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2022年冬&春アニメ簡易感想 その1

 

 

 2022年も4月に入り、春アニメもいよいよスタートしました。今季もまた個性的な新作アニメが揃っている一方で、以前放送された作品の2期や3期もちらほら見られます。僕も当時視聴していた『リケ恋』といった作品をチェックしつつ、新しいアニメにもどんどん手を出していきたい所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ヴァニタスの手記(カルテ)

第24話(最終話)「Après la pluie-彼の願い-」

 嵐のような死闘は驚くほどあっさり終わり、ミハイルの企みもどうにか阻止することが出来た最終回。前半はやはり復活したドミニクが活躍するシーンが印象的でした。見てみぬふりをしていた幼い自分と向き合ったことでようやくトラウマを脱した彼女の勇ましさには少々惚れ惚れします。ジャンヌもそうですが、本作の女子は内面の問題を解決すればものすごく頼もしくなってくれますね。

 しかしその活躍もノエの先生であるサド侯爵の登場によって一気に吹っ飛んだ印象。以前から怪しいと睨んではいましたが、ミハイルのバックにいたという事実を聞いた時には何だかんだで驚きました。発言からしてヴァニタスと深い関わりがあるようですし、全ての事件の黒幕であってもおかしくなさそうです。

 そして今回の事件終了後はいつになくしおらしいヴァニタスが見られてちょっとびっくり。また彼の“蒼月の吸血鬼”に対する想いと復讐という名の弔いの意味をようやく本人の口から聞けて深く納得しました。大事な人を手にかけた償いの旅をする彼の心情を推し量れたと同時に、そのうえで彼がノエに対して相棒のような親近感を覚えていることにほっこりさせられます。最後の最後にこの2人で幕を閉じたのが実にオシャレでしたね。

 

 

総評

 吸血鬼と人間が共存する世界におけるファンタジー作品。細かな世界設定と各キャラの重苦しい背景が存在する中、普段は主人公たちのまくし立てるような会話劇でコミカルに進める世界観が実に気に入りました。(この辺りは原作者である望月淳氏の前作『PandoraHearts』からより見やすくした、という印象を受けますね)特にヴァニタスとノエの関係が特徴的で、それぞれ相手に対して苦手意識を持ちながらもいざという時は協力し合う・・・・・・特殊な凸凹コンビにはどこか惹かれるものがあります。

 主人公以外のキャラも個性的で、個人的にはジャンヌが印象的で、話が進む度にポンコツで弱々しくなっていく様子にニヤニヤしてしまいました。それだけでなく2クール目に入ってからの勇猛さにもう心奪われてしまいましたよえぇ。

 そのうえで人間と吸血鬼の問題や個人が抱えるトラウマに深く切り込んでいくストーリーが面白かったです。どのエピソードにおいても「孤独」と「無理解」が大きな焦点となっており、「他人に寄り添うことで自分の傷も癒していく」関係性を描いているように思えます。種族などは関係なく、誰も1人では生きていけないというメッセージが感じ取れましたね。

 

 

怪人開発部の黒井津さん

第12話(最終話)「悪魔を喰らう悪魔は天の使徒となり得るか、はたまた醜い共喰いに過ぎぬ蛮行か、ただ地獄より救われし生贄は黒き翼を神と崇める」

 私、ヒーローと敵組織が力を合わせる展開好き!!(バァァァン)を全力でやってみせた最終回。新たに現れた強大な悪の組織を相手に、アガスティアが他のヒーローや組織と協力して立ち向かう展開には大興奮しました。これまで登場してきたご当地ヒーローとその敵キャラが総登場して共闘していく様子は見ていてかなり燃えます。圧倒的な資本力を持ったリアリスト企業を前に、人脈と義理人情で対抗するのがまた素敵ですね。(水木ちゃんが派遣で得てきたコネを総動員しているのが良き)

 そして黒井津さんが満を持して変身した時はテンションが爆上がりしました。ブラックブレイダー」というブレイダーのライバルポジションの姿になって本家ブレイダーと共闘する構図が実にカッコよかったです。しかしスーツが脱げなくなってしばらくそのまま生活するオチには一転して爆笑してしまいました。(メタルマンかな?)最後の最後に燃えて笑える内容を見せてくれたと思います。

 

 

総評

 悪の組織の内、怪人を作る部署の日々を描いた本作。「企業の社員あるある」を中心とした内容が特徴的で、企画の難しさや上司の無茶ぶりの対応など、働く者たちの悲哀をこれでもかと描写していたのが面白かったです。ただ主人公の黒井津さんがめげないどころか、かなりの野心家だったおかげで応援しながら見ることが出来ましたね。

 またウルフくんを筆頭とした怪人たちも社員として働いていたのが素敵なポイントでした。怪人を「個人」として扱ってくれているおかげで見ていて安心感がありましたね。主人公たちが所属する組織がホワイト企業というありがちな設定ながらも、古臭さはありませんでした。

 一方で特撮ネタに関しては少々「薄い」と感じてしまう点が多々ありました。よくも悪くもヒーローや怪人のイメージのテンプレが微妙に古いのが引っかかりましたね。ゲストのご当地ヒーローの出番もおまけ程度ですし、ヒーロー側の描写が少なかったという印象も否めません。作画の問題もありますが、まずは特撮ネタをもっと深掘りしてほしかったです。

