新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーリバイス 第43話「永遠の終わり、後悔の向かう先」感想

執着と責任に囚われて

真澄パパは悪い人ではないけどやっぱりマッドサイエンティストなんだな、と思う今日この頃

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • それぞれの捨てきれない“執着”

 中々に衝撃度の高かった今回のリバイスギフによって復活・パワーアップを果たした赤石長官の大暴れが始まるかと思いきや、大二に引導を渡される展開には驚愕しました。前回の元太父さん周りの決着が非常に熱かっただけに、待っていたギャップも凄まじかったです。

 そんな今回は長官と大二、それぞれの“執着”が垣間見えたように思えます。まず赤石長官の方ですが、こちらは言うまでもなくギフへの忠誠が暴走していることが見て取れました。これまで人類を導こうとしていたのにギフが人類を見限ってからは自らアララトを崩壊させるなど、この男の行動原理は全てギフにあることがわかります。そんな長官が唯一ギフ以外で執着したのが大二だったわけですが、その結果があれという……ともあれあまりにもあっけなかったものの、ギフ以外に大きな関心を示してこなかった者の末路と考えると、納得のいく最期だったかもしれません。

 対する大二はさらに自分を追い詰めてしまうことになってて唖然。それどころかギフに契約を持ちかけてきたラストには開いた口が塞がりませんでした。前回の元太父さんの言葉は届かなかったのだろうか、とショックを受けた一方で、カゲロウを消してしまったことで自分を責めるなど大二らしい生真面目さが見られたのが印象的です。むしろ父とベイルの和解を目の当たりにしたことで「自分とカゲロウも共に歩む未来があったのではないか」という後悔から来ているように思えました。その可能性を閉ざしてしまった以上、今の自分を突き詰めるべきだと考えているのかもしれません。ギフとの契約を望んでいるのも、そうした自分への甘えを捨て去ろうとする目論見があるように思えます。

 主人に見捨てられたくないから従う長官と、やり直す可能性を捨て去ってしまった大二。違いはあれど、どちらも悪魔や自分自身に対して“執着”していると言えます。その結果同じようにギフに向かってしまった点もどこか皮肉めいていますね。長官はともかく、大二がこれからどうなってしまうのか心配で仕方ありません。

 

 

  • “責任”故の狂気、そしてすれ違い

 今回もう1つの注目ポイントだったのが真澄のシーン。彼に関しては前回の吐血から何とか生き延びていることに安心を覚えたものの、それでもすぐに死んでしまいそうな雰囲気にドキドキが止まりません。しかしその後真澄が語った自身の罪の告白を前に、ちょっとした衝撃を受けてしまいました。

 それこそ自身の悪魔を息子に移植したという事実。元太父さんだけでなく、狩崎にも手術していた話には本当にびっくりしました。好奇心ではなく親心でやった行為とのことですが、だとしてもあまりにもマッドな所業に息を飲むばかりです。

 個人的には狩崎に移植した悪魔を「自身の悪性」と捉えている点がとんでもないと感じましたね。ラブコフのように心の弱い部分の実体化ではあるものの、上手く付き合ってきている悪魔のことを思うと一方的に悪魔を心の闇と決めつけるのはどうかと思います。(一方で過去の真澄と現在の真澄の人物像にギャップを覚えるのは、その悪魔を取り除いた結果善良な面が増したのではないか?とも考えました)それどころか狩崎の今の性格は移植した悪魔が原因だというセリフには耳を疑ってしまいました。

 おかげで前回見られそうと思われた狩崎親子の和解はさらに遠のくことに……今回狩崎が取り乱すのも無理はありません。自分の人格に問題があるとはっきり言われたようなものですし、正直彼には同情する他ありません。“責任”感もあって決して悪い人ではないものの妙なところでデリカシーがない父親と、煽り癖があるものの人間臭さは消えていない息子。この2人の関係がまた険悪になろうとしている中、とりあえずは真澄に色々文句を言いたくなりましたね。

 

 

 ストーリー以外ですと、光くんが変身したオーバーデモンズが大活躍した点も忘れてはいけません。赤石長官が変身した「ギガデモス」を相手に仲間と協力しつつ、奥の手のフルゲノミクスで打ち倒すシーンには興奮しました。バッタ、コンドル、サソリ、アノマロカリスバイスタンプを次々取り込んでパワーアップした形態も異形ながらカッコいいです。かつてフルゲノミクスを披露したのがオルテカが変身したデモンズだったことを思うと、ようやく味方側でこの形態を活躍させられたと言えます。

 また前回心配していた光くんの死亡フラグが見事折られたことも喜ばしかったです。偽ながら想いあっていた両親を失って復讐に燃えていた彼が、無事リベンジを果たせて嬉しい限り。あまり目立った活躍をしてこなかった光くんがようやく見せてくれた大金星に、思わずテンションが上がってしまいましたね。

 

 

 次回はギフとの契約でラスボス路線を突き進む大二、彼との決着をつけようとする一輝とさらに苦しい展開が続くようで不安が止まりません。唯一の希望は再び変身しようとするヒロミですが、光くんの次は彼の死亡フラグが立っている点も心配ですね……最早予想がつかなくなってきたリバイスの展開がどうなってしまうのか、これからも目が離せなくなりそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。