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デュエル・マスターズ WIN 第8話「踊るシラハマ大捜査線」感想

共にデュエマを楽しもう!

カレンちゃんのデュエマヒロインにあるまじきマトモぶりが光る!

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  • カレンの楽しいデュエマ決勝戦

 準決勝の後、優勝賞品を盗み出したマズキとケンドラを探すところから始まった今回のデュエマWIN。前半はそんな深刻な状況ながら、刑事(デカ)に扮してノリノリで捜査に乗り出すウィンたちの様子が面白かったですね。それぞれの姿も『西部警察』をはじめとした、往年の名作刑事ドラマ&探偵ドラマのコスプレだったのが余計に笑いを誘います。個人的には『相棒』の杉下右京亀山薫に扮したうんちくとランナーがツボにハマりました。(しかも現在放送中の『相棒』でこの2人が再びコンビを結成している奇跡のタイミングでこのネタを披露したという……

 そんな楽しそうなノリに唯一ハマりきれていなかったカレンの姿も印象的。パパリンの刑事呼びにいちいちツッコんだり他にもうんちくの口癖に今更触れたりするなど、マトモすぎるあまり彼らのコミカルさについてこれていなかったのが興味深いですね。ボウイですらこの面子に馴染みつつある中、彼女のように頭に疑問符を浮かべる存在はかえって貴重なように思えます。

 

 一方でキチンとした推理でマズキたちを追い詰めたりとカレンの優秀さが見られたのも良かったですね。ウィンとの決勝戦においても、【スノーフェアリー】のデッキをぶん回して彼を堅実に追い詰めていく光景が目に焼き付きました。特に《エンドレス・フローズン・カーニバル》から《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》に繋げる動きには惚れ惚れさせられます。(かつて『デュエマキング』でももちゃんが使用したダイヤモンド・クレバスを切り札にしているのも良き)今回決勝まで勝ち上がれたのも納得の実力です。

 デュエマ中のウィンとのやり取りも、互いの実力を賞賛し合うなど終始和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。前回のマズキ戦のように許せない相手をカッコよく倒すのも悪くはありませんが、やはりデュエマは楽しくやっている方が見ている側もほっこりさせられますね。今回はそんなカレンの可愛らしさや強さ、そしてデュエマを楽しむ姿勢を堪能させてくれる内容だったと思います。

 

 

氷駆の妖精(カーリング・フェアリー) 自然文明 (3)
クリーチャー:ジャイアント・スノーフェアリー
パワー4000
▪️このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をタップしてマナゾーンに置く。
▪️シビルカウント5:自分の自然のクリーチャーまたは自然のタマシードが5枚以上あれば、自分のマナゾーンにあるカードのマナの数字を2にする。

 カレンが使用した新カード。スノーフェアリージャイアントが合体した「ジャイアント・スノーフェアリー」という新種族持ちのクリーチャーです。(カード名の法則はスノーフェアリーというより、ジャイアントのそれに近いです)小さいイメージがあるスノーフェアリージャイアントの要素が加わったことに不思議な感覚を覚えます。イラストは名前通りカーリングをしている妖精たちの可愛らしい姿が描かれていますが、実は彼女たちはジャイアントの種族通り大きいのかどうかが気になるところ。

 カードのスペックでまず目に入るのがマナブーストのcip。デュエマ初期から存在している《青銅の鎧》とほぼ同じ能力ですが、コスト3に対してパワーは4000とこちらの方が圧倒的に高いです。置かれるマナはタップインされるというデメリットはあるものの、それを差し引いてもインフレを感じさせるハイスペックぶりです。

 そしてシビルカウント5を満たすことで自身のマナの数を“2”にする能力を持っています。これは劇中でも説明されていた通り、マナの数を実質2倍として扱える強力な能力です。少ないマナでも活用出来るのはもちろんのこと、このクリーチャー自身または他のカードのマナブーストと合わせてマナの大量活用を可能にしてくれます。システムクリーチャー故真っ先に除去される危険性もありますが、最悪マナブーストのみで仕事を果たしたと割り切り、相手の除去札を消費させるという考え方も出来ますね。

 このように非常に強力なカードではあるものの、難点もいくつか挙げられます。まずマナの数を増やす能力が強制である点が痛いですね。マナを偶数しか発生させられないため、コストが奇数のカードが使えなくなるデメリットが発生してしまいます。*1他にもこのシビルカウントを達成する頃には、手札から出したいカードが尽きてしまっている場合があるなど、考えなしに使ってもその効力を十全には発揮出来ません。強いことには違いないものの、その効果を十全に発揮するために組み合わせるカードや使うタイミングなどをしっかり考える必要があるカードと言えるでしょう。

 

 

