【電撃文庫】『灼眼のシャナ』シリーズ最新刊、11年ぶり発売決定https://t.co/tFWx5PlhMY
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2023年5月23日
『灼眼のシャナSIV(仮)』は、2012年に発売された『灼眼のシャナ SIII』以降約11年ぶりの最新刊となり、特別企画として、電撃文庫の外伝巻末の恒例企画『狩人のフリアグネ』の新規収録が決定した。 pic.twitter.com/rY1J4onwaV
皆様は『灼眼のシャナ』というライトノベルをご存じでしょうか。2000年代のサブカルを代表する作品の1つであり、伝奇小説の一角として当時のオタクの間でヒットしたラノベです。また主人公のシャナがいわゆる「ツンデレ」のイメージを確立させた存在の1人でもあるのも特徴的。アニメでの釘宮理恵さんの演技も本作の人気の一因だったと言えますね。
そして僕・メタレドにとっては今のオタクへの道に入るきっかけにもなった作品で、学生時代はこのシリーズを読み漁った記憶があります。ラノベ特有の専門用語と設定の嵐に魅了され、アニメもほぼ全作チェックしました。シャナと悠二のお互いを想っているから故の対立と、魅力的なフレイムヘイズVS紅世の徒たちの総登場が読める終盤の展開は特にお気に入りです
そんな灼眼のシャナの新刊が11年ぶりに出るという情報を聞いた時は、目が飛び出そうになるほど衝撃を受けました。物語としてはこれ以上ないほど綺麗に完結して、当時読者としても満足しながら読み切ったので今になって続きを出すことに驚かずにはいられません。とはいえ外伝や短編を集めた『S』シリーズとして出すようなので、なるほどそれならいくらでも続きが書けるなとも思いましたが。何だかんだでシャナの物語が再び読めるのは嬉しいので、新刊が出た時は絶対に買って読んでおきたいです。(出来ればシャナと悠二が共に旅立った後の様子を見せてほしい……!)
また第1巻の敵・フリアグネ(今思えば序盤に出ていい敵ではないなこいつ)をパーソナリティとした「狩人のフリアグネ」の復活など、往年のファンなら唸らされる要素も多そうで楽しみが止まりません。令和になってまさかの登場を果たした灼眼のシャナ、かつて楽しんだファンの1人として、また再び楽しみたいと思います。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
【推しの子】
第7話「バズ」
憔悴するあかねを救うため、何より彼女を追い詰めた番組とネットの鼻を明かすための反撃が描かれた今回。何と言ってもアクアを筆頭に、リアリティーショーのメンバーが協力していく様子が素敵でした。ネットの憶測や邪推とは関係なく、友人としてあかねを助けようとする彼らの仲の良い光景は前回の暗い雰囲気を晴らすには十分な明るさでした。バズらせのプロである「MEMちょ(めむちょ)」といい、各メンバーがそれぞれの得意分野を活かしているのがまた頼もしかったです。1人何もしてない奴がいたけどな!
