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2022年夏アニメ簡易感想 その23

 

 

 

 ラブライブシリーズの1作『虹ヶ咲スクールアイドル同好会』。そのメインキャラクターをデフォルメで描いた四コマ漫画『にじよん』がアニメ化する情報が先日発表されました。この情報には本当に驚きました。数あるラブライブのメディアミックスの中でも人気の作品であることは何となく把握してはいたのですが、まさかアニメ化にまで至るとは……にじよん及び虹ヶ咲の人気の高さを改めて感じ取った気分です。

 このにじよんですが、僕自身ラブライブ公式YouTubeチャンネルで公開されているボイス付き漫画をいくつか見たことがあるので、それがいよいよアニメとして動くことになると思うとかなりワクワクさせられます。しかもアニメでは侑も追加されるとのことで余計にテンションが上がりました。通常の虹ヶ咲とはちょっと異なる描写も多い本作(かなしずとかいいよね……)、アニメとして早く見てみたいところです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

ポケットモンスター

第125話「セミファイナルⅣ  『衝撃』」

 3話に渡り続いたサトシVSシロナ戦もついに決着ダイマックストゲキッスを如何にして突破するのか注目していたら、予想以上にメガルカリオが頑張っていたことに驚かされました。ダイジェット3連発に耐え切った時点でかなりの快挙ですが、ダイマックス解除後も上がった素早さで翻弄してくるトゲキッスの動きを追い続けて撃破する様子には舌を巻くばかりです。このタフっぷりはサトシの根性を見事に引き継いでいると言えます。

 そしてシロナの切り札たるガブリアスとの決戦では、互いに接近しきったうえでの殴り合いが印象に残りました。守りを捨ててただただ自分の攻めを押し通す戦いぶりには、ボクシングの試合のようなギリギリのイメージを思わず抱きました。最後の一撃をぶつけ合って倒れる瞬間も含め、緊迫感が凄まじかったですね。

 そんな接戦もルカリオのおかげでサトシが何とか勝利。今回はどちらが勝つのかわからなかったので終始ハラハラさせられました。シロナのバトル引退宣言も撤回されましたし、最後まで予想のつかない勝負になっていたと思います。マスターズトーナメントの中では最も熱いバトルでしたね。

 

 

ラブライブ!スーパースター!!(2期)

第9話「勝利のために」

  サニパの2人がウィーンに敗北したという衝撃的なニュースを受ける中で、再び「勝つためにどこまで追求するか」「後輩との実力差をどうするのか」問題に向き合うことになった今回。そして未だに解決していないこの課題について、すみれと可可の大きなすれ違いが描かれていたのがポイントでした。みんなと楽しむことを優先して後輩に黙る選択をした可可に対し、彼女の帰郷問題のためにも敢えて悪者を演じるすみれに何とも言えない切なさを覚えます。

 結局のところ「1人で抱え込みすぎない」ことが重要なテーマだった今回ですが、抱え込んでいた双方の自己犠牲ぶりにやきもきさせられる内容でもありました。正直に話し合えばいいことで悩みすぎるのは問題ではあったものの、どちらも仲間たちのことを想って自分の気持ちを抑え込んでしまう様子が何ともいじらしかったです。

 それだけにクライマックスの2人の抱擁にはウルっときましたし、何より1年生の決意にもグッときました。自分たちの実力不足を何より痛感しているからこそ、送り出すことにも全く臆さないきな子たちに感心させられます。実力差に関してはまだまだ引っ張るようですが、どうにか彼女らの決意に見合った結果が出てほしいですね。

 

 

Engage Kiss

第12話「彼を信じて」

 前回カンナの「お兄ちゃんどいてそいつ殺せない」的ムーブに期待していた中、本編でお出しされたものが予想を上回っていたことに唖然。兄をたぶらかした女たちを文字通り消し去ろうとする妹のガチヤンデレっぷりには戦慄を覚えました。精神年齢3歳のままシュウと相手の女との情事&兄がクズなヒモと化していく様子を見せられたせいでこうなってしまったという理由にも納得しかありません。まさかシュウのダメ人間っぷりが今になって当人に返ってくるとは……最後の最後でラブコメらしいラスボスが君臨してきたように思えます。

 一方キサラは前回のラストでシュウに記憶を返しただけでなく、自分の記憶まで渡していた模様。しかもこれまで自分の記憶を力の代償として支払っていたことまで判明するなど、彼女の素晴らしい尽くしっぷりを見せてきたことに感動させられます。ヤンデレ悪魔としては落第レベルかもしれませんが、どこまでも一途なヒロインとして個人的な株が一気に上がりました。

 そんなキサラの想いを知ったことで、シュウが「何も失わない」ことを選んだのがまた素敵でした。自分のこれまでの道のりが犠牲ではなく、多くの人たちとの関わりで作られたものだからこその選択を取ったシュウは実にカッコよかったです。アヤノやシャロンも加わっての妹との決戦を描きつつ、キサラがシュウと同じように「手のひらのメモ」を残していた描写などもあって、盛り上がりも半端なかったです。早く次回を見たくてたまらなくなるほどの見事な引きだったと思います。

 

 

