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2021年夏アニメ&ドラマ簡易感想 その4

 

 

 私事ですが、『SDガンダムワールド ヒーローズ』がここ最近総集編であることに少々退屈を覚えてきている中、以前購入した「曹操ウイングガンダム」のプラモをまだ組んでいないことに気付き、先日ヒーローズを視聴しながら組み立てました。曹操劉備の激戦が繰り広げられている様子を見て曹操を作るというのも中々に乙なものです。

 そうして素組みで作った曹操なのですが、想像以上のキットのクオリティに愕然としました。まずランナーの色の種類の多さに驚き、さらにシールも少量で済んだことにここ最近のキットの進化を感じ取りましたね。流石に細かい部分は塗装で必要なのですが、素組みの時点で十分に思える仕上がりになっているのでかなり満足度が高いです。SDガンダムもここまでクオリティが上がったんだなぁ、とかつての三国伝のキットに触れた身としてはキットの進化に感動してしまうような話でした。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ラブライブ!スーパースター!!

第1話「まだ名もないキモチ」

 NHKより放送されるラブライブの新シリーズがついにスタート。今回は主要メンバーが5人と過去作よりも少ないですが、その分1人1人の掘り下げをじっくりやってくれそうなので楽しみです。舞台が新設校という点も新しい空気を感じさせますね。

 しかしストーリーそのものは王道で懐かしさを覚えるものでした。自分が輝ける場所を探す少女たちが「スクールアイドル」という夢に飛び込んでいく様子を丁寧に描いている様子は初代『ラブライブ!』を彷彿とさせます。「みんなで夢を叶えていく物語」としてわかりやすく出来ていました。

 それでいて主人公の「渋谷かのん(しぶや・かのん)」が勧誘される側、というのが新鮮でした。これまでの主人公はみんな周囲を引っ張っていく存在として描かれていたので逆に引っ張られる立場にいる主人公と言うのは珍しく思いますね。人前で歌を歌えないコンプレックスと過去の失敗に怯えるかのんが勇気を持ってスクールアイドルの世界に一歩踏み込む様子が1話でしっかりと描かれたので彼女のことをあっという間に気に入りました。彼女を巻き込む形で物語を動かした「唐可可(タン・クゥクゥ)」の表情豊かなキャラクターも相まって一気に引き込まれました。ここから如何にして他のメンバーを仲間にしていくのか楽しみですね。

 

 

探偵はもう、死んでいる。

第2話「今も、ずっと、憶えてる」

 前回の衝撃的なラストの続き、生き延びた助手のその後が描かれた回。本作もう1人のヒロインであろう「夏凪渚(なつなぎ・なぎさ)」が登場しましたが、これまた強烈なキャラで度肝を抜かされましたね。強気なうえ行動のほとんどがかなり突飛で(おまけにむっつりスケベときた)当初はひと昔前のラノベヒロイン的キャラクターかと思っていましたが、後半になるにつれて腑抜けた君塚に喝を入れてくれる物申す少女だとわかり少々驚きました。生気の抜け落ちた主人公の心を癒してくれる新たな相棒としての役割を持っているのだと感じましたね。

 さらに彼女の心臓がシエスタのものであるとわかりこれまたびっくりしました。2人を引き合わせた運命に心臓の強い意志を感じさせます。彼女の心臓に想いを語りかける君塚のシーンは見ていて少々感極まってしまいました。

 そしてなるほどキャッチコピーにある「だけどその意志は決して死なない」とはこのことも意味しているというわけですね。ここからは名探偵の意志を異なる形で受け継いだ2人がコンビで活躍していくのだろうと期待がかかります。

 

 

かげきしょうじょ!!

第2話「銀橋を目指す者」

 本格的に始まった学校生活で先輩の指導という中々に怖いイベントが始まり戦々恐々。陰湿ないじめや嫌がらせなどはなかったものの、先輩たちの水面下での争いがバチバチに繰り広げられていて少々ビビりました。一見怖そうだけど案外面倒見がいいリサ先輩と、優しそうに見えて底知れぬ腹黒さを秘めている聖先輩の腹の探り合いが実に面白かったですね。

 さらにオスカルを目指すさらさが慣れないと言われる理由、そしてさらさ自身の過去についても触れられたのが印象的でした。女性故に歌舞伎の助六になる夢を諦めざるをえなかったからこそ、歌劇の世界を目指した彼女の苦い経験が感じ取れます。それだけに最初は泣き出すものの諦めない態度を見せるさらさにはスカッとしましたね。この子なら身長の高さすらどうにかしてオスカルになれそうに思えます。

 そんなさらさの可能性がラストのシーンで強く印象付けられる構成に仕上がっていた点がお見事。“スポットライトを浴びて圧倒的に映える人間”という人が存在することを知っている身としては、かなり説得力に溢れた演出でした。あとは舞台以外で活躍する裏方の人たちのシーンが微笑ましかったですね。彼ら在ってこその舞台ということを強く実感します。

 

 

