新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーリバイス 第39話「希望と絶望、三兄妹の葛藤」感想

鬱屈と激情の衝突

突然ぶつけられた心無い言葉のせいで、大二のメンタルはボドボドだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 苦しみぶつかる兄弟たち

 今回のリバイスは予告通り五十嵐兄弟の本格的な対立がメイン。大二を中心とした多くの人物のフラストレーションが爆発したかのような様子が描かれました。赤石長官側についたものの、一輝たちとはそこまでいがみ合っていなかった大二が完全に敵として襲い掛かってきたのがショックでしたね。

 それ以上に大二の空回りぶりが可哀想な回でした。長官の言葉や自分の考えに盲目的になっている点は否めませんが、シェルターに避難していた人々に「偽善者」呼ばわりされるわモノを投げられるわ(マーベル市民じゃないんだから)と否定されるシーンはさすがに気の毒に感じます。そのうえ兄妹たちからも止められるなど、四面楚歌の状態で自暴自棄になりつつある姿はもう見ていられませんでしたね。

 ここに至るまで大二が周囲の人たちに否定され続けてきたことを考えると、今の彼はかえって自分の信じる「正義」に固執してしまっていることがわかります。朱美さんといった支えがいなくなったのも、その暴走に拍車をかけていそうです。大二に今必要なのは、彼の考えを頭ごなしに否定せず、寄り添ってあげられる優しさなのかもしれません。(前回のヒロミの説得がまさにそれでしたね)

 

 しかし一輝たちは一輝たちでそれどころではなかったのが大きなポイント。特に一輝が記憶を失っている様子が久しぶりに描写され、この先戦うことへの大きなためらいを感じさせてきました。自分のことに手一杯だったために、大二の心に目を向ける暇がなかったのかもしれません。

 しかも今回一輝が忘れてしまったのが8話での温泉旅行に関する記憶というのが興味深いです。思い返せばこの回はカゲロウが大二の体を乗っ取り、家族の仲を引き裂きにきた重要なエピソードでした。そのことを一輝が忘れているということは、もしかしたらカゲロウとの戦いで気付かされた大二の心の闇についても憶えていない可能性があります。もしそうだとしたら、一輝は大二がここまで悩み苦しんでいる根幹を知らないままなのかもしれません。

 そんなゾッとすることを考えましたが、それぞれの感情をただただぶつけ合ってしまっている兄弟たちのすれ違いの方も忘れてはいません。誰か1人でも相手側に寄り添うだけで大分変わっていきそうな状況なだけに、目の前の兄弟を見てやれない彼らの様子には心が痛むばかりです。(わからずや大二にキレてから即座にバズーカを打ち込むさくらには吹き出しましたが)どんどんボロボロになっていく五十嵐兄弟たちの絆は、果たしてどうなってしまうのでしょうか。

 

 

  • 戦いの中の悲喜こもごも

 今回は五十嵐家族以外の人々の様子も大きな見どころでした。フェニックスのやり方に賛同していない市民たちをシェルターに誘導するウィークエンドと、情報操作でウィークエンドの悪評を流して対抗するフェニックスの水面下の戦いがまず描かれていました。(しかしこういった戦いは見ていてあまりテンションが上がりませんね……)

 そんな中、光くんの母親役である公子さんが殉職するというまさかの展開が。公子さんに関してはそこまで思い入れはなかったのですが、光くんが慟哭するシーンもあって悲壮感に溢れていました。視聴者的にはあまり馴染みのない関係性だったものの、彼らなりの絆が築かれていたことは伺えます。何より公子さんの犠牲を前にして非情を徹する太助さん、ショックを受けながらも罪を償うため歩みを止めない花&玉置など、残された仲間たちの覚悟を取り上げたシーンが印象的でした。「戦いで失った人たちに向けて何が為せるか」が描かれたいたとここで感じましたね。

 逆に個人的に嬉しかったのがヒロミと狩崎のやり取り。デモンズドライバーの件で確執があったこの2人が、ようやく和解した瞬間には思わず感激してしまいました。狩崎がいつものようにヒロミに対して軽い態度を見せるかと思いきや、謝罪するシーンはとても真面目な表情を見せていた点も衝撃的。嫌味ったらしい喋りは健在なものの、本心では罪悪感を抱いていたことがわかりますね。だからこそヒロミの目を見てきちんと謝れたのは素晴らしかったと思います。(ヒロミもヒロミで腕を突き出す後ろ姿で応えるのがグッド)上述の五十嵐兄弟が争っているだけに、こうして素直に相手に向き合える関係性がより心地よく感じます。というわけで心に余裕が出来たであろう狩崎とヒロミにはそれぞれ、兄弟たちのメンタルケアを期待したいところです。

 

 

 さて次回はついに一輝VS大二の兄弟喧嘩が勃発。今回戸惑ってばかりだった一輝がようやく大二と向き合うようでちょっと嬉しいです。ここまできたら一度互いの本音をぶつけあいながら、相手の心情を理解していく方がいい気がしますね。

 またウィークエンドがフェニックスの本拠地であるアララトに直接乗り込む作戦を同時に決行するも模様。この辺りはさくらたちが上手くやってくれそうな予感がしますが、予告映像で一瞬映った赤石長官の変身シーンが気がかりです。ギフの力でとうとう自身を悪魔にしたのでしょうか、禍々しい姿と化した赤石を前にさくらが無事で済むのか不安に思えてきました。ここ最近あまり戦績が良くないけど、大丈夫かさくら!?

 

 

 ではまた、次の機会に。