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デュエル・マスターズ キングMAX 第16話「己の全てを取り戻せ!クライマックスキズナドロー!」感想

大いなる激闘と

1つの夢の終わり

繋がっている 頑張っている 呼んでいるのは 未来

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  • 最高の友達と放つ絆の1発

 前回から続くアバクとのデュエマ。その決着は意外にもあっさりとつきました。互いの切り札をぶつけ合ってしのぎを削る激戦ではあったものの、時間にして約11分前後という枠で収まったことに驚きましたね。バンク映像も極力省略しており、なるべくスピーディーに話を進めようとしている印象を受けました。(恐らく後述の展開をじっくりやるためにデュエマパートを早めに切り上げたのでしょう)

 しかし要所要所で盛り上がりどころを用意していたので、短いながらもテンションの上がるデュエマが繰り広げられていたのは好印象。追い詰められたジョーをジョニーが叱咤激励し、駆けつけたキラたちが勇気づけるといった基本的な流れも押さえていたのでわかりやすく楽しめました。(他にも前回に続いて懐かしのジョーカーズが次々と出てきたのがここすきポイント)

 中でも《ジョーカーズの心絵》をドローする際のドローバンク(スペシャルドロー)には感動させられましたね。映像はそのままながら、「ジョーカーズってなんだ!?」「最高の友達だ!!」とセリフが変更されている点が涙腺に来ました。前回のジョーカーズとの再会を果たしたからこそ言える言葉、その後ジョーカーズの力を借りたジョニーお決まりの「引き金は2度引かねぇ!!」にはもうノックアウトされてしまいそうになります。ベタながらストレートに興奮する展開で、前半の時点でテンションが上がりっぱなしになりましたよえぇ。

 

 

  • 乗り越えた場所で変わる 俺ら“らしく”あるため

ジョーカーズの心絵(メモリー) 光文明 (8)
タマシード:ジョーカーズ/レクスターズ
▪️シンカライズ:このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
▪️このタマシードが出た時、各プレイヤーは自身のクリーチャーとタマシードを最大1つずつ選び、残りをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、各プレイヤーは、こうして山札に加えたカード1枚につき、自身の山札の上から1枚目をシールド化する。

 アバクとのデュエマの最後の切り札となったジョーの新タマシード。特定のクリーチャーを元ネタとしたタマシードとしては珍しい、ジョーカーズ全体をモチーフにしているとされるタマシードです。イラストには《モモダチ キャンベロ》と《モモダチ モンキッド》、《モモダチ ケントナーク》ら「十王篇」のモモダチ3体が描かれており、楽しそうな様子が微笑ましいです。(じゃあモモダチの心絵で良くない?と思わなくもない)

 カードとしてはコスト8と、タマシードの中では最重量のコストがまず目を引きます。このまま素出しするのは難しいので、基本的には《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》から踏み倒すことになるでしょう。無論、進化元として運用するのにもあまり向いていません。

 このカードの真価は各プレイヤーのクリーチャーとタマシード、それぞれ1つずつを残して他クリーチャーとタマシードを一掃する効果にあります。山札に送ったカードの数と同じ数のシールド追加もされるので、盤面リセットには最適です。(ただし山札の枚数は変わらないので山札回復や相手のライブラリアウトには利用出来ません)上の<ライオネル.Star>をシールドから出た《スロットンの心絵》で出してこのカードを踏み倒せば、どんなに追い詰められていても建て直せる頼もしいカウンター札となってくれます。

 デザイナーズコンボであろう《MAX・ザ・ジョニー》との組み合わせも面白いですね。MAX・ザ・ジョニーとタマシードのどれかを残してシールドを7枚まで増やしておけば、相手のシールドを増やしつつ3枚ブレイクでシールド10枚達成も狙えます。そうでなくとも、このカードの相手のシールドも増やしてしまうというデメリットを利用出来るのは単純に強力だと言えます。

 他にもスター進化の耐性などを駆使して自分だけクリーチャーやタマシードを生き残らせるなど、相手のカードのみを除去するなどのテクニックも考えられます。(逆に言えば、相手も同じようにカードを残してくる可能性があるので注意)一見すると使いにくいものの、場合によっては思わぬ活躍をしてくれるかもしれません。何よりジョーカーズの最後のカードということもあって、色々と思い出深い1枚となってくれそうですね。

 

 

