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2022年夏アニメ簡易感想 その17

 

 

 

 仮面ライダーシリーズの新たな1作『仮面ライダーBLACK SUN』の特報映像第二弾が先日公開。ずっと待っていたのもあってすぐさま動画を視聴したのですが、前回の動画で感じられた陰惨な空気をそのまま写し取ったような、胸に重苦しいものが落ちるような感覚を覚える映像に息を飲みました。

 

metared19.hatenablog.com

↑以前の動画の感想については上の記事を参照。

 

 何といっても本作が「怪人たちの群像劇」と銘打たれている点、そして怪人たちが「虐げられる側」として描かれているのが衝撃的でしたね。警官に背中から撃たれるなど、強い力を持っている一方で人間の差別に屈しかけている構図は中々に面白いです。その見た目も頭部や両腕以外は人間の衣服を着た状態のままの者が多く、本作の怪人は“人間と同じ”面が強調されているように感じられました。

 動画内で中村倫也さん演じる秋月信彦/仮面ライダーSHADOW MOONの力の入ったスピーチを見るに、彼は怪人側として差別する人間と戦おうとしていることがわかります。対して主人公の光太郎はあくまで人間側として信彦と戦うのでしょうか。以前公開されたキャッチコピー「悪とは、何だ。悪とは、誰だ。」は、怪人と人間どちらが悪なのか?といった意味合いが込められていそうです。

 またもう1つ衝撃的なのが発表された他キャスト大河ドラマ花燃ゆ』などで有名な三浦貴大さんを筆頭とした、一線級の人が名前を連ねている動画と映像を見た時は思わず呆気に取られました。個人的には原作の幹部キャラ・三神官の1人を中村梅雀がやると知った時が最も驚きましたね。過去のライダー作品どころか下手なドラマや映画よりも豪華な顔ぶれに、本作の力の入れようが感じられます。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

ポケットモンスター

第122話「セミファイナルⅠ 『圧勝』」

 いよいよマスターズトーナメントのセミファイナルが開幕する中始まった今回の前半は、サトシたちがシロナとの交流がメインとして描かれていました。ガブリアスのマッサージをするなど相棒を大事していることがわかるシロナでしたが、そのガブリアスとは卵の頃からの付き合いだと判明した時は驚きつつも納得しましたね。劇中でポケモンとの出会いを「運命」を言っていたように、シロナにとってポケモン1匹1匹の出会いはとても大切なものであることが伝わってきます。卵から孵化させた繋がりでサトシのルカリオとも通じ合うのがまた素敵ですね。

 そんな中出会った「ビック」と「トリア」の兄妹とのやり取りも印象的で、迷子になったトリアがヒメンカを追いかけていただけという展開にはズッコケながらも微笑ましいものがありましたね。そうしてヒメンカがワタシラガに進化する瞬間を見届けるシーンは、上の運命の出会いに通じたものがあるように感じました。

 このように他キャラとの会話やポケモンの描写に力を入れていた一方で、ダンデとカルネの試合は驚くほどあっさりと終わっていた点が気になりました。サブタイ通りダンデの圧勝で終わっており、正直見応えというものはあまり感じられませんでしたね。キョダイマックスリザードンのキョダイゴクエンをメガサーナイトサイコキネシス火の鳥のように変えて打ち返す……といった映像的にも映える戦術もあっただけに、もっとガッツリとバトルを見せてほしかったです。

 

 

ラブライブ!スーパースター!!(2期)

第7話「UR 葉月恋」

 

【速報】恋ちゃん、ゲーム中毒になる。

 

 上の通り久々にメインとなった恋の物語では、彼女がゲームにドハマりしているまさかの光景に驚かされました。父親が送ってきたレトロゲームの数々も凄まじいですが、それらをほぼ全て遊んでみせた娘ののめり込みが何よりも衝撃的です。周囲が見えなくなるほど目の前のことに熱中してしまうのが、恋という少女の特徴というわけですね。

 しかし今回はそうしてゲームに沼ってしまった恋がみんなに受け入れられていく様子が描かれていくのが主軸になっていたのが良かったですね。生徒会長として強くなければならないと思っている少女に、自分の弱さをさらけ出すことも大切だと教えていくかのような内容に心が暖かくなります。そうしてみんなでゲームをすることで楽しみを共有していくなど、恋にとってゲームの実績解除以上に大きな成果が手に入っていく構図が素晴らしいと思いました。

 そんな恋の手助けをしてくれたメイの活躍も印象的。自分もかつて言えない秘密を抱えていからこそ恋の悩みに親身になってくれる姿にちょっと感動しました。2人の秘密を察してさりげなくサポートしてくれる四季もそうですが、後輩がしっかりと先輩の力になれているのが素敵だと感じる回でもありましたね。(そして何気に嫉妬する四季がここすきポイント。メイ四季はいいぞ

 

 

Engage Kiss

第9話「流す涙の意味を知らずに」

 辛い。前回ラストで三上刑事を殺した犯人がマイルズだとわかっただけでも辛かったのですが、今回の内容はさらにその上を行きました。マイルズのどこか晴れ晴れとした態度と、怒りと悲しみがない交ぜになったようなシュウの対比だけでも悲痛に思えます。そのうえマイルズの記憶を敢えて失うことで悪魔となった彼を討つシーンには開いた口が塞がらなかったですね。復讐を果たした後に流れた涙の理由──大切な家族の1人を自分の手で討った事実──にシュウ本人だけが気付かないままだという構図はあまりにも残酷です。

 個人的にはマイルズの過去回想が今回のエグさを加速させていたように思えます。娘を救ってくれた悪魔側に与するしかなかった一方で、シュウのことも息子のように想っていたマイルズの心情が嫌というほど伝わってきました。悪魔に心を売ったとはいえ、彼はどこまでも“人間臭かった”ことがわかります。シュウに撃たれる瞬間の申し訳なさそうな表情などはもう見ていられませんでした。