リコリス・リコイル

第12話「Nature versus nurture」

 真島戦があっさり終わったと思ったら、吉松の仕打ちとたきなの暴走に胸が痛んだ前半。人工心臓を自身に埋め込んだ吉松に狂気を覚え、彼が向けてきた残酷な2択と心臓を奪おうとするたきなの板挟みに苦しめられる千束の様子はとても辛かったです。前者は殺しの才能を活かしてほしいという親心、後者は生きてほしいという想いが感じられるだけに、完全に自分の死を受け入れている千束の姿があまりにもエグく見えてきます。鬼気迫るたきなを千束が止めるシーンなどはもう見ていられなかったです。たきなの「心臓が逃げる!!」のパワーワードっぷりにはちょっと吹き出しましたが。

 対して後半は喫茶リコリコとしての普通の依頼エピソードに。リリベルたちの強襲からフキたちを守るという至って健全な内容にギャップを覚えますが、いつも通りの華麗なアクションと軽快なトークのおかげで楽しく見られました。特にクルミが最強ハッカーとしての実力を遺憾なく発揮するシーンは結構スカッとしましたね。前回の不満だったたきなとエリカの絡みもフォローされたこともあり、個人的には満足度が高かったです。

 そしてラストは千束VS真島の一騎打ちがまたもや勃発する模様。上述の真島戦のあっさりぶりに肩透かしを喰らっただけに、ここにきて彼がラスボスを務める展開にはテンションが上がりますね。吉松の問題なども残ってはいますが、この対決をやると同時にそれらをどのように解決していくのかも気になるところです。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第95話「最大最後の逆転」 

 前回の熱いラストから一転、絶望に打ちひしがれたかのような回でした。ダイがアバンストラッシュXからのライデイン連発とポップたちが作ってくれた隙を最大限生かして反撃していたシーンは燃えたものの、自分を倒すことの無意味さを淡々と語るバーンに愕然となりました。ヒートアップしていた展開に、冷や水をかけられたかのような気分です。

 地上殲滅の真の本命である「ピラァ・オブ・バーン」の恐ろしさ、そしてバーンを倒したところで地上の崩壊は止められないという事実はあまりにも無慈悲でした。本命の作戦を隠すために自分たちの決戦の機会をも利用するバーンの策略もさることながら、自分が死んでも地上が滅ぼせればそれでいいという姿勢にゾッとさせられます。

 最後のピラァ・オブ・バーンが落とされるシーンの絶望感(落下シーンが妙に長かったのが恐怖を煽っていましたね)、そしてその事実を前に完全に心が折れるダイの姿は何とも衝撃的でした。ここまでの頑張りを全て否定されたようなものなので、諦めかけてしまっている彼らに対しては同情するほかありません。希望を打ち砕くようなとんでもない回でしたね。だからこそ、次回はポップの「あのセリフ」が輝くときなんだ……!!

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第25話「狙われたUTS」

 冒頭、ユウディアスのTシャツ化がほぼ自力だったことが明かされて仰天。あの姿はベルギャー星人特有の形態変化なのでしょうか。ロヴィアンたちが何かをしたわけではない事実には驚いたものの、まだまだユウディアスについての謎が多いことを考えると不思議と納得してしまいますね。

 それはともかく今回はUTSを買収しにきたロヴィアンとのデュエルが展開。ユウディアスのみモンスターゾーンが2つのみという重いハンデを背負う思わぬ形式になってしまったものの、果敢に立ち向かう彼の姿のおかげであまり気にならなかったです。何よりズウィージョウが託してくれた装備魔法を使う展開には燃えましたね。新エースのバニシング・ヘリアカルライザーと装備魔法のギャラクティカ・サイフォスの組み合わせはかなりカッコよかったです。

 そんな中突如宇宙から飛来した「恐怖の大王」なる存在、そしてUTS事務所の地下に隠されていた建造物「宇宙埋蔵金」など、外野では大きく話が動いていたのも印象的でした。行方をくらましていたロンドンもようやく姿を現しましたし、いよいよ今回の事件の全貌が明らかになりそうですね。

 

 

 以前触れた『幻日のヨハネ』のアニメ化情報といい、本編とは異なる作品のアニメ化も活発になってきたラブライブシリーズ。どの作品のキャラも魅力的なので、それを楽しめる作品がより求められているのかもしれないと個人的には考えています。こういったメディアミックスにも力を入れていくことで、シリーズの幅がどんどん広がっていくのはラブライブ全体にとって非常に良いことだとも思います。この調子でラブライブの世界がまだまだ広がっていくことに期待していきたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

デュエル・マスターズ WIN 第3話「D4」感想

めげないお坊ちゃまの逆襲

ボウイくんは光のライバルとしては割とまともな気がするな……

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  • 誰でも友達!なウィンの態度

 今回のデュエマWINは1話の時と同じように、ウィンVSボウイのデュエマが描かれました。前半はウィンに負けたことを悔しがるボウイの様子がこれでもかと映っており、彼へのリベンジに燃える姿がどこか微笑ましかったです。(トイレットペーパーの無駄遣いはどうかと思いましたけど)

