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仮面ライダーギーツ 第36話「慕情Ⅳ:かりそめの共闘」感想

真に戦うべきもの

何でアルキメデルの退場が一見感動シーンのようになっているんだ……?

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  • 許せぬ敵に向けての戦い

 アルキメデル(ダンクルオステウス)ジャマトの登場によってさらなる波乱へと進む今回のギーツ。中でも道長が英寿と話す中で「自分が戦うべき本当の相手」を見据えていく過程が描かれていました。慕情編に入ってからライダー狩りを行っている道長ですが、それが参加者たちをライダーから解放するためだと英寿に見抜かれている様子に大きく唸らされます。ジャマトに倒される前に自分が倒すことで元に生活に戻す、といったわかりやすい説明もあって、道長本来のぶっきらぼうな優しさが失われていないことが伝わってきてホッとさせられました。

 そして英寿も「本当の敵はこの世界を弄んだ未来の連中」と、はっきり自分たちの敵を口にしてくれたのもポイント。デザイアロワイヤルでも他のライダーと戦うつもりはない英寿がこれを言ってくれたことで、道長は本当の意味で吹っ切れてきたかな、と思いました。いつもの如くからかいながらも見守る英寿、怒りつつその怒りを向けるべき相手にぶつけていく道長と、2人のやり取りにもほっこりさせられる一幕でしたね。(他にもお絵かきで情報を共有し合ったり一緒に鍋をつついたりと、今回は2人が仲良くしている様子が多かったのもここすきポイント)

 

 そしてアルキメデル戦でギーツ&バッファという夢のタッグが実現したのも見逃せません。参加者の中では現状最強の2人が組むというだけでワクワク感に満ちていました。ライダーの攻撃は一切効かないからとジャマ神バッファを無遠慮に蹴るギーツなど、見ていてクスっとするやり取りが見られたのも面白かったです。

 何より印象に残ったのがバッファの「 モンスターゾンビフォーム(ジャマ神」!!この組み合わせによるフォームチェンジがジャマトをくだす決定打になる展開には衝撃と興奮を覚えました。(ジャマトにはライダー特攻が効かずとも、持ち前のパワーで圧倒するバッファの戦闘スタイルが一貫しているところにも惚れ惚れさせられます)久々にジャマトが相手だったのもあって、見ていて気持ちのいいバトルが繰り広げられていて大満足です。

 

 

  • 推しのためなら何でもやる!

 英寿と道長が戦うべき未来人の悪質さが垣間見えたのも今回のポイント。中でもアルキメデルに取引を持ち掛けるケケラがショッキングでした。沙羅を窮地に立たせることで景和の成長を促そうとするやり方にはゾッとさせられます。推しが本当のヒーローになってほしいという気持ちは理解出来ますが、そのために敢えて悲劇を作ろうとするやり方にはドン引きする他ありません。推しを応援するというよりも、自分の望む方向に推しをプロデュースしたいケケラ……まさしく現実を“娯楽”としか見ていない、この世界を弄ぶ未来人そのものでした。

 一方で祢音の真実を知った沙羅が、対照的に推しのために戦ってくれるのが素敵でした。祢音が存在しない人間である話に最初こそ困惑したものの、彼女が幸せになるためにとデザロワを勝ち抜こうと決意を固める様子にグッときました。コミカルな演出もあって微笑ましいのですが、それ以上に祢音が何者であろうと受け入れてくれた優しさには心が震えます。(同じく祢音を自分の家に迎え入れようとしてくれた景和も良き……)どんな形であれ、大好きな相手のことを“人間”として思い遣っているように感じられました。ケケラへの失望を抱く中、逆に沙羅への期待がどんどん大きくなっていく回でもありましたね。

 

 

  • 未来人の撤収と“幸せ”の話

 前回のスエルやニラムの口から語られた「グランドエンド」。詳細こそは明かされなかったものの、デザイアグランプリ運営が撤収してこの世界から痕跡を消すためのものであることは何となく察することが出来ました。ラストにサラッと明かされた「四次元ゲート」の存在もあって、いつでもトンズラする準備は出来ているようなのが腹だたしいですね。ジーンたちサポーターもゲートを潜って未来に帰らないと消滅するなど、これまで楽しんでいた視聴者たちすらも危機に陥っているのが何とも奇妙でしたが。というかこのゲートを通って未来に行けばそのまま未来人をボコせるのでは……?

 というわけで復活したニラムやウィンもグランドエンドの準備に取り掛かるかと思いきや、ミツメと英寿について独自に調べ始めていたので少々驚かされました。てっきり運営の方針に従っているだけかと思いきや、ニラムもスエルやデザグラに対して不信感を抱き始めたということでしょうか。いずれにしても、デザグラ運営も一枚岩ではなさそうな描写が入ったのは面白いところ。

 またニラムに関しては、光聖に“幸せ”の定義について語っていたのも印象的。中でもこれまで何度か描かれていたニラムの食事描写が、彼自身にとっての幸せになっていることに繋がっていたことに膝を打ちました。他にも光聖に「あなたにとっての幸せも」と激励を送るようなシーンもあって、ニラムなりに現代を満喫しつつ幸せを模索していることが伝わってきたのが興味深かったです。ここまで趣味の悪いプロデューサーというイメージしかなかったニラムですが、今回を皮切りに少々彼への見方が変わってきた気がしますね。

 

 

 そして次回はデザロワ延長戦に突入。(早くない!?と最初思いましたが、グランドエンドによる終わりが近いとなると当然なのかもしれません)景和が道長に挑んだり英寿が再びニラムと戦ったりと、それぞれの激戦が繰り広げられるようでワクワクします。しかしスエルによるグランドエンド実行によって全てがひっくり返させられそうなのが何とも……

 さらに予告編に映った謎の白いギーツについても気になります。これはギーツの純粋な強化フォームなのか、それとも別の何かのどちらでしょうか。本作の場合、「ゲイザーによってギーツが洗脳された姿」もあり得そうなのが怖いですね。この白い姿が果たして何なのか、明かされるであろう次回が待ちきれません。

 

 

 ではまた、次の機会に。