うらみちお兄さん

第2話「先輩と後輩」

 やたら上機嫌かと思ったらすぐに気分が下がる人っているよね・・・・・・1話の時点で感じていた裏道の情緒の不安定さがさらに不安定と化しているような回でした。元気な時と暗い時の差がとにかく激しくて見ているこっちが心配になります。番組スタッフの無茶ぶりや子どもたちの純粋な質問を前にして少しずつ心が荒んでいく様子が描かれていたのでかなりヒヤヒヤしてしまいますね。また趣味がないことから休日は筋トレばかりしているという点も彼の危うさが良く表れているように感じます。

 また後輩の兎原との関係についても触れられたのが印象的でした。裏道に怯えているくせして火に油を注ぐ発言ばかりする困った後輩ですが、休日に遊びに来るくらいには先輩のことを慕っているのが興味深いです。裏道も兎原のことを何だかんだで必要としているようにも思えて面白いです。ラストのまんざらでもない笑顔が目に焼き付きましたね。

 

 

小林さんちのメイドラゴン S

第2話「イケメン、小林!(いろんな意味で)

 イルルが果たして何話でデレるのかと思っていたら2話目でほぼ陥落して唖然。小林さんのTS問題も思ったよりもあっさり解決してしまい少々驚いてしまいました。女体の誘惑にかろうじて勝ち、その後のイルル救出劇でもほぼ物おじせずに戦う彼女の鋼のメンタルがこれでもかと発揮されていました。それはそれとしてメイド服を脱いだトールを見て萎えるシーンには爆笑してしまいましたが。

 またイルルの悲しき過去とそれからくる人間との確執について触れられたのも今回の大きな特徴。仲の良かった人間の子どもとの仲を引き裂かれ、人間を憎まざるをえなかった彼女の「もっと遊んでいたかったんだ」という叫びの悲痛さに胸が締め付けられました。そんな彼女と自分自身の過去を重ね合わせる小林さんの心情も印象的です。そしてその傷を分かち合うことで寄り添い合う2人の様子にホッとした気持ちにさせられました。わかりあうにはまだほど遠いけど、大きな一歩になりうる重要なエピソードだったと言えます。

 

 

SDガンダムワールド ヒーローズ

第15話「歪められた正義」

 総集編第4弾。司馬懿の甘言に惑わされた曹操劉備の激闘が描かれました。自身の民を守る使命を果たすために暴君一歩手前まで行く曹操と、あくまで周囲に分け隔てなく寄り添う劉備異なる正義がぶつかり合う場面は何度見ても大迫力です。ここまでただ曹操に憧れていただけだった劉備が彼との考えと決別することで自分の正義を見つけ出す流れは本当に見事だと思いましたね。

 ただ内容とは別に総集編の方式に関しては苦言を呈したいところがあります。新規パートも特になく本編の映像をそのまま流すだけ、というやり方なので本編を既に視聴した身としては退屈で仕方ありません。せめてキャラたちによる声だけの解説や語り合いなどを挿入してくれれば大分変わっていたかと思うだけに非常に惜しいです。次回からようやく本編が再開されるようなのでその点に関しては楽しみです。

 

 

ガンダムビルドリアル

第5話「東海地区大会開幕」

 ついに始まる大会に向けての準備回。勝つために如何にして機体の練度を上げていくのかという課題を少しずつ解決していく様子が描かれました。ナナハチを送ってきた今泉の塗装がここにきて鍵になるというのが熱かったです。他にも女子グループのナナハチ破損事件と彼女たちと共にもう1体を製作する過程を経て新カラーのナナハチが完成していく辺りは青春に満ち溢れていて少々眩しかったです。(女子たちが提案したカラーリングが意味を為すというのが良いですね)

 またヒロとサツキの「ガンダムの大きさ談義」が彼らの抱える悩みに繋がっていくシーンが印象的でした。大きな悩みに押し潰されそうになるものの、冷静に見渡せば案外悩みがそこまで大きくないことに気付く。だからこそ悩み過ぎず前に進め!というメッセージを感じ取りました。あとは「原理主義」といったワードにちょっと吹いてしまったりしましたね。(その後に「好きなのはみんな変わらない」という言葉が出てくるのが素晴らしいです)

 そして始まった大会初戦ではかつて戦ったルミナスのダブルオークアンタとのバトルが展開されましたが、相手のトランザム対策として撃ちまくる構図が興味深かったですね。アニメのビルドシリーズでも度々取り上げられるトランザムの攻略法として狭いステージと弾幕を活かした戦法を取るのが面白いです。2回戦のVSネオジオング戦でも描かれたヒロのバトルセンスの成長ぶりも感じ取れました。果たして次回の最終回でどうなるのでしょうか。

 

 

 冒頭の件ですが、曹操のキットのクオリティに満足すると同時に、組み上げてから他のキットも欲しくなってしまう事態に今陥っています。まず劉備と並べてみたいですしヒーローズで絡んだ信長や佐助との組み合わせも見てみたい、しかし説明書によると張遼張郃、夏候惇に夏侯淵と組み合わせ遊びが出来るそうなのでそちらも揃えてみたい・・・・・・と中々に悩ましいことになってしまっています。SDガンダムは単価が安い分こうした揃えやすいとはいえ、全部買おうと思うとちょっと足踏みしてしまうのでどうするかもう少し考えようと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