 しかし今回はウィンのボウイへの態度が気になりましたね。早朝のデュエス*1に出演した「プリンス・カイザ」に会いたいばかりに、同じ「D4」であるボウイに紹介してもらおうと駆け寄る姿が引っ掛かりました。そのうえ「オレ前にボウイに勝ってるし今更やっても無駄」「ボウイのことなんかどうでもいい」といった発言はかなりショッキングで、これまで抱いていたウィンの快活さが予想外のところで辛辣さに裏返った印象を受けます。それでいてデュエマ中や終わった後はボウイの戦略を褒めちぎったりするなど、好意的な一面を見せてくるでちょっと困惑してしまいます。(ただ相手のカードを触る時は源さんに手渡された手袋をするシーンがちゃんとしていて素敵でしたね)

 思うにウィンは良くも悪くも他人との距離感が近いんでしょうね。誰に対しても友達のように接するせいか、自分がいいと思ったことや悪いと思ったことを正直に口にしてしまっているように感じます。それが時として、相手に対してすごく失礼な発言にとして出力されてしまうのかもしれません。今はまだまだ微笑ましいといえる段階ですが、いつかとんでもないやらかしをしてしまうのではないかとつい心配になってしまいます。

 

 

  • お坊ちゃまはくじけない!

 対してボウイの方はまともな感性を持っているように見えたのも今回のポイント。ウィンへの怒りに燃えている一方で、彼の言葉にはしっかりと受け答えをするうえ失礼な発言にもツッコむ気概を見せてくるので何だか憎めません。お金持ちであることを鼻にかける発言が多いものの嫌味なところが全くありませんし、それでもウィンに振り回されてしまう様子が実に可愛らしいとさえ思えてきました。

 またデュエマパートではウィンの墓地戦略に対抗してきた点が好印象。《緑知銀 グィムショウ》のような墓地メタカードを投入しつつ、切り札の《ドラン・ゴルギーニ》のフリーズも駆使して場にいるアビスロイヤルの動きも封じるなど、相手を好きにさせように徹底した対策を仕掛けてきたことには感心させられます。(対するウィンも《堕魔 ドゥポイズ》の自壊でアビスラッシュを発動させてきたのがまた良き)負けたのはまぐれと言いつつも、1話での敗北をきちんと活かしている様子はデュエリストとして好感が持てますね。

 そんなボウイですが、ウィンとはいがみ合いながらも何だかんだで対等な関係を築けていると思います。歴代の光文明のライバルキャラに見られた「主人公への感情の重さ」もほとんど見られない点も興味深いです。ボウイには今後もウィンと憎まれ口を叩き合いつつ、互いに切磋琢磨し合う健全なライバルでいてほしいところです。

 

 

  • 豪華な光を奔らせ進む、雷速の富豪龍

ドラン・ゴルギーニ 光文明 (4)
タマシード/クリーチャー:メカ・デル・ディネロ/スーパーカー・ドラゴン/ACE
パワー11500
▪️このタマシードが出た時、相手のクリーチャーを2体まで選んでタップする。次の相手のターンのはじめに、それらはアンタップしない。
▪️自分の光のクリーチャーまたは光のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが攻撃する時、コスト5以下のクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。その後、自分クリーチャーの数が相手のより多ければ、次の自分のターンのはじめまで、自分のクリーチャーは破壊されない。

 ボウイがウィンに対抗するために用意した新たな切り札。《アビスベル=ジャシン帝》と同じ最新レアリティ「オーバーレア」を持ったカードです。メガ・デル・ディネロに加えて「スーパーカー・ドラゴン」と「ACE」と3つの種族を持っており、それらの特徴を引き継いだユニークなクリーチャーとなっています。

 まず目に留まるのがそのビジュアル。従来のメガ・ソル・ディネロと比べても鋭いフォルムをしており、さながらミニ四駆クラッシュギアを彷彿とさせます。それでいてドラゴンが寝そべっているように見えるのがまた秀逸で、スーパーカー・ドラゴンの種族に相応しいデザインになっていると感じられますね。(名前の元ネタであるランボルギーニ」の近未来的な要素が見られるのも面白いです)

 カードとしてはタマシードとクリーチャー両方の特性を併せ持つ通称「タマシードクリーチャー(ACEクリーチャー)」であることが最大の特徴。手札や墓地などではタマシードとしてもクリーチャーとしても扱うことが出来、それぞれを参照したカードのサポートが受けられるので利便性はかなり高いです。バトルゾーンでは指定された条件を満たさない限りは普通のタマシードの扱いになりますが、逆に条件を満たせばクリーチャーとして攻撃が可能になります。タマシードの除去されにくさと、クリーチャーの攻撃出来る利点の良いとこ取りが出来る、実に優れたカードタイプと言えます。

 タマシードとしては登場時に相手2体をフリーズさせるcipが使えます。同コストに同じ効果を持つ呪文《テッケニア・スパーク》が存在しますが、使い終わった後もタマシードとして利用出来るこちらの方がより優秀に見えますね。*2その後は自身を含めた光のクリーチャーorタマシード4つの条件を満たすことで、パワー11500にしてW・ブレイカーを持つ大型クリーチャーへと変貌します。このカードを含めて光のカードが3枚必要になりますが、揃えるのはそう難しくはないかもしれません。(一方で出したターンに条件を満たしてクリーチャーになっても、召喚酔いで動けない点は頭に入れておくべきでしょう)

