自分を省みて
手を取り合って
許さねえ……よくも俺たちをコケにしてくれたな……殺してやるぞ赤ガヴ
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- 生きているからこそ守れるものを
ヴァレンの正体が絆斗であることがショウマにバレるシーンから始まった今回のガヴ。ガヴの正体についてもショウマが変身解除してみせたことで、あっという間にお互いの正体バレを体験することとなりました。絆斗が薄々気付いていたり、ショウマが「フェアじゃない」発言を素直に受け取ったおかげか思った以上にあっさり明かされた印象です。話がスムーズで見やすい反面、ここで大したドラマが無かったことに不思議と物足りなさを感じてしまいますね。『アギト』とか初期の平成ライダーのノリに毒されてしまっている……
ただ絆斗を助けたことに関してひと悶着と和解が描かれたのが大きな見どころとなっていました。「俺のことなんか放っておいてグラニュートを倒すべきだった」と声を荒げる絆斗に対し、「生きているから守れるんだ」と主張するショウマの優しさが胸に沁みます。加えて絆斗もまた守るべき人間として捉え、彼の犠牲も許さない姿勢が実に素敵でしたね。自分の命を勘定に入れていない絆斗には、この言葉の重さや尊さが深く突き刺さったことでしょう。自分も他人も大事にすることを覚えたショウマに誇らしさを覚えつつ、それを共有することで通じ合う2人の関係性に感動させられました。
その後グラニュート・アーリーをおびき寄せるための女装ショウマの女装姿アリだな……!にフフッときつつ、ダブルライダーの同時変身&共闘で一気にテンションが上がりました。2人の共闘は以前も何度かあったのですが、今回はお互いの素性をある程度知っているからこその気安さが加わっていたのが大きな魅力。ザクザクチップスラッシャーにチョコをコーティングすることで強化するなど、ヴァレンのサポートありきの幅広い戦法も見られて非常に見応えたっぷりの活躍を見ることが出来た次第です。
といった感じで平穏無事にショウマと絆斗のコンビが結成されたものの、一方でまだまだ不穏な要素が残っているのが気になるところ。何と言ってもショウマが自分が半分グラニュートであることを未だに隠している点に胸がザワついてきます。そして絆斗の母が襲われた話を聞いて頭痛を起こすなど、ショウマにはまだ何か秘密が隠されていることが読み取れました。(やっぱりあのグラニュートの正体は……)これらの情報のおかげでまだまだ安心は出来ません。ショウマの謎が明かされた時、絆斗はどんな反応を見せるのか……今から非常に興味深いですね。
- 柔拳と環状!ふわもちな輪っかで妖を縛る
DONUTS!
SET DONUTS!
SET DONUTS!
\ワァーオ!ワァオワァオ!/
ドーマル!!
MOHUMOHU!
