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ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀 第5話 感想

狂おしい好奇心

トレギア好きとしては文句なしの神回でしたともええ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁすごかった・・・・・・楽しみに待っていたトレギアの過去を描いた第5話、想像以上のものでした。ベースとなっているであろう『トレギア物語』とは大きく異なっているものの*1、トレギアの苦悩やタロウとのすれ違いを克明に描いていて胸が締め付けられるような気持ちでした。トレギア好きとしては彼の堕ちていくまでの物語はとても魅力的だったので今回個別感想として書いた次第です。それでは始めさせていただきます。

 

 

  • 青き星の暴走

 まず何と言ってもトレギアアーリースタイルにちょっとした衝撃を受けました。目つきの鋭さはあれど装飾も少なくシンプルなデザインの一般的なブルー族であり、体色も淡い水色と『タイガ』に出ていたトレギアとは大きく異なる姿に驚かされます。特に声が非常に爽やかな辺りが自分の知っているトレギアとは180度異なるイメージだったのでかなりびっくりしました。

 トレギアが科学技術庁でタイガスパークを作り、タロウと共に名前を考えるシーンもまた衝撃的。タロウを前にした時の声色が高くなる場面を見て彼は本当にタロウのことを慕っていたのだということがわかります。(何気にタイガの名前の由来が判明したことも印象的でしたね)

 そんな爽やかな彼が抱えるコンプレックスが何とも言えない気分にさせられます。努力しても宇宙警備隊に入れず、タロウと肩を並べて戦うことが出来ないことに歯痒さを感じる場面は見ていて胸を締め付けられました。それだけに「力がなくとも自分たちのやり方で守れるものがある」ことを教えてくれたヒカリを慕うのも当然と感じられますね。

 

 だからこそといいましょうか。ヒカリが目の前でハンターナイトツルギになる場面に出くわしたのがきっかけにどんどん闇に傾倒していく様子が印象的だったのは。尊敬していた人が復讐鬼と化す瞬間を目の当たりにして“光”というものに不信感を募らせ、タロウに対する劣等感と嫉妬を露わにする場面は本当に心打たれました。悩みを持たずに順風満帆な道を歩む親友*2に苛立ちを見せる姿には共感を覚えます。タロウもタロウでトレギアのことをかけがえのない親友だと想っている反面、彼が何に対して悩み苦しんでいるのかをまるで理解していないのが凄まじかったですね。お互いのことを想っているのは一目瞭然なのに、抱えている悩みや思想がまるで違うのが何とも悲しいです。このすれ違いがトレギアの不憫さを加速させてくれます。

 『タイガ』本編でも見せていた彼の心の弱さ、“ウルトラマン”という概念に誰よりも囚われたどん詰まりの思考を知っているとこの辺りの彼の苦悩についつい愛おしさを抱いてしまいます。(その苦悩を利用して巧みな話術で彼を仲間に引き込んだアブソリュートタルタロスの手腕にも驚かされます)ウルトラマンは完璧な光の使者」であることを信じていただけに自分で自分を追い詰めていくトレギアが本当に好きなのでこの回は特に印象に残りましたね。

 

 

 まぁ、そういうわけでトレギア大好きなメタレドとしてはこの上ない神回でした。ウルトラマンが昭和の時代の「理解出来ない神のような存在」から平成以降の「人間と共に立ってくれる親愛なる隣人」に変遷していった現代だからこそ出てきたトレギアのキャラクターは実に芸術的と言えます。それだけに彼に新たな掘り下げがなされたことに喜びを覚えます。正史とは異なりグリムドの力と仮面を手に入れることなく悪の道に堕ちた彼が今後どのような道を辿るのか、気になってしようがありません。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:前回4話にてベリアルがアブソリュートタルタロスに付いていったことで歴史が変わっている可能性がある。

*2:とはいえタロウ自身苦悩していなかったわけではないことは『タロウ』本編を見ていればわかるのだが。