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仮面ライダーゼロワン 第31話「キミの夢に向かって飛べ!」感想

ヒューマギアはシンギュラリティの夢を見るか?

夢を持つと時々すっごい切なくなるが、時々すっごい熱くなる by猫舌なクリーニング屋

仮面ライダーゼロワン Blu-ray COLLECTION 1

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  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: Blu-ray
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ヒューマギアの夢の守り人

  飛電製作所が設立されると同時にOPの説明も変更され、いよいよ新章が始まったという気分にさせられる今回のゼロワン。第5話で登場した石墨先生とアシスタントヒューマギアのジーペンが再登場を果たしましたが、かつてヒューマギアを便利な道具のように扱い、仕事を全て任せていた石墨がジーペンをパートナーとして接し、ジーペン自身の漫画を見てみたい」という夢を持っていることに感動を覚えました。過去のゲストキャラをこのように成長させて再登場させるのは素晴らしいことだと思います。

 

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 そして今回特筆すべきなのが迅がジーペンを通じて成長していく過程が描かれたことですね。ゼアと接続出来なくなったことで何をするべきなのかがわからず、街を徘徊してしまうジーペンの様子を見てショックを受ける迅を見て様々な思いが沸き上がりました。ヒューマギアに自由になってほしい一心で行動している迅ですが、ゼアともアークとも繋がらずとも行動出来る彼にとってネットワークと繋がらなくなるだけで何も出来なくなるヒューマギアの脆い自立性は到底受け入れられるものではないでしょう。(ヒューマギアの幸福を願っているのにその訴えが誰にも届かない虚しさからつい本編の或人と重ねてしまいます)

 しかし或人の「ヒューマギアが夢を見てもいい」という主張に呼応するかのように漫画を描きたいという夢を口にしたジーペンを見て、「夢」こそがヒューマギアのシンギュラリティに繋がるかもしれないという考えに至り、彼と共闘するようになるまでの一連の流れは非常に盛り上がりました。迅自身は夢を持っていないものの、ヒューマギアが成長させてくれる夢の重要性を知った今、その夢を守ろうとする存在になる瞬間はかつて「世界中の洗濯物を真っ白にする夢」を手に入れた青年を思い出します。今回のゼロワンと迅の共闘シーンと合わせて、かなりグッとくる後半でした。

 

 

  • 揺らぐ唯阿

 今回他にも点として唯阿の動向があります。相変わらず垓の命令を聞く操り人形と化している中、或人の言葉で夢を手に入れたジーペンを見て彼の破壊をやめるという命令に違反する行動に出た時には驚きました。かつてヒューマギアを道具と言って割り切っていた彼女がこうしてヒューマギアの成長に理解を示したのことに関してどういうことなのか気になりますが、個人的に垓の道具になってしまっている今の自分とヒューマギアを重ね合わせているのではないかと思います。自分と同じように人間の言いなりになっていたヒューマギアが自身の言葉を口にした瞬間を目撃したことで”自分も今の状況から抜け出せるかもしれない”という淡い希望を知らず知らずのうちに抱いているのかもしれません。こうして書くと唯阿がZAIAを離反する可能性が一気に高まってきたように感じて期待してしまうのですが、その後の不破との一戦でアサルトウルフのキーを密かに奪取した描写など不穏な一面が同時に描かれたので、彼女が今後どのような身の振り方をするのかまだまだ予測はつきません。

 

 

 今回ゼロワンと迅の共同必殺技という燃えるポイントが非常に印象に残りましたが、同時にボロボロになりながら捨て台詞を吐いていく垓の姿もまた強烈なインパクトでした。思い通りにならない状況が続いてきたからなのか唯阿だけでなく側近のレイダー部隊にも冷たくあたるようになっていく様にどこか哀れさを感じてしまいます。小物化が止まらない1000%の明日はどっちだ?

 

 

 ではまた、次の機会に。