ガヴ(ショウマ)から渡された「ドーマルゴチゾウ」をヴァレンバスターに装填し変身した姿「ドーマルフォーム」。ヴァレン初の派生フォームです。チョコドンのボディをベースにしつつ、リングドーナツが追加でくっ付いているビジュアルが独特で可愛らしいです。特にドーナツに溶かしたチョコレートがかかっているのが特徴的で、変身時に降りかかったスプレーチョコと合わせてカラフルでアクセントの利いたデザインになっています。個人的には変身シークエンスからおいしそうで食べたくなるビジュアルをしていると思いますね。(ちなみに撮影スタッフもこのフォームが「おいしそう」という感想を残したとか*1)
戦闘面に関してはチョコドンから打って変わって近接戦向きに変化。腕のドーナツの弾力で敵の攻撃を弾きながら殴っていくインファイトスタイルを得意としています。(そもそも絆斗の直情的な戦い方からして、チョコドンよりも相性が良さそうに見えます)加えてドーナツのオブジェクトを出現させる必殺技で相手を捕縛し、動きを封じることも可能。劇中ではアーリーの脅威的なアゴからボディ全体を輪っかに嵌めて拘束*2し、ガヴベロキャンフォームの必殺技で仕留める活躍を見せていました。自分から攻めて良し、仲間のサポートに回っても良しと、見た目以上に器用な戦い方が出来る派生形態と言えるでしょう。
- 恨み憎しみ・分析する闇の胎動
ショウマと絆斗がひとまず仲良くなっていた一方で、シータ&ジープの双子は穏やかではない雰囲気に。家にも帰れず籠っていたアジトでエージェントに追い返される様子には少々顔を覆ってしまいました。特に2人の手が引き離されるシーンは、直前のショウマ&絆斗が手を繋ぐシーンの対比になっていたのでびっくり。このエグいまでの差に、思わず言葉が出なくなります。そして双子が逆恨みとばかりに赤ガヴ(ショウマ)への恨みを静かに燃やすラストも印象の残りました。ここまでくると2人の末路が大体読めてしまうのですが、既に十分みじめな彼らに待ち受けるさらなる展開に目が離せません。
そんな双子をよそにショウマの対策を講じるランゴとグロッタの長子コンビも目に留まりました。この辺りの流れはショウマの実力を認めつつ、彼の精神が弱点になることを早々に気付いたランゴの洞察力が驚きのポイントでしたね。この敵を決して侮らず、しかし的確に弱いところを突いてくる点にランゴのボスとしての風格を感じます。(それでいて「アイツらが手こずるのも頷ける」とさりげなく双子のフォローもしてあげるのが最高にお兄ちゃんしていてここすきポイント)三者三葉とばかりに行動するストマック家の今後が気になるばかりです。
あとは新たなバイト候補のクリスタリア宝路「ラーグ9」の存在も見逃せません。闇菓子欲しさにお金がないままで突撃してから、ランゴたちの元に連れてこられるシーンで色々と察せられるものがありました。これまでのバイトたちは同じように闇菓子中毒者から選出しているのではないか?という予想が頭に浮かんだせいで鳥肌が立ってきます。もしそうなら金が払えないほど闇菓子漬けにしてから報酬をチラつかせて悪事に加担させる……そんな悪質なやり口をマイルドに描いていることとなります。さながら異世界の闇バイト問題を見ているかのようで、気が気でなくなる描写でしたね。
他にも今回は、幸果の優しさがまたもや発揮されている描写が素晴らしかったです。スパイスにされかけ怯える栄美さんを励ましつつ、彼女の不安を取り除くために詐欺の相手を探す行動力には改めて感心させられます。(仮面ライダーは味方であることを栄美さんに教えてフォローに回るのがこれまた良き)他人の幸せを願う心が彼女の原動力であることが、つくづく伝わってくる素敵なシーンだと言えます。
そして絆斗のビデオでグラニュートが倒されたことを教えて、栄美さんたちを安心させるシーンが個人的にもグッときましたね。ただ人を救って怪人を倒すだけでなく、被害に遭った人の心もケアしていく姿勢は評価すべき点だと思います。今後もこうした幸果の優しさとそれを支えるショウマたちの活躍で、ゲストキャラを救っていく展開に期待したいです。
そして次回はシータ&ジープとの直接対決が勃発。怪人体になって襲い掛かる双子の映像を見て、この2人が辿る結末を早くも予感してしまいます。ケーキ作りを楽しむショウマとの落差も激しいのですが、ここまで来たら派手な散り様を見届けたいところ。何気にクリスマスシーズン限定の新フォームも登場するようですし、バトル多めで見どころの多い回になりそうです
ではまた、次の機会に。
*1:他にもおいしそうなビジュアルのため、映り込みのリスクを承知でチョコ部分の艶出しにも力を入れたとか。これらの情報は「仮面ライダーWEB」(https://www.tv-asahi.co.jp/gavv/story/0012/)参照。
*2:この辺りはアーリーの元ネタであるワニの「口を閉じる力は強いが開ける力は弱く輪ゴムでも止められる」特徴を突いた描写と言える。