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ウルトラマンZ 第11話「守るべきもの」感想

守ること戦うこと

キングジョーの活躍回かと思いきや意表を突かれた気分だ

ウルトラ怪獣シリーズ 14 レッドキング

ウルトラ怪獣シリーズ 14 レッドキング

  • 発売日: 2013/08/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 守るために戦う者たち

 今回のZはハルキに焦点を当てた回。父親の命日ということで休暇を取り実家に帰るハルキが描かれる中、STORAGEの制服ではない私服姿で母親と軽口を叩きあう珍しい姿が見られました。普段のハルキは目上の人が多く体育会系故に礼儀正しさと暑苦しさが目立っていましたが、家族とこうして気兼ねなく話している姿を見ていると彼も普通の青年だということを実感します。

 そして肝心のハルキの父親との過去も明らかに。ハルキにとっても憧れの存在となるような明朗快活な人物だったそうですが、彼が幼い頃に出現した「狂猛怪獣 ギーストロン*1の被害から多くの人を救うために奔走した結果帰らぬ人に・・・・・・1話から続く描写からし怪獣被害が非常に多い世界観である以上、その被害によって亡くなる人たちも少なくはないとは思っていましたが、いざ描写されると中々にキツいですね。

 先程も書きましたが父親の存在がハルキにとってはよほど大きいらしく、今回はそれを思わせるシーンがいくつか見られました。例えば街を暴れまわる「どくろ怪獣 レッドキング」から街の人々を避難させている最中、泣きじゃくる子どもを見て父がいなくなったあの日を思い出し、固まるもののとっさにゼットに変身して助けに入るシーンがありました。その子どもをかつての自分と重ね合わせているのが一目瞭然であり、同時にあの時の父のように子どもを助けようとしているのがわかります。ハルキにとって自分の父親はまさに「ヒーロー」そのもので、彼自身が父のようなヒーローになろうとしているのではないかと思います。

 

 ただ、それ故に今回のレッドキングとの戦闘は中々に衝撃的でした。採掘場に現れたもう1体のレッドキング(以下”B”と呼称)をヨウコ先輩に任せ、街で暴れている方のレッドキング(以下”A”と呼称)を早々に撃破したまでは良かったのですが、採掘場を陣取るBと続けて戦う中彼らが戦うのは採掘場にある「卵」を守るためだと判明してから*2ハルキの精神状態が一変。自分が倒したAはただ子どもを守ろうとしただけと明らかにAと父を重ね合わせてしまい、ヨウコ先輩の攻撃からとっさにBと卵を守ってしまうという驚きの行動にまで出てしまいます。その結果Bは卵と共に姿を消し、今後は親子で再び襲いかかってくる危険性を残してしまう・・・・・・という何とも後味の悪い終わり方になってしまいました。

 これまで僕は3話で人間の都合で起こしてしまったゴモラを容赦なく倒したことから本作は怪獣は普通に駆除するべき存在として描いていく作風を貫くとばかり考えていましたが、今回の展開を見てその考えを大きく覆された気分に陥りました。

 

metared19.hatenablog.com

 

 怪獣も生き物であり自分の家族や生活を守るために必死に生きている。それを克明に描き、同時に主人公に思い知らせることで彼と視聴者に大きな「迷い」を与えてくる。平成以降のウルトラマンで多く見られるこの展開を本作でも入れてきたことにちょっとした驚きを覚えます。作品によって大きく異なる答えが出されてきたこの問題ですが、果たして『Z』はどのような答えを導き出してくれるのか、今後が非常に楽しみです。

 

 

鉄(くろがね)の巨人、大地に立つ

 さて今回のもう1つの見所としてあげられるのがSTORAGEの新戦力「特空機3号 キングジョー ストレイジカスタム」。バロッサ星人から回収したキングジョーを改修したもので、宇宙人のテクノロジーをベースにしているためかこれまでの特空機と比べても桁外れの出力を誇るという機体の超兵器です。武装背部のバックパックから放つ「ペダニウム誘導弾」に左腕の「ペダニウムハンマー」、そして右腕の26口径、750㎜多連砲「ペダニウム粒子砲」と、セブンガーやウインダムと比べてもかなり攻撃的な機体だということがわかります。(今回の冒頭でハルキがこれらの武装を喜々として解説していましたが、見ていて「男の子ならこういうロボット兵器にワクワクするのも当然だよね!」という気分になりましたね)

 しかしその高スペック故か操縦が非常に困難であるらしく、劇中でその高い出力に振り回されるヨウコ先輩が見られました。これまでセブンガーやウインダムを軽々と使いこなしてきた彼女がここまで苦戦する辺り、相当の「じゃじゃ馬」であることが伺えます。しかも今回は上記の通りレッドキングの戦う理由とそれに困惑するハルキが話の主軸にあったためか、あまりいい成果を出せないまま終わってしまったのはとても残念でした。次回もまたヨウコ先輩が搭乗するようなので、次こそはその力を思う存分発揮してもらいたいですね。

 

 

 さて次回は新怪獣グルジオライデンが登場。かの綾香市(あやかし)*3の伝説に出てくる怪獣がこの宇宙にもいたというのは地味に驚きです。関連性とかをついつい考えてしまいます。

 しかしそれ以上に気になるのが次回問題になるであろうハルキの心の迷い。今回の件で怪獣の事情についても考えるようになってしまった彼は果たしてどうなってしまうのでしょうか。キングジョーの変形も含めて目が離せませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:前作『ウルトラマンタイガ』にて初登場したのが記憶に新しいです。

*2:何気にレッドキングの卵が登場したのは今回が初めてだったりします。

*3:言わずもがな『R/B』の物語の舞台ですね。