 クリーチャーになってからはコスト5以下のクリーチャーの踏み倒し&味方全員への破壊耐性付与を行うアタックトリガーで活躍させられます。破壊耐性は自分のクリーチャーの数が多いことが条件ではあるものの、上述のクリーチャー化の条件を満たしたうえでさらに踏み倒しを行っていればクリーチャーを5体前後揃えられるでしょう。踏み倒せるクリーチャーに関してはコスト以外制約がないため、《奇天烈 シャッフ》のようなロックをかけられるカードなどを使うのがいいかもしれません。いっそのこと劇中のように、2体目のドラン・ゴルギーニを出すのもアリかと思います。

 以上の特性から、光のクリーチャーを複数並べられるデッキなら幅広く採用される余地があるカードと言えます。ボードアドバンテージの増強・維持に優れているので、それらを最大限に活かせるデッキに入れてみたいところです。

 上述のタマシードクリーチャーの特性を活かして《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》と《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の2体の正義星帝から、ドラゴンであることを利用して《》や《龍世界 〜龍の降臨する地〜》などのカードからと踏み倒し手段はかなり豊富です。他にも破壊耐性と横並びの特性を活かして《大審絆官 イマムーグ》と組み合わせるのも面白そうです。並べるデッキを活かしたシンパシーの軽減を使えるうえ、互いの除去耐性を補い合って強固な盤面を築くことが可能です。それ以外にも組み合わせられるカードは色々とありそうなので、是非探してみたいですね。

 

 

 そして忘れてはならないのが上述でも触れたカイザの存在。彼に関しては今回、冒頭のデュエスタで少し説明された程度でしたが「最強のデュエリストにして若きIT社長」「デュエマの大会の優勝賞金で会社を運営している」といったぶっ飛んだの要素がこれでもかと詰め込まれていました。デュエマの腕に関しても、「赤司測光(あかし・そっこう)」なる強豪デュエリストをこちらが確認する暇もないほどの速攻で倒すレベルだったため開いた口が塞がらなかったです。まぁ開始する前に終わっていたという意味不明な状況は最早シュールギャグの域だったのですが……

 といった感じにとんでもない要素てんこ盛りのデュエリストだったわけですが、個人的に気になったのは彼の隣にいた謎の大男。ラストシーンでも邪神くんが「人間を超えておる」といった発言を残しており、この男が人外である可能性は極めて高いです。もしかしたらウィンにとっての邪神くんのように、この男もカイザの相棒であるクリーチャーなのかもしれません。もしやこの男が「暴竜爵」だったりして……?カイザに関しては人格も戦略についてもまだまだわからないことだらけでこれ以上考察の余地がないのですが、それでも色々と妄想を膨らませてしまいます。ウィンがカイザと対面する時を楽しみにしつつ、彼の動向に注目していきたいと思います。

 

 

 さて次回はシラハマの地で目撃される謎の珍獣「チバカブラ」を追うことになる模様。まんまチュパカブラな見た目でデュエマするうえ、負かした相手の「デュ液」なる血液を吸い取るなどツッコミどころ満載の設定に早くも笑いが止まりません。というか何で今やってる遊戯王チュパカブラネタが被るんだよ!?それ故間違いなくカオスなギャグ回になることが予想されるので、次回は肩の力を抜いてゆったりと楽しみたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:恐らくは「おはスタ」を意識した番組だと思われる。

*2:とはいえ、あちら側もインパクトカードであることや《スパーク》の名称指定が可能といった差別点が存在しているので、一概にどちらか良いとは言い切れない。

ウルトラマンデッカー 第10話「人と怪獣」感想

いつか、その「答え」を見つけてみせる

(今回の戦闘シーンを見て)ズルいよこんなのガッツホークが欲しくなっちゃうじゃん!

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  • それでも“いつか”と言い続ける

 今回のデッカーは予告通りカイザキ副隊長の主役回。サドラやチビスケキングゲスラといった他の怪獣を倒しては去っていく謎の怪獣を追っていく過程で、副隊長の人となりと信念が描かれる興味深い内容でした。まず序盤は怪獣の体液などのサンプル採取や生息地特定に力を注ぐ、怪獣専門の研究者らしい一面が何とも頼もしかったです。その一方でGUTS-SELECTの仲間たちから心配されるシーンも挿入され、隊長と同じようにみんなから慕われているのがわかったのも良かったです。(カナタたち同期3人がそれぞれ副隊長の様子を見に行くシーンがここすきポイント)

 怪獣による被害を受けた過去から怪獣についてを調べる中、人間の被害を受けた怪獣たちの存在を知ったことを話す様子も副隊長の人の良さが出ていました。人間側にばかり重きを置くことなく、彼女なりに怪獣にも目を向けていく誠実さが感じ取れます。このどちらかに寄らない姿勢には視聴者的にも好感が持てますね。

 

 そんな中、人間と怪獣の相容れない関係、その問題について触れられていたのが最大のポイントでした。謎の怪獣の正体が副隊長の恩師「シゲナカ・マキ」博士が生み出したネオメガスであることが判明すると同時に、シゲナカ博士の「怪獣を支配する」という目的と真っ向から対立する副隊長が何とも印象に残ります。「それぞれデッカーとネオメガスの手のひらに乗って対峙するシーン」は、そんな2人の相対する関係を見事に表していましたね。

