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2023年春アニメ&特撮簡易感想 その24

 

 

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 年内に発売される予定のニンテンドースイッチ用ゲームをまとめて紹介する「Nintendo Direct 2023.6.21」が先日放送され、多くのゲームの情報が解禁されました。像のマリオやらドラクエモンスターズやら和風聖杯戦争やら興味深い内容ばかりで僕自身中々に楽しめましたが、中でもひと際気になったのが『名探偵ピカチュウ』の続編ですね。あのおっさんピカチュウとのバディが組める作品に続きが出たことに喜びを隠せません。

 思えばかつて3DSで発売された名探偵ピカチュウは面白かったもののボリューム不足、かつ何かしらの伏線を残したままだったので続編が出てくることをずっと待ちわびていたのですが、まさかここまでかかるとは思ってもみませんでした。正直忘れかけていたところもあったので、今回の新作情報は個人的にも青天の霹靂だったと言えます。続編まで長いこと時間がかかった分、グラフィックや登場ポケモンラビフットなど『ソード・シールド』の第八世代が確認出来るのでワクワクしますね)が大幅に進化していそうなので余計に期待がかかります。早く続報を聞きたいものです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

【推しの子】

第10話「プレッシャー」

 何かと不憫な少女・有馬かなの確かな一歩が描かれた今回。嫌がっていたB小町のセンターをやることになり、失敗した可能性を考え心が潰されそうになっていくかなの様子は見ていて少々辛かったですね。過去の黒歴史が彼女の自信を奪っていったのは言うまでもありませんが、ルビーたちまで巻き込んでしまうかもしれないと余計重圧を感じるところがまた印象的でした。これらの描写だけでも卑屈ながらも根は優しい少女であることがわかるだけに、彼女への同情が止まりません。

 それだけにかなを励ますルビーは実に眩しかったです。終始お気楽テンションでいるだけかと思いきや、彼女なりの不安とワクワクの狭間にいるうえでかなを気遣う姿に胸打たれました。(成功や失敗以前に挑戦すら出来なかった前世だったからこそ、悔いを残さないように生きる姿勢は例によって明るいものの重い……)そんな彼女がかなを失敗した元子役ではなく、「ただの新人アイドル」として見てくれたシーンは特に惚れ惚れさせられます。

 あとはアクアがぴえヨン(代理)としてルビーたちをサポートしてくれたのも見どころですね。(素顔のぴえヨンがかなりイケボでびっくりしました)かなにとって話しやすい相手として振る舞ってくれたのはいいものの、脱いでいるところを彼女に見られた辺りには頭を抱えてしまいました。どうしてアクアはこう、結果的にかなの脳を焼く行為ばかりしてしまうのか……

 

 

山田君とLv999の恋をする

第12話「好きだよ」

 まさか茜よりも先に椿が山田に告白するとは……瑛太や桃ちゃんに背中を押された茜が言えずじまいで終わるのはまぁ予想通りでしたが、椿の山田に対して「好き」が漏れ出すシーンは視聴者にとっても大きな不意打ちでした。雨の中で戻ってきてくれた山田への想いを思わず口にしてしまう、椿の抑えきれない感情が胸に沁みましたね。Cパートもいつになく真面目でしたし、椿の恋の問題はここで決着をつけるであろうことにドキドキが止まりません。

 そんな椿に意表を突かれたものの、茜は茜で山田への信頼を勝ち取っているのが強いですね。椿の告白を受けて珍しく動揺している山田の愚痴を聞き、それとなく励ます姿が何とも素敵でした。山田にとって弱音を吐ける存在になっている中、彼の優しさに甘すぎずに告白できるのかが茜に勝敗を分けるカギになりそうです。

 あとは冒頭の瑛太と桃ちゃんが個人的なここすきポイント。元カレと別れて傷心状態だった頃に瑠璃姫と出会った回想はもちろんのこと、茜の口から支えになってくれた2人への感謝が感じられてときめいてしまいました。今回瑛太も桃ちゃんも画の強いキャラで作品の雰囲気を和ましてくれましたし、視聴者的にも2人はかなりの癒しになっていたと思います。