 またその回想から全ての黒幕「アスモデウス」の正体がシュウの母親だと判明した瞬間も衝撃的でした。爆破の件も妻の暴挙を止めるためにシュウの父が起こしたものだと示唆されるなど、シュウにとって救いのなさすぎる真実に目を覆いたくなります。こんな惨い過去を掘り起こすために彼が記憶を切り売りしていたと思うとやるせなくなりますね。(上述のマイルズやミハイルがこの事実を隠していたのも納得といいますか、彼らがシュウのことを想っていることがわかったのがいくらか救いでしたね

 

 

リコリス・リコイル

第9話「What’s done is done」

 こっちも辛い。人工心臓を破壊されたことで千束の余命が2か月となってしまった事実を、覆そうと躍起になるたきなの様子に早くも胸が痛みました。自分の死を受け入れて明るく振る舞う千束の達観ぶりもあって、焦るたきなの感情がこれでもかと突き刺さりましたね。DAに舞い戻るチャンスを手にしても迷ってしまう辺り、たきなにとって千束の存在がどれだけ大きくなっているかがよくわかります。

 そんな悲しい現実に打ちのめされる一方で、前向きに描かれていく後半シーンが見られたのは大きな救いでしたね。4話の時と同じデートコースで千束を引っぱる中、彼女を死なせないためにDAに戻る決意を固めるたきなの姿には少々感動しました。今回の一部潰れたデートの計画のように理不尽を前にして、そのうえで出来ることに全力を尽くすことを千束に教わっていく構図が素敵だと思います。これが最後の別れになるかもしれないという不安もありますが、今の千束とたきななら大丈夫かもしれません。

 そして千束が如何にして不殺の道を進むようになったのか、その過去が明らかになったのも大きなポイントでした。自分を救ってくれた人のように自分も誰かを救える人になりたい、という幼い千束の想いに心打たれます。吉松が言った「救世主」との捉え方の違いに皮肉めいたものを感じますが、千束は最初から変わらなかった事実にどこか安心感を覚えましたね。一方でかつては「子どもは苦手」と言っていたミカが実の父親のように千束を想うようになった現在にもほっこりしました。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第92話「天地魔闘の構え」 

 本来の肉体を得て復活した真バーンとの戦いがついに開始……したものの、真バーンの「天地魔闘の構え」にダイがあっさりと敗れ去るシーンに唖然となりました。RPGのラスボス特有の2回行動を超えた「3回行動」を見事物語に落とし込んだセンスはともかく、ダイの最強技が簡単に破られた光景は何ともショッキングです。しかもアニメではほんの数秒で決着したのもあって、最初は劇中のレオナのようにちょっと放心してしまいました。

 また真バーンのキャラクターが面白いですね。老人の頃から煽りが強かったのもありますが、声が子安さんになってからその全てを見下しているような態度が鼻につくようになりましたね。自分の愉悦のためだけにレオナをそばに置くことを本人に提案するなど、慢心ここに極まれりといった感じです。

 一方ヒュンケルたちVSミストもあっさり決着しました。最初から自分のスペアボディとして育てていたヒュンケルに裏をかかれて敗れたミストは哀れでしたが、師弟としてお互いの考えを把握していたようなところに彼らなりの絆が感じられました。その後実は生きてたポップの決意も印象的で、勝てなくともダイがいるなら力になりたいと前に進む姿勢にまたもや惚れ惚れしましたね。上の絶望的な状況も相まって、ポップたちの到着に期待がかかります。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第22話「パーロン城の女王」

 遊飛と遊歩相手に1対2の変則デュエルを挑んできたロヴィアンですが、ロミンの系譜なのか我慢が溜まると若干激しくなるキャラにびっくりさせられました。マイペースなようでいて、その実激情家な部分がまさしくロミンです。前回感じた時以上に愉快なキャラクターとして描かれているのが興味深いですね。

 またラッシュデュエルに自由と秩序を求めている点も目に留まりました。純粋に相手と覇を競い合うデュエルを信じているからか、何かしらの動機で戦うことに怒りを覚えるシーンが映えます。彼女は登場人物のほとんどが目的を達成するための手段としてデュエルをする本作のアンチテーゼ的存在なのかもしれません。(ただ現状が把握出来ていないうえ、ユウディアスをシャツに閉じ込めた相手に一方的に悪者扱いされるのはいまいち釈然としないですね)

 そしてデュエルシーンでは兄妹らしく息の合ったコンビネーションを見せる遊飛たちと、それをバーンとパンプアップを華麗に使い分けて撃破するロヴィアンの各戦術が特徴的でした。中でも遊飛がかつてユウディアスに教えた「自分のライフが100になったとしても、相手のライフを0に出来れば勝てる」を難なくやってのけるロヴィアンの強さが印象に残ります。この敗北が遊飛たちが「ラッシュデュエルとは何か」を見つめ直すきっかけになるといいですね。

 

 

 さて上の仮面ライダーBLACK SUNのAmazon Prime Videoでの配信日も10月28日に決定した件も忘れてはいけません。あと約2か月で見られるということで、いよいよ迫っている実感が湧いてきました。

 それ故早く見たいという衝動に駆られながらもアマプラのレーティングを調べてみたところ、本作が「R-18+」に設定されていることを知って驚きました。特報映像の時点である程度高く設定されているとは予想していましたが、まさか『アマゾンズ』以上というのはかなり意外です。ライダー史上初の完全な成人向け作品となるBLACK SUNがどのような内容を見せてくれるのか、俄然気になってきましたね。

 

 

 ではまた、次の機会に。