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ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期) 感想(簡易総評)

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描き続けよう

夢と夢が重なり合い、新たな未来への虹がかかる

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 ラブライブシリーズの1作である『虹ヶ咲スクールアイドル同好会』。過去シリーズとは異なる要素が多く取り入れられた1期に続き、2期もまたこれまでにないアプローチが多く見られました。

 

metared19.hatenablog.com

↑1期の感想については上の記事を参照。

 

 シリーズとしては初となる追加キャラの投入に当初不安も覚えたものの、蓋を開けてみれば全くの杞憂で終わったのも最高の一言。そのうえ既存キャラが空気になるなんてこともなく、それぞれの組み合わせがさらなる物語を魅せてくれていたと思います。今回はそんな虹ヶ咲2期の感想を簡単にまとめていく所存です。

 

 

  • 平行する想いが交差する時

 1期で「個」の“調和”を表現しきった虹ヶ咲。それぞれの好きを尊重し合い、相手の個性と共存し合っていく現代らしい在り方を見せてくれましたが、2期ではそこからさらに発展した調和が描かれていました。それこそ好きと夢の”交差”です。

 思えば1期の時点ではそれぞれの好きと夢を表現する形としてソロアイドルでの活動がメインとなっていました。良くも悪くも個人の世界を形作っており、他アイドルの個性との干渉は最小限に抑えられていたと言えます。しかし2期では嵐珠という強烈な個が介入してきたことをきっかけに、既存キャラがグループを組むという異例の事態が発生しました。*1そして一見してバラバラな個性が1つになることで、新たな科学反応が生まれていました。(自分たちの問題についてある程度決着がついたからこそ、このグループ結成が成り立ったのでしょう)グループの形もまた個性的で、中でもDiverDivaの「ライバルとして競い合う関係」は、1期の「仲間だけどライバル」をわかりやすく発展させていたと感じましたね。

 さらにアイドルとそのファンが互いに与え合う関係から1歩先を行く、「アイドルとファンが1つのライブを作る」という答えが用意されていたのも忘れてはいけません。異なる立場が互いに協力し合うことで完成されていく光景は、平行線にあったそれぞれの好きと夢がまさに交わったことの証明だったと考えます。

 

 そしてその過程で嵐珠をはじめとした新キャラたちの悩みや葛藤を描いた構成も見事。1話完結オムニバスではなくなった分よりじっくり描かれていたのはもちろんのこと、解決の道筋にも“交差”が関わっていたように思います。「それぞれの好きからくる不和」を描いている点は1期と同じですが、加えて「他者と関わることへの恐怖」が扱われていたのも特徴的です。

 わかりやすい例としてはやはり嵐珠ですね。上述のファンとの関係性と異なる姿勢を見せていた一方で、その実他人との関わりに戸惑いを見せていた点は2期でも特に印象的でした。そんな自分すらも受け入れてくれる場に身を委ね、他人との好きと関わっていくようになる様子を丁寧に描写していた点は本当に素晴らしかったです。

 このように1期の時点で完成されていた「個」の在り方を、交差させていく形で新たなステージに立った内容は、2期として最高の構成だったと思います。既に満足のいく内容をより大満足へと導いていくストーリーには、本当に感動を覚えましたね。

 

 

  • あなたが叶える物語

 そして虹ヶ咲と言えば忘れてはいけないのが侑の存在です。他シリーズにはない本作最大の特徴である彼女の物語もまた、さらなる発展をしていきました。1期ではみんなを支える裏方から、自分の夢を見つけ出す1人の少女として確立された侑。そして2期における彼女は、多くの人に感動とトキメキを与える者として完成していく様子が描かれました。(全体から見ても侑個人に焦点を当てたエピソードの比率が多くなっていたのも興味深いところ)

 侑の成長に関してはやはり「与える側」としての自覚をしていくことが最大のポイントだったと考えます。そもそも彼女が音楽の道を志したのは自分にトキメキを与えてくれた親友たちに応えるため、という側面が強く、誰かに想いを届けるの作曲には無頓着だった節がありました。しかし1期で関わってきた同好会の仲間たちとの交流をしていくうちに、自分が彼女たちの背中を押していたことに気付いていく様子がちらほら見られました。そうして自分の好きと夢を確立させて、作曲家としての道をしっかりと見定めていくラストが最高に心地よかったです。

 個人的に面白かったのは12話での葛藤の様子ですね。1話の時点で嵐珠に指摘されていた「今の夢をきちんと目指さないのか」という問題に向き合うものの、音楽の道を真剣に進んでいる人たちの中に自分が入っていいのか……と悩む様子は1期での歩夢を彷彿とさせました。侑以外の人たちに目を向けていくことに戸惑っていた歩夢と、同好会メンバーという小さな世界から大きな音楽の世界への一歩で足踏みしていた侑は実にそっくりです。それ故その問題を乗り越えたことで、侑は歩夢と同じステージに立てたのだとも感じました。

