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ウルトラマン タイガ 第16話「我らは一つ」感想

今よりも大きな我ら(じぶんたち)になって

炎の絆が、闇を打ち砕く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやぁ、最高に熱かった……これまでの鬱憤を晴らすかの如く大活躍するタイガと仲間たちの復活劇、見た人すべての心を熱くさせてくれる素晴らしい回でした。

 前回の感想で書いたタイガの抱える「コンプレックス」を刺激して彼を意のままに操ろうとしたトレギアに対して、ヒロユキらトライスクワッドが彼の求める「本当の強さ」を教え、共に戦う展開はベタながら実に王道を進んでおり、特撮ヒーローかくあるべし、といった内容になっています。

 

 

  • 助け合いのリレー

 今回素晴らしいと思えたのはヒロユキがタイガを助ける前に悪夢に苦しむヒロユキをE.G.I.S.のメンバーが助ける展開がある点ですね。かつてヒロユキに救われたホマレ先輩をはじめ、ヒロユキと支え合いながら戦ってきた仲間たちが彼を救うために必死に呼びかけ続けるシーンはこれまでヒロユキが積み重ねたきた人間の仲間たちとの絆を視聴者たちに実感させてくれるものに仕上がっていました。そうして目覚めたヒロユキが今度はタイタスとフーマと共にタイガを救うために動き出す、つまり「助けられた側」の人間が「助ける側」になっているわけです。これは間接的にE.G.I.S.の人間たち全員でタイガを救う展開になっているとも解釈でき、ウルトラマンシリーズに多く見られる「人間がウルトラマンを救う」お約束を見事に沿っています。

 さらにヒロユキとE.G.I.S.のメンバーが助け合ってきたことはもちろんのこと、ヒロユキがかつてタイガに助けられたことに言及しながら今度は自分がタイガを助けると決意するシーンは”人間とウルトラマンが互いに助け合い、共に戦っていく”という『メビウス』の頃から明言されてきた関係をキチンと守り、それをリレーの如く繋いでいっています。言うなれば「助け合いのリレー」という形で昇華しており、過去作をリスペクトしつつ、今作独自のアレンジを加えている温故知新ぶりには感動すら覚えました。ウルトラマンも日々新たなスタイルに挑戦しているのだと思うと、長年追っているファンとしては嬉しくなってしまいますね。

 

 

  • 真紅の四位一体

 

タイガトライブレード!!

燃え上がれ、仲間と共に!

バディーゴー!!

 

セイヤッ!

フンッ!

シュワッ!

 

俺は、ウルトラマンタイガ!

トライストリウム!!

 

 ついに登場したタイガたちトライスクワッド全員が合体したウルトラマン。父親であるタロウの後ろ姿をただ追うのではなく、仲間と共に歩む選択をしたことで手に入れた新形態です。タイガのパーソナルカラーであるをさらに強調したカラーリングになっており、よりタロウの面影を感じさせてくれます。さらに……

と、これまでのタロウと縁のある者たちを彷彿とさせるデザインが各所に散らばっており、これはタイガが仲間との絆に気付いたことを父の絆の成果を見た目に反映させることで表しているのではないかと個人的に考えています。

 戦闘面に関しては専用武器である大型剣「タイガトライブレード」を駆使した殺陣が特徴的で、オーブオリジンよろしく巨大な剣を振り回しながらのアクションはウルトラマンではまだまだ新鮮な気持ちで見られるものになっています。戦闘力もナイトファングなど過去苦戦した敵をあっという間に倒し、トレギアをついに撃破するなどこれまでとは比べ物にならないほど強くなっているのがわかります。これまで「」というテーマを幾度となく使ってきたニュージェネレーションの一つの結果がここに形を成したと言えます。(余談ですが今回トライストリムバーストを撃つ時に挿入された主題歌の歌詞が「Here we go!」で始まったのがとても好きです)

 

 

 さてこれまでタイガたちを様々な策略に嵌めて何度も辛酸を舐めさせてきたトレギアですが、今回予想外の進化を果たしたタイガに狼狽し、そのまま敗北するという結果に終わりました。視聴者たちもこれでようやくを溜飲を下げることが出来たでしょう。前回から絆という言葉に過剰に反応する「絆アレルギー」と化していましたが、その絆に敗れ、「貴様らに私の何がわかる!」と叫んで爆発していく姿にはある種の哀れさを感じました。(半年くらい前に家族の絆で合体した三兄弟に敗れた時といい、合体したウルトラマンとは相性が悪いのでしょうか?)タイガが仲間の絆という力を得たことでコンプレックスを克服したのに対し、トレギアは最後まで自分のコンプレックスとまともに向き合ってこなかったという差がここに来て表れたのではないかと考えます。

 そしてなんだかんだで生きていた霧崎は狂ったように笑いながらヒロユキの名前を口にしたことから、今度は彼をターゲットとしてロックオンしたようです。つまり今度はヒロユキが粘着されるのか……強く生きて……

 

 

 次回は久しぶりに社長にスポットが当たる模様。ヴィラン・ギルドの構成員とも久々に交戦するようで、これまで鳴りを潜めてきた組織などとも対決していくのでしょうか。あと前回出てきたチブル星人はどこにいったのでしょうか?そこらへんも気になるところです。

 

 

 ではまた、 次の機会に。