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デュエル・マスターズ WIN 第13話「緊急事態!!パパリン、クビに?!」感想

楽しむ姿勢と憎しみの悲劇

デュエマを馬鹿にする腐った大人は許さない!(相手のデッキを燃やしながら)

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  • 踏みにじられる父の優しさ

 今回のデュエマWINは前々回のボウイの涙に引けを取らない、ショッキングな展開でした。実はデザイナーとして働いていることが判明したパパリンこと斬札ガッツが、自分のクビを宣告してきたカイザとクビをかけてデュエマを繰り広げる展開までは予想通り。パパリンが負けることについてもある程度覚悟していたものの、その後大切なデッキをカイザに燃やされた時はかなり衝撃を受けました。これでも漫画版の最期を思えばマシなのかもしれないのが何とも……

 他にもフラれた社員を励ますために踊ってみせたことを咎めたり、敗北後の笑顔を「無責任」だと怒るなど、カイザのパパリンへの不当な扱いが度々目につきました。その行動のどれもがパパリンの相手への思いやりに溢れているだけに、それを他の社員たちと一緒くたに「ダメな大人の行動」と断ずる横暴さには憤りを覚えますね。息子のウィンや家のことだけでなく、他の社員を想う優しい父親に対してあまりにもひどい仕打ちです。

 個人的にはカイザがデュエマを通してパパリンの腕を認めかけていた点で何とも言えない気持ちにさせられましたね。実際劇中でパパリンは《ボルシャック・ドギラゴン》でトップを失敗してしまうリスクを《革命の鉄拳》のシャッフル効果を挟んで回避するという、視聴者目線でも感心させられるテクニカルな一面を見せていました。その実力でパパリンを見直していた辺り、カイザは彼とわかり合えたかもしれないと思ってしまいます。だからこそ、負けてから笑顔で感謝したパパリンに怒るシーンにショックを受けてしまいます。以前からカイザが見せていたダメな大人への憎しみが、今回は最悪の方向に噛み合ってしまった印象を受ける回でした。

 

 

  • デュエマは真剣勝負?楽しい遊び?

 上述の通りカイザのパパリンへの扱いがとにかく悲しかった今回。ウィンにとってもこの展開はショッキングだったのがまた辛かったです。大切な父と父のデッキを傷つけられ、憧れていたカイザへの怒りを見せるウィンの姿からももう平穏な状況ではいられない……と実感させられます。

 それはともかくカイザとパパリンについて、2人のデュエマに対するスタンスの違いが今回の悲劇を招いてしまったのかな、とも思いました。カイザにとってデュエマは「勝つか負けるかの真剣勝負」であることはこれまでの様子からも読み取れますが、対するパパリンはデュエマを「勝っても負けても楽しい遊び」と捉えていることが今回描かれています。パパリンにとって今回のデュエマは家のことがかかった大切なものであった一方で、あのプリンス・カイザとデュエマが出来る!と楽しんでいたことは想像に難くありません。だからこそ負けた後も笑顔で礼儀を尽くしただけなのでしょう。

 ただそれをカイザが「負けてヘラヘラしている奴」と捉えてしまったというのが悲しいすれ違いに繋がってしまっています。恐らくカイザは絶対に負けられない戦いならば死力を尽くすべきだろう、と考えていたのでしょう。なのに負けても笑っているパパリンを、真剣勝負を馬鹿にしていると思ってしまったのも当然なのかもしれません。自分の進む道、見るものに対して全く疑わないカイザの性格が、かえって今回の話をこじらせてしまったように思えますね。

 片やデュエマを子どもの遊びと馬鹿にする大人に憤り、片やデュエマを素晴らしい遊びとして全力で楽しんでいる……形は違えど、どちらもデュエマを真剣に愛している点では同じだったように感じます。(こう書くとガチ勢とエンジョイ勢の違いの話そのものっぽい?)もし少しでも違えばその愛を共有出来たかもしれないと思うと、怒りと悲しみが同時に襲い掛かってきますね。これが次回、さらなる悲劇を読んでしまうかもしれないと思うと胸が苦しくなるばかりです。

 

 

  • 万物万象を屈服させる、轟く炎を纏いし竜の皇者

轟炎(ごうえん)の竜皇(りゅうおう) ボルシャック・カイザー 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン
パワー5000+
▪️シビルカウント3:自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計3つ以上あれば、このクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、バトル中パワーが+50000される。
▪️シビルカウント5:自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計5つ以上あれば、このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをアンタップする。
▪️このクリーチャーが破壊された時、カードを1枚引く。その後、名前に《ボルシャック》とある進化ではないドラゴンを1体、自分の手札から出してもよい。