  • 妖艶なる灯の舞が客人を惑わせる

悪灯(あくとう) トーチ=トートロット 闇文明 (7)
クリーチャー:アビスロイヤル
パワー5000
▪️S・トリガー
▪️ブロッカー
▪️このクリーチャーが出た時、相手は自身のパワーが一番小さいクリーチャーを1体選んで破壊する。
▪️シビルカウント3:このクリーチャーが出た時、自分の闇のクリーチャーまたは闇のタマシードが合計3つ以上あれば、相手は自身のパワーが一番大きいクリーチャーを1体選んで破壊する。
▪️このクリーチャーが攻撃する時、攻撃の後、このクリーチャーを破壊する。

 ウィンがカレン戦で初披露したS・トリガー。アビスロイヤルの1体ですが、通常のものとは異なり冠詞を持っていることからアビスの中でも上位の存在であることが伺えます。また細長いシルエットとクネクネとした動き故か、他のアビスにはない女性的イメージを抱かせますね。*2

 カードとしてはアビスロイヤルにおける貴重なトリガーと、2つのcipが目を引きます。cipは相手のパワーが最も小さいクリーチャーを破壊する1つ目、逆にパワーが最も大きいクリーチャーを破壊する2つ目といずれも破壊による除去を行います。2つ目の発動にはシビルカウント3を満たす必要がありますが、このクリーチャーを除いてあと2体を用意すればいいので達成自体は余裕です。ブロッカーであることも加えれば、このクリーチャー1体で敵の攻撃を最大3体分止められることが可能。この時点でトリガークリーチャーとしては破格のスペックを誇っていることがわかります。

 そしてこの除去の有用性は相手に選ばせる点にあります。こちらからは選べないアンタッチャブルや《神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のような選ぶと惨事になりかねないクリーチャーを除去するにはもってこいのカードです。狙ったクリーチャーを破壊出来ないのはネックですが、2体破壊すればそれを目当てのクリーチャーにヒットする可能性も高いのであまり気にはならないでしょう。

 このオーバーぶりな性能から、アビスロイヤルに限らず闇を中心としたデッキでの採用が期待出来ます。無論《アビスベル=ジャシン帝》によるアビスラッシュ付与をすれば、自分のターンでも活躍が可能です。(攻撃後に自壊するデメリットも、アビスラッシュによる再利用が出来るので決して悪くはありません。)ジャシン帝の軽減を使ってもコスト5と大分高めですが、このスペックを5マナで出せると考えれば十分に強いと言えます。アビスロイヤルを支える貴重な防御札として、今後も活躍してくれることでしょう。

 

 

  • 勝者をも見下す皇帝

 上述の通り出場者も観客も楽しみ抜いたうえで終了したガチデュエマバトル。カレンに勝利したウィンの優勝に終わり、ついにプリンス・カイザへの挑戦権を獲得したことに見ている側もテンションが上がりました。決勝後に現れたカイザもにこやかにウィンの優勝を称えてくれたのがまた素敵でしたね。

 などと思っていたところ、その直後のカイザの「三流のデュエマだな」発言に愕然。公然の場では礼儀正しい態度だったカイザが、こんな本性を隠し持っていたことにショックを受けてしまいました。何より楽しんでいたウィンたちの戦いを見下すような物言いには憤りを覚えますね。(ただウィンはほぼトリガーに助けられた点やカレンのアビスラッシュの見落としなどを考えると、その拙さに辛辣になるのも無理はないのかもしれません

 それ故カイザのデュエマの腕がどれほどのものなのかが気になってきました。現状作中屈指の実力者であるウィンを三流呼ばわりする以上、かなりの強さを誇るのは間違いないでしょう。というか余程の実力じゃないと見ている側としても納得がいきません。史上最強と言われるプリンス・カイザの実力が如何ほどのものなのか、明かされる時が実の楽しみです。

 

 

 そんな中次回は念願のカイザにスポットが当たる模様。彼が経営する会社で発生した副社長たちのクーデターを鎮めるためにデュエマをするようです。謎のベールに包まれていたカイザのデュエマがいよいよ描かれるようでワクワクが止まりません。

 一方カイザに下克上を突き付けてくる副社長がまさかのハリウッドザコシショウであることに唖然となりました。デュエマアニメでは定番の芸人のゲスト出演が、まさかこんなタイミングでやってくるとは思いもしなかったです。上述の通りカイザの初デュエマ及び、本作初のウィンが関わってこないマッチングをこなすのがザコシショウという事実に何とも言えない気分にさせられます。果たして次回はどんな内容になるのでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:最も「カードをプレイする際、マナの数と同じになるようにタップする」ルールが今も適用されるかは現段階では不明。今後の裁定発表で変わる可能性もある。

*2:実際「王来MAXフルコンプリート&スタートWINBOOK」に収録されている特別漫画(作:御狐ちひろ氏)では、完全に女性クリーチャーとして描かれている。