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仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ 感想

真の救世主伝説が始まる

続編をやってくれるのかどうか、そこが問題だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先日、『仮面ライダージオウ』のVシネクストであるゲイツ、マジェスティの期間限定上映を観にいきました。あの中々に衝撃的なジオウの最終回の後、学生生活を送るようになったソウゴらがどのような日々を送っていくのかが密かに気になっていたのでこの続編を非常に待ちわびていました。想定したのとは微妙に異なるものの、中々に面白い内容で最後まで楽しめました。というわけで今回はそのゲイツの物語について語ってみたいと思います。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ジオウ』というシリーズにおける今作の立ち位置は「続編」というよりも「ゲイツを主人公にした場合のスピンオフ」といった感じでした。いや平成ライダーのVシネって大体そんな感じじゃん、と思われるかもしれませんが、今作における特徴はジオウ第1話の再現にあります。ソウゴが未来からやって来たウォズと出会い、彼からベルトとウォッチを受け取ってジオウに変身していくまでの流れをゲイツでやってみた場合のifが描かれており、そこからゲイツという少年を主人公にして、彼を掘り下げるという内容に仕上がっていました。ただ今作はゲイツツクヨミがソウゴと同じ現代の学生になっている世界での話なので、序盤は完全に学園ドラマといった感じになっていてあまり仮面ライダーらしくはありません。しかし、本編が激しい戦いの連続だったからこそ、そういった日常で平和に過ごす様子を描くことで彼らの新たな魅力を引き出すことが出来たかと思います。

 

 今作のゲイツは普通の高校生であり、柔道の選手を目指しているものの、試合中に負った怪我が原因で柔道の道を諦めざるを得なくなったというスポ根漫画の主人公のような設定です。夢破れた彼がソウゴたちとぶつかり合う中で「自分は本当は何をやりたかったのか」を見つめ直す流れは良くも悪くも仮面ライダーらしくないものの、『Over Quartzer』にて何故自分が王になりたかったのかを思い出すソウゴに通じるところがあります。誰の為か何の為の夢かを問い詰め答えを導くのがジオウの物語だと考えると、今作はまさに”ゲイツを主人公とした「仮面ライダージオウ」”と言えるかもしれません。

 

 

 では以下、各キャラクターについての所感です。

 

明光院景都(ゲイツ)/仮面ライダーゲイツ

 今作における主人公。前述の通りこの世界では柔道少年で夢が叶えられなくなったことに悩みソウゴにも当たってしまう様子は実に青春映画の学生らしく、それでいて「誰かを守りたい」という願いに気付き戦う決意を固める姿は実に主人公らしかったです。一方でソウゴにに対して普段はつっけんどんな態度を取りつつも彼に危機が陥った際には命がけで助けにいくなど仲間想いの熱い一面は相変わらずなのが嬉しかったですね。

 今作で初登場のゲイツ最強形態である「ゲイツマジェスティ」は2号ライダーのウォッチを全身に貼り付けていて絶妙にダサいもののそこに目を瞑れば赤と金のカラーリングやマントなどかなりカッコいいビジュアルをしているかと思います。戦闘シーンで2号ライダーの武器を自在に取り出して操っていましたが、中でもナイトのウイングランサーを構えた姿はひと際様になっていて非常にカッコよかったです。

 

 

常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ

 我らが魔王、にして今回のヒロイン。今作ではゲイツらと同じく普通の学生として過ごすものの将来の夢は王様であることは相変わらずです。今回の脚本が毛利さん*1であるためか、普段はお気楽なように見えてどこか達観した態度でふぬけたゲイツに説教するなどの魔王ムーブをこれでもかと見せつけます。ゲイツに自分の夢をお気楽と言われても本気であることを主張する様子は本編や映画に置いて本気で王様を目指してきたからこその説得力があります。

 戦闘では以前の記憶が戻ってないのにグランドジオウを使いこなすという恐ろしさ。今回のゲストレジェンドに合わせたライダーを召喚するなどファンサービスも欠かしません。

 

 

ツクヨミ仮面ライダーツクヨミ

 今作でもソウゴとゲイツの仲を取り持つオカンのような存在感を放つツクヨミですが、ゲイツに割と厳しめの言葉を浴びせるソウゴに対して彼に優しく諭すように励ますフォローを入れてくれる名脇役として活躍します。それでいて照井のバイクに走って追いつくなどのフィジカルの強さは健在です。

 戦闘でもソウゴと同じく記憶を失ったままでも恐ろしく強くて驚きました。さらに『令和 ザ・ファーストジェネレーション』でも見せなかった必殺技を披露してくれたのは嬉しかったですね。

 

 

