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仮面ライダーゼロワン 第26話「ワレら炎の消防隊」感想

命の優先順位

ゆあちゃんは一刻も早くA.I.M.S.に戻ってきて(切実)

仮面ライダーゼロワン RKF 仮面ライダー迅 バーニングファルコン

仮面ライダーゼロワン RKF 仮面ライダー迅 バーニングファルコン

  • 発売日: 2020/04/30
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 救うべき命の差

 久しぶりに始まったお仕事勝負4番目の種目は消防士対決。ということで消防士型ヒューマギア「119之助(イチイチキュウのすけ)」と消防隊隊長の「穂村武志(ほむら・たけし)」による消防士の訓練形式による対決が始まりましたが(実際の現場で勝負するんじゃなくてよかった)、今回は謎のレイダーによる襲撃によって人間の穂村隊長とヒューマギアの119之助による救助の違いが明らかになりましたね。119之助は訓練でも本物の救助活動でも同じように迅速に対応し、炎や瓦礫にも恐れることなく機械的に救助する機械ならではの安定感がありましたが、トリアージを見た際に心肺停止した人よりも他の怪我人を優先させるというこれまた機械ならではの合理的な判断を見せました。一方穂村隊長は訓練では救助者役の男女に他の隊員共々外人4コマのごとく露骨な反応を見せる良くも悪くも現金なところを見せていたのですが、実際の救助では119之助が放置した救助者の蘇生を真っ先に優先させ、一旦救助した後に彼に「救える命を諦める奴は消防士失格だ!」と叱咤する熱い一面を覗かせました。

 この両者の違いはまさに人間とAIの価値観の違いが如実に表れている非常に面白い例です。119之助は心肺停止者は既に”死んでる”と認識しており、死体を相手にするよりも今消えかけている命を救うことが先決と一見冷徹にも思えるような判断を下し、穂村隊長は心肺停止者を”まだ死んでいない”と諦めず彼の蘇生をはかりました。ここで注意するべきなのがどちらが正しくてどちらが間違った判断なのか一概には言えない点です。1人でも多くの人を一刻も早く救助するのが消防士の役目ならば、助かる見込みのない人よりもある人たちを優先する119之助の判断は実に理に適っています。しかし穂村隊長のように少しでも多くの人を救うために全力を尽くすのもまた事実。ただ今回は結果的に全員救助出来たものの、あの場で心肺蘇生をしている途中で瓦礫などが崩落していたらみんな生き埋めだった可能性も否定できないので、かなり危険な判断だったとも言えます。確実に多数を救うために少数を切り捨てるか、それとも全滅の危険性を孕んでいても全員助け出すか、それぞれの判断は状況に応じて適切であったりそうでなくなったりするので、片方が正論だとは決して言えないのは常にギリギリの綱渡りを強いられる災害現場ならではですね。ともかく、今回の件で命に対する理解が足りなかったと反省する或人と119之助がこの後どのような成長を見せるのか気になりますね。

 

 

  • 燃え上がる煉獄の不死鳥

  或人たちが人命救助に四苦八苦している一方で、滅を解放した迅は彼の思惑からも外れたような言動を見せてきました。これまで滅と共に「人類を滅亡させる」ことを考えてきた彼が「ヒューマギアを救う」と言い出した辺り、人類を滅亡させずともヒューマギアを解放させられる算段を整えているように見えます。彼の目的がアークから受信したものなのか、それとも第三者によるものなのか非常に気になるところです。

 それはともかく、滅亡迅雷.netのアジト前に深夜待機組のように待っていた不破と迅による戦闘もいよいよ開始。前回は既に変身していたので見ることが出来なかった迅の変身シーンもようやくお披露目されました。

 

インフェルノウイング!

バーンライズ!

カメーンライダー・・・カメーンライダー・・・

スラッシュライズ!

バーニングファルコン!!

 

The Strongest wings bearing the fire of hell.

 

 復活した迅が「ザイアスラッシュライザー」を使って変身した新形態、バーニングファルコン。紅蓮のボディから隼というよりも「不死鳥」を連想させるカッコよさげなビジュアルをしています。一見すると迅の基本形態であるフライングファルコンに酷似していますが、左右非対称だったフライングファルコンに対してこちらは左右対称のデザインになっているのでほぼ別物と見ていいかもしれません。戦闘においては炎を纏って飛び上がりアサルトウルフを圧倒する強さを見せつけており、非常にカッコいいです。

 しかし変身ベルトがエイムズショットライザーに似ているのに対して名前に”ザイア”が入っているのはどういうことなのでしょうか。このベルトがZAIA製なのは間違いないとして、これを迅がどうやって手に入れたのか謎は深まるばかりです。

 

 

  • 1000%の操り人形

 乱入した正体不明のレイダーのせいでお仕事勝負どころではない状況でも「ヒューマギアの危険性を証明するため」と言って119之助を暴走させるなどいつも通りやりたい放題だった垓。ぶっちゃけ人為的に暴走させておいて危険性も何もないだろとかその行動をカメラにハッキリと映されているのに白々しくしている様子とかあまりの滅茶苦茶さに呆れ果ててしまいますが、個人的には彼の命令に従う唯阿の姿に不満を感じました。

 A.I.M.S.で不破と共に活動していた頃は冷静に物事に対処する仕事人のようなカッコよさがあった彼女ですが、本来の職場であるZAIAで垓の秘書のようになってからは彼の命令に淡々と従っている操り人形のように見えてしまいます。「ヒューマギアは道具として使うべき」という考えの元行動していた時のように自分の意思を持っていた彼女は最早見る影もありません。ただ今回垓の命令に躊躇を見せる一面を覗かせた辺り、今後離反する可能性も浮上してきたのは大きな収穫です。一刻も早くかつてのカッコよかった唯阿に戻って欲しいところです。

 

 

 今回のラスト、人命が関わっている状況でもお仕事勝負の仕切り直しをしようとする垓に対し、或人や119之助、穂村隊長はそこにある命を救うためにそれぞれ全力を尽くそうとする光景はカッコいいと思うと同時に誰もが真剣に自分の使命を果たそうとする中空気を読まず勝負勝負言い続けている垓の滑稽さに思わず苦笑いしてしまいました。ともかく次回は果たして取り残された副社長たちは助かるのか、そしてレイダーの正体は何者なのか。予告で見せた迅の姿といい、見逃せないのは確かです。

 

 

 ではまた、次の機会に。