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ディズニー・ピクサー映画簡易感想

 

 

 新型コロナウイルスによる感染拡大防止のための外出自粛が続く中、皆様はいかがお過ごしでしょうか?僕はデュエマやゼロワンといったテレビで視聴している作品がことごとく延期しているので続きが見れずにいることにやきもきしつつ、代わりに様々な作品に触れています。現在期間限定で一挙公開されている漫画の『青の祓魔師』『プリズマ☆イリヤ』、先日金曜ロードショーで放映された映画『名探偵ピカチュウ』、テレビで新作までの繋ぎとして放映されている『家政夫のミタゾノ』『ハケンの品格』『野ブタ。をプロデュース』など、とにかく暇さえあれば興味のある作品を見まくっています。

 

 そんな中何となく見返したくなったのがディズニーのピクサー作品。以前アニメの簡易感想の方でも触れた『パディントン』といい、どうも僕は海外の子ども向け映画が好きなようです。というわけでここ最近TUTAYAで借りて見てきたピクサー作品の感想を簡単に書いてまとめました。

 

 ※それぞれ映画の内容に深く触れているため、念のためここから先はネタバレ注意!

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

トイ・ストーリー・オブ・テラー!

 『トイ・ストーリー3』の後日談である短編その1。ジェシーにスポットが当たった内容で、『2』で断片的に描かれてきた彼女の暗所恐怖症の恐ろしさに触れつつ、彼女が仲間のためにそれを克服し、成長していく様をしっかりと見せてくれた作品になっておりジェシー好きとしてはかなり面白かったです。

 タイトルにもあるようにホラー風味の作品で予告までホラー映画らしかったのですが、肝心のホラー要素が前半のみで終わり、次々と仲間を消していく影の正体が早々に明かされてしまったのは少し残念でした。しかし後半からは上述のジェシーの成長物語に加えゲストキャラであるコンバット・カールのキャラの濃さが良かったですね。(あと日本の合体ロボットおもちゃであるトランジトロンが個人的にかなりツボに入りました)他にもゲストのおもちゃたちのCMなどの映像特典も豊富で楽しかったです。ただ本編再生前に操作しておかないと本編の合間にちょくちょくCMが入る仕様になってしまうのは正直面倒くさかったですね。

 

 

トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド

 トイ・ストーリーの短編その2。こちらはボニーが元々持っていたおもちゃの1人であるトリケラトプスのトリクシーが主役の内容でした。恐竜のおもちゃなのにボニーに恐竜として扱われないことを悩んでいた彼女が自身の役に縛られたおもちゃたちに「自分たちは子どもと一緒にいれば何にでもなれる」ことを教えて悩みを吹っ切っていく展開は実に気持ち良かったです。

 そしてこの作品のもう1人の主役である「レプティラス・マキシマス」のストーリーも見どころの1つ。かつてのバズと同じように自分が本物の戦士だと信じて疑わなかったレプティラスが自分が入っていたおもちゃの箱を見て愕然とし、失意に陥っているところをトリクシーの言葉を受けて子どもたちと遊ぶことの楽しさを知っていくという流れに感動しました。「子どもと一緒に遊ぶのがおもちゃとしての幸せ」であることを改めて描いた点といい、本作は要所要所に無印『トイ・ストーリー』へのリスペクトが感じられます。

 また上述の『オブ・テラー!』と同じく映像特典が豊富でそちらも楽しめました。レプティラスの元となった作品『バトルサウルス』のOP風映像をまさかのグレンラガン』や『キルラキル』でお馴染みのTRIGGERが制作したりと驚きの要素もてんこ盛りでしたが、個人的に気に入ったのが本編でカットされたシーンですね。特にレプティラスらが本物のバトルサウルスだと思い込んでいることを知ったウッディたちが・・・・・・

 

バズ「自分がおもちゃだと気づいてないのか?なんて鈍い奴らなんだ」

ウッディ「・・・・・・それ本気で言ってる?」

 

 みたいなやりとりは1作目を見ていれば思わずニヤリと出来るので最高でした。

 

 

 カーズ/クロスロード

 『カーズ』の3作目。主役であるマックィーンの挫折と新たな世代への想いを描いた作品です。いつの間にかベテランレーサーになっていったマックィーンが次々と出てくる新型レーサーたちの台頭に焦りを感じて大事なレースでクラッシュする序盤からかなりハードな展開になっており、スポンサーに昔ながらのトレーニングこそが至高とでも言うように慣れない最新設備のトレーニングに異議申し立てをしていく様子など「旧時代に取り残されたロートルが今の世代に合わせられない姿がどれほど見苦しいか」をこれでもかと描いていて正直見ていてかなり辛かったです。(ピクサー作品はこういった”エグイ”表現が本当に上手いです)

