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ウルトラマンデッカー 第15話「明日への約束」感想

勇敢な戦士が

繋いでゆくんだ

生き抜く覚悟が、未来へと続く新たな力となる!!

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  • 明かされた多くの謎

 衝撃の14話のラストから続いた今回のデッカー。前半は何と言っても未来からやってきたという先代デッカーこと「デッカー・アスミ」の口から、未来で起こったことやカナタが力を手にした理由について語られたシーンが印象的でした。前回に続いてこれまた情報量が多く、咀嚼するのに苦労しましたね。読み取れたことを箇条書きでまとめると……

 

  • 数百年の未来、地球人は宇宙進出でスフィアと遭遇
  • 他の様々な宇宙人との協力し、スフィアとの戦いに発展する(その中には未来のユザレ、そして「ウルトラマンダイナ」もいるとのこと)
  • そしてスフィアは文明の進んだ星や強い生物を吸収して自分の力に変えようとしている(スフィアザウルスはバリアの収縮による星の吸収を担う装置のようなものらしい)
  • 最終的にはより巨大なスフィアの「本体」が来る模様←グランスフィア?
  • アサカゲ博士もといアガムスは地球を滅ぼすため、スフィアと共に時空移動システムでこの時代の地球に訪れていた
  • 先代はアガムスに破壊された時空移動システムでウルトラDフラッシャーとウルトラディメンションカードのみを過去に送り、カナタに力を貸していた

 

 とのこと。スフィアとの戦いやアガムスの因縁は全て未来での戦いの延長線上に過ぎなかったというのは中々に衝撃的ですね。そしてこれまでカナタを導いていた何らかの「意思」の正体が、この先代だったことにも驚かされます。ケンゴの前に現れたユザレが未来人だったことも含め、この先起こるはずだった因縁が現代に持ち込まれたことに何とも言えない複雑な感情を抱いてしまいました。

 ただダイナが未来の戦いに関わっていた点にはちょっと嬉しくなりました。アスカが協力してくれているというだけであちらは何とかなっているかもしれない、という安心感が生まれています。何よりここから先、ダイナも未来から助けに来てくれるかもしれないという期待が出来ることにテンションが上がりますね。*1

 

 

  • 未だ見えぬ深き謎

 そんな感じで色々と明らかになったわけですが、一方でまだまだわからないことは多いです。そもそもアガムスは何故スフィアを現代の地球に持ち込んだのかがまず気になります。当人は「故郷のバズド星は地球人によって滅ぼされた」「お前たちが宇宙に進出などしなければ……!」と地球人への怒りを露にしていましたが、詳細は未だに明かしてくれなかったのでちょっとモヤモヤさせられます。

 恐らくバズド星は地球と関わりを持ってしまったことでスフィアの標的にされ消滅。それ故アガムスはバズド星と関わる前の地球を先に滅ぼすことでバズド星の崩壊の歴史をなかったことにしようとしている……といったところでしょうか。ただ劇中で指摘されている通り地球を消したところで歴史が分岐されるので、アガムスたちの時代は変わらないんですよね。それでも「自分の過ち」と「復讐」のために地球そのものを消そうとしている辺りに、アガムスの後ろ向きな姿勢が伺えます。

 そして最も気になるのがデッカーの正体。上述にもあるように、デッカー・アスミが変身しているからデッカー……といった名前の由来は判明したものの、何故彼が変身出来るのかについては未だに不明のままです。同時に未来で共に戦っているというダイナとの関連性も特に明かされておらず、それ故現状スフィアとの関連性も否定出来ないのが何と言えないところです。結局デッカーの力はどこから来たのか……これについては、今後の展開で徐々に明らかになっていくのでしょうか。

 

 

  • 本当の、俺の戦いはここからだ!!

