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ウルトラマンデッカー 第1話「襲来の日」感想

やるしかねぇ!

今、やるしかねぇんだ!!

絶望に閉ざされた地球を守るため、新たなる巨人が今立ち上がる!!

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 ついに始まりました、ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンデッカー』。前作『ウルトラマントリガー』の直接的続編という珍しい形式で制作された作品で、それと同時にウルトラマンダイナ』を意識した要素もある個人的に見逃せない1作となっています。実際1話から前作との繋がりを感じさせる要素とこれまでにない要素を混ぜ合わせてきて、それでいてウルトラマンとしてオーソドックスな駆け出しを見せてくれました。今回からそんな新ウルトラマンの感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 追い詰められた地球、立ち上がるは熱き青年

 本作を見てまず驚いたのが火星への行き来がより手軽になったことですね。カナタの両親のように旅行感覚で火星に行く人が増えるなど、トリガーの時代以上に宇宙技術が進歩していることがわかります。一方でTPUといった組織は大幅に縮小している模様。怪獣が長いこと出現しなくなっている故の縮小化なのですが、この辺りで一気に危機感を覚えました。

 そしてスフィアの襲来によって地球が孤立化してしまったことでより衝撃を受けることに。闇の巨人との戦いを乗り越えてきた人類がこうも容易く落とされてしまうのは色々とショッキングで、平和だったがために追い詰められてしまうという皮肉を感じずにはいられません。地球に残っている隊員もTPUの訓練生しか残っていないようですし、シリーズ全体から見ても人類側がかなり追い詰められていることが伝わってきましたね。(メタ的に言えば、ケンゴたち前作のキャラを登場させてバランスが崩れることを防ぐための理由付けになっているのが上手いと思いました)

 

 そんな状況の中で目立っていたのが主人公の「アスミ・カナタ」。明るくお調子者の好青年で、初対面の相手にもグイグイ接してくる社交性が魅力的に感じました。(まぁ実家の煎餅を食べさせようとしてくるところには苦笑いしましたが)困っている人を放っておけない性格も好感が持てます。ただスフィア相手に銃を持って立ち向かう勇敢なところもあるのですが、このシーンはどちらかというと一般人なのに無茶をしすぎ……という感想が真っ先に浮かびました。敵わない相手にも向かっていく点は裏を返せば蛮勇とも取れます。ウルトラマンデッカーに変身してからもスフィアザウルス→スフィア軍団相手に連戦して敗れていますし、考えずに突っ込んでしまう辺りにはこれまた危うさを覚えました。

 ラストには戦う決意を固めてTPUの訓練生となったものの、今のままだとまた無茶をしそうな勢いがあるカナタ。誰かのためにひた向きに戦える性格は美点なので、どうにかしてすぐ無理をする悪癖を治してほしいところです。のちに仲間になる面々と切磋琢磨し、成長していく展開に期待ですね。

 

 

  • 輝く勇気で世界を守る、ニューデラックスヒーロー

 

ULTRA DIMENSION!

 

「輝け……!輝け……!」

「輝け……フラッシュ!!」

「デッカーッッ!!」

 

ULTRAMAN DECKER!!

FLASH TYPE!!

 

 アスミ・カナタが「ウルトラDフラッシャー」にフラッシュタイプの「ウルトラディメンションカード」をリード、展開させることで変身したウルトラマンデッカーの基本形態「フラッシュタイプ」。特徴的な頭部の形状や銀と赤、青を基調としたデザインからウルトラマンダイナ」との関連性が疑われているウルトラマンです。ただシルエットそのものはダイナに似ている一方で各部は大きく異なっており、特に頭部の紫色に輝くクリスタルに剣闘士を思わせる胸のプロテクターなどが目を引きます。さらに左右で異なる腕のカラーリングや左胸に偏ったカラータイマーなど、全体的に左右非対称(アシンメトリー)にまとまっているのが興味深いですね。

