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デュエル・マスターズ キングMAX 第10話「王来学園の決闘!切札ジョーvs鬼札アバク!」感想

鬼に敗れても闘志は消えず

多くの人に支えられながら立ち上がるジョーと

他人を利用して立ち尽くすアバクの対比よ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 鬼が喰らいて全てが歪む

 前回の続き、ジョーとアバクの決闘から始まった今回のデュエマキングMAX。前回の時点では優勢だったジョーでしたが、新たなジャオウガを手にしたアバクの前に敗れ去ってしまう様子が描かれました。この勝敗はある程度予想していたものの、それでも結構辛かったですね。巻き返してくるアバクを前にジョーが少しずつ余裕を失っていき、焦ったまま負けてしまう様子は見ている側にとっても中々に堪えるものでした。

 それ以上にアバクの暴れっぷりが目に焼きつく勝負でもありました。鬼のS-MAX進化を得て槍と一体化を果たし、どんどん人外と化していく過程にどこか恐怖を覚えます。何より恐ろしかったのが学園の生徒たちを鬼の力で洗脳したことですね。前回危惧していた生徒たちの復讐の問題を、考えうる限り最悪の手段で対応してしまったように思えます。アバクにとって生徒たちとの関係はいい思い出ではなかったのでしょうが、だとしてもゾンビを嬉々として操る光景にはドン引きせずにはいられません。

 そのうえ王来学園の完全復活のため、さらなるデュエリストの魂を狩っていく展開にも驚きました。(ここでスマイル王子といった懐かしい面々が登場していたのが芸コマでしたが、ひとまずここでは割愛させていただきます)これほどまでに他人を犠牲にしてでも学園を蘇らせようとするアバクたちを見て、開いた口が塞がらなかったです。

 あまりの光景にそこまでして取り戻した学園にどれほどの価値があるのか、何よりこれでアバクやハイド、ヒミコたちは本当に幸せになれるのかと問いかけたくなります。そしてジョーたちを傷つけたことへの怒り以上に、哀れな子どもたちへの同情の念を、彼らに対して抱かずにはいられません。人を喰いものにしなければ生きられない……そんな悲しい鬼と化してしまったアバクたちは、これからどうなってしまうのでしょうか。

 

 

  • 光の先より現れし麗しの白鳥

ホワイト・スワン 光文明 (5)
クリーチャー:メタリカ/スプリガン/レクスターズ
パワー5000+
▪️このクリーチャーが出た時、各プレイヤーは自身の山札の上から2枚をシールド化する。
▪️自分のシールドが5つ以上あれば、このクリーチャーのパワーを+5000し、「W・ブレイカー」を与える。
▪️自分のシールドがブレイクされた時、相手のクリーチャーを1体選び、タップする。

 ジョーがジョニー経由で勝太より託された新カード。メタリカとレクスターズのほかにもう1つ、あのスプリガンを種族に持った意外なクリーチャーです。「双極篇(ツインパクト・シリーズ)」にて《メッサー・シュミット》の登場と共にお披露目されたものの以降ぱったりと情報がなくなっていた種族だっただけに、今になって新規が出てきたことに驚きが隠せません。(ちなみにFTには「5人目のスプリガン」と書かれています。残りの2人目以降はどこに……?)その見た目は2丁拳銃を構えた女性クリーチャーで、メタリカらしい陶器のような質感のボディが特徴的です。

 カードとしてはコスト5、パワー5000のブロッカーとそこまで特筆したスペックではないのですが、自分のシールドが5枚以上であればパワー10000のW・ブレイカー持ちへと変身。一転してコスト以上の高スペックを持ったクリーチャーと化します。シールドが初期枚数あればOKという点もわかりやすいですね。

 何より各プレイヤーのシールドを追加するcipを持っているので条件を達成するのは見た目以上に容易です。(この軽さでシールドを複数枚増やせるというのも単純に強いですね)敵のシールドも追加してしまうのは一見利敵行為になってしまうのですが、鬼タイムや革命能力のようなシールドが減るほど強化される類の能力を封じることが出来ます。さらに《煌龍 サッヴァーク》や《MAX・ザ・ジョニー》のような相手のシールドブレイクで自分のシールドを追加するクリーチャーと組み合わせるのにももってこいの能力です。あるいは何らかのカードと組み合わせてこのカードをぐるぐる召喚し続け、相手のシールド追加によるライブラリアウトを狙うのも面白そうです。

 他にも自分のシールドがブレイクされた際のタップ能力も特徴的。こちらは自分のシールド全てに《ソーラー・レイ》の能力を追加するようなもので、数で攻める相手にはこれでもかと力を発揮します。最もコストの関係もあって、牽制としては頼りない面も捨てきれません。いっそのことモモダチ ケントナーク》の自分のシールドブレイク能力で自分のターンに厄介なクリーチャーをタップさせるのも手ですね。

 特筆して強いというわけではないものの、要所要所に光るものを感じるカードです。それ以上に長いこと音沙汰の無かった新規スプリガンという特徴が実に魅力的に思えます。せっかくなのでどんなデッキで活躍出来るか考えてみたいものです。

 

 

  • 堕ちた力で世界を破壊する……絶叫MAXの究極悪鬼

CRYMAX(クライマックス) ジャオウガ 闇文明 (7)
S-MAX進化クリーチャー:デモニオ/鬼レクスターズ
パワー13000
▪️鬼S-MAX進化:自分がゲームに負ける時、またはこのクリーチャーが離れる時、かわりに自分の表向きのカードを3枚破壊してもよい。(このクリーチャーは進化元を必要としない。自分のS-MAX進化クリーチャーが2体以上あれば、そのうちの1体を残し、残りをすべて手札に戻す)
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、各プレイヤーは自身のシールドを3枚ずつ選び、残りを墓地に置く。
▪️このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体破壊し、その後、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。

