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仮面ライダーリバイス 第31話「幻想の導き、夢のあとさき」感想

俺たちが決める一撃(シュート)

今回のバイスは「飛羽真っちの言った通り“約束は破った方が辛い”んだなー・・・・・・」とか思ってそう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 過ちを乗り越え、今こそ動く

 今回のリバイス一輝の過去について大きく触れていくエピソードの後編。謎に包まれていた一輝とジーコの約束について明かされると同時に、それぞれの複雑な心情が描かれていました。

 今回のポイントはやはり、一輝がジーコに怪我をさせてしまっていた過去ですね。ジーコからサッカー選手の夢を奪ってしまった事実に耐えられず、サッカーをやめてしまった一輝の苦しみがまず目に飛び込みました。彼に限らずジーコも昴先輩もあの事件で負い目を背負ってしまっていることが判明し、誰もが罪の意識に苛まれていたことがよくわかります。同時にその意識から逃避してしてまう心の弱さも描かれていたのが興味深いです。

 それ故逃げていた過去と向き合い、互いに謝罪しあう一輝とジーコのシーンは見ているこちらも救われました。幻覚の中でそれぞれの記憶を目の当たりにすることで、2人はようやく正面から向き合えたと言えます。同時に今回の幻覚を見せた昴先輩の優しさも印象的で、デッドマンという違法に手を染めてでも後輩たちを救おうとするいじらしさに胸打たれました。

 また前回も触れられたエゴイストの要素について好意的な解釈が為されていたのも特徴的。サッカーのストライカーに必要な「自分が絶対にゴールを決める」という心構えから転じて、「俺がやってみせる」一輝とジーコの決意が終盤に描かれていました。これまで一輝の独りよがりな在り様として使われていたエゴイストが、自分自身を貫く強さの在り方として捉えられていくのは中々に気持ちがいいですね。

 そうして一輝はラフレシア・デッドマンの討伐、ジーコは昴先輩の代役を全力で果たしていくシーンは非常にカッコよかったです。逃げてしまった過去があるからこそ、自分の力で約束を果たそうとする彼らの姿は中々に胸に響きます。「過去の過ちを乗り越え、今の自分を信じようとする若者たちの再起」こそが今回のテーマだったのかもしれません。

 

 

  • 無情な契約の代償

 そんな前向きな内容に励まされましたが、一輝の記憶の秘密についてもようやく触れられたラストも同時に印象に残りました。前回の予想通り上述の約束に押し潰されてしまった一輝の罪悪感を消すため、バイスが記憶を消していたらしいという話には納得しかなかったです。ここ最近のバイスの献身ぶりを思うと、一輝への行動として実に理に適っていると言えます。

 しかし話はそう単純ではない模様。一輝が過去を忘れていたのは18年前のベイル襲撃の一件でバイスの「家族を守るために戦う」という契約をしたことで発生した「記憶を失っていく」代償の影響に過ぎなかったことが明かされた時はかなり驚きました。これまで度々描写されていた写真の件も、バイスが戦うたびに一輝が記憶を失っていたことを表していたのでしょう。悪魔と契約している以上はある程度のデメリットがあってもおかしくはないのですが、意外と重いものを支払っていた事実にはやはり慄いてしまいます。(こういった話を聞くと『電王』の侑斗/ゼロノスとついつい比べてしまいますが、どちらも十分に重いデメリットだと思います

 バイスがこの件を今まで話さなかったのは契約における「過去について話せない」設定故、というよりかは一輝を気遣って敢えて黙っていたのかもしれません。そういったバイスの態度からも、今回明かされた代償の大きさが伺えます。その内家族のことも忘れてしまうかもしれない可能性を孕んだ中、一輝はどこまで戦い続けていけるのか・・・・・・気になるばかりです。「忘れてもラフレシア・デッドマンの能力でまた思い出せばいいじゃん!」とか思ってしまった僕は最低です殴ってください。

 

 

 というわけで、2話に渡り一輝と友人たちを掘り下げていく内容でした。若者たちの過ちと、それを乗り越えていく様子が個人的にとても刺さりましたね。何て言いますか、こういった「苦々しい青春」を描いていくストーリーは僕自身の嗜好にとてもマッチするのかもしれません。そういった意味でもお気に入りの前後編でした。

 

 上述の感想の他にも戦闘シーンも印象的で、いつにも増して激しいバトルが繰り広げられていて見ごたえがありましたね。何と言ってもラフレシア・デッドマンの強さが最大のポイントで、フェーズ1でありながらジャンヌやライブたちを翻弄する様子には驚かされました。そんな強敵をサンダーゲイル&ホーリーライブのエフェクトマシマシの攻撃で倒すシーンは終始カッコよかったです。

 そして前回に引き続き、声優さんたちが本人役で出演していたのも注目ポイント。本作でラブコフの声を担当している伊藤美来さんの出演も嬉しかったですが、それ以上に『ドラゴンボール』のベジータ役として有名な堀川りょうさんが出てきた時は度肝を抜かれました。大御所の姿がしれっと映った時のインパクは本当に凄まじかったです。本筋には関わらなかった分、ジーコの新しい一歩を快く送り出してくれる役として存在感を放っていたのも良かったです。2話続けて声優ネタ好きとしてはかなり楽しい回でもありましたね。

 

 

 さて次回は待ってましたのアギレラ。長いことフラフラ彷徨ってはさくらに絡んできたアギレラですが、彼女の物語に1つの終止符が打たれるようです。生きる目的であったギフを失った今、彼女がどのような選択を取るのか非常に気になります。(僕自身アギレラのことを度々可哀想に思っているので、どうにかして彼女に救われてほしいと思ってしまいますね)そんなアギレラを止めようとするさくら、そして未だに彼女のことを慕う玉置の動向も見逃せません。

 

 

ではまた、次の機会に。