 戦闘ではカナタの直情的な性格を反映してか、一直線とも言えるわかりやすい戦いを披露してくれました。群がるスフィア軍団を一掃したほか、スフィアザウルス相手に苦戦しながらも力押しや必殺技の「セルジェント光線」で何とか倒すなど、終始がむしゃらな戦いぶりを繰り広げており、見ていてハラハラさせられました。カラータイマーが点滅した後スフィアの本命に挑むものの敗れてしまう辺り、まだまだデッカーの力にカナタが慣れていないのかもしれません。しかしどんなに傷つけられても諦めずに立ち向かっていく姿は、とても泥臭いカッコよさに溢れています。今後のカナタの成長次第でどうなっていくのか期待が持てますね。

 あとはやはりデッカーの正体についても気になるところ。劇中では突然カナタの前に現れてDフラッシャーを渡してきたこともあり、前作のトリガー同様何者なのか?という疑問が真っ先に湧いてきます。(当然ダイナとの関連性についても知りたいですね)個人的に引っ掛かったのがカナタがスフィアに捕らえられた際に姿を見せて、そのスフィアを突き破るように現れたことですね。まるで最初からスフィアの中にいたかのような描写から、「デッカーの正体スフィアの一部説」がまず思い浮かびました。とはいえまだまだ始まったばかりなので、デッカーの謎についてはじっくりと見て判断していきたいと思います。

 

 

  • 容赦なき襲来者

 本作の敵である「宇宙浮遊物体 スフィア」に、今回かつてない衝撃を受けました。世界中に出現して人々を襲ったり吸収したりするなど恐ろしい対応をしてきたことにまず驚愕させられます。しかも地球全体にバリアを張って孤立化させるなど、人類は逃がさないとばかりに徹底して追い詰めていく様子が恐ろしいです。戦闘後流れたニュースではバリアによる地球環境の変化はないと報じられていましたが、ここで逆に「自然などに興味はなく、人間そのものを狙っている」というスフィアの明確な敵意を感じましたね。詳細な目的はまだ不明ですが、今回のスフィアは人類にとって、今までになく恐ろしい敵であることが嫌というほど伝わってきました。

 そんなスフィアが生み出したスフィア合成獣精強融合獣 スフィアザウルス」も特徴的。何と言っても異様に大きい前足を持った異形のデザインにまずギョッとさせられます。また体中に結晶のようなトゲが生えているほか、剣の形状をした頭部のツノなど、全体的に刺々しいです。逆に生物らしい要素がほとんどなく、この怪獣が「造られた存在」であることを強く印象付けられます。通信障害を起こす能力などからも、人類を絶対に追い詰めるためスフィアの尖兵としてのイメージがより強くなりましたね。

 

 

 というわけでデッカーの1話感想でした。始まりから一気に切羽詰まった状況に陥ってしまった人類側の絶望、そんな中でも果敢に戦おうとするカナタの覚悟がこれでもかと伝わってくる内容でした。これほどの危機に如何にして立ち向かっていくのか、そしてケンゴたち先代GUTS-SELECTのメンバーはどのように登場を果たすのかなど気になる要素満載です。(あと余談ですが、EDの「カナタトオク」を歌っているのがあの影山ヒロノブさんだと知った時はテンションが上がりましたね

 他にも1話の時点で色々と印象的な要素が多かったのですが、中でもTPU訓練校の校長を務める「ムラホシ・タイジ」が目に留まりましたね。基本は優しい人のようですが、どこか暗い影を落としているのが気になります。特にウルトラマンを「都合よく私たちを助けてくれる存在」と含みのある言い方で語っていたシーンからは、彼がウルトラマンに対して何かしら懐疑的であるかもしれない可能性が考えられます。もしかしたらムラホシさんは、後々何かとんでもないことをしてしまうのでは……?と既に心配になってきました。

 とはいえカナタをはじめとした登場人物たちの明るさは大きな救いですね。まずはまた半年ウルトラマンが楽しめる喜びを嚙みしめながら、続きを楽しみに待ってく所存です。

 

 

 さて次回は訓練生になったカナタとその仲間たちとの訓練の日々を描く模様。今回の時点で既にギスギスした要素を見せてきた同期メンバーと、カナタたちが上手くやっていけるのか気になりますね。そして次回登場する怪獣は何とデスドラゴ。本作の世界における怪獣第1号という重要ポジションということもあり、活躍に期待がかかります。

 

 

 ではまた、次の機会に。