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ウルトラマンX 第20話 「絆 -Unite-」 感想

絆の光
この番組は、諦めない人を応援するウルトラマンノアの提供でお送りします






















・副隊長の家庭事情
 冒頭怪獣に怯える娘に手を伸ばした瞬間、どこかで見たことあるような石像に触れていたという夢を見ていた橘副隊長。ここで彼女の娘と夫は怪獣が現れていないカナダに移住していることがわかりますが、Xioの隊員でなければ家族と一緒にいただろうと話す副隊長に対する大地の反応が興味深かったですね。15話での隊長の家族の時もそうでしたが、幼いうちに両親と生き別れた大地にとって一緒にいることが出来るのにそうしようとしないことに疑問を抱いているように思えます。
 その後屋上で星の声を聞いている内に寝てしまい、起きたころには謎の宇宙電波を拾った大地。早速解析しようとしますが……


・恐怖の怪獣
 大地が電波を解析していると途中、未確認生物が確認されたという報告を受け出動するXio。向かった先で待っていたのは『ネクサス』で猛威を振るったあのスペースビーストでした。生物の恐怖を餌とするこいつらの悪名はエックスにも知れ渡っているようでさすがの大地も駆除対象とみなした時はやっぱりそうなるよな……と思いました。生理的に嫌悪感を与えるデザインや思考も攻撃と捕食しかないという時点でわかり合えないのを察せますね。(昔”スペースビーストはコスモスが速攻で殺しにかかるレベル”とかいう噂を聞いたことがあるな……)ちなみに今回登場したインセクトタイプビースト、バグバズンブルードは『ネクサス』未放送回に登場した奴で地上波に登場するのは今回が初だったりします。良かったねブルード!             <グローラー「解せぬ」

 順調にビースト退治は進んでいくものの、副隊長が女性を保護しているところにブルードの集団が強襲。上から落ちて来た瓦礫に女性と共に下敷きになってしまいます。何とか抜け出そうとしますが、そこに娘から電話がかかってきますが、なんと突然現れたベムラーの攻撃に上の娘が怪我をして動かなくなるという事態に陥っていました。必死に妹の方に呼びかけるものの、迫ってくるブルードに娘の悲痛な叫びが重なる場面が緊張感を高めます。絶体絶命の副隊長!しかし、彼女の前に銀色の光と共に剣のようなアイテム・エボルトラスターが現れ、それが迷いなく抜かれた瞬間、副隊長は光と共に…………。


受け継がれる魂の絆 ウルトラマンネクサス
 懐かしさすら感じる幻想的なBGMと共に現れた銀色の巨人、ネクサス。ブルードを本編1話を彷彿とさせるパンチで倒す場面もそうですが、新宿のど真ん中に姿を見せる演出も素晴らしい。ネクサスは女性の安否を確認するとすぐさま空を高速飛行し(この間に女性を病院に運んだそうだが全然そう見えない……)、カナダにいる橘姉妹を救うためベムラーと戦います。
 この時点で十分感動的なんですが、それ以上に驚かされたのが姉妹の父親にして副隊長の夫役が川久保拓司さんだということ!かつて孤門を演じた川久保さんが出るという情報はネットでも一切なかったのでその姿を見た時には本当に腰が抜けました。娘を連れてその場を離れる際、ネクサスと目を合わせてどこか嬉しそうに微笑むのが印象的でした。やはり孤門はネクサスを見守る人なんですね……。そう言った想いもあってこの一連も場面は本当に良かったです。


・力を持つが故の苦悩
 その後Xioで確認されたネクサスの映像をみんなで話し合ってる際に、副隊長があっさりと自分が変身したことを明かします(動揺する隊員たちの中でグルマン博士が1人冷静に「選ばれたということか……」と呟いているけどこの人ウルトラマンに詳しすぎない?)。しかし副隊長は任務よりも家族を優先したことや同じことが起こった場合同じことをしてしまう確信から自ら謹慎を申し出るという行動に動揺が走ります。隊長も「突然ウルトラマンになってしまったことに冷静でいられるか」と理解を示してくれますが、そう考えると今までのウルトラシリーズの主人公ってメンタルが凄まじいな…………。ノアさんのカウンセリングは相変わらずスパルタだなぁ…………。
 苦悩する副隊長に同じウルトラマンになった者である大地が「ウルトラマンになった時の気持ち」を聞きますが「やるべきことがある」ということに加えて「ウルトラマンとして使命を背負うことは人として生きることと同じ」と言い切る副隊長がすごい。苦悩しつつもちゃんと答えを出せているところが大人の風格を表してますね。その直後にエックスが戦いに巻き込ませてしまったことについて大地に謝罪する場面もいいですね。


・絆の共闘
 しかしその穏やか場面もつかの間、バグバズンブルードの生き残りがダークサンダーエナジーを浴びて強化・巨大化してきました。(なんか肩に角みたいなのも生えてます)大地とエックスがユナイトしてこれを迎え撃ちますが、意外と手強くなっていて苦戦中。そこに副隊長がネクサスに変身して助けに来ました。今度は銀色のアンファンスから赤いジュネッスになり、さらに懐かしの予算節約フィールドメタフィールドを展開しフィールド内でブルードと戦います。ここでのエックスとネクサスの連携が14話の3大ウルトラマン並に取れてて迫力があります。最終的にエクシードエックスのエックスラッガーショットとネクサスのオーバーレイシュトロームでブルードを倒す場面は爽快感がありました。(倒されたブルードが青い粒子になるのが中々芸コマ)


・絆…………ネクサス!

 副隊長「……”諦めるな!”」
 大地「え…………?」
 副隊長「あのウルトラマンがそう言ったの。何故かな……あなたに伝えろと、そう言われた気がする……」

 戦いの後、副隊長に駆け寄った大地は彼女からその言葉を伝えられます。いつの間にかエボルトラスターが消失し、力が消えたことを実感する副隊長は大地に「ウルトラマンと繋がった絆」を「家族との繋がり」として大地を励ますために語るのは上手いと思いました。「私はたった一日だけウルトラマンだったのよ」とほほ笑む姿が眩しい……。個人的にさらに感動したのがこの後でした。

 大地「名前……なんて言うのかな、あのウルトラマン……」
 副隊長「絆…………ネクサス……」
 大地「ウルトラマン……ネクサス……

 列伝やヒーローショーなどを除けば初めて本編で「ウルトラマンネクサス」と呼称されました。この時をどれほど待っていたか!!さらにこっそりカードを転送してくれるネクサスのサービスっぷりにはちょっと笑ってしまいました。そして大地がラボに戻ってくる直前、解析が終了した電波には大地の母親の声が。これは一体…………。


 というわけで今回のネクサス客演回は期待していた以上に素晴らしいもので感涙物でした。副隊長がデュナミストになるという驚きの展開からウルトラマンになることの重圧、家族との繋がりを描いていくストーリーはもちろん、川久保拓司さんの出演を含めたファンサービスの数々に興奮しっぱなしでした。正直ザ・ワンの元ネタであるベムラーを出すところやアベ監督が今回だけ阿部監督名義でクレジットに乗っているなど語りたいことが盛りだくさんです。それだけ素晴らしい回でした。


 そして次回はいよいよ登場するラスボス!1話でエックスが戦ったあの青い球の正体が明らかになるのでしょうか?予告映像からは絶望感たっぷりです。


 ではまた、次の機会に。