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デュエル・マスターズ キングMAX 第17話(最終話)「ありがとう!最後の友ジョーデュエマ」感想

これから先の未来も、

ジョーデッキー!!

これは、夢と希望と勝熱を描いてきた自由(切札ジョー)の物語

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  • 終わりじゃなく、コレカラが始まり

 1か月もの再放送期間を抜けて、デュエマキングMAXの最終回がついにやってきました。長いこと待たされてどうなるのかと思い見始めたら、最初に飛び込んできたのは前回のデッキーとの別れ、そして泣き崩れるジョーの姿だったので早くも胸が痛みました。OP後もジョーが悲しみに明け暮れているのもあって、見ていて非常に辛かったです。

 そのうえデッキーがいなくなったことで人間世界に存在を保てなくなったジョーカーズ、そして卒業後別々の進路に進むことになる仲間たちとの別れが迫っている中、ジョーが新しい未来への選択をするのが今回のキモでした。1話から触れられていた「みんなと遊べるのも最後かもしれない」という不安をジョーが受け止め、少しずつ前向きになっていく様子がとても心に響きます。意気消沈しているジョーを異なる形で見守り、励ます仲間たちがまた良い味を出しています。(ボルツが心配しすぎなのが個人的には良き)

 そしてジョーが「離れていてもデュエマで繋がっている」「別れは終わりなんかじゃない、新しいデュエマの始まり」といった答えを出してくれたのが素晴らしかったですね。個人的にこれら2つは前者は過去作でも何度か示してきた答えとして、後者は今回で初めて見つけた答えとなっているように感じました。これまで築いてきた成長の成果を再び示すと共に、今またジョーが新しい成長を遂げる瞬間を見れた気分です。何よりデッキーと再び会えると信じて、これらの答えを見せてくれたと思うとウルっときますね。ジョーらしい良き立ち直りだったと思います。

 

 

  • 未来をね・ら・い・う・ち!!

 そうしてジョーカーズとの別れも兼ねた最後のデュエマの相手がキラだったのが実に素敵。思えばジョーの物語は、キラに勝ちたい一心でデュエマに強くなろうとしているところから始まりました。そんな旅路の締めとしてキラは、これ以上ない相手と言えるでしょう。*1

 そんなキラとのデュエマはそれぞれのカードを総動員したようなデッキでしたが、要所要所で『ズ(2017)』41・42話のデュエマを彷彿とさせるような戦いを繰り広げていたのが素晴らしかったです。新たなサッヴァークと《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》による連続攻撃、それをスーパー・S・トリガーで防いでくれる《タイム・ストップン》、そして返しのターンで《ジョリー・ザ・ジョニー》が《ジョジョジョ・マキシマム》で強化したマスター・ブレイクでエクストラウィンを決める流れはまさしく当時の戦いの再現です。当時はなかったカードとの組み合わせで、ここまでそっくりの状況を作り上げたことには感嘆するほかありません。それでいてジョラゴンやモモキングたちの活躍もばっちり存在するのが見事の一言です。

 このように、あのジョーとキラの決戦を平和な形で、かつ興奮するレベルでもう1度見せてくれるとは思ってもみませんでした。まるでこれまでの思い出を噛みしめながら、新しい始まりへの区切りをつけてくれているかのようです。41話と42話は今でも見返すほどに好きなエピソードなので、今回の演出には終始感動しっぱなしでした。ジョー編のラストとして、文句の付け所のないデュエマだったと声を大にして言いたいですね。

 

 

  • 終わらぬ正義と友情を誓う、究極の煌めき

煌終龍(キラストゼオス) サッヴァーク 光文明 (7)
クリーチャー:マスター・ドラゴン/メタリカ
パワー11000
▪️サバキZ(裁きの紋章が自分のシールドゾーンから手札に加わえられた時、そのカードを捨ててもよい。そうしたら、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚する)
▪️ドラゴン・W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする。各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚目をシールド化するか、表向きにして自分のシールド1つの上に置く)
▪️自分のシールドゾーンに表向きのカードが3枚以上あれば、このクリーチャーは破壊されない。
▪️自分の、表向きのカードを含むシールドがブレイクされる時、かわりにそのシールドに含まれる表向きのカードをすべて裏返す。

 キラがジョーとの最後のデュエマで繰り出した最後の切り札。ジョーが描いた絵から生まれた2人の絆の証煌龍 サッヴァーク》の最終形態です。その姿は通常のサッヴァークに《サッヴァークDG》だった頃を思わせる装甲が追加され、頭部はキラがかつて付けていた仮面が装着されているのが特徴的。そしてジョーとキラがかつて交換したマフラーも確認されます。さながらキラがこれまで紡いできたジョーとの絆と思い出が、サッヴァークに反映されているかのようです。