超速パラヒーロー ガンディーン 感想(簡易総評)

覚悟を決めれば、最強。

挫折さえも糧にして、超速の英雄は大地を駆ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 NHKで3週にわたって放送された『超速パラヒーロー ガンディーン』。パラ陸上の車いすヒーローが主役という特殊な特撮作品として以前から注目していました。(ちなみに車いすのヒーロー自体は「神威龍牙*1という前例がいます)

 俳優や演出担当などのスタッフの多くが既存の特撮作品に関わっているということもあって期待に胸を膨らませながら視聴しましたが、期待以上に面白い作品に仕上がっていて驚きました。車いすのヒーローの魅力を余すことなく活かしたアクションとドラマが非常に楽しかったです。今回は個人的に感じたこの作品の印象深い特徴を自身の感想を交えて書いていきたいと思います。

 

 

  • 車いすのヒーロー”だからこそ

 まずあげたいのがガンディーン自身の特徴について。パラリンピックの宣伝を兼ねているからこその車いすヒーローなのですが、車いすの要素を除いた場合でもヒーローとしてはかなり異色な存在であるように感じます。全身に植物のツタが絡みついているようなボディ、縦に並んだ複数の目などヒーローというよりもエイリアンなどの宇宙人を思わせる異形のデザインが目を引きます。1話最後の変身シーンも苦しそうにしているなど、“異質さ”を追求したキャラクターであると感じました。従来の特撮とは異なり玩具の販促がない分このような挑戦が出来たのかもしれません。

 そんなヒーローをカッコよくあらしめるのが車いすの要素。まず専用のマシンのF1カーのような鋭角的なフォルムが非常にカッコよくて、近未来の印象を感じさせます。これにガンディーンが乗ることでさながら宇宙船に乗っているかのようなSFチックなイメージになるので異質さはそのままに非常にカッコよくなります。宇宙人の技術で作られたヒーローの設定と相まって、宇宙の力を得たヒーローとしての印象がグッと強くなりました。「それ単体では異質に終わってしまうデザインに車いすを掛け合わせることでヒーローらしさを引き出す」組み合わせは、子どもの頃車いす陸上に使われる車いすが無骨なマシンに見えた身としてはたまらないナイスなデザインです。

 

 車いすに乗って行われるアクションに関しても見事。ビルを高速で駆け上がったり敵怪獣の攻撃を残像付きで避けたりするなど、バイクに乗ったヒーローが如く車いすを駆る動きが存分に見られました。特に終盤のバトルは非常にスピーディーな絵面が展開されるのでかなり見応えがありましたね。

 戦闘スタイルに関しても素敵です。剣や銃などの武器を使用せず殴って怪獣を攻撃する徒手空拳は「腕の強さ」を見事に強調していました。決戦時に怪獣の体にしがみつき、よじ登るシーンなどは重い車いすを腕の力のみで乗りこなす車いす操者のパワフルなイメージが見事に表現されています。車いすに馴染みのない人たちに車いすの素早さ、そしてそれを扱う人たちの力強さを十分に印象付けてくれたと思います。

 異形の姿をまとめ、アクションでも活躍する車いす。このヒーローはそんな車いすだからこそ成立する要素を上手にまとめていると言えます。何より主人公が車いす陸上や車いすラグビーなどの競技を参考にして戦うという描写もあって車いすのすごさ」というものをきちんと魅せてくれました。パラスポーツの宣伝も兼ねつつヒーローとしても成立させていることに感動を覚えますね。

 

 

  • 絶望だって失望だって今じゃもう立派な武器だ

 特撮に関してはここまでにして、次はもう1つの魅力であるドラマパートにも触れていきたいと思います。本作は特撮が毎回濃い分短くて、代わりに主人公たちの物語に大きな比重が置かれていました。

 まず大きな特徴としてあげられるのが下半身不随の障がいを持つ主人公をはじめとして、登場人物の多くが“マイノリティー”に位置する人たちで構成されている点。主人公の実家の工場に同性愛者や外国人技能実習生が所属しているほか、不登校の女子高生も出てくるなどまだまだ社会的に弱い立場にある人たちを中心に構成されています。しかし彼らの多くがそれを気にすることなく和気あいあいと日々を過ごしている様子が非常に魅力的でした。宇宙人であるグー(フォス)をすぐに打ち解け、異なる相手も受け入れる“多様性”が前面に押し出されていていたと言えます。グーの故郷の「アラート星」が多様性を失ったことにより衰退していった背景から見るに、「異なるものを認め合う」という本作のテーマを感じ取りましたね。

 

 しかしそんな明るい要素ばかりではなく、苦しみや悩みもある点が本作の特徴の1つ。主人公の大志が障がい者であることにコンプレックスを抱いており、そんな自分がみんなを守れるのかという葛藤を繰り広げる様子が描かれました。多様性を重視しているものの、「自分と他人の違い」からくる悩みにも本作はきちんと取り上げているというわけです。