 そしてシゲナカ博士に対し、副隊長が自分の考えをしっかりと伝えるシーンも印象的。人間と怪獣の共存とはいかずとも、血を流させない道を少しでも探そうとする姿勢に胸を打たれます。そして自分の想いを受け継いで、人類全体でいつか「答え」を見つけ出してみせると言ってみせた時は深い感動を覚えました。今回はウルトラマンシリーズ全体における永遠の命題を前にして、怯まず立ち向かい続けるカイザキ・サワという人物の信念を、1話通して深く知ることが出来る素晴らしいエピソードだったと思います。

 

 

  • 支配されるは悲しき怪獣兵器

 シゲナカ・マキ博士が生み出したクローン怪獣「新創獣 ネオメガス」。怪獣の化石と複数の怪獣の遺伝子を掛け合わせることによって誕生した怪獣兵器とのことで、その見た目は実にスタンダードな2足歩行怪獣に仕上がっています。ところどころ紅いボディと、白目を剥いているのが特徴的。どこか生気を感じさせない点はスフィア合成獣と似通っており、さながらスフィアが怪獣を道具にするのと全く変わらない、シゲナカ博士の所業の恐ろしさを表しているように思えます。また設定や見た目が『ダイナ』に登場したネオザルスのオマージュとも取れる点も興味深いですね。

 戦闘力は驚くべきことにデッカーを終始圧倒するほどでした。肉弾戦はおろか、高専対決でもフラッシュタイプを押しのけるほどで、ウルトラデュアルソードの攻撃にびくともしない皮膚と合わせて全く隙の無い強さを見せつけてきたことに衝撃を受けます。後述のデッカー・ストロングタイプの捨て身のドルネイドブレイカーの直撃を喰らっても、爆発する寸前までデッカーの肩に噛みつく執念深さにも驚かされました。シゲナカ博士がネオメガスの強さに確固たる自信を持っていたことにも頷ける、恐ろしい強さだったと思います。副隊長はネオメガスはもう作られないと言っていましたが、爆散時に残された棘が何とも不穏なフラグを建ててきているので油断は出来ないですね。実際Amazonとかでデッカーの玩具の情報を調べてみると明らかにヤバそうな怪獣が……

 

 

  • 剛力と翼のコンビネーションが敵を討つ

 今回忘れてはいけないのがハネジローの活躍。ネオメガスの光線をまともに喰らって大爆発……したかに見えたデッカーをガッツホークで救出するシーンには本当に驚きました。しかもガッツホークのアームでデッカーを抱え上げている姿は、まるでデッカーが巨大な翼を得たように見えてかなりカッコよかったです。ネオメガスの攻撃をガッツホークの機動力で避けつつ、攻撃をストロングタイプの一撃に任せる見事なコンビネーションにも興奮させられます。

 またハネジローがいつになく熱かったのが印象に残りました。カナタの名前を叫ぶシーンはもちろんのこと、デッカーをサポートする際の「お前は真っすぐ前だけ見てろ!!」というセリフにも驚愕しましたね。初登場時の機械的な頃とは比べ物にならないくらい、感情のこもった言葉だったように感じます。カナタとは気の置けない関係であり続けてきた影響なのかはわかりませんが、彼を助けるためにここまで成長してみせたことにはどこか感慨深いものを覚えますね。

 また怪獣を機械の如く扱うシゲナカ博士とは対照的に、機械側が自主的に力を貸すような構図になっている点もグッド。支配するのではなく共に力を合わせて戦う、何とも主人公らしい王道のカッコよさに溢れてました。今後のカナタとハネジローのコンビの活躍に期待がかかると同時に、このシーンを玩具で是非再現してみたいと考えてしまうほどの名シーンでしたね。

 

 

 そして次回はGUTS-SELECTの新戦力「テラフェイザー」がついに登場!前回アサカゲ博士が言っていたDG001の正体であろうこのロボットが頼もしい戦力になってくれるそうですが、ここまでの不穏な描写のせいでどうにも不安が拭えません。(というか怪獣の驚異への対抗策について描いた回の後にこいつを導入する辺り絶対……)

 しかもテラフェイザーの起動テストの際に怪獣が多数出現する模様。予告映像ではガゾートとグエバッサーの亜種らしき怪獣が確認出来ますが、果たしてどれだけ発生するのでしょうか。というかこいつが発生した原因ってテラフェイザーにあるのでは……?前々作の例もあって、ろくなことにならなそうだなとつい考えてしまいますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

2022年夏アニメ簡易感想 その22

 

 

www.youtube.com

 

 10月から第2クールの放送が予定されているSPY×FAMILY』の新PVが先日公開されました。僕も早速見てみたのですが、1クール目のラストから漂わせていた不穏な空気の正体が「爆弾テロ」だったことが明かされるショッキングな映像から始まったのが印象的です。アニメではそこそこ危険はあったものの全体的にコミカルなイメージがあったのですが、本格的にシリアスなスパイ要素が入ってくる予感にワクワクさせられます。また11話ラストに出てきた謎の犬が予知能力持ちという点で驚きを与えてきているのが面白いですね。

