守るのか、斬るのか
シャドーくんの存在意義についてちょっと疑問を抱いてしまう
- 相容れぬ剣士と剣
新年最初のセイバーはいきなりお通夜ムード。前回倫太郎たちと袂を分かってしまった飛羽真と芽依の姿が印象的です。そこに加勢をしてくれたユーリが現れて彼を加えた3人で行動することになりました。今の世界を見てみたいというユーリの要望に応えて外で流行りのタピオカ(今となっては若干古い)などを食べたりするシーンが挿入されましたが、現代の食べ物や服装に興味津々のユーリの姿は面白かったですね。特殊な力で服装を変えて馴染んで見せようとするなどあざといところを見せてきてほっこりしました。
しかしレジエルが出てきてからは様子が一変。彼が連れてきた「イエティメギド」が前回襲われたゆき編集長が変貌したものだと判明してから彼女への攻撃を躊躇う飛羽真、そんなことお構いなしに攻撃を続けるユーリとの対比は興味深いものでした。「剣士に出来ることはただ斬るだけ」と人を救うよりも目の前の敵を倒そうとするユーリはある種ストイックとも取れるかもしれませんが、一般人の命など眼中にないといった態度は彼が人間ではない別の存在であることを強く印象付けているように感じます。何より先ほどまで仲良くタピオカを嗜んでいた2人が反発しあう展開は前回同様、これまでのセイバーの内容を考えるとかなり意外です。相容れない2人がこれからどうなっていくのか気になるところです。
- 光より現れし実体なき影法師
Who is this?
『最光二章!
光から生まれし影!
シャドー!!』
最光がイエティメギド戦で出現させた戦士「最光シャドー」。最光の影がそのまま実体化したように現れ、最光を武器にして戦うというどっちが本体なのかわからない存在です。全身真っ黒で顔のX字以外特徴のないビジュアルは黒子を彷彿とさせます。
この最光シャドーの面白いところは何と言っても影であることを活かした戦闘法に尽きます。影だからか実体がない様子で敵の攻撃を受けてもすり抜けてしまう辺りは中々に衝撃を受けました。他にも敵の影を伝って後ろに回り込んだり体を伸ばしたりするなど、“他の影と重なり合う”“自由に形を変えられる”といった影のイメージに沿った面白いアクションが数多く見られたのが面白かったですね。剣のままで戦うかと思っていた最光のアクションをこうするかと少し感心しました。一方で剣のままで斬りかかるだけでも十分強いのにわざわざシャドーを使う意味はあるのだろうか?と思わなくもなかったり。
- あの方の謎
飛羽真たちが新たなメギドに苦戦する一方、彼のことで思い悩む倫太郎サイドの描写も印象的でした。玲花によってノーザンベースのセットを若干模様替えしただけのサウザンベース本部にて「飛羽真は本当に裏切ったのか」と話し合う彼らの姿を見て少し安心。飛羽真から聖剣とライドブックを回収せよという玲花の指令にも一旦預けてほしいと食い下がる場面もそうでしたが、彼らが何だかんだでまだ飛羽真のことを信じたいと思っていることがわかって嬉しかったです。(蓮だけ飛羽真に対して怒り心頭だったんですが)
しかし玲花が今回口に出した「あの方」というのが気になります。ソードオブロゴスを統べる幹部のような人物であることが予想出来ますが、その人物が上條が疑っていた「組織の裏切り者」なのかという点において非常に興味深いです。ソードオブロゴスの組織体系がはっきりしていないので何とも言えませんが、もしその予想が正しかったとしたらもう既にソードオブロゴスは堕ちているも同然と言えますね。怪しい笑みを浮かべる玲花や未だ姿を見せぬサウザンベースの剣士といい、彼らの本拠地にとどまっている倫太郎たちの安否について心配になってきてしまいます。もしかしたら洗脳とかされるのではないかと妄想が膨らんでしまいますが、倫太郎が洗脳されるシチュエーションはそれはそれでアリd(ry
前回からかつてないほどにピリピリした空気を出しているセイバー。ここまで協調性を見せてきた本作の空気の変わりっぷりに今後どうなっていくのかという不安とワクワク感が同時に襲いかかってきています。今回ぶつかり合った飛羽真とユーリの関係が特に気になるところ。次回はセイバーが最光を手にして戦う姿が見られましたが、果たしてどのように和解していくのか楽しみです。
ではまた、次の機会に。