 しかしそこからマックィーンが今は亡き師匠のドックを知る人物などの出会いを経て成長し、トレーナーの「クルーズ・ラミレス」から新たな光を見いだし彼女の大舞台をサポートしていく展開には思わず涙しました。特に同じように新世代との戦いに敗れレースの世界から去って行ったドックが1作目でマックィーンを育てていく喜びを得たように、彼もまたラミレスにレースの心得を教えていくことを生きがいにしていく(ただし現役レーサーとしてまだまだ引退はしない模様)流れは本作がテーマであろう「世代交代」への想いが感じ取れます。また本作の公開年的に、1作目を見た当時の子どもが大人になり、若者に託していくことの大切さを実感するであろう年代になっていることを狙って作られているようにも思えます。当時の子どもたちへ向けたメッセージを含めた作品としてある意味で『トイ・ストーリー3』に通じるところがありそうですね。

 

 

インクレディブル・ファミリー

 『Mr.インクレディブル』のまさかの続編。前作が2004年公開だったという事実に震えますがそれ以上にあれから14年経ってから前作の直後を描いた続きを作ることに驚きを隠せません。

 ヒーローアクション映画として前作以上にド派手になっており見ていてかなり見どころが多いです。前作で登場した超能力ヒーローが主人公一家とその友人のみだったのに対して、今回はヒーロー志望の若手の能力者がこれでもかと出てきます。そんな彼らが操られて一家と多種多様な能力を駆使したバトルを繰り広げるシーンは非常にスピーディーでカッコいいの一言。単純にヒーローがドンパチ活躍するところが見たい人にとってはかなり楽しめる内容になっていると言えるでしょう。また前作のラストで能力を発言した一家の末っ子ジャック・ジャックにまだまだ秘められた能力があり、何をしでかすかわからない赤ん坊故に度々予測不能の能力を使用していく流れは個人的にかなりハラハラしながらも楽しめましたね。

 一方でストーリーは割とゴチャゴチャした印象を受けました。母親の職場復帰と父親の家事と育児への挑戦、ヒーローに頼り切った社会に対する警鐘といった様々な問題を提起しているものの、それに対する解決案が明確に描かれないままあっさり終わってしまったのが気になります。また父の赤ん坊の問題は知り合いに世話を頼むなど、それぞれの問題をそれぞれ自分たちだけでどうにかしてしてしまっているので1つの物語として収束していないのはちょっと残念に思いましたね。

 

 

リメンバー・ミー

 いやぁ最高だった。死んだ家族の魂を奉る文化を持つメキシコを舞台に、死者の国に迷い込んだ少年の冒険物語なんですが、ここ数年のピクサー映画の中でも特に良いと感じる作品でした。

 まず舞台となる死者の国の世界観が素晴らしい。いくつもの住居を継ぎ接ぎしたかのような建物が色とりどりの光に包まれて幻想的な空間を築き上げており、一目見るだけで「ここは現実の世界とは違うんだ」と印象付けられてしまいます。そこで暮らす死者たちもガイコツ姿でいかにも人間離れしていますが、彼らの暮らしそのものはこちらの世界とほとんど同じで実に人間臭い、というのも独特の空気感を作り出しています。そして何よりも本作のテーマの1つである「音楽」と見事にマッチしていることに感動を覚えます。

 ストーリーに関してもかなり面白かったです。夢と家族との間に揺れ動く主人公の葛藤を描きながらも音楽を通じて高祖父から続く確執を解決していく流れは所々が力技ながら実に気持ちが良かったです。「死者にとっての死は忘れられること」というどこかわかるような概念を持ち出した点も死者の国に囚われるかもしれない主人公の焦りと相まって緊張感を生み出しており、大筋自体はベタながらどうなってしまうのかという気持ちにさせられて最後まで楽しめました。今回感想を書いた作品の中でも個人的に非常にオススメできる作品です。

 

 

 ピクサー映画は毎回最低限の面白さを見せてくれるのでどの作品も安心して見られる、という点において非常に優れていると言えます。何より視聴者たちに「こうあってほしい」といったポジティブなメッセージをストレートに伝えてくる内容はこちらとしても見やすくてとてもありがたいです。元気になりたい時などには特にいい作品群だと思います。これからも新作が発表されるたびに視聴していきたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。