 カードとしての基礎スペックはほとんど煌龍時代と同じです。コスト7の光ドラゴンなので、《ドラゴンズ・サイン》に対応しているのが嬉しいところ。しかしながら後述の能力・特性を見るに、実際の性能は「《煌世主 サッヴァーク†》の軽量版」とも言うべきものになっています。

 まず目を引くのがサバキZを持っている点ですね。これのおかげで裁きの紋章を絡めて早期に踏み倒せるのが可能となっています。このサイズのクリーチャーがいきなり出てきた時の相手へのプレッシャーはかなりのものでしょう。そうでなくとも能動的に出して攻められる2打点アタッカーは、相手からしたら十分に脅威です。

 さらに表向きのシールド3枚で破壊耐性を自分に付与するので、場持ちの良さも中々のもの。ドラゴン・W・ブレイカーで最低でも表向きのシールドを2枚増やせるうえ、《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》と組み合わせればさらにもう1枚増やせるので表向き0枚から3枚にする条件は容易に達成出来るでしょう。(無論ギャラクシールドやシールド・ゴーと組み合わせるのもありですね)さすがにサッヴァーク†ほどの耐性は得られませんが、それでも十分に機能してくれるはずです。

 そして最大の目玉とも言えるのがシールドゾーンの表向きのカードを裏返す能力で、こちらは何とシールドのブレイクを防ぐ置換効果。実質シールドの枚数を2倍にするといってもいい驚きの性能で、攻めてくる相手にはめっぽう強いです。上述の手段でシールドを表向きにしておけば、それ1枚で2枚分の働きを見せてくれます。

 このように強力な防御性能を発揮してくれる能力であるものの、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》のシールド焼却といったシールドに関するブレイク置換効果相手には能力を発揮出来ない弱点も抱えています。*2また裏向きにする能力は強制であるため、ギャラクシーGOして出したいカードとの嚙み合わせも微妙なところ。その防御力にあまり過信せず、他の防御手段との兼ね合いもしっかりと考えたうえで使用するべきでしょう。

 まとめると【白単絶十(白単サバキ)】を筆頭にした裁きの紋章戦術を強化してくれる1枚。上述の通り攻撃と防御の両方が高いので、それらのデッキの守りを大いに補ってくれることでしょう。何よりキラの最後の切り札として申し分ないスペックには惹かれるものがありますね。絶十のプレイング難度は高いのですが、是非この最後のサッヴァークと共に使いこなしてみたいものです。

 

 

  • 夢と希望と勝熱、多くの想いと願いを紡いできた最高の切り札たち(ジョーカーズ)!!

ジョリー・ザ・ジョニー 無色[ジョーカーズ] (7)
クリーチャー:ジョーカーズ
パワー10000
▪️スピードアタッカー
▪️マスター・W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする。このクリーチャーが出たターン、各ブレイクの前に、相手のクリーチャーを1体破壊する)
▪️バトルゾーンまたはマナゾーンに自分のジョーカーズが5枚以上あれば、このクリーチャーはブロックされず、攻撃の後、相手のシールドもクリーチャーもなければ、自分はゲームに勝つ。

 

ジョット・ガン・ジョラゴン 無色[ジョーカーズ] (7)
クリーチャー:マスター・ドラゴン/ジョーカーズ 11000
パワー11000
▪️このクリーチャーを召喚する時、ジョーカーズを好きな数バトルゾーンから自分の手札に戻してもよい。こうして戻したジョーカーズ1枚につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。
▪️スピードアタッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引き、その後、自分の手札を1枚捨てる。
▪️ジョラゴン・ビッグ1:ジョーカーズを自分の手札から捨てた時、その「このクリーチャーが出た時」で始まる能力を1つ使ってもよい。

 

勝熱英雄(ジョーネツヒーロー) モモキング 火/自然文明[ジョーカーズ] (8)
クリーチャー:ヒーロー・ドラゴン/ジョーカーズ/チーム切札 12000
▪️<キリフダッシュ>[火/自然(6)](自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このクリーチャーを[火/自然(6)]支払って召喚してもよい)
▪️スピードアタッカー
▪️T・ブレイカ
▪️各ターン、このクリーチャーがはじめて攻撃する時、その攻撃の後、このクリーチャーをアンタップする。
▪️多色ではない呪文の効果、または、多色ではないクリーチャーの能力によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。

 ジョーがこれまで描いてきたジョーカーズ。中でもジョーの相棒兼切り札として活躍してきた3枚です。全ての始まりのジョニー、ジョーカーズ初のドラゴンであるジョラゴン、主従を超える関係を見せたモモキングと、いずれも魅力的な面子が揃っています。

 カードに関しては最早語るまでもないでしょう。それぞれ環境でそれなりに活躍した経験があり、ジョラゴンに至っては今現在殿堂入りしているほどです。独特ながらも使いやすく、主人公の切り札としてはみんな申し分ない性能でしょう。最近再録されたおかげで、どのカードも安く揃えやすい点も子ども向けとしてグッド。

