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2024年冬アニメ簡易感想 その3

 

 

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 『ONE PIECE』で世界的に有名な漫画家・尾田栄一郎氏が描いた短編の1つ『MONSTERS』のアニメ化情報が先日公開されました。MONSTERS 一百三情飛龍侍極というタイトルで世界同時配信されるとのことです。強敵との戦いを求める剣士「リューマ」を主人公に、彼が竜を斬るまでの激闘をアニメで描く模様。上のPVを見る限り戦闘シーンもかなりすさまじいことになっていることが伺え、このリューマのバトルに期待がかかりますね。

 また個人的には、このモンスターズの世界観はワンピースと共通のものであるという情報が興味深いです。あちらのスリラーバーク編でゾロが戦ったゾンビ剣士のリューマこそ、本作の主人公の成れの果てである事実も最初聞いた時は驚きましたね。(前作の主人公が死後モリアたちにゾンビにされる無情な話に一抹の切なさを覚えましたが)こういった作者の世界観が繋がっている話は大好物なので、個人的にもより生前のリューマの活躍を確認したくなってきました。NetflixだけでなくPrimeVideoでも配信されるようなので、その時にチェックしておこうと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラパゴスのかがやき

第35話「荒野のふたり フリードとキャップ」

 年明け最初のアニポケは、迷子のアノクサ探しの過程で描かれたフリードとキャップの絆がメインとなっていました。最初こそ進路方向で言い合いになったり片方がからかったりする凸凹感が強かったものの、バトル時の仲間割れに見せかけたアドリブで窮地を脱する阿吽の呼吸はお見事。小さなことでケンカしてもいざという時には力を合わせられるという、アニメなどでよく見られるお手本のような名コンビっぷりがたまりません。ケンカの演技の前振りが視聴者目線だと実にあからさまだったのもここすきポイント)ベタながら惚れ惚れする関係性にリコが憧れ、一喜一憂するのも納得の展開でした。

 他にもキャップが「可愛いと言われるとくしゃみが止まらなくなる」意外な弱点持ちだったり、ハンターたちを従えるお嬢(CVユリーカ)のキャラの強烈さも今回の見どころ。しかし最も印象に残ったのはやはりアノクサ関連ですね。風に押されて転がり流される場面や、西部劇とかでよく見るあの草(アレの名前が「タンブルウィード」であることを初めて知ったり)と混じったりと本当にポケモンなのか?と首を傾げたくなる生態がアニメで遺憾なく発揮されていました。そして囚われたアノクサを如何にして助けるのかと思った矢先、アノホラグサに進化させて檻を破壊させる展開にもびっくり。ゲームでアノクサを初めて見た時の衝撃を改めて味わった気分です。

 

 

ダンジョン飯

第2話「ローストバジリスク/オムレツ/かき揚げ」

 ライオスの威嚇顔にマルシルの混乱顔と顔芸が連発して笑いが止まらないぜ!となる2話前半。バジリスクマンドレイクを材料として捕獲する過程で描かれるギャグの数々に抱腹絶倒することになりました。特に毒を喰らって苦しむ一般冒険者を助ける前に料理を初めて食べ始めたりする様子は、本作の「死ななきゃOK」という独特の倫理観が如実に表れているのもあって実にシュールで面白かったです。

 そんな中で例によって表情豊かなマルシルの心情が描かれていたのが印象深いですね。みんなを見返したいみみっちさで痛い目を見るものの、根っこに「役立たずになりたくない」といった切実な想いがあるので視聴者的にも同情を誘ってきます。ちょっと調子に乗るところも含めて、絶妙に憎めないキャラクターが彼女の大きな魅力になっているのだと感じました。(あとは「もう○○なんてこりごりだ~!」という古典的なオチにクスっときたり)

 後半はハーフフットの「チルチャック」とドワーフの「センシ」のやり取りに肩の力が抜けることに。ありとあらゆる場面で料理のことしか考えないセンシにチルチャックが振り回される様子が笑いと同情を同時に湧かせてきます。(罠の火力を調整するくだりが特に面白かったです)それでいて異なる得意分野を合わせることで新たな結果を生み出す化学反応を、美味しい料理を作る過程と重ね合わせるオチが素敵でしたね。それぞれの分野を認め合う描写もあってほっこりさせられました。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第1話「待たせたな、イサミ!」

 何なんだこのアニメは!?事前に告知されていたミリタリー重視のロボットアニメが始まったかと思いきや、バリッバリにバリってる勇者ロボが始まってしまいました。謎の宇宙からの侵略者と戦う時点から怪しかったものの、さらに謎のロボ「ブレイバーン」が参戦してからの空気の変わりようには衝撃と動揺が止まりません。また冒頭のモノローグを語っていた「ルイス・スミス」が前半は目立っていたのに対し、侵略者の登場以降「イサミ・アオ」のプッシュから彼の方が主人公だとわかる構成にも意表を突かれましたね。『アキバ冥途戦争』然り、Cygames企画のアニメのサプライズ&ジャンル詐欺演出には舌を巻くほかりません。

 そして何といってもブレイバーンがコッテコテのヒーロー気質なロボットなのが面白いですね。突然現れてからの行動全てが唐突で意味不明なのに、ちゃんと強くてしっかりカッコいいのがかえって悔しくなってきます。そのうえ一昔前のロボットソングのようなOPが突然流れ出すだけでも衝撃的なのに、イサミの「さっきから何なんだこの歌は!?」で実際に流れていることが確定してからは笑いが止まりませんでした。他にもブレイバーンのイサミへの押しの強さや、明らかに彼のことを慕っているのに彼の質問をまともに答えないスタイルが恐ろしくもありおかしいです。(「一緒に必殺技の名前を叫ぶぞ!」と促しておいてイサミのセリフを待たずに叫ぶのはマイペースすぎる)イサミの困惑っぷりも合わさって、とんでもないアニメと遭遇してしまったことを実感しました。