  • “自分”と“仲間”を見つけた2人の鬼

 アバクに無事勝利した後どうなるのかと思っていたら、鬼の槍が単独で暴れ回る急展開が待っていました。以前から自力で動き回っていた槍がこうなるのはある程度予想していたものの、本格的なリアルファイトの大ボスになったのは少々意外でしたね。何より槍との最終決戦にて、ジャオウガが加勢してくれたことには衝撃を受けました。

 同時にアバクが「普通の学園生活」という本当の望みを口にしたのも印象的。ここまで人々を傷つけてきたアバクが、自分の過ちを認める様子には胸を打たれます。ジェンドルや槍に強要された「鬼」ではなく、「鬼札アバク」という1人の人間をようやく見つめ直すことが出来たのでしょう。上述のジャオウガも、その望みに応えるように彼を助けてくれたのがまた素敵でした。

 

 またアバクとジャオウガの結末は別媒体の彼らを知っているとより感慨深いものがあります。欲望のままに破壊しつくしてジョーに突き放されたまま倒された漫画版アバク、そして鬼の歴史を世界に広めようとするもののモモキングの道連れによって封印された背景ストーリー版のジャオウガ。このように悪役のまま終わった彼らが真逆の救われた結果には驚くばかりです。

 アニメとの両者の違いを比べてみると、漫画も背景ストーリーも孤独なままで何かを為そうとした者たちの失敗が見られます。特に漫画はアバクもジャオウガもお互い以外を何も信じずに戦っている状態でした。自分たちが良ければそれでいいとばかりに周囲を傷つけた結果、相手の絆に敗れ去るという因果応報な結末を迎えています。

 対してアニメ版のアバクはジョーやヒミコに手を差し伸べられたことで、自分に素直になれたように思えます。最後の一線を越える前に他の人たちのことも信じたことで、アバクもジャオウガも鬼の槍と歴史の呪縛から解き放たれたのかもしれません。NormCoreさんの「CRY MAX!!」に似合う男になったな……「ガンガンわかってく 本当の優しさに」とか……何だかんだでアバクの今後を心配していた身としては、最後の最後に喜ばしい展開でしたね。

 

 

  • 小さな奇跡の最期

 鬼の槍を倒して大団円になるのかと期待したのも束の間、デッキーが消滅するという衝撃的なラストに愕然。前回の時点でフラグは立っていたものの、槍に奪われた力を取り戻したので安心かと思わせたところにやってきたので本当に驚きました。必死に泣きながらデッキーに呼びかけるジョー、そして安らかな顔で「本当はジョー様の卒業式……見たかった……」と呟くデッキーにもう胸が張り裂けそうになったほどです。その後にED「コレカラ」の追い打ちもあって、悲しみが溢れかえってしまいました。ED後普通にデッキーの切り札紹介コーナーが流れた時は涙が引っ込みましたが。

 あまりにも悲しい別れに心が追い付かない一方で、漫画版と同じジョーのラストが訪れようとしているとここで感じました。思えばデッキーと彼が生み出したジョーカーズはこれまで、ジョーの子どもとしての「純真」や「自由」の象徴のように描かれてきました。逆に彼らとの別れが来たということは、ジョーの“少年期の卒業”が訪れたと解釈することが出来ます。そう考えるとジョーが小学校を卒業と同時に少しずつ大人になろうとしているのかもしれません。その過程に直面したジョーがこれからどうなっていくのか……次回が一気に気になってきました。

 

 

 さてデッキーとの別れもあってどうなるのかと思っていたところ、次回は何と7話の再放送がされるとのこと。それどころか1か月間、4話連続で再放送という前代未聞のスケジュールと発表されて驚愕してしまいました。ここまで偏った構成にはさすがに正気を疑ってしまいますね。(『SDガンダムワールド』の5週連続再放送を思い出してしまいましたよ)8月14日と21日はオーディオコメンタリー付きとのことですが、それを踏まえても一言物申したくなります。

 しかも再放送が明けてからは何と最終回。デッキーがいなくなった後にエピローグをゆっくりやるかと思いきや、あっという間に完結させるスピード展開にも驚かされます。とはいえこちらは果たして最終回はどうやって終わるのか、ジョー編をどのような形で締めるのか何だかんだで興味津々です。ひとまずは再放送で振り返りながら、最終回を待っていたいと思います。感想の方も例によってしばらくお休みにするつもりなので、ご了承ください。

 では皆様、1か月後の最終回感想でお会いしましょう!!

 

 

 ではまた、次の機会に。