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ウルトラマンタイガ 第18話「新しき世界のために」感想

この世界で生きていくためには

おのれトレギア!お前にこういったセリフ言うの何回目だ!

ウルトラ怪獣シリーズ 03 ゼットン

ウルトラ怪獣シリーズ 03 ゼットン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タイガ18話は地球に暮らす宇宙人の苦悩の物語。前回登場したミードがこの星で生きていくうえで犯罪に手を染めなくてはならなかったように、地球で肩身の狭い思いをしている宇宙人たちが描かれました。(クワトロMのシャツで争い始めるような奴らがいた前作とのギャップがすごい・・・・・・)

 冒頭でベムラーを操って社会を転覆させようとしたフック星人や、同じく地球人の社会に反旗を翻すためにゼットンを呼び出したバット星人の「小森セイジ」といった宇宙人が出てきましたが、セイジの場合初登場が地球の若者にリンチされていたり、アパートで質素な暮らしを送っている様子は同情を誘うものでしょう。彼らの苦しみや不満を見せつけることで、宇宙人側に感情移入させる描写には舌を巻きました。またセイジがゼットンを呼び出すシーンにドヴォルザークの「新世界」をBGMに流すセンスが素晴らしいです。

 そしてその上で同じ地球に暮らす宇宙人であるホマレ先輩が彼らを止めようとする展開は非常に熱かったです。「自分たちの苦しみを理解できるものなどいない」と考えているであろうセイジに地球人の理解者を得た先輩が寄り添う様子は、辛い現実にも誰かと分かり合えることが出来ると視聴者たちに語り掛けているかのようにも感じました。実際セイジには「水野ヒトミ」という恋人にして理解者がちゃんと存在しており、ラストに彼女に抱擁される場面は彼もまた1人ではないことを物語ってくれています。

 

 

  • 懐かしの初代怪獣と超絶特撮パート

 今回登場した怪獣はなんと宇宙怪獣ベムラー宇宙恐竜ゼットンという、初代『ウルトラマン』を代表する2大人気怪獣です。この2体が同じエピソードに登場するのは今回が初めてではないでしょうか。

 アバンタイトルで早速戦っていたベムラーはあっけなくタイタスにやられてしまいましたが、ゼットンは人気のラスボス怪獣なだけあって序盤タイガを圧倒する活躍ぶりを見せてくれました。登場したときはお馴染みの「ピポポポポポ」という鳴き声(?)を発しながらゆっくり動いてましたが、いざ戦闘が始まった途端猛烈にダッシュして殴りかかってくるわゴロゴロ取っ組み合いに発展するわ光輪を白刃取りするわ、ノーマルゼットンがここまで大暴れしているのはシリーズ通して初めてかもしれません。しかし光線さえもバリアで防ぐゼットンでさえも、ウルトラマン伝統芸能回ればなんとかなる」を受け継いだトライストリウムの回転しながらの物理攻撃の前には敗れ去るしかありませんでした。是非もないよネ!

 

 また何かとジオラマ・ミニチュアのクオリティの高さが話題になる本作ですが、今回は映像演出も含め、輪をかけてスゴいものが映っていました。電車内の視点から映し出されるフーマと街並みはもちろんのこと、タイガとゼットンの戦闘を背景にホマレ先輩とセイジの等身大の戦闘が平行して行われたり、ジオラマの背景に違和感なく混ざる一般人の姿など完成された特撮をこれでもかと見せつけられました。去年や一昨年の特撮も素晴らしいものでしたが、今回は明らかに更なる進化を遂げています。これほどのクオリティの特撮を毎年見れるようになったかと思うと、非常に嬉しくなってしまいますね。

 

 

 終盤はセイジの件も無事片付き、ホマレ先輩にヒロユキの正体がバレるかと思いきやなんとか誤魔化せて一安心、かと思いきや背後から先輩を撃った霧崎の姿を見たときはこれまで直接手を下すことがなかったのに突然手口を変えてきたことに驚きつつ、「おのれトレギア!」と思いました。(1話に1回は似たようなこと言ってる気がする)

 これまでチビスケや小田さんといった親しい者たちを次々と奪われてきたヒロユキの怒りもとうとう頂点に。次回は怒りに呑まれた彼をタイガたちが救うのでしょうか?そしてそんなシリアスな雰囲気に合わないデザインの新怪獣はどう活躍するのでしょうか?

 

 

 ではまた、次の機会に。