 色々と情報量の多い回でしたが、それ以上に目に焼き付いだのがカナタの覚悟。ここまで未来の事情に振り回されてきた中、わからないなりに自分のやるべきことを見つけ出したシーンに感銘を覚えました。

 まず先代たちの捨て身の覚悟を叱咤し、「生き延びる」ことを伝える様子が良かったですね。未来で戦っている仲間たちのためにも生きて頑張れと前向きな激励を送る姿勢は実にカナタらしいと言えます。カナタがそうした生きるための戦いを周囲に教えてきたからこそ、先代たちの未来に繋がってきたのだろうという実感も覚えました。

 そして「今、俺の世界を守りたい」という答えを見つけ出したのも素敵でした。戦ってきたのは誰かの意志によるものではない、自分の意志であることをはっきりと口にしたことにこれまたウルっとさせられます。前回の件で未来の戦いに巻き込まれたことを知ったうえでこうした答えを出せるカナタのひた向きさは本当に素晴らしいです。何より7話からずっと悩んでいた自分の戦う理由に、ひとまずの決着がついたという点でホッとしましたね。

 こうして子孫であるデッカー・アスミとも打ち解け、それぞれの戦いに戻ることに。しかしカナタは子孫から「アガムスを救ってやってくれ」という頼みを託されることに。これは自分たちを裏切ったアガムスをどこまで許せるのか、カナタの心が試されそうな予感がします。ケンゴがカルミラを救おうとしたことにも懐疑的でしたし、許せぬ相手に手を差し伸べるのは彼にとってはまだまだ難しいかもしれません。(実際劇中でも救うという言葉に困惑していましたし)未だに不明なアガムスの過去も含め、ここから先の後半戦が実に楽しみです。

 

 

  • 迸る勇気で彼方へと翔ける、ニューダイナミックヒーロー

 

ULTRA DIMENSION!

 

「迸れ!!ダイナミック!!」

「デッカーッッ!!」

 

ULTRAMAN DECKER!!

DYNAMIC TYPE!!!

 

 自分の戦いを続ける覚悟を決めたカナタの前に出現した4枚目のウルトラディメンションカード、それを装填することで変身した形態「ダイナミックタイプ」。満を持して登場したデッカーの最強形態です。カードの出現経緯やデッカー・アスミの言葉からもわかる通り、自分の道を選んだカナタのみが辿り着いた境地とも言える姿となっています。

 そしてその見た目はこれまでのデッカーとは大きく異なるものに変化しています。まずボディカラーが青色を基本にしている点は最強形態の中でもかなり珍しいですね。他にもダイナ系統の特徴的な頭部は巨大なツノで装飾された豪華なものになっており、左側に寄っていたカラータイマーが中央の位置に移っている(胸のプロテクターも消失している)など、別のウルトラマンと見紛うほどの変わり様です。かえってシンプルになったこの見た目もまた、従来のデッカーに縛られない「カナタにとっての“ヒーローのイメージ”の表れ」と言えるかもしれません。

 戦闘では専用の武器である「デッカーシールドカリバー」を使用。盾として使用する「シールドモード」と両刃が展開した「カリバーモード」の2つの形態を使い分ける武器なのですが、ウルトラマンでこうした盾型の武器は大分久しぶりな気がします。*2しかもシールドモードの時点で相手の攻撃をそのまま光輪に変えて跳ね返すといった芸当を披露しておりかなり強いです。カリバーモードの方ももちろん強力で、Dの字に相手を切り裂く「デッカーフラッシュダイナミック」はスフィアザウルスを一撃で倒す威力を発揮してくれました。

 シールドカリバーに限らず、ダイナミックタイプ本体の出力も大幅にアップ。いつもの豪快な戦いぶりはそのままに、初っ端からテラフェイザーを蹴り飛ばすほどのパワーを発揮していました。さらに必殺技の「ダイミュード光線」でテラフェイザーのTRメガバスターを押し返しており、フィジカルも光線も全てがパワーアップを果たしていることがわかります。圧倒的な力でカナタらしいガムシャラながらも熱い戦いを見せてくれる、「ダイナミック」の名に相応しい形態と言えるでしょう。

 

 

 さて次回はいつものデッカーらしい日常的なエピソードに戻る模様。「スピニー」なる小さくて赤い怪獣を捕獲するために四苦八苦するようです。スピニーは何とも可愛らしい見た目ですが、ここまでのフリからしてただのマスコット怪獣ではなさそうです。(予告に同じく登場しているパンドンからして、スピニーはもしや……)そして「怪獣を駆除するべきかどうか」という問題も描かれるようですし、ちょっと切ない話になりそうな予感がしますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:一方でケンゴ/トリガーの存在については触れられていない。ただ数百年後という時間を考えるにケンゴは寿命を迎え、未来にトリガーは既にいない可能性がある。

*2:直近ではゼロが持つ「ウルトラゼロディフェンダー」と「バラージの盾」以来か。