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デュエル・マスターズ WIN 第11話「D4の証明」感想

僕にない強さを求めて

光文明のライバルとかいう曇らせられてばかりの可哀想な子たちよ

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  • 不屈の闘志を手に入れようと……

 今回のデュエマWINはボウイの主役回。これまでも何度か登場していた彼が、D4の一員として奮起する姿が描かれました。敗北を喫していたウィンへのリベンジに燃えている一方で、彼らのデュエマに顔を綻ばさせている様子に見ているこちらのテンションが早速上がりましたね。ウィン打倒のために特訓を重ねている点にも好感が持てます。以前から見られていたボウイのひた向きなキャラクターが、今回でより強化されたような印象を受けました。

 個人的に今回のボウイはウィンとのデュエマを楽しむことを見出しかけていたのが素敵でしたね。D4として勝たなければならないと意気込んでいるものの、ボウイもまた勝っても負けても楽しいデュエマを求めているように感じました。まだまだ子どもであるのもあって、彼には純粋にデュエマを楽しんでほしいと感じました。

 

 それはそれとして、ボウイがウィンにあって自分にはない「どんな逆境でも諦めない不屈の闘志」を見つけ出したのもグッド。ずっと気負ってきたうえでカイザとのデュエマに臨む中、それを見つけ出しただけで感動出来ます。ここまで頑張ってきたボウイが確かな成長を遂げたのだから、ついに初勝利を収められるな!!

 …………と一瞬でも期待したのですが、現実は残酷なもので。カイザの反撃によってあえなく負けてしまう展開で唖然となりました。しかもあちらの圧倒的な気迫に気圧されてしまい、ミスプレイを犯してしまったことにはよりショックを受けてしまいます。不屈の闘志を知ったものの、それを実行出来る精神力はまだボウイにはなかったということでしょうか。憧れのカイザにすら見捨てられ、雨の中涙を滲ませるボウイの表情に心が痛みました。

 ここまで頑張ってもまだ勝てないのか、ボウイはどこまで頑張ればいいのか……と考えてしまいます。光文明のライバルらしい曇らせと言えばらしいですが、彼の幼さと健気さのせいでより痛々しくなっていましたね。それはそれとしてボウイの泣き顔はそそられる。果たしてボウイは今後どうなってしまうのか、不安になってしまう内容でした。

 

 

  • 深紅のボディで走り抜ける激走車龍

ルベル・ゴルギーニ 光文明 (5)
タマシード/クリーチャー:メカ・デル・ディネロ/スーパーカー・ドラゴン/ACE
パワー16500
▪️ブロッカー
▪️T・ブレイカ
▪️相手が自分のクリーチャーまたはタマシードを選んだ時、相手のクリーチャー1体または相手のタマシードを1枚選んでもよい。相手はそれをシールド化する。
▪️自分の光のクリーチャーまたは光のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
▪️自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーとタマシードをすべてアンタップする。

 ボウイがカイザ戦で繰り出した新たな切り札。《ドラン・ゴルギーニ》と同じスーパーカー・ドラゴンを持ったタマシードクリーチャーです。(背景ストーリーにおける両者の関係性が気になりますね)ドラン・ゴルギーニと同じように車とドラゴンを掛け合わせたようなデザインになっていますが、こちらはより刺々しく攻撃的なフォルムに仕上がっているのが特徴的です。ラテン語で「赤」を意味する「ルベル(Lobel)」の名前の通り、真っ赤なボディがこれまた目に焼き付きます。

 カードとしてまず目に入るのは16500という高パワー。コスト5としてはかなりの数値です。その高いパワーのおかげで、大半のクリーチャーとのバトルに勝てるのは非常に魅力的です。(ブロッカーも持っているので防御でも活躍可能です)タマシードクリーチャー故に光のクリーチャーorタマシード4体の条件を満たさなければこのパワーを活かせませんが、出しただけでも威圧感を発揮してくれることでしょう。

 基本スペックの時点でかなり驚異的ですが、後述の能力がまた強力。まず味方が選ばれた時に相手のクリーチャーorタマシードをシールド送りにする能力のおかげで、タマシードとしての元々の耐性がより強固なものになっています。単体の確定除去はもちろんのこと、よく使われるG・ストライクで選ばれても反応するのが便利です。数ある除去の中でも山札送りに次ぐ強力なシールド送りであることもポイントで、cipで除去をしてくるようなクリーチャーを退かせられるのもグッド。(《SSS級天災 デッドダムド》辺りの天敵になりえますね)

 もう1つは味方全体に警戒能力を付与するというもの。こちらは単純に殴り返しを防止出来るうえ、攻撃可能なブロッカーを活かせる利便性を誇ります。これにより、相手はマッハファイターを持っていない限りはクリーチャーで相手クリーチャーを狙うことは出来なくなります。上述のシールド送りを組み合わせれば、殴り返しを狙えず、確定除去を使おうにも味方をシールドにされる……そんなジレンマに相手を陥らせられます。相手にとっては厄介なことこの上ないカードとなってくれるでしょう。

 タマシード状態のままでも上の能力2つが使えるので、早期に出せればかなりお得なカードでもあります。ブロッカーかつドラゴンなので《ヘブンズ・ゲート》や《スターゲイズ・ゲート》、《ドラゴンズ・サイン》から踏み倒せるのも嬉しいですね。何気にブロッカーとの相性も良さげなので、天門系デッキでの活躍が期待されます。

