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ゴジラ S.P<シンギュラ・ポイント> 第2話「まなつおにまつり」感想

膨らむ関心

萎まぬ不穏

ラドンがこんなに人気になる世界とか初めて見たぞ

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ラドン

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ラドン

  • 発売日: 2018/09/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回のラストで突如出現したラドンに対し、おやっさんがジェット・ジャガーを駆って立ち向かうシーンから始まった今回のゴジラSP。ここでジェットジャガーが思いのほか善戦していたことに驚きましたね。ただのハリボテかと思いきや巨大生物を押し返すくらいの馬力を持ち合わせている辺り真面目に作ったのであろうことがよくわかります。その後おやっさんがコックピットから離れてからユンの遠隔操作で戦う様子も面白かったです。(デフォルト操作でU.S.A.踊っていたシーンには笑ってしまいましたが)

 何よりユンたちオオキタファクトリーの面々がラドンに立ち向かうためにあの手この手で研究、対策としての装備を開発する過程が印象的でした。ゴジラシリーズでは基本的に自衛隊などが怪獣に立ち向かうのが普通となっているので、彼らのような民間人が自力で戦おうとするのは珍しく、新鮮な気持ちで見れました。中でもユンがラドンの電波を感知する性質を利用する辺りは科学オタクらしくて良き。またジェットジャガーのプログラム再設計の時間を稼ぐためにユン自ら体を張ってラドンの注意を引くシーンは嬉しかったですね。前回彼に抱いた内気なイメージを払拭してくれました。パンクな見た目の「金原さとみ(かねはら・さとみ)」お姉さんも加わりこれからのオオキタファクトリーの活躍に期待がかかります。

 

 

 そして今回他にも印象的だったのがラドン関連ですね。前半ジェットジャガーと戦いを繰り広げ、空を飛んだと思ったら突如死亡して落下する衝撃の最期を見せたラドンまさかのアイドル扱いされる展開は中々に鮮烈でした。ニュースや特集番組で取り上げられ、ネットなどで「電波怪獣 ラドン」としてのイメージが出来上がって話題になっていく様子にはどこか変な笑いが出てしまいます。ここぞばかりに人形やまんじゅうを売り出す辺りも人間のブームに乗っかりたい心理が働いていて面白いですね。というかラドンがここまで民衆に愛される存在と化すとか全く予想していませんでしたよ。(まぁ今回のラドンは何か可愛らしいシーンが多いので納得ではあります。動かなくなったジェットジャガーをくちばしでつついて首を傾げる姿とか思わず萌えてしまいましたよ)

 ただこの一連のシーンで「体内に放射性物質ラドンが検出された」「胃に相当する内臓が存在しない」など様々な情報が次々と明かされましたが、肝心のラドンの正体に関してまるで明らかになっていないことにはゾッとしました。2体目以降の死体が発見されるもののこの翼竜たちはどこから来たのか、そもそもこいつらは一体何なのかといった謎が何一つ解明されていません。それなのに世間はそんな正体不明の存在を持てはやし、楽しんでいる様子に恐怖を感じます。朗らかな日常の中に混じって、不穏な非日常が蠢き始めている・・・・・・そんな感覚を今回覚えましたね。

 さらにラストの海から大量のラドンが出現するシーンには衝撃を受けました。前述のどこから来たのかという問題に関する答えが早速きたのですが、まさかの海から出現するというのは思いもしませんでした。空の怪獣=空から来たのであろう、という先入観をいつの間にか抱いていたので、予想外の方向から意表を突かれた気分です。どこまでもこちらの予想を大きく覆してくる本作のラドン、次回は果たしてどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

 

 

  • 伏線がありそうなOP&ファンサたっぷりのED

 1話では尺の都合か演出のためかカットされたOPとEDでしたが、今回からようやく流れて一安心。1話分待たせてくれた分中々聴きごたえ&見応えがあるものに仕上がっていました。

 まずOPのBiSHさんによる「in case...」。理解不能な存在に対して戦うことを促すような意味深な歌詞が特徴的な曲です。映像の方も様々な一枚絵が目まぐるしいスピードで連続で映されていくので、この辺りに何か重大な伏線が隠されているのではないか?と見まがえてしまいます。個人的にはユンや銘などの登場人物に左半身がシルエットで隠されている人物とされていない人物に分かれている点が気になりました。この演出の違いには何か意味が隠されているのでしょうか・・・・・・

 そしてED、ポルカドットスティングレイさんの「青い」も良かったですね。こちらは謎に対する興味・探求心を肯定するような歌詞とリズムに元気づけられます。何より過去のゴジラ作品に登場した怪獣や人々が続々登場する映像には興奮しっぱなしでした。本作のアニメイラストで実写の怪獣たちを忠実に描いたらこうなる、というのを見せてくれる演出は見ていて本当に楽しいです。*1過去作を見てきた人たちにとって素晴らしいファンサービスだと思います。(ちなみに個人的に嬉しかったのは三式機龍が初代メカゴジラのように首をグルンと回転させて口からビームを放つシーンですね。メカゴジラ好きとしてはそれらの要素を合わせるネタは見逃せません)ちょこちょこ動く銘も可愛らしいですし、どんどんシリアスに突入していくであろう本編に対する貴重な癒し要素になってくれそうです。

 

 

 ファンサービスといえば本編にて銘が恐竜の語源云々を調べている中、パソコンに『原子怪獣現る*2を思わせるイラストが映った時はびっくりしました。ゴジラのルーツの1つであるこの映画を出してくる辺りに製作側によるゴジラ作品への凄まじい熱意を感じましたね。

 

 

 というわけで2話は1話の不穏な雰囲気をさらに拡大させたような内容でした。上記のエピソード以外にも銘とペロ2の和やかに見えて何かしら重大な秘密に触れそうなやり取り(ペロ2は優秀なAIではあるけど論文をほぼ勝手に公開するのは頂けないな・・・・・・)やミサキオクの局長たちのぐだぐだしたやり取りなども特徴的でした。彼らもまたオオキタファクトリーの面々とは別に何かしらに立ち向かっている様子が見て取れるので今後の動向にワクワクしてきますね。特に銘に関しては会いたいとメッセージを送ってきた李博士との対面で何かした重要な情報を手に入れそうな予感がします。次回も楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:同時にこれは「EDに出てくるような怪獣を本編では決して描かない」という意思表示のようにも思えました。

*2:レイ・ブラッドベリ原作の小説『霧笛』(原題『The Fog Horn』)を原作として1953年にアメリカで製作された特撮怪獣映画。(原題『The Beast from 20,000 Fathoms』)監督はユージーン・ルーリー。「核実験で現代に甦った恐竜が都市で暴れまわり、人間たちと決死の攻防を繰り広げる」というストーリーで、これらの設定は後の初代『ゴジラ』などに大きな影響を与えたとされる。