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気まぐれ漫画簡易感想 その15(週刊コロコロコミック編)

 

 

 児童誌の代表格・コロコロコミックのWEB版である週刊コロコロコミック(コロコロオンライン)が先日大幅リニューアルしました。掲載作品が次々と追加されるなど大盤振る舞いの新要素に、以前から愛読している身としても注目することに。なるべく登録する必要があったり先読み課金制度が追加されたりと、不便になった部分も多いので手放しには褒められませんが、月刊コロコロの過去作の追加もあって何だかんだ楽しめています。

 同時に新連載もドンドン始まっているのが大きな見どころ。現在アニメ放送中の『ぷにるはかわいいスライム』を筆頭に、月刊の本誌から読者層を一回り引き上げ作風の幅を広げた作品ばかりで非常に興味深いです。というわけで今回の漫画感想は新連載作品の中から、個人的に気に入っている・注目している作品の感想を書いていきたいと思います。

 

 

 というわけで以下、漫画の簡易感想です。

 

 

 

 

アクジキさんノごはん

 

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 まずは短期集中連載から本連載までに至った『アクジキさんノごはん』。タイトルにもあるアクジキさんこと「亜久式(アクジキ)」と名乗る少女が、駄菓子から怪異まで様々なモノを“食べる”異色グルメ作品となっています。中でも心霊スポットをはじめとした場所に出現する幽霊などを喰らうパートが最大のポイントで、美少女が悍ましい怪物の口を出現させる絵面のギャップは1話目から中々のインパクトでした。それでいて食べ物への感謝と敬意を忘れない姿勢も詰め込んでおり、ホラーチックながら読後感は爽やかに仕上がっているのが絶妙です。

 アクジキさんのキャラクターも魅力的で、一見人懐っこくて礼儀正しいですがその実ありとあらゆるモノを自分のご飯として認識している節があるのが恐ろしいところ。主人公の「月善キュージ(つきよし・キュージ)」とお近づきになった理由として、彼が怪異を呼びよせる体質らしいことを仄めかしている回は衝撃的でした。さらにその回の語り口からして、いつかはキュージすら喰らうつもりな辺りにアクジキさんの異質さが伝わってきます。ベタながら明らかに人間とは異なる存在として描かれているアクジキさんの、食べ物に対する歪な“愛”には惹かれるものがありますね。

 あとはやはり劇中に登場する女性キャラも色んな意味で印象的。特に化け物を狩る「日斗立キリコ(ひとたち・キリコ)」のデッッッッッなビジュアルに度肝を抜かれました。ダボダボのジャージの着方や刀の収め方などもかなり好みですねハイ。他にもアクジキさんと同質の怪物と思われる「ヤツフサ」などもいますが、個人的にはキリコの活躍に期待せずにはいられません。

 

 

継承機神アンブレイカー

 

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 小学館とタカラトミーの共同プロジェクトで始動したロボット漫画。見事なまでにガッチガチのロボットに、魔法が存在するファンタジー世界を掛け合わせた近年でもよく見る組み合わせの世界観が特徴的です。まず魔獣から人々を守る機神(アンブレイカー)は若干細身ながら武骨でカッコよく、主人公機のデザインに一目惚れしましたね。それでいてアンブレイカーには固有スキルが存在するなど、異世界モノを意識したような設定も散見されるのが興味深いところ。(現状は魔獣としか戦っていませんが、今後アンブレイカー同士の対決も描かれることが示唆されているので結構楽しみです)

 ストーリーに関しては貴族・エンデバー家に仕える執事「ダスティ・ミラー」が主人の家を守るためにアンブレイカーと契約する序盤までが今のところ描かれています。面白いのが主人にして親友である「セシウス・エンデバー」との気心の知れた関係が描かれたところで、セシウスに騙されているという話が出てきた辺りですね。現状はセシウス側の心情描写が無いので判断は付きにくいのですが、「アンブレイカーはパイロットの命をエネルギーにする」事実のせいで限りなくクロに近く読んでいて胸がザワザワしてきます。ダスティは「彼に騙されて死ぬなら本望」と受け入れているのがまた驚きで、この2人の友情が早くも見逃せなくなってきています。

 そして週刊コロコロの作品ということで例によって女性キャラのビジュアルが印象的。ダスティのアンブレイカーに搭載されているナビAIの女性のこれまたデッッッッッなビジュアルに驚愕しつつ、一人称が「吾(われ)」で古風な喋り方がドストライクでした。(ヒロインの「アウラ・エンデバー」も立派なモノをお持ちだったし作者たちの趣味かな?)彼女とのバディものという点も本作のみどころになりそうですね。

 

 

ダウナーお姉さんは遊びたい

 

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 本日連載が始まった新作。こちらは以前からタイトルにもあるダウナー気味のお姉さんのビジュアルが話題を呼び、『ウマ娘』のアグネスタキオンそっくりと言われまくっていました。(僕はウマ娘には詳しくないのでピンときませんが)またそれ以上に様々なホビーを持ち歩いては遊びをけしかけてくるテイストもかなり注目されていましたね。何よりショタを「少年」呼びしてからかうお姉さんが大好物なので個人的にもすごく楽しみにしていたり。

