2003年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作目『爆竜戦隊アバレンジャー』。今年20周年を迎える本作が復活するVシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』の予告編が先日公開されました。アバレンジャーは当時僕もハラハラしながらも楽しんで見た作品の1つで、主要メンバー全員が揃って再びアバレンジャーにチェンジしてくれるのは喜ばしいことこのうえありません。仲代壬琴/アバレキラーも復活(しかもついに変身バンクが用意されるというのが嬉しい!)するとのことですが、恐らく多くの人がどのような形で蘇ってくれるのか気になっていると思います。『デカレンジャーVSアバレンジャー』でも意表を突く形で登場しましたが、個人的にはこれを超える衝撃的な復活を見てみたいですね。
一方で予告で紹介された内容に「アバレンジャーを最悪のヒーローとして糾弾するゲストキャラ」と中々にザワザワさせてくる要素があるのが面白いです。(そのゲストが何かしらの心の闇を抱えていそうな点も興味深い)ヒーローが非難される展開はファンにとっては確かに辛いのですが、アバレンジャーはそもそも明るそうに見えてその実生々しいブラックな展開も介在していたので納得ではありますね。最終的には改心したもののゲーム感覚で世界を滅ぼそうとした仲代先生はその筆頭ですし、味方の爆竜でありながら裏切ってキラーに味方したステゴスライドンに果てはゲストキャラの一般人も時には敵に与する時があるなど、心の弱さや脆さを描いた作品でもありました。そんな作品だからこそ、敵意を向ける一般人にアバレンジャーがどう応えるのかに期待がかかります。どんなに裏切られ、追い詰められても諦めなかったダイノガッツのヒーローの久々の大アバレ、実に楽しみです。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
【推しの子】
第9話「B小町」
実年齢25歳と7つもサバを読んでいたMEMちょが加入し本格的に活動し始めたB小町。今回はそんなアイドル3人の眩しさに癒されることになりました。何と言っても新メンバーとも速攻で打ち解け、練習や宣伝を明るくこなすルビーのひた向きさが印象に残ります。アイの謎を探るためにあの手この手と謀略するアクアを散々見てきた後だと、どこまでも正道を突き進むルビーは見ていてかなり気持ちいいですね。「憧れは止められない」と人の夢も自分の夢にも前向きで、その姿には何故かこそばゆさを覚えてしまいます。
一方でかなはいつも通り不憫……自分の価値について自虐して内心傷付く流れ(『かぐや様は告らせたい』のマキちゃん先輩を彷彿とさせますね)は、笑いながらも同情を寄せてしまいます。それでいて手を出していた曲の完成度の高さなど、徹底してストイックな点もかなの美徳と言えるでしょう。というかかつて彼女が出した楽曲のMVの作画にはビビりましたね。自他に厳しく落ち込みながらも歩みを止めない、そんなかなの魅力を全力で引き出そうとしているかのような美麗な作画には思わず感嘆の声を上げてしまいましたよえぇ。
山田君とLv999の恋をする
第11話「話したいことがあるの」
可愛いけど鬼畜なギルドマスター&イケメンだけど変人なシスコン兄、2つの顔を持つ瑛太(瑠璃姫)の活躍にニヤリときた今回。まず以前から心配だった茜と椿のゲーム内顔合わせを、過酷な討伐で解決していく手腕に驚かされました。こまめに回復させつつ戦闘は彼女らに任せる無間地獄(「体感五億年」の演出には思わず吹き出してしまいました)を作り、2人の仲を深めるのは多少強引ながら舌を巻きましたね。さらにバイト先では茜たちに絡むチャラ男をやんわりと引きはがすなど、自分の武器を理解したうえで最大限に活用するこの男の底知れなさを味わった気分です。
そして茜に関しては自分の恋愛観について悩む様子が印象に残りました。不器用ながら真っすぐで明るい、それでいて妙に重かったりもする自分と向き合おうとするのは素直に好感が持てますね。まぁ恋バナかと思いきや……の流れは流石に鈍感すぎて桃ちゃんに同情してしまいましたが。(あと「週に3回“しか”合コンに行けなかった」と衝撃発言をする桃ちゃんも実にキャラが濃い)
余談ですが上述の通り、茜と椿の顔合わせが上手くいったのも個人的なここすきポイント。瑠璃姫の配慮もあったのですが、茜の持ち前の人の良さが椿の緊張を解きほぐしたと思うと実に微笑ましい話です。それでいて初期装備をマックス強化して使っているなど、ゲーマーとしては難ありなのもかえって彼女の魅力だと思います。というか魔職に火力で負けているの絶対それが原因でしょ!
スキップとローファー
第11話「ワイワイ ザワザワ」
期待と波乱に満ちた文化祭がついにスタート!今回は文化祭を大いに楽しむ美津未たちの様子に癒される一方で、少しずつ見え始めるモヤモヤ感が大きく出ていた回でした。自分が描いた絵そのものに興味を持ってもらえない結月や、中学時代の友達と今の友達の間に隔たりを感じる誠……それぞれが抱えるちょっとした不満や不安が露になっていくのが面白かったです。それでいて美津未たちとの仲良し描写で乗り切り、何だかんだで明るく進んでいく物語の構成は見事の一言です。
そして何と言っても志摩くん関連でまたもや不穏なものが立ち込めてきたのが大きな見どころ。まず兼近先輩が演劇のある人生を当然と考えていることに衝撃を受けているかのようなシーンが印象的でしたね。自分がかつて挫折した道の理想を体現した先輩と、今の自分を図らずも重ねて卑屈になっていそうな様子は見ていて胸が痛みます。やり切った兼近先輩を見ていたシーンでは志摩くんの顔は映らなかったのですが、ここまで見ていると彼がどんな表情をしていたのか否が応でも想像がついてしまいます。
そんな状況での母&弟の登場、迷子の弟が自分を見て泣き出す展開にさらに翻弄される志摩くんがこれまた切なかったです。他人との距離感が測れていなかった少年が、自分が弟にどれだけ信頼されているかを知っていったと思うと悲しみを喜びが同時に湧き上がってきます。梨々華の襲来もあってさらにドキドキさせられますが、優しい空間で少しずつ自分と相手の距離を掴んでいく志摩くんを見守っていきたくなりますね。
この素晴らしい世界に爆焔を!