 さらに2クール目のOPを担当するのがBUMP OF CHICKEN(パンプ・オブ・チキン)さんだと知ってこれまた仰天しました。ただこちらのグループは以前から「カルマ*1といったオタク的にも馴染み深い曲をいくつも担当してきたので、今回の起用にも納得がいきますね。そんなBUMP OF CHICKENさんが手掛ける「SOUVENIR」は、上の動画を見る限りラフな感じが実に本作に似合っていると思いました。2クール目の放送に合わせて、こちらの曲も楽しみにしていたいです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※『異世界おじさん』はしばらくの間再放送のため、感想はありません。

 

 

 

 

 

RWBY 氷雪帝国

第11話「Light in shadows「向き合う者」」

 長く続いたワイスに取り憑くナイトメアとの戦いもついに決着。家族との確執や家系の誇りに縛られていたワイスですが、ネガ・ブレイクからファウナスの悲劇を知ることで自分のやるべきことに気付いていく流れが良かったですね。尊敬する祖父から教わった「人々を守る城になれ」という言葉から、結果的に自分の心を守るための帝国を崩壊させていく過程が興味深かったです。ナイトメアから解放された後の羞恥に悶える可愛い姿などを見て、やっとワイスが帰ってきたのだと実感しましたね。

 またルビーのクレセントローズの銃口が逆になっている問題がナイトメアの倒し方に通じていると判明した時は膝を打ちました。人の心の影に潜む習性を考えればなるほど!となる本体の位置に気付かせるためだったというのは中々に面白いです。ルビーも心の底のワイスの言葉の意味を知ったことで、ようやく彼女とも通じ合えたのでしょうね。

 そしてワイスもブレイクも解放されたことで、チームRWBYがついに集結したクライマックスには大興奮しました。見たかった4人のチームワークを思う存分堪能出来て、ついに……!と感動してしまいましたね。作画も非常に気合が入っておりところどころ怪しいところもありましたが……概ね満足のいく戦闘シーンが見られたと思います。

 

 

連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ

 第10話「故郷の空

 ストライクウィッチーズのおかげでガリアが解放されたものの、どこか暗い雰囲気を見せていた今回の冒頭。ルミナスウィッチーズが急に駆り出されたり、さらにはジニーの転属命令が来るなど、仕方ないとはいえ戦争中であることを自覚させてくる辛い展開が連続して見られました。(ルミナスはガリア解放後いったん解散した501の代わりにメディアに使われている感じがします)中でも崩壊した故郷・ガリアに行くかどうかで複雑な胸中を抱いていたエリーに同情を寄せてしまいます。

 しかしジニーの言葉などもあって訪れた故郷でかつての景色を再び見ることが出来たのは素敵でしたね。エリーにとっては辛い現実を見ることになっても、同時に懐かしい景色と相手の再会を果たせてよかったと感じました。疎開先に連れていけなかった猫がしっかり家族を作って生きていたことを知るシーンには不覚にもウルっときてしまいます。

 そしてモフィがとうとう仲間たちの元に戻っていったラストに驚愕。(何よりモフィが渡り鳥だったという事実にもびっくりしています……)モフィが群れに帰りたいかどうかの問いに「モフィがたくさんの未来を選べるようにしてあげたい」と答えたジニーが、決断の時に快くモフィを送り出す瞬間は実に爽やかで、それでいて悲しげでした。そのためにウィッチでなくなったもののジニー自身に後悔はあまりないのでしょうが、彼女が今後どうなってしまうのか気になって仕方がないです。

 

 

ユーレイデコ

第11話「運命は二度変わる」

 天国ことマークトゥエインに到着したベリィたちから始まった今回は、前回に続き真実に向かおうとする探偵団の奮闘が見られました。前半は何といってもベリィが両親の手助けとピンチを知る展開で、自身の情報を全て消せばいいというハックの提案に苦悩する様子が印象的でした。しかしあくまで情報は情報、ベリィがパパとママの娘である事実は消えないことを教えるハックが素敵でしたね。以前から「目で見たものが本物」であることを主張してきたハックだからこその説得力があります。

 それだけでなく、怪人ゼロとの対面でも果敢に立ち向かうハックが実にカッコよかったです。目の前の真実を掴むために逃げるのではなく、戦ってみせる辺りが彼らしいですね。怪人ゼロの仮面を剥がして素顔(?)を晒してみせるシーンは最高にテンションが上がりました。

 そしてベリィも超再現空間に突入するなど、クライマックスに向けた盛り上がりにワクワクさせられます。いつになく体を張るフィンやそんな彼らを迎えに行こうとするハックたちなど、仲間たちも自分の出来ることに動き出しているのがまた素晴らしいです。怪人ゼロを作り出したと言われる「インジャクション・ジョー」(名前の元ネタは『トムソーヤの冒険』に出てくる「インジャン・ジョー」ですね)とは何者なのかという問題もありますが、何よりベリィたちの冒険のラストが気になって仕方がないです。

 

 

風都探偵

第6話「最悪のm/白い牙」

 

【速報】フィリップ、「男♂の世界」を知る

 

 ときめとのギスギスした関係を乗り越えた矢先にこれだよ!良くも悪くも好奇心の塊と化した時のフィリップに癒される一方で、それがニチアサの枷から解き放たれるとこういうことになるのか……と色々考えてしまいました。とはいえときめ専用のスタッグフォンを作ってあげたりと、翔太郎がいなくとも2人が上手くやれている様子を見て微笑ましく感じる一幕だったと思います。

