偽りの戦い
恐怖の真実
演技力は大事。漢詩にもそう書かれている。
- 作られた“無力さ”の絵面
またもや開幕した赤石長官無双。今回のリバイスは、前回に引き続き赤石長官の独壇場とも言うべき内容でした。ギフの脅威を人類に知らしめるため、大二たちすら利用してしまう長官の恐ろしさがわかりやすく出ていたと思われます。
何と言っても演説会場で壮大な茶番劇を繰り広げたのが凄まじかったですね。完全に長官側についた朱美さん（ギフデモス）やギフテクスに自分たちを襲わせ、演説を止めに来た大二たちに守ってもらうよう仕向けるやり方には唖然となりました。自分が死んだと思わせることで、現場を見ている市民に悪魔の恐ろしさと仮面ライダーが無力であることを思い知らせるのは確かに有効と言えます。
何より長官の演技がやたら印象に残りました。妙なオーバーリアクションでギフの存在を知らせるわ、死んだふりもするわとノリノリで「無力な人間」の演技をしている様子は見ていて変な笑いが出てきます。というか全体的に楽しそうに演技しているのが伝わってくるので、悪役ながらちょっとほっこりさせられてしまいました。ちょっと悔しいですが、この茶番は大成功だったのかもしれません。
とはいえ主人公勢にとってはあまりにも痛い敗戦でした。特に大二は自分の信じる正義の元行動しても、何も為せない事実に打ちのめされている姿を見せてきて中々に辛かったです。以前から本当にいいところが無い大二が本当に不憫でなりません。
そのうえ長官からそんな大二に何かを見出されているラストがまた不穏でしたね。彼が放った「一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)」*1の言葉からして、独りよがりになりつつある大二を嘲笑っているように思えます。長官はそんな大二を何に利用しようとしているのか･･････この先の大二がどうなってしまうのか、とても心配になってきますね。
- 鈍色の情熱を燃やす二角の猛兵士
クワガタ！
Deal.
Delete up!
未知なる
Unknown.
混乱が
Unlest.
越える
Unlimited.
Kamen Rider!!
Over Demons!!
牛島光がデモンズドライバーに「クワガタ」バイスタンプを押印して変身した仮面ライダー「仮面ライダーオーバーデモンズ」。狩崎が開発したであろうデモンズの強化版です。（後述の見た目はどちらかというとベイルに近いのですが）誰が変身するか気になっていましたが、前回の予想通り光くんが変身したようですね。
その姿はさながらベイルとデモンズを合わせたかのようなデザインで、特にマスクなどはベイルの要素が強いです。各装甲は両ライダーの時よりも厚くなっており、ゴツくヒロイックに洗練された印象を受けます。また元ネタのクワガタらしい意匠も至る所に見られ、頭部にはクワガタのアゴを思わせる角、そして肩に羽のような薄いマントを羽織っているのが特徴的。一兵卒のような貧相な面が見られたベイルと比べても、隊長のような風格を得たと感じますね。
そんな非常にカッコいいオーバーデモンズでしたが、一輝たちを救出するために変身したせいか、今回の初陣ではほんの数十秒の出番しかありませんでした。必殺技も一輝たちを回収する際に使われただけで、ほとんど戦わずに終わったのは非常に残念でしたね。とはいえ襲いかかってきたギフテクスなどを軽々と跳ね除けるシーンもわずかですが見られたので、戦闘力は十分に高いことが伺えます。変身前の光くん共々、この先の戦いに期待しておきたいです。
- それぞれの再起
上述の通り敵側が未だに優勢な状況ですが、それでも立ち上がる主人公陣営の頑張りも今回の見どころの1つでした。まずは一輝ですが、大二を心配する一方でバイスに激励を送る姿を見せてくれました。前回ベイルの言葉に揺さぶられたバイスに「お前は悪魔じゃなくてバイスだ」と言ってくれるのが良かったですね。一輝がバイスを悪魔である以前に、1人の人格として見てくれているのがわかります。
バイスもその言葉のおかげですぐに立ち直ってくれたので、見ていてホッとさせれました。その後のいつもの調子に戻ったバイスと一輝の軽快なやり取りを見てさらにいやされますね。悪魔だギフの末裔だといった肩書関係なく、“自分は自分である”ことをまず第一に考えさせてくれる素敵な一幕だったと思います。
もう1つは光くんと玉置の女子たちのストーカー取り巻きコンビ。それぞれさくらと花（アギレラ）の側にいたいがために色々と努力している様子が目に焼き付きました。特に光くんはここ最近のさくらへの執着や、今回の武術の訓練シーンなどで一気にキャラが立ってきたように思えます。まぁ彼に関しては色々と唐突感は否めませんが･･････他にも似た者同士で玉置と通じ合うような描写があったのも興味深いです。この2人が今後どうなっていくのかはまだわかりませんが、どうせならこれを機に仲良くなっていってほしいですね。
そんな次回は玉置が攫われるというまさかの展開に。花のために頑張ろうとしている矢先に足を引っ張ってしまうのは少々可哀想ですね。しかし予告を見てみたところ、何と玉置も変身するようで驚きました。光くんに続いて新戦力になるであろう、玉置の活躍には是非期待したいです。
さらに久々に元太父さんも登場し、五十嵐家とベイルの因縁に大きな進展が見られそうな雰囲気になっている点も見逃せません。父抜きでベイルを倒そうとする一輝たちは果たして勝てるのでしょうか･･････？
ではまた、次の機会に。
