零との邂逅
視聴者にとっては周知の事実を衝撃の真実の如く明かすシーンは中々にシュール
- ボルツを励まし隊
今回のデュエマキングは序盤から中々にショッキングな展開が待っていました。キング・オブ・デュエマッチ第2次予選でジョー、キラ、キャップらが順調に勝ち上がっていく中(スマイル王子がまた出てきてちょっとびっくり)、ボルツだけが負け続けるという事態に。20話でチョウキに敗北したことがきっかけで絶不調になっているとのことですが、正直違和感がありました。というのも20話においてチョウキに負けた後もケロッとしていたボルツが今さらになってスランプに陥るというのも変な話だからです。あと今回で2次予選敗退という結果に終わったのもあんまりですね。メインキャラである以上負けるとしても何かしらちゃんとしたイベントを用意してほしかったです。
一方でその後ジョーたちが敗退したボルツを慰めようとする展開は良かったですね。サンバを踊りながらじりじりとボルツを追い詰めていく様子は若干押しつけがましかったですが、ジョーなりの優しさが感じられました。他にも「あいつ自身の問題だ」と厳しく突き放しておきながらジョーの提案にはノリノリになるキラや、スマホンに頼んでGPSでボルツの居場所を特定するなど相変わらず倫理的にどうかしているキャップなど、各キャラの行動がらしくてわかりやすいのも高評価です。(個人的に「HAPPY予選落ち記念日」と書かれたケーキを出してくるナチュラル鬼畜のキャップがすごいらしくてここすきポイント)良くも悪くもジョーたちのボルツへの想いがわかるシーンだったので今後のボルツの再起に期待したいです。
- その名はJr.(ジュニア)
今回もう1つの見所だったのがボルツを探している途中のジョーたちの前に現れたゼーロJr.とのデュエマ。冒頭宇宙から飛来する衝撃的な登場シーンを見せ、ジョーを連れ去りデュエマを申し込む中で彼が「ゼーロの息子」というとっくの昔に視聴者にはバレバレな衝撃的な真実が明かされるシーンは待ってました!といった気分で見ていました。キラたちからデュエマをやめるよう言われる中ゼーロの息子と知ってなおさらデュエマをやめるわけにはいかないと意気込むジョーを見ていると、彼にとってもゼーロの件は何かしら思うところがあるでしょう。前作のラスボスに対してジョーがどんな感情を抱いているのか非常に興味があります。
他にも注目すべきはJr.の目的。父であるゼーロを討ったジョーに復讐をしにきたのではないかと劇中のキャラのほとんどは考えていますが、今回のやり取りを見る限りそうでもなさそうです。気になるのはJr.がジョーに対して放った「お前は俺の始まりであり、終着点だ」というセリフ。今回ジョーが生み出した新ジョーカーズ≪がんばれ!ガンバンジー≫に対して興味を示した描写からして、もしかしたらゼーロJr.の誕生にはジョーが関わっているのではないでしょうか?*1その場合Jr.にとってジョーもまた自分の生みの親になるのですが、自分の親の1人を倒そうとするJr.の目的がますますわかりません。現状何を考えているのか全く読めない彼の動向には目が離せませんね。
- 那由多の宙(そら)に飛び立つ宇宙小僧
那由多(ナユタ) アストロ宙(チュウ)ノ 水/闇文明 (4)
クリーチャー:マフィ・ギャング/チーム零
パワー5000
▪️<ムゲンクライム>2(自分のクリーチャーを2体タップし、[水/闇(2)]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
▪️このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、次の自分のターンのはじめまで、自分のクリーチャーすべてに「スレイヤー」を与える。
▪️このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある自分のタップしているクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。その後、こうして引いたカード1枚につき、自分の手札を1枚捨てる。
19話に続いてゼーロJr.が出してきたチーム零のカード。宇宙飛行士のような格好をしたクリーチャーで2等身のボディが非常に可愛らしい一方で、バックパックから鎌や鉄球、回転ノコギリなどの物騒な武器を構えているギャップが素敵なデザインです。ちなみにカード名にある「那由多」は漢数字の1つで”10の60乗”という途方もない数字を意味します。
