新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ウルトラマンZ 第16話「獅子の声」感想

獣の雄叫び少女の叫び

セレブロくんの突然のトレギアムーブにニヤニヤが止まらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 遠い記憶の歌

 今回のZは何かと濃いキャラが話題になりがちなユカが主役のエピソード。この地球にも存在した「太平風土記*1に記されている「獅子神伝説」によると今年現れるとされている魔物ホロボロスを調査したいユカにハルキが付き合うことになり、2人の珍道中が描かれました。

 面白かったのがユカが幼少期にホロボロスに遭遇したらしいことを記憶している点。幼かったころに見たこともない生物に出会ったことがきっかけで怪獣の研究者としての道を選択したことを話すシーンは印象的でしたね。ユカの怪獣に対する異常なまでの好奇心の原点が明らかになったのはもちろん、「化け物と子ども」というシチュエーションが大好きな身としてはとても嬉しい展開で一気にユカのことが好きになりました。

 ただ突如として出現したホロボロスとの戦闘に入って以降は少し首を傾げてしまいました。というのもホロボロスが現れた理由などがはっきりしなかったためです。近代化が進み、自然がなくなった描写をしていたのでそれに対する怒りからホロボロスが目覚めたように思えましたが、その辺りもあまり触れていないため正直どういう展開だったのかが少しわかりにくかったです。ユカがひいお婆ちゃんから教えてもらった歌をヒントにホロボロスを鎮めるシーンなども伏線自体は貼っていたもののちょっと弱い印象でした。

 ただハルキが不測の事態にパニくるユカに激励を送り、彼女もそれに応えて見事活躍して見せる一連の流れは非常に良かったです。特にハルキの「まだあるはずです、ユカさんだから出来る事」「最後まで諦めないでください」といった言葉は14話で迷いを振り切った彼のことを考えるとジーンときますね。

 

 

  • 怒れる暴獣、機械の支配

 『R/B』に初登場してから久しぶりの登場となった「豪烈暴獣 ホロボロス」。当時はルーブジャイロで変身する怪獣の1体として登場したため生態などのバックボーンがほとんど不明でしたが、今回野生の個体で出演したためようやく判明しました。Zの地球において「ホロボロ様」として祀られていたことなど土地神としての側面を持っていることが描かれるなど、ようやく怪獣らしい特徴が追加されたことに感動を覚えます。

 そしてユカの奮闘のおかげで大人しく眠りについてくれると思ったところに入ったセレブロの横槍によって変異してしまったのが「寄生破滅獣 メツボロス」。ギャラクトロンMK2&ギルバリスの怪獣メダルによってそれぞれの装甲が拘束具のように装着されており、何とも言えないアンバランスさを醸し出しています。というか頭部にバイザーが装着されている点といいゾイドワイルドZERO』に出てくる帝国軍のゾイドに見えなくもないです。

 戦闘でもホロボロス以上の俊敏さを発揮したほか、これまたゾイドシリーズでお馴染みの「荷電粒子砲」をぶっ放すなど野性味満載だったホロボロスとは真逆の兵器的表現を見せまくっていて本当に驚きました。苦しそうなホロボロスといい、野生の生物を無理矢理兵器にしたようで見ていて心苦しかったですね。

 

 

 

「素晴らしい。めでたしめでたし・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「じゃねぇぇぇぇぇぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!!

借りパク野郎がぁぁぁぁぁぁ!!!

ベリアルメダル・・・・・・返せぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 そして今回最もインパクトがあったのはやはりセレブロですね。冒頭のいくら生成しても同じメダルばかり出てくることに悶えるシーンはもちろんのこと、ベリアルメダルを借りパクされたままのことに怒ってホロボロスを暴走させるシーンには衝撃を受けました。まるで課金してガチャしまくってもNとかRしか出てこないことに苛立つ人のようです。SSRであるベリアルメダルをいつまで経っても返してもらえないのが許せない気持ちもわからなくはないですが、そもそもベリアルメダル自体リクのベリアル因子を奪って作ったものなので最初に借りパクしたのはこいつという・・・・・・何なんだこいつは。

 でもここ最近影が薄かった彼がこうして感情をむき出しにして物語に関わってくることに喜びを感じている自分もいます。特に無事解決しそうな状況に割って入って話をややこしくしていく流れは見ていて「こいつ何でいきなりトレギアみたいなことしてるの・・・・・・・・・・・・好き!!」となりました。さすがにトレギアレベルまでやれとは言いませんが、本作の悪役を担う以上キチンと物語に関わってほしいというのが正直な気持ちです。ここにきてようやくキャラが立ってきたセレブロの今後の活躍に期待したいです。

 

 

 さすがに前回の非常に熱い展開に比べるとパンチが弱く感じる回でしたが、一方でユカやセレブロたちの掘り下げがなされた点は良かったですね。既存のキャラクターの魅力をさらに引き出せるいい機会にもなりますし、たまにはこういう回もいいものです。

 

 しかしラスト突然空から落ちてきた謎のシルエット、バロッサ星人の登場には意表を突かれました。10話にて最初に出てきた個体がやられる寸前に「俺の弟たちがきっと仇を討つ」みたいなことを言っていましたが、こんな早いタイミングで来るとは思いもしませんでした。というか弟は9999人いるらしいんですが、他の9998人はどこにいるんですかね・・・・・・?

 というわけで次回はバロッサ星人との対決。ベリアロクを狙ってきたとのことで次回予告を見てみたら、まさかのベリアロクが自分からバロッサ星人の手に渡る展開には驚きました。ベリアロクが何を考えているのか非常に気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:劇中に登場する怪獣のことなど大昔の伝承が記された古文書。『ウルトラマンX』以降『オーブ』『ジード』などのニュージェネレーション作品に度々登場している。