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2022年春アニメ簡易感想 その36

 

 

 

 刑事ドラマシリーズ『相棒』にて、主人公・杉下右京(演:水谷豊さん)の次なる相棒役として、初代相棒を務めた亀山薫(演:寺脇康文さん)の登場が決定。まさかの初代相棒コンビが復活するという、驚きのニュースが舞い込んできました。多くの人が次は誰が相棒役を演じるのか予想を立てていたと思いますが、この結果を当てていた人はまずいないでしょう。僕自身町田啓太さんの可能性をブログに書いており、寺脇さんが復活することなど夢にも思っていなかったです。

 

metared19.hatenablog.com

↑町田啓太さんの可能性について書いた件はこちらの記事を参照。

 

 さてこの寺脇さんの再登板、これは色々な意味でとんでもない事態だと言えます。今になって寺脇さんをもう1度出演させるということは、初期のファンを呼び戻そうとする考えが読み取れます。恐らくはそうして人気を取り戻そうとしているのでしょう。

 同時にシリーズそのものを終わらせにかかっているようにも思えます。水谷さんの年齢を考えてもこれ以上シリーズを続けるのは難しいですし、いいところで作品に区切りをつける可能性がありそうです。寺脇さんはそのために呼び戻されたのかもしれません。

 あまりの衝撃故に色々と裏側のことを妄想してしまいますが、何だかんだで寺脇さんが帰ってきてくれたことは嬉しいです。あの頃の相棒、そして寺脇さん退場回をリアルタイムで見てきた身としては、やはり期待する気持ちが勝ってきますね。どんなことになるのかはまだ未知数ですが、10月からの相棒の新シリーズが楽しみになってきました。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ブラック★★ロックシューター DAWN FALL

第12話(最終話)「Black Rock Shooter」

 前回の時点でかなり劣勢だった最終決戦にて、今回は仲間が次々と倒れていくショッキングな展開が襲い掛かってきました。(個人的には大佐の死亡が1番悲しかったですね。やっと娘が帰ってきた矢先にこれって……)隕石群も降り注ぐ光景なども含め、最早勝ち目はないと言うしかない絶望的な状況には息を飲むばかりです。

 それでもノリトたちのように決して諦めない人類、そして彼らを守るためにその身を賭したエンプレスの姿に胸打たれました。特にルナティック相手に啖呵を切るエンプレスの様子は、絶滅と繁栄の実験を繰り返しているに過ぎない彼女とは異なる今を生きている人々のために戦う意志が感じられます。ルナティック撃破の代償としてエンプレスが散っていくシーンは悲惨だったものの、生き残った仲間たちという希望を見て安心する姿を見てこちらもいくらか救われました。

 その後いきなり50年が経過した時はギョッとしましたが、仲間たちが反撃に出る様子が描かれたのはちょっと嬉しかったです。(あんなに可愛かったノリトがCV大塚明夫さんのイケオジになるとは)そのうえ宇宙での決戦で念願の「ブラック★ロックシューター」が流れると同時にエンプレスが復活するラストにはテンションが上がりましたし、戦いが続いていく結末でも希望がしっかり残っていたので後味が良いまま終われたと思いましたね。

 

総評

 「ブラック★ロックシューター」を題材にして新たに描かれた物語は、ゲーム版を思わせるポスト・アポカリプス作品でした。しかしながらあちら側と比べるとそれほど悲惨さが押し出されているわけではなく、逆に人間側の底力を描きつつ、守るべき彼らの魅力についてを主人公たちが学んでいくのが大きな主軸となっていたように感じます。

 劇中のエンプレス、ストレングス、デッドマスターはそれぞれ精神的に未熟な部分を抱えている中、大佐をはじめとした人間たちに触れていくことで自己を形成していくような描写が多々見られました。劇中でも「不完全だからこそ繋がれる」と言ったセリフがあり、ルナティック(アルテミス)が掲げる完全とは真っ向に対立した「繋がり」を重視していたことが伝わってきます。最終回の展開からもわかる通り、「希望をつなげていくこと」こそ本作のテーマだったのかもしれません。テーマが明快だったため、不明瞭なところがありつつもすんなりと見ることが出来ましたね。(個人的にはストレングスの掘り下げが丁寧だった5話がお気に入り)

 ただ「劇中用語の説明不足」と「露骨な性的表現」という2つの難点が引っ掛かりました。前者は劇中で少しずつ説明してくれているものの、平然と出てくるワードの数々に追いつけなくてちょっと不親切に思えます。(公式サイトに用語説明がなかったのも痛いです)一方後者は「孕ませる」など露悪的な下ネタ発言が多く、見ていて不快感を覚える場面が何度かありましたね。その辺りを本作の“味”と捉えるかどうかで評価が変わっていきそうだとも思います。

 

 

