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仮面ライダーゼロワン 第12話「アノ名探偵がやってきた」感想

先代社長(じっちゃん)の名にかけて

イズ明らかに感情手に入れてない・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 名探偵(?)のお兄ちゃん

 前回ラストに警察による強制捜査が入り、さらに唯阿の報告により社長室の横のラボにまで立ち入り調査が入るという大ピンチに陥った或人。そんな彼を救ったのは「ワズ・ナゾートク」という先代社長が作った旧型ヒューマギアにして、イズのプロトタイプ、つまりお兄ちゃんという衝撃的な新キャラでした。面白いのがこのワズのキャラクターで、イズよりも前に作られた古いタイプのヒューマギアでありながら、非常に表情豊かなAIであることに何よりも驚きました(事件の捜査を円滑に進めるための演技の可能性もありますが)プログライズキーが完成するまでの間或人に警察から逃げるよう指示したり、一見遊んでいるように見えて事件を起こしたヒューマギアがどのように滅亡迅雷.netに渡ったのかを調べ上げるなど、他の創作でもよく見られる「一見いい加減だが実は優秀な探偵」のお手本のようなキャラクターになっています。あの不破が「まるで人間」と評するほどで、このワズが作られた時点でこれほどの完成度の高さを誇るヒューマギアを作ることの出来た飛電インテリジェンスの技術力に驚かされます。

 対して妹であるイズの成長と見られる描写もまた興味深いです。突然現れたワズを警戒するのはまだわかるものの、自分を兄と呼ばせようとしたり一見遊んでいるように見えるワズに対して明らかに不機嫌な態度を示して或人に廃棄を提案するなど、登場初期の受け身な姿勢がまるで嘘のように自分の意見をグイグイ言ってきます。(或人にすら「怒ってる?」と聞かれてちょっとムキになっているように見えるのも面白いです)9話の或人を信じたいという発言も含めて、彼女のAIが少しずつ人間に近づいてきているかのように見える変化が今後の物語にどう影響してくるのか気になります。

 

 

 イズが明らかに感情を獲得しているような姿を見せた一方、滅亡迅雷側でもAIの成長が見られる展開がありました。前回大和田伸也を暗殺したことで自信がついたのか「俺は暗殺を極めた」と言い出して滅たちに反旗を翻すという意外な反抗期を迎えていました。でも結局大和田さんは死ななかったし暗殺を極めたとは言えないのでは・・・・・・?自力で強制停止を解除したり手下のマギアを手中に収めるなどの技術まで獲得し、戦闘でもゼロワンとバルカンの2人相手に圧倒する強さを発揮するまでになっており、AIが急成長しているのがよくわかります。(迅と一緒にはしゃいでいたあの暗殺ちゃんはもういないのね・・・・・・)

 そしてそんな暗殺ちゃんが元は窃盗団によって盗まれ、顔を変えられたヒューマギアだったことも判明。5体セットの内4体をさらに滅亡迅雷に奪われたこともわかり、これまで破壊されてもすぐ復活していたカラクリも解けて一気に腑に落ちました。滅亡迅雷から盗まれなかった残りの1体に近づき何をしようとしているのかは不明ですが、「もう学ぶことはない」とまで言い切った暗殺AIが次に出る行動は何か・・・・・・と考えるとかなり恐ろしいことになりそうな予感だけはしますね。

 

 

 感情豊かでまるで人間のようなワズに、それぞれ異なる成長を見せたイズや暗殺ちゃんと、今回はどんどん人間に近づいてきているヒューマギアたちの回でした。これまでのエピソードもそうですが、まるで人間と見紛うほどに成長していくヒューマギアたちの正と負が同時に描かれたため、果たして人間に近づくのはAIにとっていいことなのか?という疑問が少し浮かびました。『人造人間キカイダー』でも見られたこのテーマを、本作はどのように料理するのでしょうか。

 さて次回は今回のラストに登場したゼロワン新フォームの活躍がようやく見られる模様。予告で見られたイズの不穏な発言などから彼女の身に何かが起こるのは間違いなさそうで、ワズが新型キーを使うことを止めようとした件も含めて気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。