 

 

スキップとローファー

第12話(最終話)「キラキラ」

 アリクイの威嚇って可愛いよね!となる最終回。志摩母と梨々華が対面してからのギスギスっぷりにはかつてないいたたまれなさを抱きましたが、梨々華の考えを読み取った美津未のアリクイポーズが数少ない癒しとなってくれました。時には人の悪意も読み取る主人公のさり気ないフォローは、見ている側にとっても重苦しい雰囲気を壊してくれる貴重なものだと改めて思います。文化祭が終わった後の切なさを、忙しいながらもしっかりみんなと過ごす美津未の姿で緩和していくようなラストシーンも素晴らしかったです。

 そして志摩くんがついに自分の感情に気付く展開に心が震えました。兼近先輩といった眩しすぎる存在に対する“嫉妬”を自覚した際の表情は胸に迫るものがあったと言えます。ずっと自分のやりたいことなどが不明瞭だった志摩くんが、それらの自覚を経て「学校が楽しい」と口に出せるようになったことにも感激が止まりません。梨々華との軋轢も一応の解決を見せて、長いこと続いていた志摩くんの問題に1つの決着が見られた最終回だったと言えます。ずっと志摩くんに注目していた身としては、本当に胸に迫る成長ぶりだったので終盤泣きっぱなしでしたね。

 

総評

 放送前から注目していた漫画原作ですが、予想以上に丁寧な青春群像劇が実に面白かったです。主人公の美津未を中心に広がっていく登場人物の関係性、そこから始まる悩みをさり気なく解決していくストーリーは切ないながらも実にハートフルでした。ネガティブな要素もたくさんありましたが、それらをありのままに受け入れてポジティブに変換していくかのような展開が多かったですね。そのおかげで息苦しさを覚えながらも、最終的には爽やかな雰囲気で見終わることが出来ました。

 そして美津未以外の主要人物が抱える“マイナス部分”を余すことなくやっててくれた点も見逃せません。誰もが暗かったり意地悪だったり、はたまた卑屈だったりする面を持っていることがわかりやすく描かれていました。当人もそれを自覚したうえで自己嫌悪に陥ったり、どうしようもない現実に打ちのめされたりとリアルな悩みが多く何度も共感を覚えましたね。決して完全無欠の良い子がいないからこそ、完璧ではない彼らに好感が持てました。悩みが等身大のミカから情緒が若干おかしい志摩くんまで、実に幅広いマイナス部分が本作の大きな魅力だったと個人的には考えます。

 

 

この素晴らしい世界に爆焔を!

第12話(最終話)「この素晴らしい世界に爆焔(エクスプロージョン)を!」

 ホースト打倒のためにめぐみんたちの最期の戦いが描かれた最終回。何と言ってもめぐみんを置いて立ち向かおうとするゆんゆん、そしてそれをわかったうえで彼女を助けに行くめぐみんのいじらしさに感動しました。湿っぽかったりからかい合ったりしましたが、この2人がライバル兼友達の関係であることを本作何度目かの確認が出来ましたね。
 そうしてめぐみんが爆裂魔法でホーストを撃退する流れはある意味でいつも通り。しかし今回はゆんゆんのパラライズやどっかの誰かさんのおかげで削り切れたことがわかる描写もあったのが面白かったです。そこからついにカズマとアクアの元を訪れて終わるまでの流れが見事でしたね。このすばの1つの前日譚&プロローグとしては、かなり綺麗な終わり方で少々興奮すら覚えてしまいましたよえぇ。

 

総評

 『このすば』のめぐみんにスポットを当てたスピンオフということで、如何にして爆裂娘が生まれたのかを綴っためぐみんのオリジンを楽しめました。「何故彼女が爆裂魔法に惹かれるようになったのか」から始まり、紅魔の里でのおかしな日常からアクセルの町までの愉快な冒険譚がわかりやすくまとめられていたので実に見やすかったです。このすば本編と比べるとギャグのテンションが少々大人しめに感じます(というかカズマのツッコミがないと物足りなくなるところもありましたね……)が、基本は本家と変わらないアクの強い奴らの軽快なやり取りがメインだったのであまり気にせず笑い転げることが出来ました。