第11話「名物 (ばくれつ)娘と森の悪魔 (イレギュラー)」
アクアって何だかんだで必要な人材なんだな……と感じた今回。アクセルに現れた上位悪魔のホースト討伐のためにあの手この手で対策を練る冒険者たちの頑張りに感動する一方、悪魔を倒せる女神が道端でカツアゲみたいな難癖を付けている光景に苦笑いしてしまいました。ウィズといった他キャラも含めて徹底して顔を出さない演出をしていても隠せない、メインヒロイン(?)の圧倒的な存在感は流石と言ったところ。それでいて高貴なアークプリーストや女神といったイメージとはまるで一致しないせいでみんなに見つけてもらえない……という展開はある意味で安定感があるかもしれません。
めぐみんやゆんゆんも本人なりに頑張っていましたが、今回は如何せん状況に翻弄されている印象が否めなかったです。以前登場したアクシズ教徒の「セシリー」にまたもや振り回されていましたし、ホースト相手にも若干説教されたりとあまりいいところはなかったですね。その分次回の反撃には期待したいところ。
他にはホーストの真面目さも印象に残りました。この世界の悪魔は総じてマトモですが、悪魔にとって契約が如何に重要かを教えて程よい取引きを持ち掛けてくる辺りが流石です。またさらっとこめっこの使い魔になることも検討していたりと、妙にいじらしいのもあって好感度が爆上がりしましたね。
贄姫と獣の王
第9話「王と宰相の追憶」
今回は原作からのメタレド最推しの1人・宰相アヌビス、もとい「シリウス」と王様の関係を大きく掘り下げた内容でした。以前から王様に対して臆さず意見する印象が強かった腹黒宰相ですが、その冷酷さも全ては王様を自分の真の主と認めているが故とわかり改めて納得。野心家であった幼少期のシリウスを、身を挺して庇ってくれる王様は彼にとって本当に眩しい存在だったのだと思います。家柄の決められた運命に嫌気が差していた少年が、自分を1人の友人として見てくれる主と出会ったらそうなるのも当然なのかもしれません。このひねくれながら純粋かつ複雑な感情の大きさこそアヌビスの魅力と言えますよえぇ!
そんなアヌビスが王様とサリフィの姿を自然に重ねるシーンがまた素敵。(というか幼少期の王様は妙にサリフィを彷彿とさせるところがありますね)最初こそ王を誑かしたと感情的になっていたアヌビスですが、自分の嫉妬や悪意を正面から受け止めるサリフィの胆力に少しずつ変わり始める様子がたまりません。王様がアヌビスの身を案じてこっそり訪れる様子もあって、王様もサリフィも同じように心配してくれる=アヌビスが求める王様の善性をサリフィも持っているのがわかるのが素晴らしいです。この一件もあって本当の意味で妃のサリフィを見定めていくアヌビスのこれからにワクワクが止まりません。
華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス
第6話「いけいである誇り」
怪人でありながら人助けをする矛盾や拒絶されるかもしれないという恐怖を抱える兄弟の後編ですが、思った以上に綺麗にまとまっていたことにちょっと感激。たとえアユカに嫌われようとも彼女を助けたい一心で薬草を取りに行く吼太郎の健気さにまず胸を打たれましたね。前回は自分が怪人であることに葛藤してましたが、「怪人だったからこそ彼女を助けられた」と自分を誇れるようになる流れは実に後味が良かったです。例によってアユカがジサリスに殺されてエンドなのですが、まぁこれに関してはもう慣れましたね……
さらには悪の怪人なのに悪いことをしないという、悪の役割を放棄することこそが自分たちにとって“悪いこと”だと結論付ける様子がこれまた見ていてスッキリさせられます。目が治ってからのアユカと面と向かって話すことはなかったものの、兄弟の前向きさのおかげで悲壮感なしにラストを見れました。
そしてジサリスVS悪之助のバトルでは終始敵を翻弄するジサリスに惚れ惚れさせられますが、それ以上に悪之助の「羨ましい」発言が興味深かったです。人間でありながら仮面である(=変身出来る)ことをズルいとも言っていましたし、彼は彼で悪役という役割に縛られていたのかもしれません。そんな悪之助の言葉に「ヒーローだから」と片付けるジサリスの無情さがまた切なかったですね。
Vシネといえば本日は『忍風戦隊ハリケンジャー』の続編が公開されたのも忘れてはいけません。10周年だけでなく20周年も祝って新作を作るという、ハリケンジャーの出演者とスタッフたちからの愛され具合には少々羨ましく思ってしまいます。(個人的な願望ですが『ガオレンジャー』の続編もやってくれないかなぁ……といつも待っています!)
そんなハリケンジャーもいいですが、今は他にも『スパイダーバース』といった観たい映画が揃っているのが悩ましいところですね。どうやってやりくりしていこうか、辛いながらも考えていて楽しいスケジュール調整に今回も挑戦することになりそうです。
ではまた、次の機会に。