 それと同時にもう1人の主人公とも言える京の過去についても触れており、それが大志の葛藤と重なっていく過程が実に印象的でした。陸上選手として挫折した過去を持つ京にパラ陸上のコーチが勤まるのか、という悩みを物語序盤に描きつつ、大志と同じように“挫折”を経験してきたものとして京というキャラクターは描かれていました。

 そんな両者が過去を受け入れて今目いっぱい頑張るしかない、という答えを出すのが素晴らしかったです。挫折した事実を否定するのではなく、肯定してそれさえも糧にしようとする気概が主人公2人から感じることが出来ました。(「障がいを欠点ではなく個性として見る」現代の在り方を上手にドラマに落とし込んでいますね)闘争心が欠けていると指摘され陸上で勝ちたい意志を示す大志、彼をサポートするためコーチとして日々奮闘する京の物語としてきちんと進行していくので見ていて非常に心地よいです。

 そうやって展開される選手とコーチの関係がグーの介入によって、ヒーローもののバディに昇華されていく点も特撮作品として興味深いです。足が動かなくなったもののパラアスリートとして努力を重ねてきたからこそ、大志が上記の車いすヒーローとしての魅力に繋がっていく構成もよく出来ています。本作は辛い過去も力に変えていくヒーローたちの物語だったと言えますね。

 

 

 というわけでガンディーンの感想でした。車いすであることにちゃんとした意義が存在するヒーローとして見事な作品でしたね。この辺りは『バリバラ』など障がい者を扱った番組に力を注いでいるNHKだからこその“味”と言えます。今回は事故で障がいを持った主人公が主役でしたが、これを機に先天的に障がいを持った主人公や、実際の障がい者の人が演じる作品も出てくればいいな、と思います。

 そしてガンディーン自体は続編があるのかどうか気になるところ。本編がプロローグ的なストーリーだったことに加えて、謎の男によるフラグが建っていた中で期待するなという方が無理です。大志たちのキャラクターも魅力的だったので彼らの物語の続きが見てみたいと思ってしまいます。現状何のアナウンスもないのでまだ何も決まっていないと思われますが、是非やってほしいですね。(あとガンディーンのフィギュアとかのグッズも出してほしいです)

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

 

↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。

metared19.hatenablog.com

 

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*1:東京都を中心にして活動しているローカルヒーロー車いすに乗ったヒーローとしてはこちらが先である。

仮面ライダーセイバー 第43話「激突、存在する価値。」感想

俺たちの“意味”はここにある

みんなもラーメンには紅しょうがを入れよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 己の意味を見つけた者たち

 ハイ、今回泣きました。

 前回の時点でデザストの最期はガッチリ描かれるだろうと予想し実際その通りになったわけですが、こちらが想像していた以上に泣ける内容に仕上がっていて驚きました。念願の蓮との死闘を経て、最後の最後に満足して消えていくデザストのシーンは涙なしでは見られませんでした。誰が何と言うと今自分が生きていることを証明してみせるという、存在する意味を求め続けた怪人の物語の終幕としては見事なものだったと思います。

 デザストだけでなく、蓮の物語としてもよく出来ていたのが見事。彼がデザストとの戦闘の前半で倫太郎の技を模倣するという意外な手を使ってきましたが、最終的にいつもの二刀流に戻る流れは自分自身を取り戻したとも取れる演出でグッときました。ここまで自分の強さを求めて迷走を重ねてきた蓮が最後の最後に行き着いたのは自分の技であり、自分自身の力で手に入れてこそ意味があることを示してくれたように思えます。彼もまた大事なものを見つけ出せたようでホッとします。

 そんな2人がそれぞれの存在を示すかの如く、自身の名前を叫ぶシーンは心に響きました。己を探し続けてきた両者の心情が強く伝わってきます。(この辺りは堀内監督のエモい演出が存分に活かされていましたね)決着がつき、消滅するデザストを看取ったに呟いた蓮の言葉が最初に戦った時と同じ「楽しかったよ。ありがとう」であるのも印象的で、あの時とは異なる愁いを秘めた抑揚に涙が出てきます。本作の本筋に大きく関わってくることはないものの、こうして視聴者に強い印象を残してくれた2人の物語、最後に深く感動することが出来ましたね。本当にありがとうデザスト・・・・・・

 

 

  • 時と煙の二重奏&怪物を超えし魔人

 蓮とデザストの物語に心奪われた一方、飛羽真たちとストリウスの戦いも見どころがありました。何と言っても神代兄妹の活躍ぶりが光ります。以前怪我の手当てをしてくれた芽依へのお礼を言いよどむツンデレ凌牙お兄様は見ててフフッと笑ってしまいました。

 しかし戦闘時のセイバーとの共闘では意外なまでに活躍していたのでびっくり。カリュブディスの攻撃を華麗に避けつつ時飛ばしや煙化などの能力だけではない実力を見せつけてくれました。特にデュランダルは素のパワーでカリュブディスを圧倒するだけでなく、最近はあまり成功しなかった時飛ばしで相手の攻撃に見事対応してみせたことに感嘆を覚えます。元マスターロゴスの元を離れてからあまりいいところがなかった兄妹でしたが、こうしてまたその強さを思う存分発揮してくれたのはうれしい限りです。

 