ウォズ仮面ライダーウォズ

 ジオウ勢で唯一前の世界の記憶を保持しているものの今回は終盤になるまで登場しませんでしたが、ゲイツマジェスティが誕生した瞬間「祝え!」ノルマを完遂するなど登場した途端一気に存在感を増していました。ゲイツが記憶を取り戻したからなのかラストには平気でソウゴたちの前にも表れるようになりましたが、今後記憶を失ったままのソウゴとどう付き合っていくのか気になるところです。

 

 

白ウォズ仮面ライダーウォズアナザーディエンド

 今作の黒幕。黒ウォズがソウゴを導いたのと同じようにゲイツを導くのかと思いきや、ゲイツの救世主の力を奪うための策略だったという真実には驚きました。しかしそれ以上に驚いたのが彼が「TV本編でスウォルツが世界を融合させようとした反動で生まれた平行世界」から来たという事実と最後に黒ウォズに吸い込まれて一体化したことですね。話と絵面が色々と衝撃的すぎて何が何だかわからないうちに終わってしまった感覚です。(あとアナザーウォッチを口に頬張りながら変身する姿には思わず吹いてしまいました)

 

 

ウールオーラスウォルツ

 本編では敵対関係にあったタイムジャッカーの面々も、今作では共に学園生活を謳歌する学生もしくは先生という立場に。意外だったのがオーラがゲイツに惚れているという点で、パパのコネを駆使して様々な形でゲイツのために尽くす様子は若干少女漫画の嫌味なクラスメイトの要素が入っていましたが、おおむねヒロインらしかったと言えます。(これでツクヨミ辺りをイジメてたら完全に少女漫画のイジメっ子だったな・・・・・・)ウールはオーラにアゴで使われるなど相変わらずの不憫なポジションでしたが、それを除けばソウゴたちと楽しく学園生活を過ごせていたと思います。そして何より面白かったのがスウォルツで、威圧的な態度でゲイツの進路相談をする場面は破壊力が高かったです。ED後に意味深に笑う姿がありましたが、何かあるに見せかけて実は何もないんだろうな・・・・・・

 

 

海東大樹/仮面ライダーディエンド

 今回の黒幕、かと思いきやそんなことはなくしかしある意味で元凶だった男。いつも通りソウゴたちのお宝を狙ってきたように見せかけて実はウォズに協力していてさらにはゲイツにマジェスティウォッチを渡してくれるなど珍しく最後まで味方でいてくれて驚きました。(士が関わらないと案外まともなんですね)それでも色々とゲイツをハメた件で彼に殴られるのですが、何故かゲイツを気に入るという相変わらずよくわからない一面を見せてくるところはいつもの海東だったと言えるかもしれません。

 

 

伊達明/仮面ライダーバース

 今回のレジェンドその1。ゲイツの担当医としてあっさり出てきて、カッシーンが最初にゲイツを襲ってきた際にもあっさり変身して助けてくれるなど後から登場するレジェンドと比べると影が薄かったのですが、後述の照井とはまた違ったベクトルで「仲間の大切さ」をゲイツたちに説くのは中々の名シーンでした。『オーズ』の頃と変わらない親しみやすい態度もあって見てて気持ちよかったです。

 

 

照井竜/仮面ライダーアクセル

 今回のレジェンドその2。今作において最もゲイツを導いてくれたレジェンドといっても過言ではなく、復讐に囚われたものの仲間にそれ以外の戦う理由を教えてもらった過去から「大事なのは誰に何が出来るかだ」という言葉をゲイツに送ってくれるのは非常に良かったです。またさらわれたソウゴを追うゲイツをバイクに乗せてくれたり、変身した彼とダブルキックを披露するなど最後までカッコよかったですね。

 

 

草加雅人/仮面ライダーカイザ

 今回のレジェンドその3。どうも本編のフォーゼ&ファイズ編での記憶があるのか海東に依頼されたからとはいえすんなりゲイツたちを助けてくれました。現在連載中の彼を主役にした漫画を読んだときにも思いましたが、真理やオルフェノクが絡まないと意外と聞き分けのいいところがあるのかもしれません。それでいて「死んでもらおうかな」といったセリフをそのまま使ってくるのは違和感があると同時にどこかおかしくてつい笑ってしまいました。

 

 

 さて今作はそのままでも十分面白かったのですが、気になったのが白ウォズが語った「平行世界」の存在と物語のラストでゲイツは以前の記憶を取り戻したものの、ソウゴとツクヨミはそのまま記憶が戻ってないという点。特に平行世界の設定はその気になればいくらでも続編を作れるので今後もジオウの続編をやるのかどうか少し気になります。今回綺麗に纏まって終わったのでこのままジオウの物語に幕を閉じるのもいいかとは思いますが、それはそれとして新しい物語をやってくれたら嬉しいですね。

 

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:今作の脚本の毛利亘宏(もうり・のぶひろ)さんはジオウのテレビ本編のサブライターであり、この人が書くソウゴは平然としながらも恐ろしい魔王らしさが出ていると専らの評判だったりします。