 そして前半の戦闘シーンでは前回の期待通りファングジョーカーが大活躍。アームファング(水中でのアームファングが完全にサメのヒレだった件)やショルダーファングを駆使した荒々しい戦闘スタイルに、フィリップの理知的な頭脳が加わったバトルはアニメでも健在です。何よりメガネウラの能力の謎を懇切丁寧に解き明かすシーンはこれまたフィリップらしかったです。

 実はすごく頑張っていたマジPともな子の問題も解決して一件落着……とはならず、メガネウラの男を殺害した「万灯雪侍(ばんどう・ゆきじ)」の不気味さが大きな影を残していたのも印象的でした。ダブルの力を推し量っているような行動を取り続けている彼とその仲間の目的は何なのか、まだまだ真意を掴ませない態度にゾッとしたものを覚えますね。彼が変身する「オーロラ・ドーパント」の能力がどんな恐ろしいものなのかも気になるばかりです。あと仲間のブラキオサウルスとスクリーム(悲鳴)というチョイスが如何にもヤバそう……

 

 

継母の連れ子が元カノだった

第11話「元カップルは帰省する「よく、笑う人だったかな」」

 伊理戸家の実家での帰省が描かれた今回。水斗のはとこにあたる「種里円香(たねさと・まどか)」の距離感の近いムーブに翻弄されつつ楽しむ結女と、いつも通りのそっけない態度をとる水斗の違いが早速目に焼き付きました。それでいて両親の再婚を祝う親戚一同を前にして責任感を抱くなど、例によってキョウダイでいなければならないという気持ちが先行して描かれていたのも印象に残ります。

 また今回は水斗のひいおじいさんが書き残した小説の話が興味深かったですね。ロシアでの過酷な日々を書き綴った「シベリアの舞姫」の内容については深くは描かれなかったのですが、1つの作品を必死に読み込もうと努力して結果その世界に深く感情移入出来ることこそ水斗の原点なのだと感じさせる展開は中々面白かったです。涙の跡から同じページで彼も胸打たれたのだと結女が確信するシーンも素敵の一言。

 そして水斗の初恋について結女がかつてないほど動揺する後半も大きなポイントでした。結局は勘違いだったものの、彼の初恋の相手だったかもしれない円香の明るさに自分を卑下し始める結女を見るのは辛かったですね。それ故付き合っていた頃と同じ態度で接してくれる水斗のイケメンぶりが光っていたと思います。ただ「よく笑う人=結女」だとはっきり言わなかったことには最初からそう言え!とツッコみたくなりましたが。少しずつですが、この2人がかつての関係について向き合いつつあるのかもしれないと感じさせてくれる回でした。

 

 

 スパイファミリーのアニメはOP・EDともに豪華な顔ぶれが揃っていることを実感した上述の件。それ故未だに発表されていないEDは誰が担当するのかを今からつい考えてしまいます。Official髭男dism、星野源、そしてBUMP OF CHICKENと肩を並べる以上、生半可な人はそうそう呼べないでしょう。そういったことに色々と想像を膨らませるのもまた一興ですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ゲーム『テイルズ オブ ジ アビス』の主題歌。ゲームを原作にしたアニメ版でもこちらの曲がOP曲として使用された

機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE 感想

そのガンダムは福音か

それとも呪いか

“魔女”って……“魔女”ってそういう意味かよぉ……

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 10月からの放送が控えている『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。その前日譚であるプロローグを先日視聴しました。テレビ放送はまだ先ですが、配信先のU-NEXTの無料トライアル期間を利用して見た次第です。(余談ですが同じく配信されている『風都探偵』や『サンダーバード ARE GO(シーズン2)』も見まくっています。サンダーバードは何でシーズン1を配信してないんですかね……?

 まぁ、早速見た感想ですが…………色々とショッキングな始まりでしたね。予想はしていたものの、かなり殺伐とした展開とその中で生きる主人公の境遇に絶句してしまいました。世界観の説明もしっかりと伝わってきましたし、本作におけるMS(モビルスーツ)、そしてガンダムとは何かについてもある程度理解出来ました。何よりタイトルにある「魔女」の意味についてそういうことか!と驚きを与えてくる点が面白かったです。というわけで今回は、そんな水星の魔女の始まりの物語についての感想を書いていきたいと思います。

 

※ここから先は作品の内容に触れているのでネタバレ注意!!