 また本格的に動き出そうとするストリウスとカリュブディスの様子も目に焼き付きました。「始まりの5人の本」を手に入れて舞い上がっている中、これまでの物語の裏で少しずつ貯めてきたであろう本に変えられた人たちをカリュブディスに喰わせる所業を働いた時には驚きました。わざわざ飛羽真の前でやってみせる辺りに彼の悪辣さがよく出ていましたね。カリュブディスの方も生みの親に似て挑発的になってきていたのが興味深いです。特に退場したばかりのデザストの能力を使って視聴者を煽ってくる辺りが実に性格悪いです。

 そんなストリウスが自身をカリュブディスに喰われることで見るからにパワーアップを果たした時は度肝を抜かされました。自分を喰わせる絵面は非常にショッキングです。同時にカリュブディスの喰らったものの能力を得る特性は最終的にストリウス自身が全ての能力を手に入れるためだったとわかり納得しました。ラストにさらっと「私は全てを知った」と意味深な発言をしていましたが、これが何を意味するのか気になるところです。

 

 

 というわけで各キャラの関係も大体整理がついてきて物語が大詰めを迎えている空気を強く感じ取る回でした。ストリウスが何を為そうとしているのか、蓮は戻ってくるのかなど気になる要素が多く次回が待ちきれません。

 などと思っていたら何と次回は『ゼンカイジャー』とコラボする特別編をやるということで唖然となりました。夏の映画の宣伝も兼ねているのでしょうが、いい感じに盛り上がってきた本筋の流れをぶった切ってやるノリはかなり久々(『鎧武』以来でしょうか)で意表を突かれましたね。しかもゼンカイジャー側から出てくるのがツーカイザーこと界賊ゾックスというチョイスのおかげでカオス回になることはまず間違いありません。本筋の方が気になりますが、ひとまずはこの特別編の方を楽しみたいと思います。(感想に関しては書くかどうかまだ悩んでいるので書かない場合もあります。その時はご了承ください

 

 

 ではまた、次の機会に。

2021年夏アニメ&特撮簡易感想 その3

 

 

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 『ウルトラマントリガー』が放送された「ウルトラマンの日」、YouTubeウルトラマン55周年の特別映像がトリガー本編と同時に配信されました。

 例年と同じように最新ウルトラマンであるトリガーが初代ウルトラマンからの激励を受ける映像に早くも目頭が熱くなってしまいます。去年のゼットが主役の時はゼットのお喋りな部分がよく出ていて賑やかでしたが、今回はトリガーのミステリアスな要素を尊重しているのか静かな内容に仕上がっていたのが対照的で面白かったです。

 またトリガーが月から見つめる地球が黒く染まっていく様子やカルミラの嘲笑うような声、自身の拳を開いて見つめるトリガーなど意味深なカットが多かったのも印象的です。本編1話の時点で既に不穏な雰囲気を漂わせているトリガーですが、この映像でその雰囲気がさらに加速されたと感じます。トリガーの物語はどのように展開されていくのか、今からさらに楽しみになっていく映像でしたね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今週の『ポケットモンスター』はお休みだったため感想はありません。また『超速パラヒーロー ガンディーン』総評は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

ひぐらしのなく頃に

第3話「鬼明し編 その参」

 勝ち確に舞い上がる梨花ちゃんと圭一VSレナを交互に映す演出で笑いが止まらなくなってしまった件。それはそれとして、鬼騙し編のレナとの死闘で生き残ったのは何かしらのトリックがあるのではないか?と以前から疑っていたのですが、特にそういったことはなく普通に生き残ったという事実には唖然となりました。(これだとただ単純に「圭一がタフ」という答えになっちゃう・・・・・・)

 他にも梨花の死因が自殺だったこと、沙都子がレナにH173を注射してからは静観しているだけだったことと、多くの真相が予想よりもあっさりとしたものだったのが意外でしたね。特に沙都子が暗躍らしい暗躍をあまりしてなかったのは肩透かし感が強くてちょっとがっかりです。

 しかし前回に引き続き描かれたレナ視点での物語は見どころ満載。圭一が死体を見たかどうか疑う中、彼と大石の電話で勘違いしてしまうシーンには納得しつつ驚きましたね。「嘘だ!」の下りも実際はレナが問い詰めていたことなど、圭一や既存の視聴者にとっては鬼隠し編そのものだったシーンの数々がレナにとっては未知の領域になっていたという事実は非常に興味深いです。視点を変えると物語の見え方ががらりと変わるひぐらしの面白さが良く出ていた回だと言えます。

 

 

 

ヴァニタスの手記(カルテ)

第2話「Noé-花の都にて-」

 前回の時点ではヴァニタスがノエを振り回すことになるのかと思っていましたが、実際は逆だったことにびっくり。自分の感情に正直に動き回るノエにヴァニタスが呆れる形で付き合わされる構図はかなり意外でした。おのぼりさんで天然なノエの性格は妙に愉快で、ヴァニタスのことを「好きではない」と本人に言ってしまうシーンには爆笑してしまいました。傍若無人ぶりは相変わらずな一方でノエに対して結構世話を焼いてくれるヴァニタスのキャラクターも魅力的です。

