場したボンが真っ当にやっていたりと、一輝のこれまでの頑張りが結構報われているような光景にも嬉しくなりますね。(余談ですが劇場版の時系列は前回と今回の間らしいという情報を聞いてびっくりしてしまいました。最終回後だとばかり思っていた……)

 

 しかし狩崎の登場によって状況は一変。ギフの力を抹消しようとする彼との戦いに発展したことにハラハラさせられました。戦いが終わった後に戦士たちの力が恐れられて迫害される……といったような展開はありがちですが、それを世論とかに頼らず1人だけでやってみせようとする狩崎にはちょっと清々しさを覚えます。とはいえほぼ一方的に襲い掛かってくるなど、今回の狩崎は聞く耳持たずで暴れているのは好ましくないですね。最早バーサーカーが如く五十嵐家に対して敵意を向けてくるので、まるで別の人物のように思えてしまいます。

 ただ前回までの父親との確執を考えると、狩崎側にも同情を寄せてしまいますね。自分の人生をめちゃくちゃにした父に一矢報いたい一心で行動していると思うと、彼のことをどうにも責めきれません。後述の悪魔に頼らないライダーシステムも、父の技術の模倣ではない自分だけのライダーを開発したかったことが読み取れます。向き合う時に父親と向き合えなかったばかりにその影から抜け出せずにいる青年の末路がこれと思うと、どうにもやりきれません。

 かと思いきや狩崎の今回の暴走にはまた別の思惑が隠されていることが示唆されてびっくり。ヒロミが何かを察するシーンが用意されるなど、単なる暴走ではない可能性があることに驚愕します。それこそ悪魔の力の打倒ではないのか?とも思いましたが、個人的にはそれとは異なる使命感に突き動かされているようにも見えます。少なくとも今の狩崎は自分ではどうしようもない事実を前にして、敢えて悪役を演じているのかもしれませんね。滅といいストリウスといいこいつといい、令和ライダーのボスキャラはこんな感じの真面目な奴ばっかりだな……

 

 

  • 最強を以て悪魔を討つ、凄まじき黄金の戦士

 

ジュウガ!

 

レックス!メガロドン

イーグル!マンモス!

プテラライオン!

ジャッカル!コング!

カマキリ!ブラキオ!

 

スクランブル!


十種の遺伝子!

強き志!

爆ぜろ!

吠えろ!

 超越せよ!!

 

仮面ライダー!!

ジュウガ!!

 

Go Over. 

 

 ジョージ・狩崎が自身が開発したキメラドライバーを改修した「ジュウガドライバー」に「ジュウガバイスタンプを押印、変身した姿「仮面ライダージュウガ」。まさかの狩崎がボスキャラとして変身した姿です。悪魔の力無しで、かつ肉体的な負荷もかからない完全な戦士として開発されたらしく、父親・真澄との決別を表したようなライダーとなっています。それ故かバイスの基本ゲノムチェンジに使われた最強生物たちをモチーフとしていながら、機械的な印象を受ける姿に仕上がっています。

 左右非対称な上半身には各生物の一部を模したような装飾が見られますが、それ以上に目を引くのが黒と金の2色を基調とした全体像。少ない装飾で全体的に刺々しくなっているそのシルエットはさながらクウガ・アルティメットフォームのようです。平成ライダーのファンである狩崎の到達点が初代平成ライダークウガそっくりということには、どこか納得させられますね。

 そんなジュウガですが、戦闘では武器を使用しない徒手空拳で他ライダーを圧倒していました。エビリティライブとインビンシブルジャンヌの2人を相手にしてもほとんど怯まず攻撃してくる辺り、戦闘能力はかなりのものだと思われます。さらにこれまで開発したバイスタンプを使うことでスタンプに宿る生物、そしてライダーの力を行使してくるとんでもない技まで披露。歴代ライダーの力さえも使えてしまうことにはさすがにやりすぎな気がしますが、それも含めて狩崎の技術力の高さを実感させるライダーなのだと思いましたね。

 

 

  • 崩壊する記憶と悲しき決意

 狩崎の暴走も印象的でしたが、一輝の記憶関連のおかげでそれどころではなかった今回。一輝の記憶がどんどん失われていく中、とうとう元太父さんと幸美母さんのことすら忘れてしまったシーンで思わず絶句してしまいした。帰ってきた両親をお客さんと勘違いして対応する姿は何度見てもショッキングです。しかもバイスだけ変身すれば代償は少なく済むのではないか?と思われていた矢先にこれですから本当に救いがないです。

 家族の記憶すら失われつつある現状に悲しむ五十嵐家のシーンは見ていて胸が何度も痛みました。幸美母さんの「わかっていても受け止めきれない」という言葉に共感を覚えずにはいられません。カゲロウの等価交換の話も理解出来ますが(カゲロウなりにフォローしているつもりだと思うと微笑ましい)、正当な契約だからといってこんな辛い現実に納得がいかない家族の方に思わず肩入れしてしまいます。人間は理屈ではない、感情を最も尊ぶ存在であることを今回再確認した気分です。

 ならもう一輝とバイスを戦わせないようにしようとしても、上述の狩崎のせいでそうもいかないと色々と詰んでいるような状況に余計驚愕。一輝は弟たちの危機にじっとしていることが出来ない兄貴であることは十分にわかっていたので、ラストの覚悟したようなシーンに悲壮感を覚えました。記憶を犠牲にしてでも全てを守ろうとするお節介焼きが今後どうなってしまうのか、不安と心配が止まりません。

 

 

 そして次回はリバイスVSジュウガの戦いへと発展。片や家族のため、片や何かしらの使命のために突き動かされる一輝と狩崎の戦いの果てが気になって仕方がないです。狩崎の思惑に気が付いたっぽいヒロミが解決のカギになってくれるかもしれませんが、状況が絶望的なのであまり期待は出来ません。決意を固めた一輝とそれについていくバイスの果てに待っているものを見届けるためにも、次回は絶対に見逃せないです。

 

 

 ではまた、次の機会に。