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仮面ライダーギーツ 第37話「慕情Ⅴ:純白の破壊」感想

この想いは消し去らせない

情報共有などを欠かさないウィンが無限に推せる!

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  • 忘れないために抗う

 母・ミツメを取り返すために運営と正面から戦う英寿。今回のギーツはそんな彼の必死ぶりが印象に残りました。ジーンの協力もあって創世の女神と再び対面出来たものの、グランドエンドを実行しようとするスエルによって歯がゆい思いをしている様子が何とも痛々しかったです。これまでの余裕な態度がほとんど見られないことからも、英寿が母を救おうと躍起になっていることが伝わってきます。

 また今回はスエルの悪辣さが今までになく強調されていたのも英寿のお労しさを加速させていましたね。女神に意志など存在せず、それをデザイアグランプリでいいように利用してきたことを悪びれず話すスエルには憤りを覚えました。そのうえ「浮世英寿が存在しない世界」を叶えさせようとするシーンには唖然とするばかり。結果的に失敗したものの、自分の目的のために人1人消すことも躊躇わないやり口は実に敵の大ボスっぽかったです。(極悪すぎてスエルの行動に思うところありそうなニラムにかえって好感を抱くことになりました

 そしてグランドエンドで全てを終わらせて忘れさせようとするスエルがどんどん腹だたしくなってきただけに、「忘れてなるものか……!!」という英寿の姿には胸打たれました。母子共々運営のいいように利用されてきた中で、都合の悪いことを消し去ろうとする相手にこれを言ってのける主人公ぶりは本当にカッコよかったです。

 後述の新フォームも英寿のそんな決意の表れのように感じられます。変身経緯や変身後の雰囲気こそ禍々しいですが、運営の思惑から外れたフォームというだけでテンションが上がります。(ラストの「仮面ライダーのテクノロジーは、運営によって創造・管理されている。例外はない」の「例外はない」の部分が消し去られる演出には鳥肌が立ちました)ここまで辛酸をなめさせられてきた分、英寿にはスカッとする反撃を期待したいですね。

 

 

  • 黒きオーラで砕撃する三尾の狐戦士

 

SET.

 

BOOST!!

MARKⅢ!!

 

READY FIGHT!!

 

 英寿のデザイアドライバーに突如として装填された謎のレイズバックルによって変身したギーツの新形態「ブーストフォームマークⅢ」。ラストにまさかの登場となった中間フォームです。バックルの形状も赤と白を使っておりブーストらしいカラーリングは残っているものの、意匠そのものはまるで別物です。またデザグラ運営によって創造・管理されているはずの本作のライダーシステムにおける唯一の例外であるようですが、何故いきなり出現したのかなど一切はわかっていません。(完全に無から出現したのも異質ぶりを際立たせています)

 変身後の姿も真っ白なボディとなっており、ブーストらしさはまるで見当たりません。(どちらかというとマグナムフォームを思わせるカラーリングをしています)そしてブースト系統のアイデンティティであった腕のマフラーが形状が変化し、キツネの尻尾を思わせるデザインになっている点も特徴的

 また変身シーンにも驚かされました。バックルが開いた瞬間、英寿の周りに黒いオーラと赤く燃え上がる3本の尻尾が舞い上がり、彼を包んでいく様子はあまりにも禍々しかったです。NARUTO』の九尾暴走シーンを思い出したのは僕だけではないはず)変身後も立ち上る黒いオーラと尻尾が本当に不気味で、本作の暴走フォーム枠はこれなのでは?と思わずにはいられませんでした。

 戦闘能力に関してはラスト数分の登場だったのでほとんどわからずじまい。しかしゲイザーのドミニオンレイを触れずにぺしゃんこにする描写だけでも、圧倒的な力を感じます。念動力なのかはまだ定かではありませんが、あれほど苦戦していたゲイザーも容易くねじ伏せてしまいそうな出で立ちからしとんでもない力を持っているのは間違いないでしょう。次回からのこのフォーム、そしてその上を行く真の強化フォームの実力が気になるところです。

 

 

  • 「幸せ」と「悪いのは誰か」

 主人公以外の登場人物たちにも色々と注目が集まった今回。中でも景和と道長の戦いが目に焼き付きました。祢音と沙羅が道長によって脱落したことにショックを受ける暇もなく、「幸せ」を巡る論争と激闘を繰り広げる景和と道長に目が離せなかったです。幸せを願い、犠牲になった人たちを救いたい景和と幸せを望むからこそ不幸が生まれることを主張する道長……どちらの言い分もわかるだけに、どうにも釈然としない気持ちが募ることになりました。

 そして情報収集していたウィンのおかげで女神について色々わかり、「道具が悪いか使う人間が悪いか」についての話になるシーンも印象的。これは確かに使う側の良心が問われる問題で女神に罪はないものの、景和が意固地になっている辺りに彼の焦燥ぶりが感じられました。犠牲を取り戻そうと躍起になるあまり、女神という力そのものにも憤りを覚えているのかもしれません。基本が一般人メンタル故に視野が狭くなっている気がするので、景和には早く余裕を取り戻して欲しいところです。

 一方そんな景和たちを見てほくそ笑むケケラとベロバに対しては少々ゾッとさせられました。ベロバはまだわかるのですが、ケケラがここまでして景和に執着することに恐怖を覚えます。上述の通り景和は結局のところ善良な一般人なので、無理やりヒーローに仕立て上げようとしている様子は異常だと思わざるを得ません。序盤で女神に何かしらを願ったようですし、この悪質サポーター2人が何を企んでいるのか、今後も目が離せなさそうです。

 

 

 というわけで例によって色々あった回でしたが、特にウィンの活躍が良かったと思いましたね。ニラムの依頼ではあるものの、英寿個人のために情報を集めてくれていたであろう姿に惚れ惚れしました。飄々な態度を崩さず、みんなに情報を共有するのも欠かさない気配りの良さにも感激してしまいます。(ニラムのモノマネっぽいするシーンが地味にここすきポイント)これからも運営側でありながら英寿たちの味方をしてくれる存在として、ウィンの活躍を見てみたいですね。

 

 

 さて次回は「慕情」編クライマックス!グランドエンドが執行されようとする中、それぞれの想いなどが交錯する模様です。未来に帰還するジーンとキューン、必死に抗おうとする景和など、スエルの手のひらに踊らされている彼らにハラハラせずにはいられないです。

 肝心の英寿については謎のキツネ仮面と対面するらしいのですが、この仮面の男は何者なのでしょうか。英寿の心象世界の存在なのか、はたまた今回明かされた英寿の父親である「紀元前の時代のデザ神」なのか……その正体次第で英寿がどのような答えを見つけるの関わってきそうな気がします。そしてついに登場するギーツの最強フォームには予告の時点からワクワクしか感じません。次回が待ちきれないです。

 

 

 ではまた、次の機会に。