 

 

ポケットモンスター

第103話「サトシとシトロン!友情大特訓!!」

第104話「ハイパークラス!VS四天王ドラセナ!!」

 新学期に入ってからのアニポケは何と1時間スペシャル。ということで人気の『XY』時代のキャラがどんどん出てくる豪華な回となっていました。シトロン&ユリーカの兄妹と共に特訓する前半、そしてカロス四天王のドラセナと戦う後半はどれもXYファンにとっては大歓喜の内容だったかと思います。

 個人的に好きな見どころはネギガナイトとウオノラゴンの関係を描いたことですね。特に本作のサトシの手持ちの中では影が薄めなウオノラゴンにようやくスポットが当たってホッとしました。ネギガナイトの特訓の邪魔をしているようでいて、実際は彼の手助けをしていたウオノラゴンのいじらしさ(本人にそのつもりはなさそうですが)にキュンキュンします。

 ドラセナとのバトルでもウオノラゴンが大活躍してさらにびっくり。メガチルタリスのタイプ変化に困惑させられるものの、仲間の応援を得て頑張る姿に胸打たれました。ストイックなネギガナイトが周りを気にせず応援してくれるシーンといい、この2匹の仲をじっくり丁寧に描写してくれた前後編として非常に楽しめましたね。

 

 

処刑少女の生きる道(バージンロード)

第1話「処刑人」

 よくある異世界召喚作品か?と見せかけてのまさかの展開を見せた本作。異世界に迷い込んだ日本人を密かに処刑する暗殺者の物語だとは事前に調べていたものの、さっきまでにこやかに話していた少女がいきなり相手を殺害するシーンの緩急にはギョッとさせられました。それ以外にも階級制度の中で繰り広げられる陰謀や、望まれぬ形で呼ばれて殺されてしまう「迷い人」がもたらす災厄など全体的に殺伐とした世界観に目が離せません。

 何と言っても主人公の「メノウ」が興味深いですね。迷い人によって家族を失った経験からか同じ迷い人の被害を事前に食い止めているのですが、殺した相手への罪悪感を抱えたまま生きている姿に悲哀を感じます。普通の女子高生として暮らす夢(クラスメイトは全員自分が殺してきた少年たちなんだろうなぁ・・・・・・)を見る辺りからも、彼女の自罰的なキャラクターが垣間見えました。後輩の「モモ」とのコミカルなやり取りはあるものの、基本的に救われない境遇の彼女がどうなっていくのか先が気になってきますね。

 

 

阿波連さんははかれない

第1話「近すぎじゃね?」

 泣き顔描写に定評のある水あさと氏が手掛けた漫画のアニメ化、ということで早速視聴しました。(余談ですが氏の作品の中では『デンキ街の本屋さん』が個人的に好きです)例によって不思議系女子とのおかしな日常を描いていく内容にほっこりさせられます。

 ヒロインの「阿波連れいな(あはれん・れいな)」は無表情で声が小さく、何を考えているのかわかり辛いせいで他人との付き合い方がわからなくなっている様子が可哀想にみえてきます。それ故主人公の「ライドウ」が彼女のありのままを受け入れていく過程に心が暖かくなりましたね。距離感が測れない阿波連さんとライドウの関係性はどこか見守りたくなる魅力があります。

 そんな阿波連さんとの勘違い生活も面白いですが、個人的にはライドウのどこかズレているキャラクターが印象に残りました。阿波連の言葉を読み取るために努力する姿は素敵ですが、それがどんどんおかしな方向にエスカレートしていったことには変な笑いが出てきます。阿波連さんとは別ベクトルでおかしいライドウのことも気になるばかりです。

 

 

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ(ハート)

第1話「理系が恋に落ちたのでカップルと比較してみた。」

 一昨年視聴者を爆笑の渦に巻き込んだ理系バカップルがついに帰還。自分の感情を冷静に分析しようとする雪村と氷室の2人のズレッぷり、そして専門知識を駆使した「恋」の定義の証明ストーリーなど、1期から地続きとなっているノリが相変わらずで懐かしさと安心感を覚えました。専門用語に関してもリケクマの説明など、何も知らない人でも極力理解出来るように配慮されているのも1期と同じで非常に見やすかったです。

 2期最初のエピソードでは生理学部出身の「藤原翠雨(ふじわら・すいう)」と「クリス・フロレット」が登場。主人公2人と同じバカップルかと思いきや、本作では珍しく互いへの好意を隠さない姿勢が素晴らしいです。雪村たちに「実験で「好き」が証明されなければ納得するのか?」と鋭い指摘をしつつ、恋人への愛を隠さないクリスは特に好感が持てますね。そんな強敵相手とのオキシトシン分泌対決ではまたもやドラゴンボールみたいな表現がされていて笑ってしまいましたが、雪村たちの現状について危機感を覚えさせる重要な出だしとしては十分でしたね。

 

 

 上述で抱負を書いたものの、様々なアニメをチェックしていくのは結構大変ですね。特に最初の週はほぼ全ての作品の1話をチェックしつつ、視聴する作品や感想を書く作品を選んでいく必要があるので各クールの始めは毎回大忙しです。しかしそれもまたアニメ視聴の醍醐味だと納得しつつ、この状況を楽しんでいきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。