 あとはやはりめぐみんとゆんゆんの関係について深い振り下げられたのが個人的には大きなポイント。故郷から続くライバル関係が如何なるものだったのかをじっくり描いてくれていたので、双方の面倒くさい感情の重さに実感を覚えることが出来ました。どちらからも「彼女には私がついていないとダメだな……」みたいな考えが見えるのが中々に痛快でしたね。だからこそ最終回にお互い離れて行動することを選ぶラストが綺麗だったと思います。

 

 

贄姫と獣の王

第10話「祝祭と天啓の日」

 オズマルゴ王国の建国記念大聖祭が迫る中、レオンハート(王様)が人間の姿から戻れなくなるという非常事態が発生。唯一その秘密を共有するサリフィが王様の姿を必死に隠し、王を探す部下たちから逃げ惑う様子は中々にハラハラさせられました。加えて神官の「セト」が王の秘密を知っているかのような素振りを見せるなど、本作始まって以来の緊張感に満ち溢れていた前半だったと思います。

 そんな状況でも王様はそのままだと言ってくれるサリフィがこれまた救いとなってくれたのが素敵でしたね。秘密のせいで自分が王でいいのかと卑屈になりがちな王様でしたが、愛する花嫁の言葉で自信を得ていく様子は実に晴れやかでした。そうしていつもの姿で国民たちの心を動かす、いい意味での「裸の王様」をやってのけてくれたのもグッド。

 そして後半はサリフィを試すアヌビスの賭けが印象的でした。ただの嫌がらせではなく真の意味で彼女を王妃として見定めようとするアヌビスの変化も素敵ですし、最初こそ内気だったものの王様となら乗り越えられる自信を得たサリフィの姿にも元気付けられます。誰もがありのままの自分に自信を持って臨んでいくことが目立つ回でもありましたね。

 

 

華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス

第7話「海にきえたみらい」

 今回は特にわけがわからないぜ!目覚めたら浜辺にいたアユカの前に現れた「ヴァニタス」にいきなり忠告されるのは序の口、無口な少女を家に送り届けたらアユカが気絶して浜辺に戻る展開に困惑しっぱなしでした。以前から肝心な説明を省いて煙に巻くような描写ばかりでしたが、輪をかけてぼかした謎が張り巡らされているように感じましたね。今のところ正しいルートを進まないと何度もリセットされるループ系の状況に陥っているように見えますが、実際はどうなのでしょうか。

 さらにジサリスがまさかの敗北を喫する展開も衝撃的。相手のヴァニタスを「先生」と呼んでいたことからもあちらが格上なのは察せられましたが、ここまで飄々と戦い抜いてから主人公が負けるのは結構予想外です。(しかもアユカを庇った隙を突かれた、というのがまたショッキング)流石に何かしらの形で復活してくれるとは思いますが、わけがわからないままでも絶望感がありましたね。

 あとはヴァニタスも気になるところ。一見厳格そうな武人キャラですが、アユカやジサリスに対して終始怒っていたのが引っ掛かりました。何に対して憤っているのかはっきりしなかったので、少々けんかっ早い短気な人物という印象を受けてしまいます。一方戦闘シーンは華麗で、携帯変華した「センティカ ヴァニタス」はパワー一辺倒でいてその実テクニカルな戦闘でジサリスを翻弄していたのが面白かったですね。あと謎の少女と母親の正体がEDクレジットで即バレしてしまったのがじわじわくる件。

 

 

 名探偵ピカチュウのゲーム新作ということで、かつて公開されたハリウッド映画の方も同時に思い出したのも語っておきたいところ。先日ちょろっと見てみましたが、「現実にポケモンが存在したら」という世界観を違和感なくまとめあげた内容はいつ見ても好奇心をそそられます。そのためせっかくだからこちらの映画の新作も作ってほしいと思ってしまいますね。父親の件など設定上難しいところもありますが、ライアン・レイノルズ氏演じるピカチュウをまた見てみたいものです。

 

 

 ではまた、次の機会に。