境界戦機

第24話「北陸戦線(前編)」

 ついに北米軍との全面対決が開始。各所で新日本協力機構軍の奮闘が見られ、いよいよクライマックスに突入したことを意識させられました。(1話でアモウと戦ったオセアニア軍の軍人も頑張っていてちょっとほっこりさせられます)中でもアモウたちメイレスパイロットが無人機を遠隔操作しつつ戦っているのが目に焼き付きましたね。本作で度々取り上げられてきた無人機の有用性を、本命の有人機とのコンビネーションで示す展開には唸りました。

 そして今回、アモウとブラッドの決戦の火蓋が切って落とされた点も忘れてはいけません。完成型に至った「ブレイディファントム」を駆るブラッドに「ケンブ斬」で立ち向かうアモウの勇猛ぶりが目立っていました。またパイロットの生命に関して真逆の対応を取っていたのも興味深いです。自身の負担を省みず機体性能を極限まで引き上げるブラッドに対し、ガイがアモウを守る最中少しずつケンブがボロボロになっていく様子は互いのスタンスの違いがよく表れています。何よりアモウを死なせたくない、と彼の身の安全を最優先するガイの姿が特徴的。命令に逆らってでもパートナーを守ろうとするガイに、AIの範疇を超えた感情が見られましたね。

 

 

ヒーラー・ガール

第12話(最終話)「私たち、C級ヒーラーです!」

 破門という名の研修期間がスタート。師匠の下を離れ、それぞれ異なる場所で奮闘するかなたちの様子が描かれました。中でもかなが災害救助のためにアメリカに長く留まる流れは衝撃的で、当初のメールでは響や怜美たちと別の道に進んでしまうのでないか?という不安がよぎりました。その分、日本に戻るとわかってからは劇中の怜美のようにホッとしましたね。

 そして今回最大の見せ場となったのが飛行機でのヒーリングシーン。奇しくもかなが幼少期に陥った状況とそっくりのシチュエーションにて、発作に苦しむ少女を救うために3人が歌うシーンに目と耳を奪われました。何といってもかつて師匠に助けてもらったかなが今度は助ける側に回るのがベタながら素敵で、ミュージカルシーンにてかなたちと師匠の姿を重なっていく演出にウルっときてしまいます。(師匠への未練を断ち切って髪を切った怜美が、師匠の面影を感じさせるのがまた良き

 また個人的には怜美の「いつまでも一緒ってわけじゃない」発言が印象に残りました。いつか別々の道に進むことになるかもしれない……といった不安を押し込め、気持ちをリセットしていく彼女の決意に心が震えます。だからこそその不安を吹き飛ばすかのように共に歌ってみせたのが響いているとも感じましたね。ラストの歌唱シーンも含め、寂しさと喜びを同時に味合わせてくれる最終回でした。

 

総評

 個人的な今季アニメのダークホース。歌で傷や病気を治すという突拍子の無い設定を引っ提げながらも、しっかりとした絵作りと独特のテンポで一気にこちら側を魅了してくるような作品でした。自然かつ素朴なキャラたちに好感を抱きつつ、緩急の激しさはないものの安定したストーリーに何度も心癒されましたね。ヒーラーの設定も基本的にはわかりやすく、あっという間に世界観に馴染むことが出来ました。

 そして本作最大の魅力となっているのがミュージカル要素。声優さんたちの歌唱力はみんな素晴らしいもので、1話の時点からかつてない感動を与えてもらいました。歌詞と劇中の展開のリンクはもちろんのこと、映像との組み合わせも見事の一言です。特にヒーリング中の状況をイメージした映像の力の入りようは尋常ではなかったですね。ミュージカルヒーリングアニメの名に恥じない、歌と映像で魅せるアニメだったと言えます。

 上述の通りどのキャラも魅力的だったのですが、個人的には五城玲美最も印象に残りました。烏丸師匠への異様な敬愛を見せるギャグ要素を担っている一方で、かなと響ら親友を想う強気ながらも優しい一面が実に可愛らしかったです。それ故彼女と彼女の家族ともいえるメイドの葵さんの関係を描いた8話は、本作でも屈指のお気に入り回です。

 

 

パリピ孔明

第12話(最終話)「英子の歌

 前回どうなってしまうのかと不安に感じていた戦いもついに決着。ブーイングの嵐を英子の圧倒的な歌唱力によって歓声に変えていく展開はもちろんのこと、それをきっかけに自分らしさを取り戻していく七海たちに感動させられました。自分らしい音楽を追求していき、それが評価されていく流れはベタながら胸打たれますね。(一方で前回も登場していたAZALEAのファンが初期のAZALEAのこともしっかりと覚えていると判明したのがまた良き)わかる人にはわかる音楽が、多くの人に評価されていく様子は見ていて気持ちがいいです。