 さらに後半では「ルカ」に「ジャンヌ」と新キャラが続々登場。中でもジャンヌの見た目の美しさと戦闘時の苛烈さが両立したデザインは一目見ただけで気に入ってしまいました。2話にして登場人物が多く出てきて飲みこむのに苦労しますが、魅せる演出が多いおかげで楽しく終始見入りましたね。

 

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった・・・X

第2話「悪役になってしまった・・・」

 カタリナたちが演劇の手伝いをすることになる回でしたが、悪役令嬢としてのカタリナの知識がここにきて活かされる展開には思わず笑ってしまいました。ぶっつけ本番の劇のセリフは全く覚えらなかった一方で、ゲームのカタリナのセリフをそらで言える彼女の能力の偏りっぷりに微笑ましく感じてしまいます。野猿になってしまう前の「本来のカタリナ」がどのようなキャラだったのかもわかって面白かったです。(他にもジオルトとマリアが主役2人を演じたことなど、「本来のフォーチュンラバー」が垣間見れたようにも思えます)

 またカタリナ以外のメンバーの活躍ぶりも見どころでしたが、中でもソフィアの押しの強さがやたら印象的でした。周囲の意見をバッサリ切り捨て、想い人と兄のカップリングを成立させようとするゴリ押し具合に変な笑いが出てきてしまいます。ただ一期ではあまり主張してこなかった彼女がこうして自分の意見を押し通そうとする強さを見せてくれたのは嬉しく思いましたね。

 そんなこともあって色々と賑やかな日常を堪能出来た中、カタリナがさらわれるラストには意表を突かれました。一体何者が彼女を狙ったのか、ここから物語が一気に動き出しそうでワクワクします。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第39話「鬼岩城大上陸」

 魔王軍の本拠地である「鬼岩城」がついに本格始動!フルCGで表現される巨体に早くも圧倒されました。原作で感じた巨大な存在感はそのままだったうえ、アニメに合わせて頭身がアップしている分より迫力が増していたと思います。動く様子はほとんど見られなかったのですが、代わりに仁王立ちしているだけでポップたちの脅威であることが十分に伝わってきましたね。

 鬼岩城以外にも今回の世界会議に出席した「ベンガーナ王」とその部下「アキーム」の存在が印象的。例え勝ち目がなくとも後に続く者たちを奮い立たせるため、戦おうとするアキームの勇敢さに改めて惚れ惚れしました。また彼を率いるベンガーナ国の王は今見てみるとただただ自信過剰なだけであることがわかって面白いですね。ここから株が上がっていくと思うとちょっとニヤリとしてしまいます。(後はやはりロモス王とクロコダインの関係に整理を付けたアニオリがここすきポイント)

 

 

遊☆戯☆王SEVENS

第56話「かっとバシング!」

 完全に遊戯王ZEXALだこれ!唐突に野球回が始まったと思ったらその野球を交えた女子同士のデュエルが展開されてワクワクしつつ困惑。6兄弟長女の「ゴーハ・ユウカ」が予想よりもはっちゃけたキャラだったこともあり、前回前々回以上にフリーダムな内容にゼアルらしさを感じずにはいられませんでした。

 ユウカがズババやアチャチャなどのオノマト軍団の新規など懐かしの面子を使ってくるのも良かったですね。中でもエースの背番号39球児皇ホーム希望皇ホープのシルエットを上手いこと野球テイストにアレンジしているので感心してしまいます。効果もホープ一族らしい脳筋ぶりで面白いです。(「ムーンバリア」ではなく「ダブル・アップ・チャンス」を意識しているのでしょうか)他にも「レベル4のモンスターが2体、来るぞ!」というアストラルお馴染みのセリフが飛び出すなど終始ゼアルの要素に満ち溢れてしました。ゼアル好きとしてはたまらない回でしたね。

 

 

超速パラヒーロー ガンディーン

第3話(最終話)「共闘:team」

 強大な敵を前についに本格的な戦闘が始まった回。グーの持つ「緑死」の力とそれを狙う敵の目的が判明したことで大志がみんなを守ってみせることを改めて決意する様子が描かれました。また事実を知った京が紆余曲折を経て大志に協力しようとする流れが非常に素敵でした。共に困難に立ち向かうアスリートとコーチの関係性を相棒(バディ)との物語として綺麗に落とし込まれていたので思わず唸ってしまいます。彼女だけでなく大志の父たちのサポートも熱かったですね。

 仲間との協力の重要性は迫力ある戦闘シーンでも同様で、大志もといガンディーンだけでは敵怪獣の「ラゲルト」に勝てなかったのもいい塩梅でした。かといって大志が頑張ってなかったわけではなく、むしろ専用の「ハイパーホイール」を失ってもしがみつくガッツを見せたのが見事。ラゲルトに腕の力だけでしがみつくシーンは車いすアスリートの腕力の強さが良く強調されていたと思います。車いすのヒーローの魅力を余すことなく魅せてくれましたね。

 そうして俺たちの戦いはこれからだ!で終わったかと思いきや、ラストに加藤雅也演じる謎の男が出てきて驚愕しました。明らかに次回作を匂わせる演出でしたが、やってくれるのでしょうか?非常に面白い作品だったので続きをやるとしたら是非見ておきたいですね。