そしてこの件に憤るアクアが特に印象に残りました。映像を隠し持っているD(ディレクター)相手に「大人はガキを守らなくてどうすんだよ」と静かに啖呵を切るシーンからは、アイとの過去を含めたアクアの無念も含まれているように感じましたね。ドライなように振る舞っているものの、その実他人を放って置けないくらいには熱い主人公の本質を改めて感じ取れた気分です。
かくして騒動が一旦の終わりを迎えたところで、あかねの本領が発揮されたのが後半の大きな見どころ。アクアの好みがアイと知るや否や、探偵顔負けのプロファイリング力でアイの特徴や素性をを調べ上げ読み取っていくシーンには思わず絶句してしまいます。(淡々とした声からはゾッとするものを感じましたね……)そうしてアイの仕草を完全にコピーしてアクアに話しかけるラストには鳥肌が立ちました。彼女もまた、本作に登場する「狂気的な天才」であることが伺えましたね。
山田君とLv999の恋をする
第8話「もしそうならそれはすごく」
茜たちが山田の高校の文化祭に訪れた今回は、茜と山田のやり取りにかつてないほどニヤニヤすることになりました。山田と一緒にいることで針のムシロに遭う茜の様子は予想通りだった一方、山田が彼女を高嶺の花だと思っていたのが意外でしたね。2人がそれぞれ自分では相手に吊り合わない……なんて考えていたと思うと不思議と顔が綻んでしまいます。
同時にお互いがお互いを意識し始めているのが目に見えてわかりやすかったのがまた最高でした。瑛太の「付き合っちゃえば」というからかいに本気で赤面する茜にはキュンときましたし、彼女を追いかける山田の視界の演出に胸が高鳴ってしまいます。山田が茜の名前を呼ぶ(本当はもっと前から呼んでいたけど)といったイベントも含め、徐々に距離を縮めていく過程にトキメキが止まりません。
そんな2人の関係を遠巻きに眺める眼鏡女子など、他のキャラの描写もそれぞれ面白かったです。中でも空腹とプレッシャーで気持ち悪くなるメンタルクソ雑魚瑠奈ちゃんには庇護欲が湧きっぱなしでした。というかこの子、回を重ねるごとに幼い小動物ポジションになりつつあるな……?
スキップとローファー
第8話「ムワムワ いろいろ」
球技大会に続いてまたもやミカにスポットが当たった今回。動物園でのデートをエンジョイする美津未と志摩くんのやり取りにほっこりした反面、それをつけていたミカの様子が胸に突き刺さりました。それだけでなく後半、美津未の家での勉強会でも結月の境遇に思うところがあるなど、凡人だからこその苦悩とコンプレックスを抱いている辺りに共感を覚えます。内心みんなにちょっかいを出したり文句を言いながらも、自己嫌悪に陥るシーンがまた一般人ポジションとしての悲しみを感じます。
そんなミカを支えてくれたのがナオちゃんこと「岩倉直樹(いわくら・なおき)」。美津未の叔母(生物学的には叔父)として姪っ子とのやり取りばかりだった彼女が、ミカの心にどんどん踏み込んでいく展開には大いに救われました。同年代の友達のようにミカにアドバイスしてくれる姿の何と頼もしいことか……ある意味で美津未の家族であると思わせてくれる、素敵な活躍だったと思います。
しかし前回のラストで登場した「西城梨々華(さいじょう・りりか)」と志摩くんの関係には逆にドギマギすることに。炎上した過去を抱えている梨々華(奇しくも推しの子と同じ炎上関係ときたかぁ)が、志摩くんを束縛する絵面に退廃的なものを感じずにはいられませんでした。お互いに相手に負い目を感じているっぽいですし、ほのぼのした物語のギャップもあって凄まじい印象となりましたね。
この素晴らしい世界に爆焔を!