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  • 血塗られた魔女の誕生日

 この前日譚は何といっても主人公である「エリー(エリクト・サマヤ)」の衝撃的な「4歳の誕生日」にして「ガンダム搭乗の日」にあります。突如襲い掛かってきた武装集団から逃げるために、4歳の少女が母親と「ガンダ・ルブリス」に乗って無自覚なままに敵機を撃墜していくエリーには言葉を失いました。爆発する敵MSを見て「ロウソクみたいでキレイ」と言うシーンの何とも言えない悍ましさといったらもう……序盤で可愛く描かれたエリーのキャラクターが、無垢で無知故に戦場で残酷に映える構成には舌を巻くばかりです。

 また本作のガンダムが“異端”として扱われている点もエリーの境遇の悲惨さに拍車をかけています。詳しいことは後述で触れますが、倫理の面で問題視されているために社会から排除されてしまったガンダムの技術に、エリーが魅入られてしまったかのような描写がとても恐ろしく感じました。劇中で「呪い」と揶揄されているガンダムですが、よりにもよって幼い子どもがその力を手にしてしまうというのはあまりにもエゲつないです。世間から迫害されているガンダムの申し子となってしまったエリーは、まさしくこの世界における「異端の魔女」になってしまったというわけですね。本作のタイトルの意味を、ここで嫌というほど理解しました。

 

 そんな世界の仕組みも大人たちの思惑も、果ては大切な父親の死も知らないまま誕生日を迎えてしまったエリー。そんな彼女が本編では成長して「スレッタ・マーキュリー」と名乗り、如何なる行動を取るのかが真っ先に気になってきました。プロローグ時点では何も知らないままでしたが、数年は経ったであろう本編では少なからず自分の境遇について理解しているはずです。一見して天真爛漫そうな見た目ですが、その内面には母親によって復讐を植え付けられている可能性もあると考えるとゾッとしますね。

 今回彼女たちが暮らすフロントを襲撃した「デリング・レンブラン」が理事長を務める学園に入学する以上、少なくとも何か目的があるはずです。(あるいは何も知らないまま母親に入学させられた可能性もありますが)個人的には今回見せてきた彼女の無垢な一面が、本編でもとんでもないギャップを見せてくるのではないかと考えています。いずれにせよスレッタの物語は、こちらが予想しているよりもずっととんでもないものになりそうです。

 

 

  • 宇宙を駆る肉体、そして恐ろしき兵器

 同時に印象的だったのが本作におけるガンダムの立ち位置ガンダムタイプが他のMSと異なる扱いを受けている以上何かしらの特徴を抱えているとは思っていましたが、義肢の延長線上にある「人間のもう1つの肉体」として作られたことには驚きました。現実の拡張現実や義肢などの技術の発展を見ていると、“その内現実でもこういったものが出来そう”という絶妙なリアリティを感じさせてくれます。「GUND(ガンド)」と呼ばれる義肢の技術を兵器(アーム)に転用したが故の“ガンド・アーム=ガンダム”というネーミングセンスも中々面白いです。

 そして形式上は兵器であるものの、その真の目的が宇宙進出にある点も興味深いです。生身の肉体では耐えられないような外宇宙での活動を可能にするため、ガンダムという肉体を求めるというのは実にSFチックです。劇中で「カルド・ナボ」がこの技術を「未来」と称していたのもよくわかります。ただ乗り続けていると廃人に近づいていく欠点は如何ともしがたいですね。本作の世界で批判されていることにも納得せざるを得ない塩梅がよく出来ていると思います。

 

 そんなガンダムの実力も今回の戦闘で遺憾なく発揮されていました。ルブリスの精密な動きとビットによるオールレンジ攻撃の驚異的な性能が、激しい戦闘シーンによってこれでもかと伝わってきましたね。(個人的にはシールドが複数のビットに分裂して攻撃に移るシーンが印象的)そして先述のエリーの攻撃など、リンクさえ出来れば子どもでも簡単に敵を倒せるということも……既存のMS以上に人殺しという手段を簡略化させてしまう力には、少々複雑な気持ちを抱いてしまいます。

 福祉医療の技術を軍事に転用、体の不自由な人でも驚くべき動きが可能になる点、そして戦争の道具としての倫理問題など、とにかく様々な要素を抱えた本作のガンダムある意味で現実にも通じる世界の核心を孕んでいるまさに物語の中心にいる存在に対して不穏なものを感じつつも、確かな興奮を覚えます。こんな恐ろしい機体が、本編ではどのように受け入れられていくのでしょうか。ルブリスと本編の主人公機である「ガンダムエアリアル」との関係性も気にしながら、今後に注目していきたいですね。

 

 

 というわけでプロローグの感想でした。まさかここまでエグい始まりになるとは思っても見ませんでした。ガンダム主人公としては史上最年少となる人殺しの経験をしたエリー(スレッタ)に対しては色々と複雑な胸中を抱えてしまいます。もうこの前のPVに映る彼女を純粋な気持ちで見れなくなりましたよえぇ。

 他にも上述のガンダムの扱いにも様々なことを考えてしまいます。特に劇中でデリングが「兵器が使用者の命を脅かしてはならない」「兵器は純粋な人殺しの道具であるべき」「人と人が殺し合うことこそ、戦争という愚かしい行為の最低限の作法」といった演説でガンダムを批判していましたが、秘密裏に研究者ごと抹消しようとする為政者の言葉故に欺瞞を覚えずにはいられませんでした。個人的にはこの言葉をのたまったデリングが本編では何を企んでいるのかにも注目したいですね。

 色々語りましたが、面白かったかというとものすごく面白かったです。おかげで来月からの本編が俄然楽しみになってきました。せっかくなので本編の感想も毎回書いていきたいと考えているので、その時はこれを読んでくれている皆様にも是非読んでほしいですね。次は『水星の魔女』本編でお会いしましょう。

 

 

 ではまた、次の機会に。