 そんなわけで蓋を開いてみれば、想像以上にお姉さんの不審者っぷりが極まっていました。主人公の少年とベイブレードで遊びたいのはまだわかるとして、コートを開いて裏に付けていたベイを見せびらかす絵面に若干引いてしまいます。言動がいちいち大仰でそのくせ子どもっぽく、「これが少年の初体験」といったふうに敢えていかがわしい言い方をしてくるのも腹筋に悪かったです。公園のベンチでコロコロを読んでいるのがまだ可愛く見えるくらい、いたいけな子どもに絡んでくる危ない人のオーラを感じ取った次第です。

 ベイの描写に関しても妙にガチ感溢れており、お姉さんの大人げなさも相まって変な笑いが出てきました。(そして最新ベイの中にトライピオが混じっていることに気付いた時は吹き出しましたね)それ故いずれやるであろうデュエマを扱った回がどうなるのか、非常に楽しみになってきています。その一方で少年が家が厳しい故にそういった玩具で遊んだことがない境遇から、彼の楽しい幼年期を取り戻していく過程を描いている点もグッド。中学生活に疲弊していた子どもに、ホビーによる“余裕”を与えていく雰囲気に期待が持てました。

 

 

バトルミー

 

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 こちらはメタレドが推している作家の1人、松本大先生こと松本しげのぶ氏がネームを務める作品。氏が週刊コロコロで原作をしている作品は既に『Duel Masters LOST』『ウルトラマン:アロング・ケイム・ア・スパイダーマン』の2作が存在しているため、本作の情報が発表された時はかなり仰天しましたね。というかコロコロ本誌でのデュエマ漫画の連載に加え、デュエマのカードの制作にも携わっている大先生をこれ以上働かせて大丈夫なのか……!?という心配が先に来てしまいます。

 内容としては…………バトル漫画でいいのでしょうかこれ。主人公のミーちゃんこと「美衣(みい)」が祖母を亡くし、ひもじい思いをしていた様子が爆速テンポで描かれるのでまずギョッとさせられます。しかもミーちゃんが110円を拾ってコンビニおでんを買おうとしたら120円に値上がっており、増税を決めた「必死田総理(ひっしだそうり)」(ビジュアルがデュエマの牛次郎っぽいのはネタかな?)を殴りに行く1話ラストにはポカーンとなりました。バトルミー光線なるものでいくつかの人間は特殊能力を得ているという設定やそれによって総理と能力者バトルを繰り広げるのは理解出来るのですが、あらゆる展開が唐突すぎて困惑が止まりません。さながら過程をすっ飛ばして結果だけを見せている、キングクリムゾンのような漫画でしたね。

 また増税などによる値上がり、広がる貧富の差といった現代社会への憤りも露骨に描かれていますね。総理が国民の血税で作ったバトルアーマーを着て戦うシーンからして、作者たちの消費税も高騰もクソッ!!といった声がダイレクトに聞こえてきます。それでいてミーちゃんとお婆ちゃんの回想では「全ての人には等しくチャンスが与えられている」といった話が出ているのが興味深いところ。恐らくですが、本作は生まれや境遇に関わらず誰でも「幸せになる権利」を掴める可能性をテーマとしているのかもしれません。現時点では何とも言えませんが、この作品に込められた前向きな部分を見定めていきたいです。

 

 

ちびゴジラの逆襲

 

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 最後はおはスタ内で放送されているアニメ『ちびゴジラの逆襲』のコミカライズ版について。こちらはコロコロイチバン!と平行して掲載されており、メインはイチバンでの連載の模様。とはいえ週刊の方でも読ませてくれるのはありがたいですね。(週刊の次回更新は未定ですが、こちらもイチバンに合わせていくのでしょうか

 さてちびゴジラといえばアニメがシュールギャグを連発してくるカオスギャグ作品として有名ですが、このコミカライズはアニメの空気感を見事に再現していています。可愛らしい見た目のちび怪獣たちの黒い一面を、ちびメカゴジラがツッコむくだりはまんまアニメ本編で安心感を覚えました。聞こえる……松岡禎丞ボイスのドスの利いたツッコミが聞こえてくるぞ……!特に第1話は「イメージの中にぼくがいないぞ」→「イス役ー!!」のくだりに爆笑してしまいましたね。ちびゴジラのナチュラル畜生ぶりや電車を食べ物扱いするノリなども同様で、アニメを視聴している人ほど楽しめる漫画になっているかと思います。それでいてキャラの躍動感に関してはアニメ以上なので、この勢いをもっと楽しみたいところ。

 

 

 上でも書きましたが、週刊コロコロはコロコロ本誌で連載されていた作品が続々掲載されているのも魅力的なポイント。特に『デュエル・マスターズ』シリーズがほぼ全作揃っているのは喜ばしいことです。他にも『運命の巻戻士』や『ウソツキ!ゴクオーくん』などおすすめの作品ばかりなので、この感想を読んでくれた読者の皆様やより大勢の人たちに読んでもらいたいですね。

 

 

  ではまた、次の機会に。