 そんな切り札たちですが、最終回ではこれまでのジョーカーズを組み合わせた【赤緑零ジョーカーズ】の切り札として見事な活躍を見せてくれました。性能的にもバラバラだったことが幸いして、デッキとして十分に共存出来ていたのが素敵ですね。この3体がバトルゾーンに勢ぞろいしたシーンも、それぞれの個性の強さが良く出ていたと思います。(《ジョラゴン・リロード》→《キング・ザ・スロットン7》でモモキングを踏み倒した時は感心しました)

 そして上述でも触れた通り、ジョジョジョ・マキシマム》で強化されたジョニーのエクストラウィンで決めてくれたのが最高でした。ジョラゴンとモモキングが先に盤面を整えてくれたおかげで、ラストのトドメを決められたという構図も素晴らしいです。主人公の切り札それぞれに見せ場も兼ねた素敵コンビネーションだったと言えます。そうした喜びと感動の想いを込めながら、ジョー編最後のカード紹介をこの3枚で締めようと思います。

 ありがとう、ジョニー!ジョラゴン!モモキング!

 そしてありがとう、ジョーカーズ!!

 

 

  • 遠い背中の“君”に、いつかは追いついてみせる

 キラとのデュエマを終え、ジョーカーズとの別れもしっかりと済ませたジョー。それから月日が流れ、ついに卒業式を迎えるシーンもばっちり挿入されていました。卒業式は各卒業生とその関係者たちの総登場が目に留まります(ちょくちょくクリーチャーワールドでお留守番している面子がいるのが面白い)が、それ以上にキラたち卒業生のモノローグが印象に残りましたね。別々の道に進もうとする彼らのジョーへの言葉に、これまでの物語が一気に呼び起こされました。ジョーと共に数々の物語を紡いできた少年少女が、いよいよ卒業していくことをここで実感させられます。さらに肝心のジョーの卒業証書授与で、ジョーカーズとの卒業を見せてくれたおかげで涙腺が一気に緩んできました。

 そうして「またね」「絶対また会おうね」という言葉と共にEDに突入してからの映像も、その後の仲間たちをしっかり見せてくれていたのが良かったです。そしてそれ以上に、ジョーが王来学園に通う姿に驚かされました。ずっと気になっていたジョーの進路としては少々予想外でしたね。あのジョーがアバクたちの後輩になるというのも何だかおかしな話のように聞こえてしまいます。

 ただ王来学園が復活したのはデッキーのおかげ、と考えると納得のいく選択でもあります。デッキーが残してくれた最後の置き土産、その学園で新しい一歩を踏み出すというのは確かにジョーらしいと言えます。デッキーの想いを受け止めて、そしてもう一度デッキーに会った時に誇れるように自分らしくデュエマを楽しんでいくことを選んだジョーには思わず応援の言葉を贈りたくなりましたね。(アバクが望んでいた「普通の学園生活」もジョーと一緒に送れそうなラストになったのがまた良き)

 このように、短めながらもしっかりとやってくれた印象を受けたエピローグでした。こういった登場人物のその後が挿入されるのは、「終わりの余韻」をしっかりと噛みしめられるためにも結構必要なことだと思います。そんな視聴者側の視点からすると、今回のラストは本当に良かったと思います。

 

 

 というわけでデュエマキングMAX、そしてジョー編最終回の感想でした。ジョー編は僕が本格的にデュエマの世界に復帰するきっかけにもなった作品であり、個人的にも非常に思い入れの深いシリーズです。ジョーカーズをはじめとしたこれまでにない要素が満載の物語、そして原作者・松本しげのぶ大先生の想いが込められた内容には大いに感動させられました。

 制作側に様々な苦慮や艱難辛苦があったことも感じられる部分もあり、時には不安を抱くこともありましたが、最後まで切札ジョーの物語を完走することが出来て嬉しいです。ここまで見続けてきて本当に良かったと心の底から思います。ブログの感想も3年目の途中からですが、以降の全話の感想を書きあげられたのは僕にとっても大きな誇りです。

 そんなジョー編を最後まで手掛けてくれた製作スタッフの皆様、加えて当ブログのデュエマ感想を読んで来てくれた読者の皆様に、この場を借りて感謝の言葉を残して今回は終わりたいと思います。

 

 松本しげのぶ大先生、そしてジョー編を手掛けてくれた全ての方々、ここまでジョー編を作ってくれて本当にありがとうございました!!

 そして読者の皆様、ここまでの感想を読んでくれて本当にありがとうございました!!

 

※総評の記事は後日投稿します。そちらの方も読んでいただければ幸いです

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:原作者の松本しげのぶ大先生の「ジョー編はキラで始まりキラで終わる」という当初の構想、その想いを引き継いだマッチングとも捉えられる。

*2:置換効果は連鎖しない」というルールに加え、そしてカードの処理はアクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)のカードが優先されるため。