 

 

 記事冒頭の映像を見てことについてですが、他にもウルトラマンが今年で55周年ということにちょっとびっくり。今見ても決して見劣りしない作品が半世紀前から存在していたことは驚きの事実であり、同時に嬉しく感じることでもありますね。様々な新要素がありつつもウルトラマンのクオリティの本質そのものは決して変わっていないことが伺えます。この先もウルトラマンを楽しんでいきたいと改めて思う55周年でした。

 

 

 ではまた、次の機会に。

デュエル・マスターズ キング! 第13話「伝説の禁断迷宮っ!ドキンダムXを探し出せ!」感想

世界を壊し塗り変える“禁断”の力

「シールドのご機嫌が悪い」は一度は対戦で言ってみたくなりますねぇ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • いざ、禁断の遺跡へ

 今回のデュエマキング!はいきなりボルツとキャップが石に変えられてしまうという衝撃展開から始まりました。それぞれ謎の槍からジョーとキラを守る活躍を見せてくれたものの、割とマヌケなポーズで固められてしまったのが何とも言えない気持ちにさせられます。

 というわけでボルツとキャップを石化した張本人であろう《伝説の禁断 ドキンダムX》を探し出して2人を救い出そうとするジョーとキラ。ドキンダムが封印されていると思われる謎の遺跡(一瞬映った映像を見る限りだとインカ帝国の遺跡「マチュ・ピチュ」っぽいですね)での探索が始まったわけですが、様々な罠を潜り抜けていくパートが描かれました。特に面白かったのが最初に出てきた転がる岩の罠で、「岩自体がパワー4500、スレイヤー持ち」というネタには大いに笑わせてもらいました。

 また遺跡でドラゴンとエンジェル、デーモンの3勢力がドキンダムに立ち向かう壁画が見つかるシーンも印象的です。革命編の背景ストーリーを意識した部分があってちょっとニヤリと出来ます。他にもドキンダムが「最悪のクリーチャー」と呼ばれたことに疑問を持つジョーなど(ジョー的にドキンダムはバサラ師匠が使うカードだから最悪扱いにピンときていないのかもしれません)、細かいネタが多くて楽しかったですね。

 

 

  • 新たな未来を創造せんとする者

 そして今回のデュエルパートはキラVSジェンドルというマッチング。ドキンダムだけでなく《時の法皇 ミラダンテXII》をも利用するジェンドルに怒りを覚えるキラが目に焼き付きました。キラにとってミラダンテは憧れのカードである、という新事実は彼の背景を考えると納得がいくもので結構好みですね。

 しかし肝心のデュエル展開は終始ジェンドルが優勢。キラに別の文明の力について説きはじめたり、シールドを一気に割られても「今日のシールドはご機嫌が悪いようですね」で済ませるなど最後まで余裕たっぷりでキラを追い詰めていく様子が興味深かったですね。誰に対しても礼儀正しい一方、相手の全てを見透かすような言動がジェンドルの得体の知れなさを強調させていました。ジョーに一度負けているものの、敵のボスとしての格は決して失われていないことがよくわかります。

 そして彼らガットルズの目的の一端が垣間見えたことも印象的です。どうやらドキンダンテのように伝説のクリーチャーを合体させて強力な力を有したカードを作り、“新たな未来を創造する”もしくは“デュエマの歴史を塗り替える”という大それた偉業を為そうとしているようです。

 新たな未来や歴史の塗り替えるなどやたら抽象的な表現のせいで具体的に何をするのか自体は不明瞭なままなのですが、ドキンダンテの力から考えるに恐らくは歴史の改変を行おうとしているのかもしれませんね。果たしてどのようにデュエマの歴史に手を加えるのかは未だ不明ですが、ジェンドルの底知れない悪意を感じ取るには十分だったと言えます。そういったことから、今回はそんなジェンドルとの因縁をさらに深める回であったと思いましたね。

 

 

  • 光り輝く矛と乱雲を呼ぶ盾の最強武装

ギラミリオン <クーカイ.Star(スター)> 光文明 (4)
スター進化クリーチャー:メタリカ/メカサンダー/レクスターズ
パワー4000
▪️スター進化:レクスターズまたは光のクリーチャー1体の上に置く。
▪️このクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャーを1体タップしてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップする。
▪️このクリーチャーがアンタップしていれば、このクリーチャーはすべてのバトルに勝つ。

 キラが新たに使ったレクスターズ。「超天篇」出身のGRクリーチャー《ギラミリオン・ギラクシー》が「闘魂編(インビンシブル・ソウル)」で登場した進化メカサンダー《開眼者クーカイ》の力と合体したスター進化クリーチャーです。後述の能力が双方の元ネタの面影を残しているナイスな能力デザインをしているのが印象深いです。(それだけに今回のアニメでは活躍出来なかったのが悔やまれますが・・・・・・)