 ついに復活したアバク最大最凶の鬼札。「十王篇」にて彼の相棒ポジションも務めた《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》が、鬼S-MAX進化クリーチャーの力を携え覚醒した姿です。その見た目はこれまでのジャオウガとは大きく異なっており、従来の赤黒いボディが青や紫を基調とした色合いに変更されています。背中に青い炎を翼のように纏わせており、過去の姿よりもパワーアップしていることを感じさせてきます。さらに全体的に刺々しいデザインが目につきますね。これは《「亜堕無」-鬼MAX》同様、一王二命三眼槍》あるいは《邪王来混沌三眼鬼》と融合を果たしたからなのかもしれません。

 あとはカード名にある「CRYMAX」も興味深いです。これは「climax」に叫ぶ、怒鳴るといった意味を持つ「cry」を組み合わせた造語ですね。(『ズ!』後期EDにも、NormCoreさんの「CRY MAX!!」という曲がありますね)ただcryは同時に“泣き叫ぶ”のような意味合いで使われることが多く、そこから昔話の「泣いた赤鬼」が連想させられます。しかし上述の通り、このジャオウガはどちらかというと「青鬼」なんですよね。では、これは一体何を意味するのでしょうか……?

  それはさておき、カードの性能としては驚異的な破壊能力が特徴となっています。まず登場時に互いのシールドの4枚目以降を全て焼却するcipが強力です。単純に相手のシールドを一気に削るだけでも強く、墓地に置くのでS・トリガーやG・ストライクも怖くありません。残ったシールドをT・ブレイカーでもあるこのカードがブレイクすれば、相手がどんなにシールドを増やしていようと1ターンでゼロにしてしまえます。

 またシールドの総数を強制的に6枚にすることから鬼タイムを発動させる手段としても最適。中でも鬼タイム下ならノーコストで召喚出来る《鬼ヶ羅刹 ジャオウガ》との相性は抜群で、2体のジャオウガでの攻撃を成功させればあっという間にゲームエンドまで持ち込めるでしょう。また《コクヨ童子》といった鬼タイム&自分のターン限定で破壊耐性を持つクリーチャーを、破壊&敗北回避能力のための破壊対象に用意しておくのもアリですね。

 加えて相手のクリーチャー1体破壊&2枚ハンデスを行うアタックトリガーも所持。言うまでもなくこちらも強力で、シールド焼却と合わせて相手の盤面をあっという間に蹂躙しつくしてくれます。とても使いやすい能力ですが、強いて言うならば強制である点が痛いですね。相手の場に選ばれると厄介なクリーチャーがいたり、相手が手札にマッドネスを抱えている場合には無暗に攻撃してはいけないでしょう。

 まとめると相手のシールドに手札、そしてクリーチャーを破壊しつくして勝負に終止符を打ってくれる強烈な1枚。味方を破壊して生き残るしぶとさも鬼の王に相応しい貫禄です。間違いなく大暴れするであろうこのカードの活躍に期待がかかりますね。

 

 

  • 失意を乗り越え、立つんだジョー!

 やりたい放題なアバク陣営とは対照的に、「自分のやるべきこと」にしっかりと目を向けていたのが今回のジョーと仲間たち。ジョーは当初アバクに負けてしまったことで意気消沈していましたが(父の魂を取り戻すと意気込んでこの大敗だったので落ち込むのも理解出来ます)、デッキーやジョニーからの叱咤激励を受けてすぐさま復活する様子が勇ましかったです。特にジョニーが「立つんだジョー!」と初代OPを彷彿とさせる発言をしてくれたのが嬉しかったですね。何度転んでも立ち上がる、そんなジョーの強さを再び見ることが出来て良かったです。

 また上述の落ち込むジョーに対するキラたちの行動も印象的。キラがジョーに「自分の足で立ち上がれ」と言葉を送りつつ戦いに向かう様子は、彼が親友の復活を信じているからこそ敢えて厳しく接していることがすぐにわかりました。この辺りのキラのジョーへの信頼は見ていて気持ちがいいですね。そんなキラに「1人じゃ立ち上がれねぇ時だってあんだろうが」と言い返すボルツも素敵でした。厳しさと優しさ、出力の違いはあれど、どちらもジョーのことを想っているのが伝わってきます。今回はそんなジョーたちの友情を確かめ合うシーンが素敵な回だったとも言えますね。

 

 

 さて何だかんだでデッキーが戻ってきた状況(予告映像を見る限り、デッキーがいまだにやつれているのが気になりますが)での次の回は、ジョーの2番目の相棒・ジョラゴンを探すエピソードになる模様。この調子でモモキングたちも早く帰ってきて……

 しかし予告ではジョラゴンが自然文明の女王様に封印されていることが語られていてびっくり。同時に自然文明の住人たちはドラゴンの力を恐れており、ジョラゴンを巡ってジョーが戦った辺りの話を思い出しました。それ故まさか今になって自然文明がジョラゴン排除に乗り出してしまったのか……!?と驚かずにはいられません。ジョーとデュエマしてでもジョラゴンを封じようとしている女王様の真意は如何に。次回もまた、見逃せませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。