 1期で視聴者のアバターから1人のキャラクターへとなった侑が、次なる一歩としてアーティストになっていく過程をわかりやすく見せてくれたのは嬉しい限り。最終回のステージ登板は、まさに少女がトキメキを作り出すアイドルへとなっていく物語の終着点だと思いましたね。

 

 

 では以下、各キャラクターについての所感です。(※13人全員書くのは大変なので、今回は追加メンバー+侑の4人のみを書いていきたいと思います

 

 

鐘嵐珠

 誇り高き偶像姑娘。追加キャラ1人目として放送前から注目していましたが、1話から予想以上のインパクトを与えてくれた少女でした。自分のパフォーマンスに絶対の自信を持ち同好会とは別の道を進む一方、同好会メンバーとも交流を深めていくあざとさもあって鮮烈ながらも親しみやすいキャラクターを確立させていたと思います。序盤から侑のスタンスに口出ししながらも、彼女への思いやりが感じられた点も好感が持てますね。

 一方で友達が出来ない、1人であろうとする臆病な面も印象的でした。何でも出来るせいで他人に寄り添えない性格が災いした結果、欲しくても出来ない友達については諦めていた事実に思わず悲しみを覚えます。(思えば栞子にだけよそよそしかったのも、「たった1人の友達に嫌われたくない一心だった」のかもしれません)そんな彼女が心を許せる仲間を経て、純粋な表情を見せていく過程こそ2期最大のポイントだったとも取れますね。

 

 

三船栞子

 精一杯を魅せる大和撫子シリーズ定番の規則に厳しいタイプかと思いきや、意外にも話の分かるキャラクターだったことに当初驚愕しました。スクールアイドルという夢を決して否定せず、むしろ積極的に応援してくれる姿は実に新鮮でしたね。お堅いながらも優しいという、新たな可能性を見た気分です。感情の薄い性格かと見せかけて、実際は笑顔を要所要所で見せてくれるギャップもまた魅力的です。

 それでいて自分の夢を諦めていた過去がこれまた強烈でしたね。姉の涙を後悔と捉え、その悲しみをみんなに味わってほしくない想いで行動していたことに彼女の生真面目さと優しさ、そして悲痛な決意を見ました。姉とのすれ違いを乗り越えた後は、その優しさを自分に向け、笑顔をより多く見せてくれて本当に良かったです。

 

 

ミア・テイラー

 輝くプラチナムディーヴァ。3年生ながら飛び級なので実際は同好会最年少という、今までなかったユニークな経歴を引っ提げてきたニュータイプの留学生です。最高学年でありながら幼いという相反する個性のおかげで、1年生組と3年生組それぞれとの絡みを両方見られたのが面白かったですね。表向きはツンケンしているものの、押しに弱かったり何気なくアドバイスしたりと実際は付き合いのいい性格だったのも良き。

 彼女の問題に関しては上2人と比べるとあっさり目に描かれていたものの、その分1話での活躍は非常に濃かったと思います。音楽一家としてのプレッシャーに負けてしまった過去を経た結果他人に歌うことを委ねていたものの、音楽への執着が捨てきれていなかったのがミアの特徴と言えます。だからこそ自分の歌で嵐珠を引き留めるシーンは最高に素敵でしたね。

 

 

高咲侑

 トキメキを描くアーティスト。引き続き虹ヶ咲の主人公ポジションとして活躍してくれた我らが侑ちゃんです。彼女に関しては上述の内容に加え、「個性を引き出す」特徴を見せてくれていたと感じました。相手の個性をそのまま受け止めていく姿勢からより先の、自分や相手が何をやりたいのかを探し出す過程が描かれていたように思えます。

 1期と比べると同好会メンバーとの絡みは少なったのですが、それだけ侑自身の描写が増えていたと捉えることも出来ます。視聴者の手を離れた存在になったからこそただアイドルたちのそばにいるのではなく、自分自身を成長させていく1人のキャラクターになった証と言えるので、個人的にはかなり喜ばしいことでしたね。

 

 

 というわけで虹ヶ咲2期の感想でした。1期とほぼ変わらない作風で楽しめたものの、相違点や2期ならではの要素を見つけ出すのに苦労しましたね。1期の要素を発展させた“交差”のワードを思いつくことが出来て、本当に良かったです。既存の面々に関しても書きたいことが多かったのですが(数話でゆうしず成分を一気に稼いだしずくの恐ろしさとか、ミアとの絡みやボードなしでのライブで成長を見せた璃奈とか色々ありますね)、ひとまずはここまでで感想を終えたいと思います。

 そしてラブライブシリーズは次なる『スーパースター!!』2期へと進みます。数週間の空きはあるものの、2クール連続でラブライブが楽しめるというのは非常にありがたいです。スーパースターの方も虹ヶ咲のように追加メンバーが入っていくほか、シリーズとしては異例の2年目の学園生活を描くなど見逃せない要素が満載で放送が待ち遠しいです。虹ヶ咲とスーパースターのおかげで、さらに続いていくラブライブの世界を前に、これからも楽しんで見ていくという想いがさらに強くなりましたね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

 

↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。

 

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*1:最も少数によるグループの結成自体は過去のラブライブシリーズでも行われていた。