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仮面ライダーギーツ 第34話「慕情Ⅱ:ギーツの矛先」感想

己の願いのため、敵を倒せ

【悲報】ケケラ、やっぱり未来人だった

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 英寿の復活から始まった今回のギーツは、まずデザイアグランプリの創始者であることが判明したスエルの動向に眉をひそめることになりました。前回バッファにボコボコにされていたグレアⅡ(チラミ)が今度はギーツとの戦いで押されるわバッファにトドメをさされるわと散々な目に遭っていましたが、問題はその後のスエルが開いた「デザイアロワイヤル」。ここにきてライダー同士を戦わせ、デザグラが存在するかしないかと決めさせようとするスエルの意図が読めなくて困惑させられました。創始者がデザグラがなくなる可能性を用意するのは少々不自然に思えます。

 これを見る限りスエルの目的はデザグラにはないのかもしれません。恐らくは女神の力、つまりはミツメやツムリそのものが目的になっているように感じます。前回ツムリが女神の力の一旦を見せていたことを考えるに、スエルはこのデザロワでツムリの覚醒を狙っているのでしょうか。いずれにしても、デザグラ創始者に不気味なものを感じずにはいられませんね。

 

 

  • 怒れる願いと違える道

 それはともかく、今回は英寿たちメインキャラの目的がはっきりと違えていく過程が印象に残りました。デザグラを壊して母・ミツメを救おうとしている英寿に対し、復活した景和が被害者を蘇らせるためにデザグラ存続を選ぶのは予想通りながらも少々ショッキング。しかも「女神に罪を償わせる」とまで言い出したので動揺してしまいました。景和視点だと創世の女神もデザグラ運営と同じ立場なのは言わずもがなですが、あの温厚な景和がこのような発言をしたことに驚きを隠せません。同時にそう願ってしまうほどに人々を弄んできたデザグラを許せない、景和のかつてないほどの憤りが感じられましたね。

 他にも祢音が「自分の存在を世界に忘れさせる」という願いのために戦っていたことにもショックを受けました。自分の事実を知った今こうなるのは当然のことなのかもしれませんが、彼女のネガティブな願いに悲しみを覚えずにいられなかったです。(キューンとのやり取りなど、無理して明るく振る舞っているように見えるのがまた辛い)メインキャラが揃って暗いので、ここまでくると景和のためにデザグラに参戦することになった沙羅姉ちゃんや例によって楽しそうな大智がかえって健全に見えてきます。

 かくして母を救おうとする英寿とデザグラとライダーを全てぶっ潰そうとする道長も加えて、それぞれ異なる願いのために戦うことになったライダーたち。(自分の願いをはっきり持ったうえで戦う様子はある意味で初期のデザグラを彷彿とさせますね)「デザグラを許せない」という想いはみんな共通しているものの、その先の目的や過程で対立せざるを得ない状況になっているように感じました。英寿と景和など、仲の良い彼らの様子を見てきただけにこれは中々に堪えますね。

 また奇しくもデザグラ破壊を目指す側とデザグラ存続を望む側ではっきりと分かれているので、英寿と道長相手に他ライダーが挑むという構図になりそうな予感がします。もしこの2人が組んだら景和たちに勝ち目はないのですが、ここから景和がどう立ち向かうのかは結構見ものです。というかそろそろタイクーンの強化フォームが欲しいなぁ……とか考えてしまう今日この頃です。

 

 

 

  • カエルは画面越しにほくそ笑む

 そして今回何とか復活を果たした景和ですが、そこから彼のデザロワ参戦まで糸を引いていたケケラの動向にドン引きすることになりました。前回予想していた通りベロバと交渉して景和を復活させたのはいいものの、そのために姉の沙羅を巻き込ませたことに怒りを覚えます。しかもそれぞれに「家族を救いたいか?」と持ち掛けるという、姉弟愛を利用して彼らを戦いに向かわせたやり口が本当に卑劣だと思いました。

 そこまでしたケケラの景和を変えようとする狙いにこれまた引くと同時に、どこか納得してしまうのが少々悔しかったです。人間はどん底まで落ちると見違える程の進化を遂げる」という言い分は理解出来ますし、推しが苦難を乗り越えて成長する様を見てみたい!といった気持ちもわかります。そういった意味でケケラは誰よりも景和のことを応援し、推しの成長のために妥協しない彼のサポーターと言えるのかもしれません。(ケケラは多分王道の少年漫画的展開とか好きそうですね)

 しかし周囲の犠牲を厭わないやり方にはどうしても反感を抱いてしまいます。景和への好意も要は画面の先のヒーローを自分なりにプロデュースしているだけですし、沙羅を犠牲にして景和の成長を促そうとしている魂胆が透けて見えます。(彼女が変身する「仮面ライダーハクビ」があんまり強くなさそうなのもあって不安が大きいです)これには思わず以前のジーンのような「視聴者目線で楽しんでいるだけ」という感覚なのではないかと思いました。結局ケケラも他の未来人たちと同じ、現代人を娯楽として弄ぶ側に過ぎなかったということでしょうか。景和との仲は何だかんだで良好だっただけに、今回のケケラにはかなりショックを与えられましたね。

 

 

 また今回はデザロワが始まる前日、英寿が以前行われたデザロワ、すなわち『MOVIEバトルロワイヤル』での出来事を思い出していたのが印象的。一瞬ですが冬映画のシーンが流れて、リバイバイスリュウナイト王蛇、そして仮面ライダーシーカーの姿が映った時は思わず興奮してしまいました。英寿が一輝やバイスと共に戦ったことを覚えていてくれているのが個人的には結構嬉しいです。

 

metared19.hatenablog.com

↑当時観に行った映画の感想については上の記事を参照。

 

 何より映画の出来事が本編とリンクしているのはファンとしてはテンションが上がるところ。本編にガッツリ関わっていて映画を観ていないとわからないとかではなく、多少匂わせている程度に留めているのもポイントが高いです。(じゃあ『ギーツ』の世界にはリバイス勢がいるのか?といった気になる疑問は細かいことはいいんだよ!精神で乗りきります)意外なところで世界観が繋がっていることにワクワクが止まらない、ちょっとしたオタク心をくすぐられる演出だったと言えます。

 

 

 さて次回はデザロワ最初のミッションがスタート。「ジャマトに奪われたIDコアの回収」というミッションを達成し、最も多くのコアを集めたプレイヤーが他のライダーを脱落させる権利を得られるとのことです。こういった変則的なルールで単純に強いライダーの一強環境にしないようにするのは中々に上手いと思います。

 そしてこのミッションを前に大智が動き出す模様。英寿に共闘を持ちかけたり、道長排除のために祢音と沙羅を利用しようとするなど、大いに盤面をひっかきまわしてくれるようです。さらに生き残っていたアルキメデルジャマトが道長に襲い掛かるようですし(ライダー特攻を持っているバッファにジャマトを当てるのは賢い)、序盤から大混戦になることが予想されます。波乱の幕開けとなったデザロワはどうなっていくのでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。