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ウルトラマンZ 第24話「滅亡への遊戯」感想

醜悪なる力に立ち向かえ

セレブロ君、ようやく悪役らしい大物になれて良かったね・・・・・・

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 134 デストルドス

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 134 デストルドス

  • 発売日: 2020/12/12
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 無幻魔人の思惑と人情

 前回のラストでついにその正体をハルキに晒したヘビクラ隊長、もといジャグラーの目的がようやく判明。人間たちにウルトラマンに匹敵する戦力を作らせて、それを奪うという思っていたよりもシンプルな内容に少々驚きました。しかし防衛隊に籍を置いてまでこの計画を進めていた動機にはハッとしましたね。はっきりと名言されたわけではないですが、彼が語った「大きな樹を切り倒した」というのは間違いなく『THE ORIGIN SAGA』での一件を指していると思われます。

 自分の信じる「正義」を否定した彼らの「正義」が如何に危ういかを知らしめるためにここまでやったというのはかつて光を求めたジャグラーらしく、とても納得がいきました。ウルトラ戦士たちの力も使い方を誤ればどれだけ危険な物かをいうことを証明しようと躍起になる姿は過去の彼を知っていると不思議と共感を覚えます。(”相手の信じるものを否定したかった“という点では『タイガ』のトレギアと少々似ているのが興味深いですね)

 しかしそんなジャグラーも長官の体を乗っ取っていたセレブロ、さらにゼットとの三つ巴の戦いの最中、倒れたハルキを庇ってくれたシーンには感動しました。さらには今回のラストでユカをはじめとしたSTORAGEの仲間たちを集めてハルキと共に戦おうとする姿勢を見せるなど、魔人ジャグラーではなく、STORAGEの隊長ヘビクラ・ショウタとして振る舞ってくれるのが良いです。何よりあのジャグラーにもかけがえない居場所を持つことが出来たことが感慨深く、何よりも嬉しかったですね。

 

 

  • 退屈持て余して蔓延る宇宙人(エイリアン)

 一方ジャグラーたちと激戦を繰り広げたセレブロがついに本格始動。これまで長官に寄生して組織を好き放題にしていた中、今度はヨウコ先輩の体を乗っ取ってウルトロイドゼロを操り、怪獣を収容している各地の施設を襲うという暴挙に出てきてびっくりしました。(何気にヨウコ先輩の体を乗っ取る前に「STORAGEの元メンバーが怪しい」とハルキたちに罪を擦り付ける手腕にも驚き。君そんな頭良かったんだ・・・・・・)そしてセレブロの目的もついに判明。これまで訪れた星に怪獣といった脅威を生み出しそこに暮らす住民たちに脅威に対抗するための戦力を作らせ、それを使ってその星を破壊するという「文明自滅ゲーム」こそがこれまでやってきたことだと明かした時は愕然としました。

 様々な文明を追い詰めていくその悪趣味極まりないやり口にも思うところがありましたが、それ以上にここにきてセレブロの「愉快犯」敵キャラクターが極まったことに驚きを覚えます。というのもこれまで謎の暗躍をしていたものの大事な書類をキチンと片付けなかったせいでジャグラーに襲われるわ、メダルを横取りしたと思ったらキングジョーに奪われるわ、嫌がらせのために放ったブルトンのによってグリーザを招いてしまい、その結果ベリアルメダルを借りパクされるわといいところが全くなかったこいつがここに来てようやく悪役らしい「格」を見せてきて正直意外に思えました。小悪党感極まっていたセレブロ*1にもようやくラスボスらしい活躍をしたことにちょっと嬉しさを感じてしまいますね。

 

 

  • 破滅をもたらす邪悪の王

  そうしてセレブロの手によって誕生したのが「殲滅機甲獣 デストルドス」。ウルトロイドゼロをベースにベリアルメダルをはじめとした怪獣メダルと融合した本作のラスボス怪獣です。そのボディは融合した怪獣の特徴がそれぞれ表れており、確認できるだけでもレッドキングアーストロンバードンサタンビートルマジャパダンカンクレッセントといった見た目も能力もバラバラな怪獣のパーツを無理矢理ツギハギしたようなデザインが目を引きます。(結構マイナーな怪獣が多いのが興味深いですね。特にマジャパの名前を令和の時代に見ることになるとは思いませんでしたよ)このような歪なツギハギのデザインを持った怪獣としては『タイガ』に登場したウーラーを思い出しますが、その生態含めてどこか痛々しさを備えていたウーラーに対し、こちらはひたすら「醜悪」とも言うべき感覚を抱きます。特に右肩に伸びたレッドキングの首が吸収した怪獣の命を冒涜しているかのような挑発的なデザインとさえ感じてしまいます。

 戦闘能力も各怪獣の強さを取り込んだせいかやたら強かったです。ゼットの各形態による攻撃を物ともせず、肉弾戦でひたすら追い詰めていく様子は非常に印象的でした。特殊な能力なしの腕っぷしだけでここまで強い怪獣というのも昨今珍しいと思います。しかしやはりウルトロイドゼロをベースにしているためかD4レイを使えるので破壊力は段違い。何より、怪獣に無理矢理兵器を搭載したかのようなその力と姿はセレブロの「命を弄ぶ」腐った性根の表れのようにも感じられます。どこまでも悪趣味さが感じられる、まさに「倒すべき敵」とも言える存在に仕上がっていると思います。

 

 

  というわけで前回に引き続き急展開の連続となった今回のZ。ジャグラーセレブロの目的が一気に明かされたり、11話で出てきたレッドキングが無残に殺されるなどショッキングな展開の連続で見ていて辛かったです。一方で前述のヘビクラ隊長の行動やハルキがバコさんにウルトラマンとしての正体を明かすシーンなど感涙モノのシーンも多く、全体的に感情の振れ幅が大きくなる内容でしたね。

 

 そして次回はいよいよ最終回!セレブロに乗っ取られたヨウコ先輩の運命は?ジャグラーの選択は?ハルキとゼットの関係はどうなるのか?そして何よりこの世界の地球は如何にして「答え」を出すのか?様々な要素が残っている中ラスト1話でどのようにカタを付けるのか?(あとデビルスプリンターって結局何だったの?)気になることは多いですがこの熱さのまま行け、頑張れ!と応援したくなります。とにかく次回がウルトラ楽しみだぜ!!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ジャグラーの方が悪役としての「格」があったせいか相対的にしょぼく見えてしまったというのもあります。