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Vシネクスト 魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー 感想

キラフルパーティー

de キラケボーン

「ありがとう」・・・・・・それしか言う言葉が見つからない・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 緊急事態宣言に伴う各都市の映画館休業により、長いこと見れなかった『キラメイジャーVSリュウソウジャー』。近年の戦隊の中でも屈指の名作である『キラメイジャー』と個人的に数年に一度のどストライク作品だった『リュウソウジャー』の組み合わせは非常に魅力的で、以前から楽しみだっただけに約1か月にわたって観に行けなかったのは大変な苦痛でした。お先に見られた方々の感想に何度“羨ましい”という気持ちが爆発したものか・・・・・・

 そうした期間を乗り越え、営業再開した映画館にてようやく見ることが出来ましたが、本当に楽しい映画でした。両戦隊のキャラたちが画面狭しと動き回り、共に戦う様子は見ていてワクワクするものでした。それぞれ特色を余すことなく表現し、なおかつそれぞれの要素を喧嘩させることなく共存させる内容だったのも素晴らしかったです。近年のVSシリーズの中でも昨年の『リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』に匹敵する出来だったと思います。というわけで今回は本作の感想について書いていきたいと思います。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 「前向き」にさせてくれる物語

 まず本作はストーリー自体は非常に単純で映画撮影の世界に閉じ込められた両戦隊のメンバーとの絡みがメインでしたが、これが非常に上手い。それぞれ映画のシチュエーションで対決する立場に据えられながら、各メンバーが交流を深めていく様子はとても痛快でした。最初は映画の世界で対立するもののその内ノリノリで息を合わせていき、その過程が最後のバトルのコンビネーションに繋がっていく流れは自然でよく出来ていましたね。キラメイジャー側が自分の役に困惑する中、リュウソウジャー側は役にのめり込んで翻弄してくる、という構図も見ていて楽しかったです。

 メインであるレッド2人に関しては、充溜の苦悩をコウの言葉によって解放されていく展開がこれまた見事でした。テレビ本編では仲間たちを引っ張っていった充溜が絵のコンクールについて悩み、スランプに陥っているところを明るく引っ張ってくれるコウが「楽しむ気持ち」を思い出させてあげる様子が面白かったです。キラメキを取り戻した充溜がエンディングのダンスを踊るというのが各作品で普通にありそうな展開なので自然と楽しめましたね。

 またコウが自分たちの友達として「うい」の話を充溜にしてあげたのが素晴らしかったです。リュウソウジャーの序盤はういの視点が多く、動画投稿者として悩むういの物語も描かれていたので今回出される話としては最適と言えます。何よりうい役を務めた金城茉奈(きんじょう・まな)さんの訃報によって多くの人が受けたショックが未だ癒えぬ中、こうした形で彼女の存在を示す内容に涙が止まりません。言葉でもあの作品の中でういは生き続けていることを示してくれたことには本当に感謝したいです。

 本筋に戻りますが、本作は冒頭でも述べた通り両戦隊の特色が上手に合わさった内容が特徴的。多様性を示したキラメイジャーと独自性を突っ走ったリュウソウジャー、一見すると正反対の双方ですが、「前向き」というどちらも持っている共通点で見事に融合させたと言えます。それぞれの作品の良さを詰め込んだ、VSシリーズのお手本のような作品でしたね。

 

 

  • 超絶アクションの応酬

 ストーリー以外にも本作はアクションが魅力的でもありました。前半は変身前のアクション、後半は変身してからのアクションで坂本監督が手掛けたということもあってか、どちらも非常に派手で見応えがありましたね。

 中でも生身のアクションに力が入っていたと思います。上記の通り映画の世界でそれぞれのアクションが展開されましたが、一部を除いて激しく動き回るものばかりだったので見ていて少し目が回ってしまいました。特に瀬奈&トワの追いかけっこはひと際目まぐるしかったです。

 あと坂本エロ監督らしく女性のアクションに関してはかなり趣味の領域に入っていたようでした。途中痺れを切らしたカントクマイナソーが戦闘員を投入する展開があったのですが、基本ベチャットが襲いかかってくるのに対して小夜とアスナのコンビには生身の女性スケバンたちが相手となる辺りに監督の性癖を感じずにはいられなかったですね・・・・・・・・・・・・

 変身後のアクションの特徴は何と言ってもリュウソウジャーの新強化フォーム「キラメイ装」ですね。VSシリーズでこうした限定強化フォームが登場するのはかなり珍しいです。*1誕生理由もキラメキを取り戻した充溜のヒラメキングというのも納得ですし、前述の充溜とコウのやり取りに繋がっていてお見事。強化フォームらしい特徴は戦闘ではあまり発揮されませんでしたが、限定強化フォームというものはやはり嬉しいです。

 他はやはりロボ戦でしょうか。これまた上手い理由で復活したキシリュウオーファイブナイツとお馴染みキラメイジンのロボコンビでの戦闘シーンは下から見上げるようなアングルなど迫力ある構図が多く大興奮しました。(この辺りは監督がウルトラマンなどで鍛えた演出のように思えますね)必殺技の連発も凄まじい頻度で炸裂し、終盤まで見ていて飽きませんでした。総じて最初から最後までアクションもたっぷりでしたね。

 

 

  • ヨドンナの独壇場

 上記に書いた内容の他にも見どころが満載だったのが本作のまたすごいところ。例えばヨドンナプロデューサーに振り回され、マドンナとして見惚れたマブシーナにも拒否され、クレオンに共感される「ムービー邪面」には目が離せないものがありました。ここまで哀愁漂う邪面師も珍しいですね。

 他にも個人的に気になっていたカナロとヨドンナの絡みは期待以上のものでした。カナロが一目惚れした相手に言い寄るいつもの流れが展開されるだけで面白いのに(いつものBGMが流れただけで笑いが止まりせんでしたね)、今回の相手はあのヨドンナというのがまたシュールです。今にして思えばこれ、ヨドン皇帝にナンパしていたようなもんだよね・・・・・・相手の見た目に惑わされず心を見る」ことの大切さを知ったカナロが今度はマブシーナに言い寄るラストもまた秀逸です。

 とここまで書くと、本作はヨドンナがもう1人の主役だったように思えます。今になって振り返ってみると、クレオンへのドS炸裂な仕打ちやカナロと宝路のコンビを倒す大金星をあげるなどかなり活躍していました。(ちなみにロボ戦で熱くなっている途中で2人が敗れるシーンが挿入されたのは本作の数少ない不満点です)最近彼女が主役の短編も作られることが発表されましたし、それほどまでのヨドンナの人気をここで感じ取れたのかもしれませんね。

 

 

 というわけでキラメイリュウソウの感想でした。長々と語ってしまいましたが、それほどまでに楽しめた作品でしたね。また色々感じ考えながら書きましたが、やはり現在の情勢下の中、本作を作ってくれたという事実が何よりうれしかったです。緊急事態宣言が発令される社会でもこうしてVSシリーズを途切れさせずにファンに届けてくれるスタッフの方々には感謝しかありません。

 そういうことから、今回はスタッフの方々への感謝の言葉で締めたいと思います。本当にありがとうございました。体に気を付けて無理をせず、これからも戦隊シリーズをよろしくお願いします。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:前例として『電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャー』の「メガテクター」が存在する。