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仮面ライダーゼロワン 第10話「オレは俳優、大和田伸也」感想

その魂に響くもの

大和田伸也の独壇場になるかと思いきやイズと不破さんと暗殺ちゃんの独壇場だったでござる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回の予告の時点で話題になっていた大和田伸也出演回。俳優ヒューマギア「松田エンジ」(演じている崎本大海さんは『鎧武』で角居裕也もやっていましたね)と共演するドラマの撮影を描いていましたが、予想通り大和田さんが俳優ヒューマギアの存在に疑問を抱く展開が待っていました。劇中で説明されていた通り台本を完全にインプットしてすぐさま本番に取り掛かれるなど撮影現場からしたら非常にありがたい存在には違いないんですが(しかも機械だから歳も取らないしスキャンダルなどにも無縁)、そんな完璧すぎる演技に「魂に響くものがない」と否定的になる大和田さんの意見もなんとなく理解出来ます。またそういった精神論的な指摘だけでなくとっさのアドリブに対応できないという具体的な問題まで提示してきてドラマの降板を申し出てきた中、或人がどういう行動に出るのか気になるところです。

 そしてこの大和田さんを語るうえで外せないのが今回の暗殺ちゃんについてです。ドラマで暗殺者を演じた大和田さんを本当の暗殺者と思いこみ、当人に指導をお願いしようとする様子は非常に可愛く感じた一方で、あれほどAIの演技に否定的な大和田さんがヒューマギアであることを隠している暗殺ちゃんには好意的に指導してくれる状況に複雑な感情を抱きました。ヒューマギアに対する先入観さえなければこうして触れ合えるのに、その先入観が人間とヒューマギアの間に深い溝を作っていることがよくわかります。もし大和田さんが今回可愛がった暗殺ちゃんがヒューマギアだと知ったら、果たしてどのような反応をするのでしょうか?次回確実にその展開が待っていそうなのでワクワクします不安になってしまいます。

 

 

  • 不破と唯阿の安定感、暗躍する垓

 今回もう1つ描かれたのが不破と唯阿の関係性について。かつて暗殺ちゃんを暴走させ、動画を拡散した張本人が唯阿であることをイズ経由で知り問いただしてきた不破に「飛電インテリジェンスを陥れること」が目的であるとアッサリばらした唯阿にも驚きましたが、そんな彼女への態度を決して変えずに共に戦おうとする不破の大人の対応には衝撃を受けました。ヒューマギア憎しの気持ちを決して捨てずにいる一方で飛電を陥れるような行為には加担せず、いつか裏切ることを事前に伝えてきた唯阿に「その時は俺が勝つ」と堂々と宣言するなど今回かなりカッコいい姿を連続で見せてきてこれまでの暴れ馬な印象を一気にひっくり返された気分です。というか身内が暗躍している事実を受け止めてから普通に受け入れるまでの過程をたった1話で全てやりきったのは本当にすごいことだと思います。今回の物語としての完成度の高さがよく分かる場面だったと言えますね。

 そんなカッコいい不破をよそに、唯阿を動かして飛電を陥れようとしているZAIAの社長「天津垓(あまつ・がい)」の存在もいよいよ判明しました。ZAIAは第4話でかつて飛電のヒューマギア運用実験に協力していた企業の一つとして名前が判明していましたが、なぜここに来て協力関係にあった飛電に対してここまでの敵対行動をとっているのでしょうか。今回チラッと映った大量のプログライズキーの出所といい、気になる点がまだまだありますが、この社長が何か良からぬことを企んでいるのは間違いなさそうですね。

 

 

 今回は大和田伸也だけでなく暗殺ちゃん、不破、垓、そしてジェスチャーしている姿がやたら可愛かったイズと様々な人物の活躍が目立っていたのに対して、肝心の或人の影が薄かったように感じました。しかし次回、AIとの共演を拒否する大和田さんとの対話などで見せ場があるのはほぼ間違いないと思うので期待しておきたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。