 コスト4にパワー4000と進化クリーチャーとしては控えめなスペックをしていますが、代わりに味方をタップすることでアンタップ出来る能力を持っています。味方を展開すればするほど打点強化に繋がるわかりやすいビート性能を誇ります。攻撃出来ない小型ブロッカーはもちろんのこと、攻撃曲げを持つメタリカなどタップさせることでアドバンテージを稼げるクリーチャーと組み合わせると面白そうです。

 何よりアンタップ中は全てのバトルに勝つ能力のおかげで突破力はかなりのもの。攻撃時にアンタップすることで自分よりパワーが高い相手も打ち倒せるので、こちらからのバトルやブロッカー相手には滅法強いです。また《ボルシャック・ドギラゴン》のような効果バトルにも強く、攻撃を確実に通してくれます。最もタップ状態では能力が働かないため殴り返しに弱いといった弱点も抱えているので過信は禁物。スター進化クリーチャーとしての耐性はあるものの、なるべくアンタップした状態を保っておきたいところです。

 その能力から大量展開していくビートデッキでの採用が見込めそうです。特にコスト4という点から「正義星帝」 <鬼羅.Star> 》との相性の良さはかなりのもの。攻撃時の踏み倒し候補に最適である他、ブロッカー付与とターン終了時のアンタップにより確実に攻撃を防ぐブロッカーとしても活躍出来ます。他にも組み合わせられるカードがいくつかありそうなので、是非探してみたいですね。

 

 

  • 禁断と時間、忌むべき奇跡を混成せし覇王

禁時混成王(きんじこんせいおう) ドキンダンテXXII(トゥエンティツー) 光/水/火文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド・ドラゴン/禁断
パワー99999
▪️EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、相手のクリーチャーの能力をすべて無視する。
▪️相手のターン中、相手がコスト9以下のクリーチャーを召喚した時またはコスト9以下の呪文を唱えた時、自分はカードを1枚引いてもよい。その後、コスト9以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

 ジェンドルが《聖魔連結王 ドルファディロム》に代わる切り札として作り出した新たなディスペクターの王。「革命編」で大きな衝撃をもたらした禁断クリーチャー《伝説の禁断 ドキンダムX》と「革命ファイナル」の象徴的革命龍の1体《時の法皇 ミラダンテXII》を合成したキングマスターです。背景ストーリーにおける敵勢力同士を合体させるという冒涜的要素はもちろんのこと、ドキンダムが巨大な石板に貼り付けにされたようなデザイン、“X(10)”と“XII(12)”を合わせて“XXII(22)”にするネーミングセンスなど、ドルファディロムに負けない強烈なインパクを誇っています。(見た目に負けず背景ストーリーでもラスボスの如き大暴れをしているのですが、ここでは割愛します)

 カードとしてはコスト9、パワー99999とドキンダムを意識した部分が多く、特に相手クリーチャーの能力を無効化させるcipは禁断関連の「封印」を彷彿とさせる強力なものです。返しのターンまで場にいる相手クリーチャー全てを実質バニラにしてしまえます。出ただけで相手のブロッカーを無力化し(ただし攻撃制限があるクリーチャーはその制限も無効化されるので注意)、また相手クリーチャー全てがシングルブレイカー扱いとなるので防御面でも安心と非常に便利な能力と言えます。

 能力無効化は登場時に場にいるクリーチャーにのみ適用されるのでその後出されるクリーチャーには効きませんが、その場合は1ドロー&呪文踏み倒し能力が発動するので隙が少ないです。コスト9以下のクリーチャー及び呪文に対して発動する範囲の広さなので相手のアクションには大抵反応出来ます。(それ以外のカードタイプやコスト10以上のカード、召喚以外の踏み倒しには発動しませんが、それらが採用されたデッキはごく一部なので強力であることには変わりありません)ド派手な効果が多いコスト9以下の呪文を踏み倒せるので、相手に心理的なプレッシャーをかけて何もさせないで終わらせることも可能でしょう。

 踏み倒す呪文の候補も《神々の逆流》や《ラスト・バイオレンス》、《ジョー!ジョー!友ジョー!》など高コストの強力なものが揃っているのでよりどりみどり。中でも《ルシファー》との組み合わせが面白いと感じますね。自分ターンに唱えればドキンダンテ自身を踏み倒し、相手ターンでは相手の行動に反応して唱えれてそのターンを強制終了させることが可能とその相性の良さには目を見張るものがあります。

 場に出ただけで敵の大幅に弱体化させて、さらに行動まで制限する制圧能力は元ネタに負けないレベルと言えます。高パワーのおかげで火力除去にも強くEXライフで除去耐性も持っているので場持ちの良さも抜群です。居座れば居座るほどゲームを支配していく圧倒的なコントロール性能で今後の環境でも大いに活躍することでしょう。

 

 

 次回はミラダンテを救出するせんとするジョーたちがドキンダンテを奪う計画を立てていく模様。しかも予告映像を見る限りですとその手段が「オレオレ詐欺」の可能性大なのでちょっと唖然となってしまいます。およそ主人公たちの取る作戦とは言えないのでどうなるか心配ですが、一方でマスオ部長とのコント染みた争奪戦が描かれそうなのでその点は楽しみですね。取り巻きのプロテインズも久々に目立ってくるようですし、彼らの活躍も気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。