スペックはコスト4、パワー5000と平均的ですが、ムゲンクライム2を持っているため最速で2、3ターンで召喚することが可能です。パワー5000のクリーチャーを早期に出せるというだけで既に魅力的ですが、残りの2つの能力がさらに魅力を高めてくれます。
まずは登場してから次の自分ターンの始めまで自分のクリーチャーにスレイヤーを付与する能力。ムゲンクライムの性質上小型を複数並べることが重要なチーム零にとって相手の大型クリーチャーを討ち取れるスレイヤー化はかなり有用です。また次の相手のターンにもスレイヤー化が適用されるため、ムゲンクライムのコストとしてタップしたクリーチャーが殴り返されるのを抑制したり並べたブロッカーで攻撃を防ぐなど、どちらかというと相手ターンでの活用が主になりそうです。
もう1つの能力が手札交換。タップされている自分のクリーチャーの数だけカードを引けるため、ムゲンクライムでこのクリーチャーを召喚すれば最低でも2枚ドローしてさらに2枚墓地に送ることが出来ます。墓地肥やしとして活用するのはもちろん、墓地からでも出せるムゲンクライム持ちのカードを捨てておくのもいいでしょう。
まとめると自軍の強化に加え、次のムゲンクライムへの布石も立てておける優秀なサポートカードと言ったところ。他にも墓地を活用したデッキでの活躍も見込めるのでそちらにも投入してみたいところです。
- 夢の道を突き進む新OP&新たな始まりを切る新ED
そして今回からOPとEDが一新。OPの方は「アニソンの女王」とも呼ばれる水樹 奈々(みずき・なな)さんが歌う「No Rain, No Rainbow」。長年アニソンを歌い続けてきた奈々さんの圧倒的な歌唱力から出される曲の美しさは流石の一言。いつもの水樹奈々といった感じの曲調で色んな意味で”デュエマらしくない”のですが、そのテンポでジョーたちが動いている様子は非常に新鮮でこれもまた面白いです。歌詞も「夢」や「未来」といったワードを多用しており「自分だけの夢へと突き進む少年たちを応援する」内容に仕上がっているのがいいですね。(それでいて「切札」といったカードゲームらしいワードも入っているのが好印象)
映像の方は前半ジョーとその仲間たち、そして彼らと戦うライバルたちを紹介したオーソドック構成。チラッと映ったサイキのキングマスターにヤベーことが書かれていた気がするけど今回はスルーそして後半からはクリーチャーたちのスピーディーな戦闘が高クオリティのCGで展開されており迫力満点です。これらの組み合わせにより、今後のジョーたちの戦いを大いに盛り上げてくれること間違いなしの王道アニソンに仕上がっています。
EDはジョー編ではお馴染みの佐々木 李子(ささき・りこ)さんが歌う「スタート!」。佐々木さんの繊細な声から紡がれるどこか儚げで切ない曲調はそのままに、サビに入ってからはエンジンがかかったかのように盛り上がっていくのがこれまでとは違った曲に仕上がっていることを実感させてくれます。歌詞も「新しい始まり、その一歩を踏み出す勇気」を称える応援ソングになっており聴いているだけで励まされます。
映像はシリーズ恒例となるクリーチャーたちが動き回る内容で、美麗なCGで表現されたクリーチャーたちが立場を超えて仲良くしている様子は見ていてほっこりします。それでいてサビに突入してからは鬼札王国の軍勢とモモキングたちが合戦を繰り広げているのが今までと異なっており面白いです。(OPの映像と同じように見せかけて微妙な違いが見られるのもポイントです)特にモモダチ3匹がモモキングと共に走り出す一連のシーンは歌詞も相まってどこかウルッときてしまいます。
今回の新OP&新EDに対する期待と想いは下の記事で語りましたが、やはりいざ実物を聴いて見てみると非常にテンションが上がります。今後のアニメの展開も含めてますます毎週楽しみになってきましたね。
さて次回はジョーVSゼーロJr.のデュエマ後半戦。今回のラストでデッキーが突然苦しみだしましたが、中盤道端に生えていたキノコを食べたことが原因であることは明らかなのでこの際あまり言及はしません。
一方でジョーとJr.の戦いの行方は非常に気になりますね。話の流れからしてジョーが勝ってもJr.が勝ってもおかしくない状況なので勝敗が全く読めません。それだけに次回どちらが勝つのかとても楽しみです。Jr.のことをマークしているアバクの介入もあるようですし次回も重要なエピソードになりそうですね。
ではまた、次の機会に。
*1:前作『ズ!!』でジョーは零龍に生命の力を与えて勝利したのでそれが関係しているのかもしれません。