 

 

  • かつての自然の龍神は、暴竜の名と鎧を纏う

ボルシャック・バラフィオル 火文明 (4)
タマシード/クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ACE
パワー9000
▪️スピードアタッカー
▪️W・ブレイカ
▪️自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
▪️自分の、名前に《ボルシャック》とあるクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードがコスト6以下の火のクリーチャーまたはコスト6以下の火のタマシードなら出す。それ以外なら墓地に置く。

 プリンス・カイザが新たに使用したタマシードクリーチャー。例によってボルシャックの名を持ったドラゴンですが、その姿と名前は『キング!』の終盤でも登場した五龍神(五大龍神)の1体《龍神バラフィオル》そのものです。種族がアーマード・ドラゴンとなり白い鎧を纏っていますが、中国神話に登場する龍を思わせる細長い姿はそのままとなっています。自然文明を司るドラゴンであるはずのバラフィオルが、何故《龍神ヴォルジャアク》を差し置いてボルシャックと化しているのか……その辺りの謎が非常に気になるところです。

 それはさておきカードとしては4コストのパワー9000、スピードアタッカーにW・ブレイカーと中々のスペックを誇ります。タマシードクリーチャーの宿命として火のクリーチャーorタマシードが4体揃っていなければクリーチャーとして攻撃出来ませんが、その条件さえ満たせば即座に攻撃に移れるのは他のタマシードクリーチャーにはない利点ですね。

 そして最大の特徴が自身のボルシャックの攻撃時に発動する踏み倒し。デッキトップからコスト6以下の火のクリーチャーorタマシードを出せるという連ドラ的な能力で、攻撃を重ねるごとにどんどん展開していけます。条件がボルシャックということでこのクリーチャーはもちろんのこと、《ボルシャック・ヴァルケリー》や《ボルシャック・サイバーエクス》といった踏み倒し範囲内のコストでかつ即攻撃出来るボルシャックとの相性は抜群です。他にも3ターン目に《ボルシャック・栄光・ルピア》を召喚→次の4ターン目にボルシャック・バラフィオルを出して栄光・ルピアで攻撃……と即座に展開を狙えるのもグッド。

 何よりこのカードがタマシード状態のままでも踏み倒しが行えるのが良いですね。いっそのこと除去されにくいタマシード状態にしたままで攻撃に移り、ある程度展開していくことでクリーチャー化させていくのも十分にアリです。無論ボルシャック・バラフィオルが並べば踏み倒しが数回行われますし、《暴竜爵の爪》も加えればとんでもない爆発力を生みます。全く新しい連ドラ的デッキの構築が捗る、中々に面白いカードと言えますね。

 

 

  • D4の謎、皇帝の期待

 今回もう1つの見どころと言えるのがD4について。長らくカイザとボウイのみの登場だった最強デュエリスト集団でしたが、残りの2人の登場によってついに4人全員が揃うことになりました。

 ゴルフを趣味とする「霞ヶ関ファルゴ(かすみがせき・ファルゴ)」と五七五の川柳風に喋る「最上川イッサ(もがみがわ・イッサ)」と、いずれも登場からわずか数分で濃いキャラであることがわかりました。ただファルゴは前半でボウイのことを煽り倒す嫌な奴として描かれていたのが引っ掛かりましたね。実力者ではあるのでしょうが、子どもに対してかなり大人げないところは何ともヘイトを集めそうな予感がします。(イッサに関しては……まだ一言しか喋っていないのでどんな奴なのか判断が付きにくいです)カイザが彼らを集めて「大義」を成し遂げようとしていることも判明しましたが、未だ詳細は不明なのでこちらも気になるところ。

 また今回はカイザがボウイに厳しく当たっていた後半が印象に残りました。彼の3度の敗北を知ったうえでデュエマをしてきた時は驚いたものの、カイザなりにボウイへの期待を寄せていたことが伺えました。ボウイの成長に喜び、最後に敗北を喫してしまった彼に怒る様子は前々回の大人たちへの失望とはまた違ったものでした。彼の精神的な脆さをキチンと指摘する辺り、ボウイの成長を望んでいることが伝わってきます。それ故に、今回の敗北でボウイを突き放してしまったことにショックを覚えてしまいます。せめてカイザには、ボウイがここから這い上がることを期待してほしいところです。

 

 

 そして次回はボウイがウィンの家に泊まることに。今回の展開に見ているこちらもゲッソリしてしまったので、予告で彼らが仲良くお風呂に入っている様子を見ているだけで癒されますね。カイザに見限られて失意に陥っているであろうボウイが、斬札家の暖かい家庭に触れることで元気になってくれることを願うばかりです。

 また邪神くんたちアビスロイヤルが別のクリーチャーからの襲撃を受けるという展開も見逃せません。予告を見る限りだとかのザガーン様らしきクリーチャーが確認出来るのですが、同じ闇のクリーチャー同士による覇権争いか何かでもやっているのでしょうか。ずっと気になっていた邪神関連の謎もいくつか明かされそうな予感がするので、この辺りのバトルも地味に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。