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ゴジラ S.P<シンギュラ・ポイント> 第4話「まだみぬみらいは」感想

時間がもたらす“進化”

今回色んな考察(妄想)が捗って楽しい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ユンと銘の愉快な道中

 ラドンの集団による恐怖が去ってから数日、今回はユンと銘がそれぞれ自身の追っている謎を追求していく話でした。

 まずユンの方はラドンが何故現れたのかを解き明かすため、ミサキオクで流れていた謎の曲について調べることになりましたが、いきなり電話をかけてきたので驚きましたね。「仕掛けてみるか」と言ったので何か鎌をかけるのか、と思っていたのでストレートに「何を企んでいる」と聞いてきた時は笑ってしまいました。ユンのコミュ力不足が如実に表れたシーンと言えます。

 しかしそのコミュ力不足がかえっていい方向に向かったのも今回の面白いポイント。職員の佐藤さんに話を聞いてもらうことになった際、地下の骨の情報を知ることが出来たのは意外でした。最初は鎌をかけたのかな、と思っていたらユンが素で聞き返した結果だったっぽいのでこれまた変な笑いが出てしまいます。彼の口下手がもたらす良い面、悪い面を同時に味わう興味深い内容でしたね。

 

 対する銘は李博士のお誘いによりドバイに行く途中、ユンから出題された謎の文字列解読に勤しむ様子が描かれていました。暗号学的ハッシュ関数の1つである「MD5」によって作成された文字列の意味を解き明かすため、当てはまりそうなワードを片っ端からペロ2にハッシュ変換してもらうシーンは中々にコミカルでした。途中からしりとりになっていくのも彼女のものぐさな面が感じ取れて楽しかったですね。(それにしてもしりとりのあるあるを抑えているペロ2の高性能ぶりよ)

 そんな中でも彼女の閃きが見られてびっくり。李博士によるアーキタイプの説明で自分なりの仮説を即座に導き出すのは流石と言ったところです。しかし声を張り上げてしまったことで注目され、赤面するのがまた可愛い。時に天才的な一面を見せるものの、基本はどこか抜けた女の子、というメイの魅力が詰まっていましたね。

 

 

 今回最も重要なポイントと言えるのが前回登場した謎の分子「アーキタイプ。名前が出てから2話かかってようやく登場した「李桂英(リー・ケイエイ)」博士が掲げる“夢の新素材”とのことですが、その素材が持つ特性には驚かされました。光を閉じ込めるうえ、内部のエネルギーを増幅するという既存の物理法則を無視した要素を次々と出してくる様子は非常に面白いです。さらに銘によって未来に起こる事象を先取りしている可能性が示唆されるなど、謎の分子に相応しい謎だらけの存在感を放っていました。

 銘とユンのチャット会話にでも提示されましたが、なぜこのような分子がどうやって発見、または作られたのか、といった謎もあります。そこでユンが出した仮説の中に「既に答えを知っている人がいた」というのが興味深いですね。この世のものとは思えない分子を知っているのなら、それはこの世の物と人ではないかもしれない・・・・・・銘の言葉のようにそういった考えが浮かんできます。さしずめアーキタイプはこの次元とは別の次元から来た分子という答えが待っていそうですが、これが怪獣たちとどう関係があるのかという疑問も湧いてきます。(この辺りについては後述でも触れていきます)ともあれ、これらの設定の数々はそそられるものばかりです。アーキタイプは本作がSF(サイエンス・フィクション)であることを意識させてくれる、面白い存在だと思いましたね。

 

 

  • 怪獣の「進化」について

 さて今回もう1つ気になったのがラドンの死について。成体ラドンと幼体ラドンの違い、そして突然死の謎についてユンは「進化の途中」だと考えていたのが興味深いです。僕自身前回の成体ラドンを見て成長したというよりも別の生物へと“進化”しているようだ、と感じていたので彼の考えには大いに賛同したいところです。

 その中でふと前述のアーキタイプが持つ「未来の事象を先取りする」特性を思い出し、ラドンの進化も同じように考えられるのではないか?と思いました。要するに時間のかかる進化を凄まじいスピードで“先取り”しているのかもしれない、という考えです。通常なら何千年何万年かかるであろう進化の結果のみを得て、別の生物になろうとしていたのが成体ラドンであるかのように思えます。(突然死もその急激な進化に肉体が耐え切れずに自己崩壊を起こしたのかもしれません)

 その場合、ラドンはどうなっていたのかという想像も膨らんできます。幼体が通常の翼竜そのままの姿だったのに対し、成体が若干肉体が引き締まった姿になっていたことを考えると、このまま順調にいけば我々が知るラドンの姿になっていた可能性があります。思うに本作の怪獣は恐竜的なビジュアルから進化を繰り返しながら、その最終到達点としてよく知る怪獣の姿になるのではないか?それこそが本作のタイトルにもある「S.P(シンギュラ・ポイント)」なのではないか?と現時点では考えています。正直単純な妄想に過ぎないかもしれませんが、それでもこういった考えを膨らませるのは楽しいですね。今後どのような情報が明かされるのか楽しみです。

 

 

 というわけで今回は様々な情報が飛び交う内容でした。非常に淡々と話が進みましたが、アーキタイプや怪獣の進化についてなど、こちらの想像を刺激する内容ばかりで見ていて非常にワクワクしましたね。

 しかし前回のように暴れまわる怪獣が出てこないのは残念・・・・・・と思っていたらラストに「アンギラス」と思われる怪獣が出てきた時はテンションが上がりましたね。ユンたちが謎の足跡を追う中、自衛隊員たちが見つけた横転した車に息を潜める一般人、そして隊員の背後に現れる巨大な恐竜・・・・・・こちらの不安と期待を大いに膨らませてから満を持して登場するシチュエーションは最高でした。次回が気になる非常に良い引きだったと言えます。

 また冒頭で漁師の人たちの前に現れた謎の巨大な尻尾も気になります。最初見た時はゴジラのものだと思ったのですが、胴体の長さなどを考えるとこれは「マンダ」の可能性が高いだろうとも思えてきました。まぁマンダはマンダで中々カッコいいので出てきてくれるのは大歓迎ですね。アンギラス共々、次回はこいつらがどうやって暴れまわるのか楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。