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仮面ライダーセイバー 第11話「乱れる雷、広がる暗雲。」感想

聞き出したい想い守りたい想い

倫太郎の可愛さに癒される今日この頃

BANDAI 仮面ライダーセイバー DXジャオウドラゴンワンダーライドブック

BANDAI 仮面ライダーセイバー DXジャオウドラゴンワンダーライドブック

  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 思惑のぶつかり合い

 前回の衝撃のラストから続いた今回のセイバー。賢人は父だと思っていた相手が別人であることが相当堪えたのか普段の温厚さは見る影もなくなっていて驚きました。記憶の話を持ち掛けてきた飛羽真に「忘れたならそれでいいんじゃないか」と消極的な態度を見せた辺りに彼の憔悴ぶりが伺えます。さらには剣士の使命を第一とする倫太郎と口論になる始末。基本的に相手を敬う倫太郎が声を荒げるくらいには賢人の焦りが劇中の人物にもわかるようですね。

 そうして始まった大地との対決で繰り広げられた問答は印象的でした。父のことについて聞き出そうとする賢人に対して大地の答えはどうにも具体的ではない、挙句の果てには大地が自分のことを「真理の探究者」だと語り出した時は目が点になりました。前々回でもそうでしたが、カリバーもとい上條大地は質問をまともに答える気がないように思えます。そのうえ今回は暴走した状態で問いかける賢人が相手なので余計に会話が噛み合っていないのがよくわかります。しかし戦っている最中でも互いに自分の言いたいこと聞きたいことだけを喋りまくるこの構図、何となくですが第1期の平成ライダーのノリを思い出します。「互いの思惑をそのまま口に出して殴り合う」感じがどこか懐かしくて癖になってしまいそうです。

 

 それはそれとして倫太郎の優しさに涙腺崩壊した回でもありました。賢人との口論で「剣士失格です」と言ってしまっても絶対に賢人を見捨てず彼を苦悩から救い出そうとする姿に思わず感動してしまいました。賢人のことを信じて不必要に聞き出さずにそっとしておく飛羽真とはある意味で対照的です。

 しかも今回彼には両親がいないことがわかり、だからこそソードオブロゴスの仲間たち全員を「家族」として大事に想っているという胸の内明かしたことで彼の優しさの根源が見えたのも良かったですね。この件で彼の誰に対しても親しみを持って接する態度は自分にとって組織の人間はみんな家族=家族と他人の距離感の違いを掴めていないため初対面の相手でもグイグイ迫る、といった解釈が頭に浮かびました。見方によってはどこか哀れにも思えますが、個人的には彼のそんな優しさに儚さを感じます。今回はその賢人への想いの結果彼を庇い重傷を負ってしまうというショッキングなラストになってしまいましたが、この想いが賢人に届くことを願うばかりです。

 

 

  • 大いなる闇を極めし暗黒の五頭竜王

 

ジャオウドラゴン!

『邪道を極めた暗闇を纏い、数多の竜が秘めた力を開放する・・・・・・』

 

ジャアクリード

暗黒剣月闇!!

 

Jump out the book.

open it and burst.

The fear of the darkness.

You make right a just,no matter dark joke.

Fury in the dark.

ジャオウドラゴン!!

 

『誰も逃れられない・・・・・・』

 

 上條大地が「ジャオウドラゴン」のワンダーライドブックを使って変身したカリバーの強化形態「ジャオウドラゴン」。ジャオウドラゴンのライドブック自体一回り大きく、変身時に開いたストーリーページは5体の竜が飛び出している立体的なデザインになっているなど(恐らく「飛び出す絵本」がモチーフだと思われます)、これまでのライドブックにはない異質さを感じさせます。

 変身時のカリバーはジャアクドラゴン時にマスクや両肩、胸部に付けていた装甲がなくなっており、その中に隠していた金色の鎧が露出したデザインになっています。頭部は竜が大口を開いて炎を吐いているような意匠がそのままマスクになっているのが特徴的。他にも両肩にそれぞれドラゴンがデザインされているなど、以前の邪悪なイメージはそのままに「荘厳さ」が加わったかのような印象を受けます。

 戦闘においては最低限の動きだけで相手を倒すスタイルはそのままですが、強化した分以前よりも一撃一撃が重くなったように感じます。特にゴールデンアランジーナになったエスパーダを特に苦戦せずに圧倒する辺りに純粋なパワーアップといった感じですね。

 

 

  • コミカルゴブリン決戦

 賢人たちのシーンのシリアスっぷりのおかげで影に隠れがちですが、飛羽真たちの戦闘シーンも今回の魅力の1つだったと思います。敵が放った「ゴブリンメギド」たちを倒すためにそれぞれ出現したセイバーたちでしたが、ゴブリンメギドとの戦いはイマイチシリアスになりきれていない点が面白かったです。特にセイバーが「ストップ」と待ったをかけるものの敵はそんなことお構いなしに攻撃を続けるシーンは何とも言えないシュールさに包まれていました。普通に考えても敵が素直に待ってくれるはずないのに・・・・・・

 一方でセイバーと剣斬が戦ったワンダーワールドでそれぞれ光の柱が出てくる展開は中々意味深でした。明らかに敵の思惑に嵌ってしまった感じが急展開を告げているようでゾクゾクします。未だにメギド側の目的がはっきりとはしていないので何をしようとしているのかはさっぱりですが、終盤のデザストや大地の発言からしても敵の作戦が最終段階に入ったことは明らかです。突如姿を消したソフィアといい、年末に向けて物語がクライマックスに向かっているように思えてワクワクしてきますね。あれ、この作品1クールだったっけ・・・・・・?

 

 

 というわけで急展開の連続が見られた回でしたが、それ以外にもタッセルのシーンが気になりました。冒頭何者かと電話しているかと思ったらラストでは家から誰かを出迎えようとしているなど不可解な行動ばかりをしていましたが、前回の時点で満点だった怪しさに拍車がかかったような気がします。これまではタッセルは本編の外にいる語り部に過ぎないと考えていましたが、もしかしたら本編に絡んでくるかもしれない展開になってきて少しドキドキしてきました。果たして彼は誰と電話して誰を出迎えたのか?タッセルの動向にも目が離せないですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。