 

 

葬送のフリーレン

第18話「一級魔法使い選抜試験」

 サブタイにもある通り、旅の過程で必要になってくる一級魔法使いの資格の選抜試験がついにスタート。フリーレンとフェルンが別々のパーティーになってしまったのは残念ですが(加えてシュタルクの出番がしばらくなさそうなのも残念)、その代わり他の試験参加者たちをじっくり見ることが出来ました。何といってもフリーレンとパーティーメンバーになった「カンネ」と「ラヴィーネ」がいがみ合ってばかりのわかりやすい幼馴染コンビだったのが印象的ですね。それでいてコンビネーションは抜群だったり、お互いに思うところがあったりとただ仲の悪い関係ではないのがこれまた興味深いです。個人的にはカンネの元気娘に見せかけて意外とナイーブで面倒くさいところが好みだったり。

 そんな2人に対してフリーレンが年長者として導いていた描写が意外でした。最初の試験の課題であるシュティレの生態を丁寧に解説する場面はもちろんのこと、カンネを魔物から助け出した時の頼もしさが半端ではなかったです。フェルンやシュタルクと旅をしていた時はだらしない面が目立っていましたが、長い時を生きる魔法使いとしての貫禄を再び感じ取ることが出来ました。それはそれとしてカンネとラヴィーネが普通に嫌い合っていると勘違いしている鈍感っぷりは相変わらずですが……

 あとはやはりフェルンとパーティーを組むことになった「ユーべル」が印象的。盗賊相手の描写の時点で嫌な予感がしていましたが、かつて試験官も殺したことがある経緯にゾッとさせられました。(そこまでやって出禁にならないとかハンター試験とか何か?)今は正直彼女と行動することになったフェルンの身が心配で仕方ありません。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第92話「動物スタァ誕生」

 まさかのマニャとボチのラッシュデュエル映画化。ボチがスタァになるために出て行った事実だけでも驚きなのですが、同じ撮影現場でマニャがデュエルを仕掛ける展開にそうきたかぁ~、となってしまいました。しかも監督のノリと勢いだけは強いキャラクターもあってトントン拍子で話が進んでいくわ、本来のスタァであるプードルの「プー次郎」の妨害とトンチキ展開の連続で唖然としっぱなしになってしまいます。それでいてボチが宇宙人だとバレた後も周囲に受け入れられるという、本作らしい温かな要素にはホッとしたり。

 またボチの勝手な行動の理由は個人的には共感を覚えるものでした。ベルギャー人消滅の危機を前にして「限られた命のある内にやりたいことをやる」と考えるのも納得ですし、「世紀末動物スタァ」のイメージ映像が俗っぽい夢であるものの叶えるために邁進する姿には応援したくなってきます。しかし仲間を放っておいているのは間違いないので、そこに肝っ玉の据わったマニャが喝を入れる過程でスッキリさせられましたね。最終的にはどちらも諦めない方針に向かっていって何よりです。あと例によって行方知れずとなっている遊我はまたうどんを食べてるのかよ!?

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第15話「まかせてアーシー!」

 オプティマスたちの加勢に行ったバンブルビーに代わり、新たに登場した「アーシー」がツウィッチたちの指導をすることになった今回。彼女の雑用ばかり押し付けるやり方には最初首を傾げましたが、それが「自分から“これは間違っている”と主張させるため」という目的が判明してからは一気に腑に落ちました。あえて横暴な上司を演じることで、臆さず異を唱えることの大切さを説くアーシーの手腕には感嘆させられます。本来の気さくなキャラクターも相まって、彼女への好感度が一気に上がりましたね。

 そんな今回のテーマであろう異議を、メガトロンがオプティマスに唱えていたパートも印象的。悪事を働いていたとはいえディセプティコンを乱暴に拘束するやり方に不満を抱くのも仕方ないと思います。(というか視聴者視点でもゴーストが胡散臭すぎるのでメガトロンの言い分に寄ってしまいますね)ゴーストとの契約を重視するオプティマスと真っ向から意見が対立していく様子はこの2人らしいですが、見ていて不安にさせられるものもあります。この溝が後の離反フラグになりそうな予感がしてならないです。

 そして戦闘シーンではカセットロン軍団が大暴れしていました。ラヴィッジ」に「レーザービーク」「フレンジー」と人間大のサイズであることを活かし、自分よりも大きい相手にチョコマカと動いて翻弄するのが実に小型トランスフォーマーらしかったです。(あと今の時代にカセットテープに変形するのは相変わらずなのも面白い)何より本作ではフレンジーが女の子になっているのが最も衝撃的だったり……

 

 

 尾田栄一郎作品といえば、ワンピースを新たに別の制作会社が描く『THE ONE PIECE』なる新アニメの制作も発表されており、氏の作品の気合の入ったメディア化展開に驚愕させられます。世界を熱狂させているからこそのここまでの広がりようですが、現行でアニメをやっているワンピースをさらにリメイクするとは前代未聞で個人的にも青天の霹靂になりました。

 ただ内容が膨大になりすぎたワンピースに入り辛い新規にちょうどいい間口になりそうですし、東の海編を改めて最新作画で見られる点はファンにとっても嬉しい企画なのでしょう。原作を読んでいる身としてもちょっとその辺りには期待してしまうので、こちらの続報を待ってみたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。