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ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 第20話「託された願い」感想

して・・・・・・

笑顔に隠した想いにあぁ今さら気づくなんて本当バカだ

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  • 最期の別れ

 

まず一言いいですか、今回めっちゃ辛い。

 

 前回の時点でわかっていたことでしたがやはり辛かったです。過去にイヴがヒロトの目の前で消えてしまったのだろうと以前の感想で書きましたが、実際はヒロトがイヴに頼まれ彼女に手をかけるという想像の500倍はエゲツない別れが描かれて愕然としてしまいました。

 バグをその身に受け止めてGBNを守ろうとしたものの、自分自身が巨大なバグになりかけているイヴに消してほしいと頼まれるヒロトの姿は本当に苦しかったです。イヴに向けて伸ばした手を下げたヒロトがコアガンダムで彼女を撃つ瞬間などもう見ていられませんでしたよ・・・・・・この展開を思いついた人間は靖子かワニかジュビロかスタンリーの系譜か何かですか・・・・・・?

 

 

  • 空(スカイ)に手を伸ばした者地(アース)に俯き堕ちた者

 さらに恐ろしいと感じたのがこの一連のシーンがその後の真の絶望の前座に過ぎなかったことですね。イヴを手にかけた後ヒロトはアヴァロン側として第二次有志連合戦に参加し、そこで前作の主人公であるリクがオーガと共にチャンプと戦う様子を間近で見ていたことがさらなる悲劇に繋がるとは思ってもみませんでした。

 「俺たちの好きを諦めたくない!」と啖呵を切って見事サラを救い出したリクはヒロトからしたら自分が出来なかったことをやってのけた残酷な光そのもの。それを半ば逆恨みに近い激情で撃ち落とそうとする中、イヴの遺した「私のような子に会ったら助けてあげて」「誰かのために頑張れるヒロトでいてね」の言葉を思い出して地面に向けて撃つ瞬間は衝撃を受けました。大切な少女を失ったヒロトにとって唯一残された彼女との約束、それを自分自身の手で違えてしまったことこそが彼にとっての本当の絶望だったということをこの一連の流れで嫌というほど思い知りました。

 

 また今回までの過去編を見て、ヒロトとリクの最大の違いは「誰かに頼る選択をしたかどうか」に尽きると思いました。前作においてリクはサラとGBNどちらを選ぶかという選択を前にビルドダイバーズの仲間たちと共に考え、解決のために協力しあった結果が両方救うという円満なラストに繋がったのだと考えています。対してヒロトはイヴとの関係や問題を誰にも打ち明けることのないまま1人で突き進んだことが上記の絶望を味わう結果になったと考えられます。

 一応補足しておくとヒロトの交友関係自体は決して悪いものではなく、幼馴染のヒナタをはじめとしたリアルの友人たち、それに自身が所属するアヴァロンのメンバーなど(ここにきてカルナの株が上がるとは思わなんだ)彼を気にかけてくれる人たちは間違いなく存在していました。しかしヒロトは彼らに頼ることなくイヴに対する鬱屈した感情を1人で抱え込んでしまったのがまずかったのだと思います。ともあれ、大切な人を諦めずに守り抜いたリクと世界を選ばざるをえなかったヒロトこの2人はつくづく光と影ともいうべき正反対の道を行く者なのだと改めて思いましたね。

 

 

  •  その悲しみを受け止めるのは

 とまぁ悲しすぎる過去編は終わってようやく現在のパートに戻り、ここまでの過去を仲間たちに話したヒロトが自分を責める光景に移ったのがまた辛かったです。先程書いたようにヒロトにとってイヴも彼女との約束も両方守れなかった自分こそが何よりも許せない存在であることが痛いほどに伝わってきます。

 それだけに彼を抱きしめ、「好きなだけ泣けばいい」と言ってくれるメイには感動しました。ヒロトの弱さを受け止めてくれるメイだけでなく、彼にイヴとの約束を守れていることを教えてくれるフレディや自分たちが変われたと言ってくれるカザミなど、ヒロトがやってきたことは間違ってなかったと彼を肯定してくれるみんなの優しさに涙が溢れてしまいます。上に過去のヒロトは仲間に頼らなかったと書きましたが、今の彼はこうして自身の心の内を打ち明け、悲しみをさらけ出すことの出来る仲間が出来たことがよくわかります。

 そして仲間の優しさを受けたヒロトが”人の想いも願いも命も全ては繋がっている”ことに気付き、彼女の言葉の1つである「私はどこにでもいる」ことの本当に意味を知るシーンは彼だけでなく、見ている僕自身も救われました。彼女が遺した笑顔の隠されたものを知るヒロトを見て、思わず1st SeasonのOPである「リライズ」の歌詞を連想してしまうほどです。*1何はともあれ、後半のヒロトが救われる展開がなければ今回はただただ暗い話で終わるところでした。視聴している側としても心に傷を負ったままにならずに済んで本当によかったと思いますね・・・・・・!

 

 

 さて非常に重いヒロトの過去が終わりエルドラでの戦いも次回からようやく再開。今回のラストでエルドラの民を必死に守ろうとするゼルトザームが見られましたが、アルスの支配から逃れようとするシドー・マサキの安否が気がかりになります。

 そして次回はようやくヒナタのターン!ここまでエルドラのことなど全く知らずにいましたが、シドー・マサキの姉との交流を経てヒロトが関わっているものを知る機会がついにきたのでしょうか?イヴ、メイと強力なヒロインたちが目立ってきた中で彼女はヒロトのために何をしてやれるのか?少なくともヒナタの存在もまたヒロトの力になってきたことはこれまでの話で明らかなので、彼女にはヒロトを吹っ切れさせるくらいの激励をしてほしいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:冒頭の見出し(下)のことです。