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ウルトラマンZ 第17話「ベリアロク」感想

その問いに応えるために

ベリアロクのツンデレの印象すらかき消すバロッサ星人のキャラの濃さが大好き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 魔剣が望むもの

 前回のしんみりしたラストに突如として襲来したバロッサ星人との対決から始まったZ。今回は何と言ってもサブタイトルにもあるベリアロクの争奪戦がメインの見どころですね。自分を手にしようとする相手に「俺様を使ってお前は何をする?」と質問し、それを聞くたびに面白そうな方につく、と大いに物語をかき乱してくれました。面白ければ敵も味方も関係なく、自分がつまらないと判断すればすぐに反逆するその自分勝手は振る舞いはある意味で本物のベリアル以上に傍若無人と言えます。

 それだけにベリアロクがハルキに再び問いかけたシーンが印象的でした。ハルキとゼットを未熟と評しながらも面白いと言って力を貸してくれる辺り案外彼らのことを気に入ってくれているのかもしれません。尊大な態度を隠しもせず、それでいて特定の相手には親切なベリアロクの「俺様系ツンデレ」に早くも魅かれてしまいます。

 ハルキがベリアロクの問いに「わからない」と答えたのもまたいいですね。これまでも怪獣を殺す問題について長いこと悩み続けてきた彼だからこそその答えの重さを実感出来ます。わからないことだらけな中でも大切な人たちのために奮起するハルキのキャラクターがますます好きになりましたね。

 

 

  • 俺のこの手が派手に行くぜ!!

 また今回の敵キャラであるバロッサ星人(二代目)のキャラの濃さが非常に強く脳裏に焼き付きました。まず「禿山の一夜*1をBGMにして仰々しく登場したはいいものの着地に失敗するシーンからこの宇宙人もまたギャグキャラであることを視聴者に悟らせてくれます。意外だったのが以前来た初代バロッサ星人の弟である彼は兄が下等と蔑んだ地球人の言葉を普通に話していた点。兄とはまた考え方が違うのでしょうか?

 そしてこの二代目の声を担当しているのが関智一さん、ということもあって中の人ネタが満載でした。序盤から某海賊戦隊のように「派手に行くぜ!」と叫び、ベリアロクを手に入れてからは「ファイナルウェイブ」なる技を披露。さらにはヨウコ先輩が駆るウインダムの新たな必殺技「ウインダムヨウコインパク」を喰らう際に「頭部を破壊するのはやめてくれ!」と懇願する流れは明らかに某機動武闘伝を意識していると思われます。中の人ネタ以外にも某電車ライダーの如く「行くぜ行くぜ行くぜ!」したり某二代目悪質宇宙人と同じように「卑怯もラッキョウもあるか!」と開き直るなどコンパチヒーロー作品をほぼ網羅しつくしたネタの洪水に笑いが止まりませんでした。某某書きすぎて某がゲシュタルト崩壊してしまいそうだ・・・・・・

 兄がやられた技の対策をしてくる強者ぶりを見せながら、それでいて卑怯な手も辞さない辺りがまた魅力的。”バロッサ星人=卑怯”というイメージを確立させてくれたと言っても過言ではありません。最期ベリアロクに「つまらない奴」と評されましたが、個人的には兄に負けずとも劣らない面白い宇宙人でしたね。

 

 

 そしてラストでは前回ホロボロスを暴走させたセレブロのその後が描かれました。度重なる不運でボロボロになっていたところを防衛軍の警務隊に拘束されそうになる中、警務隊の男に乗り移るシーンは中々にホラーチックでした。押し倒しながら「怖くない」「じっとしてて」と囁くシーンのおかげで薄い本が厚くなりますね。乗り移られた警務隊の人も不憫ですが、それ以上に身に覚えのない罪で拘束されてしまう本来のカブラギが気の毒でなりません。

 しかしそれ以上に警務隊を陰から襲撃した謎の攻撃が気になりました。斬撃からし攻撃の主がジャグラーであるのは明らかなのですが、セレブロの乗り移りの手助けをする彼の思惑が未だにわかりません。彼にとってセレブロを泳がせることに何か意味があるのか、それともベリアロクのように「面白いこと」を優先させているだけなのか、真相はわかりませんが、ジャグラー、もといヘビクラ隊長のことを正直に信用するべきではないことがわかりますね。

 

 

 さて次回は何とケムール人が登場!ウルトラQ』にて登場した(個人的になトラウマの1つでもある)あの怪人がこの2020年に姿を現すことに興奮を隠せません。次回のサブタイトルからしてもQと関係のある内容であることは明らかなので、今のうちに「2020年の挑戦」に見直して予習しておくのもいいかもしれませんね。何にせよ次回が待ちきれません!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキーが1867年に作曲した管弦楽曲。同じくロシアの作曲家であるリムスキー=コルサコフが1883年に編曲した版も存在しており、今回使われたのは恐らく後者であると思われる。