 さらに唐澤の方にもフォローが入ったのが見事でした。良いものが売れるとは限らないからこそ心を鬼にしていた彼の心情に理解を寄せつつ、七海たちとの関係の修復を図った孔明の手腕に唸らされます。それ故敗者が存在せず、誰もが純粋に楽しめている光景こそ「天下泰平」だと見定める姿に感激を覚えましたね。争いのない現代だからこそ出来る目標を英子と共に目指す見事な結末だったと言えます。何より英子の歌によって誰よりも変われたのは、他ならぬ孔明だったことが伝わってくる内容でもありました。

 

総評

 実質諸葛孔明異世界転生というぶっ飛んだ設定だった本作ですが、その実音楽の世界での戦いと成功を克明に描いたサクセスストーリーでした。孔明を実質的なプロデューサーとして描きつつ、三国志に登場する策を物語に落とし込んでくる内容がとても面白かったです。「良く出来たものが必ず売れるとは限らない」「作品の質だけを追い求めるのではなく、それを広める技術も組み合わせてこそ人々の心を動かせる」という、作品を売るために必要な心得をストレートに表現していたと言えます。

 またそれらの問題を孔明が華麗に解決していくのが基本となっている一方で、大事な場面はアーティスト自身の行動に任せるのが素晴らしいポイント孔明ばかりが目立たせるのではなく、英子やカベたちの成長や魅力もきちんと魅せることで彼女らへの愛着と信頼をしっかりと感じることが出来ました。(上述の心得も裏を返せば「本当の才能はしっかりとしたお膳立てをしてあげれば必ず輝く」と言ったところでしょうか)そのため孔明と英子をはじめとしたプロデューサーとアーティストの二人三脚の物語こそ本作の醍醐味だったと考えます。

 

 

古見さんは、コミュ症です。(2期)

第24話(最終話)「ホワイトデーです。」「1年間です。」

 最終回の冒頭はいきなりホワイトデーの話ということで、只野の悶々とした様子から始まりました。只野妹の方がノリノリになっていくなど微笑ましい一幕もあった一方で、渡せるチャンスだった前日に日和ってしまった只野には呆れかえってしまいましたね。その分、ホワイトデー当日に古見さん宅で色々と甘酸っぱいやり取りが見られたので良しとしましたが。

 後半では消しゴム落とし大会が開催。何故いきなりこんなことになったのかという疑問すら置き去りにして、クラスメイト全員が謎のテンションで盛り上がる光景に戸惑いつつも笑ってしまいました。消しゴムの跳躍シーンの作画の良さもやたらぬるぬるとしており、妙な気合に入った演出がまた面白かったです。

 そしてラストの古見さんと只野がこれまでのことを振り返っていく展開にはちょっとウルっとさせられました。来年別のクラスになるかもしれないといった不安や切なさを抱えながらも、「楽しかった」思い出を胸に留めていく流れは何とも美しかったです。何より古見さんがしっかりと声を発する機会が多くなったことが、ここまでの1年の成果だとわかる良い最終回でしたね。

 

総評

 昨年の秋アニメの2期でしたが、良くも悪くも1期とほぼ同じ雰囲気の内容で安心して見ることが出来ました。実質分割2クールの感覚で楽しめた気分ですね。基本的に1期の総評と全く同じ感想が出てくるのが書く側としてはちょっと厄介なのですが。

 強いて違いをあげるとしたら、1期の時よりも各生徒の描写が増えていたのが特徴的だったと思います。山井VS中々や男子グループの妄想劇、修学旅行で仲良くなっていく三九二とあやみなど、個性的なキャラたちの関係が広がっていく過程を楽しめました。古見さんを介さずとも彼らの魅力が伝わってくるのが見事だったと思います。(ちなみに個人的には片居誠がお気に入りです。古見さんとは別ベクトルで勘違いされやすいキャラクターにとにかく惹かれましたね)

 かといって古見さん自身の描写が疎かになったかといえばそうでもなく、むしろ只野との関係の発展が見られたのが素敵でしたね。少しずつですが只野の前でだけ話せるようになっていく古見さんに癒されると同時に、友達以上恋人未満の関係になりつつある2人の様子には何度もニヤニヤさせられました。この先2人がどうなっていくのか気になるので、そのうち3期もやってほしいところです。

 

 

 相棒の新シリーズもそうですが、10月はアニメもどうなるのか気になるところ。まだ夏アニメも始まっていない中気が早いかと思いますが、気になるタイトルが次々と出てきているので思わず注目してしまいます。『弱虫ペダル』や『ヤマノススメ』などの人気シリーズの最新シーズンはもちろんのこと、『水星の魔女』といった新作にも目が留まります。この先の感想事情に備えて、10月アニメは何を見るか今のうちに調べておくのも良さそうですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。