第8話「水の都の狂信者達(ファナティック)」
アクシズ教迷惑無双の後編はゼスタが捕縛された原因の事件捜査パートからスタート。風呂にスライムの元投入というただのいたずらレベルの内容に唖然となり、冤罪とわかってからふんぞり返るゼスタに呆れ返ることになりました。(魔王軍は関係ないもののスライム自体はこの男の仕業らしいのが本当にひどい)そのくせ他の信者含め戦闘能力はかなり高めだったのがまた恐ろしいです。この作品特有の「実力の高さと人間性の低さが反比例しているキャラ」の例にもれていないことに不思議と安心感を覚えている自分がいます。
そんなとにかくヤバいアクシズ教信者ですが、いざという時はめぐみんを助けてくれたのが良かったですね。どいつもこいつも性格が歪んでいるだけで、恩をしっかり返してくれる連中であることがわかります。そして押されながらも彼らの中に馴染みつつ、「温泉を大きくする」という名目で爆裂魔法をぶっ放すめぐみんも中々のものだと感じました。ゆんゆん相手に見事な阿吽の呼吸で弄り倒していましたし、やっぱりめぐみんはアクシズ教と相性がいいのでは?などと考えずにはいられなかったです。(余談ですがゆんゆんがめぐみんへの感情の重さを隠しきれなくなっているのがここすきポイント)
贄姫と獣の王
第6話「少年と魔族の王」
これまでは魔族たちを中心に描いてきた本作ですが、今回はついにサリフィを助けようとする人間「イリヤ」が登場。サリフィの幼馴染として彼女を大切にしている反面、魔族への敵愾心がかなり強めなキャラに惹かれるものがありました。イリヤ視点だとサリフィが王様に騙されているようにしか思えないのはわかるものの、視聴者からすると彼の想いが全て空回っているように見えるのが何とも切ないです。人間と魔族の関係を改めて実感しつつ、報われないイリヤの行動に目が離せません。
また今回のサリフィの行動に王様が明らかに不機嫌な態度を示していたのもちょっとした注目ポイント。2人が幼馴染であると知ってから終始面白くなさそうな声色に変化していたのが微笑ましかったです。一方でサリフィがイリヤに攫われた際、彼女自身の意志で付いていった可能性を考えてしまう卑屈さに胸が締め付けられました。以前のようなサリフィを拒絶するものではなく、守ろうとする人間が出たことで自分のアイデンティティが揺らいでいるのが目に見えて伝わってきます。前回はサリフィと同じように、王様もまた自己肯定感が低いのかもしれませんね。
華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス
第3話「せいじゃくの街」
アユカが訪れた次の世界は「声を発することが禁じられた世界」。どうやって会話すのかと気になっていたところ、ナチュラルにテレパシーで話す様子には驚かされました。またお互いの心がわかってしまう以上、口で発した言葉と本音が違う場合を恐れるようになる社会の成り立ちが何とも物悲しさを覚えましたね。「リンコ」の「相手の心がわかんなかったけど、その分わかり合えた時嬉しかった」という言葉からは、わかるようになってしまったが故の皮肉を感じずにいられません。
そしてアユカの前に現れた「フォビア」のキャラも強烈でした。最初こそ親切な好青年といった印象でしたが、本性を表した際の狂気を孕んだ笑い方にはゾクゾクさせられます。ジサリス相手に戦うことへの快楽を求める性格といい、現状この作品で最もヤバい奴なのかもしれません。(そして2人の生身戦闘シーンは、酔いそうになるものの激しいカメラワークが魅力的でしたね)
他にはフォビアがアユカに説明してくれたことも気になります。アユカ自身の力に関してもですが、それ以上に「アユカの世界は彼女が戻らなければ消滅する」らしい情報には耳を疑いました。自身の世界の崩壊を防ぐため、今後アユカは元の世界に変える方法を模索していくことになるのでしょうか。
さて灼眼のシャナ新刊の情報を知り、本作の原作者である高橋弥七郎氏についてもちょっと気になり始めました。思えばシャナの完結後に『カナエの星』を出して以降、この人がどうなっているのかを知らなかったので氏の今後について軽く調べることにしました。
その結果、話題になったゲーム『ライザのアトリエ』のシナリオを書いていたことを知ってびっくり。あの大ヒット作の作者だったの!?とシャナ新刊とは別の意味で衝撃を受けました。とはいえ高橋氏は何だかんだで魅力的なキャラを書いてくれるのもあって、ゲームのシナリオライターとしてやっていくのは氏にとっては適任なのかもしれません。というかこの人の文章は正直変に凝りすぎて読みにくいので、キャラのセリフだけを抽出してくれるのがいいのかもしれない。何より昔好きだった作品の作者が、今の時代でも頑張っているとわかっただけでも嬉しいです。
さらに7月放送予定のライザのアトリエのアニメでも高橋氏がシリーズ構成を担当する模様。ライザシリーズのゲームはやったことはありませんが、高橋氏の描くライザたちが気になるのでせっかくだから見てみようかなと思いましたね。(アズレンで彼女たちのキャラは何となく掴めていますし)
ではまた、次の機会に。