 ついに登場した、プリンス・カイザの真の切り札。彼が度々使ってきた《ボルシャック》の1体にして、それらの頂点に立つというオーバーレアのドラゴンです。(背景ストーリーでは「暴竜爵」の称号を持った火文明の支配者として君臨しています)ボルシャックの特徴である巨大な両腕を手甲で再現し、珍しい白銀の鎧を身に纏っている姿が非常に勇ましいです。攻撃的な刺々しさとどこか高貴な雰囲気を同居させる出で立ちには惹かれるものがありますね。

 カードとしてはコスト5のパワー5000と基礎スペックは非常にシンプル。このサイズのため切り札ドラゴンにはありがちなブレイカー能力を持っておらず、あくまで単発の打点しか持っていない辺りはどこか寂しく思えます。とはいえここまでは仮の姿、2つのシビルカウントを満たすことでこのカードは真価を発揮します。

 まずシビルカウント3達成でスピードアタッカーを得て即座に攻撃出来るようになるほか、バトル中はパワーが50000(5万)加算されるというとんでもないパンプアップを遂げます。パワー55000となって《大樹王 ギガンディダノス》や《禁断竜王 Vol-Val-8》といった高パワークリーチャーすら打ち倒せるので、並大抵の相手とのバトルではまず負けることはないでしょう。劇中で《ボルシャック・ドギラゴン》を倒したように、ブロッカーや効果バトルを仕掛けてくる相手にもめっぽう強いです。

 この時点でかなりの強さですが、さらに驚くべきはシビルカウント5によって発動する無限攻撃。条件さえ満たせば何度でもアンタップして攻撃出来るので、場合によってはこのカード単体で相手のシールドを割り切ることも狙えます。タップ系呪文やG・ストライクで止まってしまうものの、逆に言えばそれらかあるいは除去手段が無ければ止められない驚異の攻撃になりえますね。

 この無限攻撃で何度も攻撃する性質上、味方の攻撃に誘発するカードとの相性が抜群な点も見逃せません。シビルカウントのための数合わせになるうえ、攻撃の度に味方を踏み倒せる暴竜爵の爪》や《ボルシャック・バラフィオル》とのコンボが特に魅力的ですね。他にもアタック・チャンス呪文である《ボルシャック・ファイアー》を唱えて邪魔な相手クリーチャーを除去する戦法も考えられます。

 最後は破壊時に1ドロー&非進化ボルシャックを踏み倒すpig。破壊されても2枚目のボルシャックカイザーを出して、再度攻撃に移ることが可能です。そうでなくとも非進化ボルシャックであれば何でも出せるので、《ボルシャックライシス・NEX》や《龍騎旋竜ボルシャック・バルガ》のような大型ボルシャックを踏み倒すのもアリですね。相手からすればただでさえ倒すのが難しい相手が、破壊してもさらに後続に繋げられるというかなり厄介なことになります。

  問題はシビルカウントを如何にして満たすか。特にこのカードを含めた5枚のカードを揃える条件は中々に厳しいです。まず考えられるのが【赤緑ボルシャック】に組み込む方法で、ボルシャック英雄譚》で他のボルシャックとまとめて踏み倒すことが可能です。それ以外だと除去されにくいタマシードをあらかじめ展開しておくのも良さそうですね。ボルシャック系統のデッキはもちろんのこと、火のカードを並べるデッキのフィニッシャーとなりえる突破力。何より火のドラゴンとしてのヒーロー性の高さから使ってみたくなるカードだと思います。

 

 

 

 そして次回はウィンVSカイザ戦がいよいよ始まる模様。父親の大事なモノを奪ったカイザに対して怒りを燃やすウィンが、以前の大会で勝ち取った挑戦権を使いデュエマでリベンジを果たすようです。ウィンの家族想いな一面に胸が熱くなる一方で、予告映像に映る彼の顔が終始暗い影を落としているのが引っ掛かりますね。その闇の心が封じられていたアビスを蘇らせてしまうようですが、それがウィンにとって恐ろしい事態を招いてしまわないか心配です。

 また斬札家の写真のシーンにウィンの母親らしき女性の写真があったことも見逃せません。というか、よく見るとこの写真に写っているのは7話に登場したエリザ先生では……!?先生の写真が家族写真と共に並べられているのはどういうことなのでしょうか。何気に謎の多い斬札家の秘密についても、次回色々触れられそうなのが楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。